- 【からくりメイデン】〜La Pucelle de Karakuri〜
189 :【第19幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:06:48 ID:MV7dgTab - ルシール「これから来る自動人形に私は息子を目の前で殺された…その時私は人間を捨てた…」
水銀燈「ッ!!」 ルシール「そしてアンジェリーナを…実の娘をバケモノ達のエサにした時…私は親であることを捨てた…」 ルシール「私は親であることも人間であることも捨てた…」 ルシール「私の血は、自動人形と同じ、闇の色をしているのさ」 水銀燈「そんなこと……」 ルシール「そんな私が結婚式なんて清らかなモノに出られると思うかえ?」 ルシール「それに……」 ルシール「女の子にとって結婚式というのは、人生で一番幸せを感じるときなのさ」 水銀燈「……」 ルシール「さあて、そろそろ時間だ。どいておくれ」 水銀燈「わかったわよ…。鳴海達にはごまかしておくわ」 水銀燈「……けど呆れたわ。たかが結婚式の為にあんなバケモノと1人で闘うなんて貴女も相当イカレてるわね」 ルシール「実の娘には何もしてやれなかったものでね……」ニヤッ
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190 :【第19幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:07:57 ID:MV7dgTab -
−そして午後9時− 蒼星石「そっか、ルシールさんは遅れて来るのか…」 翠星石「あのイノシシのふにゃけた顔が見れるのにもったいないですねぇ〜」 蒼星石「そ、それはどうかと思うよ」 水銀燈「確かに伝えたわよ」バサッ… 真紅「待ちなさい、一緒に結婚式を見ましょう」 翠星石(絶対断りますね…) 蒼星石(きっと断るだろうなぁ) 水銀燈「…」 水銀燈「今日だけよ…」 翠星石・蒼星石(な…なんと!!) 〜教会、花嫁の控え室〜 鳴海「着替えは終わったかしろがね?」 しろがね「はい、今開けますね」ガチャ… 鳴海「とってもキレイだ…」 しろがね「少し照れますね。ありがとうナルミ。しかし先生がこんな事をして下さるなんて」にこっ 鳴海「ああ、用事だかで遅れるらしいが、このしろがねを見たらきっと驚くぜ」にっ しろがね「ふふふ、どうでしょうかね」 リンゴーン… しろがね「さあ、結婚式が始まりますよ」 リンゴーン…リンゴーン… ザッ……ザッ…… 「ほう、なかなか綺麗な教会じゃないか。しろがね共の寝床にするには少し上等すぎるな」 ザ ン ッ ッ !! ルシール「上等すぎて悪いことなんてないさ」
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191 :【第19幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:08:48 ID:MV7dgTab -
ドットーレ「やあやあ、久しぶりだなぁルシール。サハラではずいぶんと世話になった」 ルシール「何だい、またオンボロになりに来たのかい?」 ドットーレ「己はお前に『復讐』をしに来たのだよルシィィール」 ルシール「ほほほ!!あんたが私に復讐かい?わざわざ蘇ってご苦労だねぇ」 ドットーレ「己を以前の己と思うなよ!?」ギロッ!! ルシール「ところで、どうしてあんたの御主人様は自動人形だけでなく私も蘇らせたんだい?」 ドットーレ「雪華結晶様のお考えは誰も知らない。無論我ら『最古の四人』もな」 ルシール(やはり最古の四人も……) ドットーレ「さぁて、お前の首を手土産に、教会の奴らも皆殺しにさせてもらうとするかな」にたぁ… ルシール「失せなドットーレ」 ルシール「ここから先は敬虔で善良なる者以外立ち入り禁止だよ」 ルシール「……あたし達は入れない」 〜からくりメイデン〜
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192 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:12:28 ID:MV7dgTab -
