トップページ > 創作発表 > 2010年11月10日 > XGElNgFL

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創る名無しに見る名無し
星新一っぽいショートショートを作るスレ3

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星新一っぽいショートショートを作るスレ3
171 :創る名無しに見る名無し[]:2010/11/10(水) 19:55:07 ID:XGElNgFL
「神様」

ここは西暦2450年の世界。既に人類は前世紀からの核戦争によりほとんど死に絶えている。生き残ったものたちは、
一つの大きな都市に集まり辛うじて生き延びえていた。もちろん、犯罪は蔓延り、至るところで殺人や強盗が起こっていた。
弱肉強食の社会となり、民衆が組織した武装集団の前に警察は無力化していた。このような終末思想が蔓延する暗黒世界の中では、
もはや誰も神の名すら口にするものも居なくなっていた。

 そんな折突如、上空が眩いばかりの光につつまれた。そして白いひげに、白い立派な杖を持った老人がゆっくりと空から降りてきた。
その神々しく輝く姿を目にした人々は口々に、「神様だ!」と叫び出した。跪くものや感激の余り涙を流し喜ぶものいる。神様はゆっくりと喋りだした。
「わしはずっと雲の上から皆の者を見守っておった。もうこれ以上無益な争いは止め、お互いを尊重し平和に暮らすことを目指したまえ。」
人々は初めて、これまで自らがどれだけ馬鹿な争いをしていたかを思い知らされた。もう隣人同士争う時代は終わりを告げたのだ。
同じ一つの神を信じ団結することで、ついに人類は平和な社会を築くことになるであろう。
歓喜の聴衆に見送られながら、白い杖の神様は優しい笑みを湛え、ゆっくりとまた雲の中へと消えて行った。

白い杖の神様が雲の中の世界へと戻ると、1枚の伝言文が机に置かれてありこう書かれてあった。
予算が下りないために惑星地球実験は終わりになった。実験台は即刻廃棄処分せよ。
白い杖を放り出しながら老人はため息混じりにつぶやいた。
「せっかく神様が人間の前に現れ平和になるかの最終実験だったのに」

星新一っぽいショートショートを作るスレ3
173 :創る名無しに見る名無し[]:2010/11/10(水) 21:44:49 ID:XGElNgFL
>>171
題名は「平和」の方が分かりやすかったかも


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