メイデン〜悪夢〜 ドットーレ「では、己とお前の因縁に幕を引こうか」 ルシール「その前に場所を変えないかい?ここじゃ邪魔が入るかもしれないからねぇ」 ドットーレ「良いだろう。そうそう、所で…」 ドットーレ「お前の息子は元気にしてるかい?」にやあ… ルシール「挑発しても無駄さ。今は不思議と良い気分なんだ……」 ドットーレ「そうか。死ぬには良い時期じゃないか」ニヤニヤ ルシール「フンっ!あそこのテントへ行くよ!」 ドットーレ「サーカス団のテントか……お前の最期にふさわしいなっ!!」 〜教会〜 神父「〜〜また病める時も健やかなる時も死が2人を分かつまで互いを愛し慈しむことを誓いますか」 鳴海「誓うぜ」 しろがね「……誓います」 神父「今ここに2人を夫婦と認めます。それでは誓いのキスを」 鳴海「……」スッ… しろがね「……」スッ… 水銀燈「……」 翠星石「お〜お〜見てるこっちが恥ずかしくなっちまうですよ」 蒼星石「でも……しろがねさん綺麗だなぁ」 真紅「ええ、そうね。ちょっと水銀燈。どこに行くつもり!?」 水銀燈「見る物見たし、ちょっと散歩よ」バサッ 翠星石「全く、丸くなったと思ったら直ぐに個人行動ですか!!」 真紅(この時間に散歩!?何も起こらなければ良いけど……) 水銀燈「はあ…はあっ……!ルシールはどこに行ったのよ!?」 水銀燈「たった1人で自動人形を倒せるとでも思ってるのっ!?」バサ…バサッ…!
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193 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:14:03 ID:MV7dgTab - 〜サーカス団テント〜
ドットーレ「二度と蘇らぬように念入りにトドメを刺そうかな」カチャ… ルシール「そうかい。ところでドットーレ。お前からおかしな力を感じるがそれは何だい?」 ドットーレ「くくく…死ぬまでの時間稼ぎかァ?まあ良いだろう。これを見よ!」ガバァッ! ルシール「帽子の下に…白い薔薇!?」 ドットーレ「ああそうだ。この茨は雪華結晶様が我ら最古の四人にのみ授けてくださった物だ!」 ルシール「へえぇ、見たところ、あんたの歯車にしっかりと根を張ってるが大丈夫なのかい?」 ドットーレ「我々は雪華結晶様に絶対の忠誠を誓ったのだ!その証を無くした者が朽ち果てるのは道理だろう?」 ルシール「自分から忠誠を手放した事のあるあんたがそんな事を言うとはねぇ」にやっ ドットーレ「黙れェッ!!雪華結晶様はその誓約と共に我らにローザミスティカの力を分けて下さったのだッ!!」 ルシール「ほお、そうなのかい。けれど、そんな重要な事を私に教えてしまっても良かったのかえ?」 ドットーレ「ああ良いのさ。お前を生かしておくはずがなかろう?今すぐ息子の下へ送って行ってやろう」カシャッ!! ルシール「そいつは無理さ。私は天国へは行けないよ」 ルシール「そして…これは何だと思う?」ゴソッ ドットーレ「まさか……それはッ!」 ルシール「そう、あたしらしろがねの発明の1つ、小型発信機『ヘルメス』。あんたが教えてくれた秘密をリアルタイムで発信中さ」ニヤッ ドットーレ「おのれ…おのれぇぇぇぇ」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ……!! ルシール「ドットーレあんたさ」 ルシール「 や っ ぱ 馬 鹿 だ ろ ? 」にやっ
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194 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:16:05 ID:MV7dgTab - ドットーレ「 ル シ ィ ィ イ ル !!」ダッ!!
ルシール「おほほほ!!もう一度絶望させてあげるよ!ドットーレッ!!」ギュイィイイン!! ドットーレ「そんな物が己に効くとでも思ったかぁっ!?」 ルシール「思ってるよっ」ブンッ!ビュオッ… ドガァァァン! ドットーレ「この程度の爆発でッ!!……己を壊すにはヌルすぎるぞォオ!!」ぐしゃりっ… ルシール「まだ攻撃は終わっちゃいないよっ!!」ドガガガガガ!! ドットーレ「マシンガンか。面白みのない攻撃を!!」すっ… ルシール(バカめ!その弾丸には私の『生命の水』入りの血が入っているのさ!!弾丸が一発でもかすりさえすれば勝てる!) ドットーレ「下らんな……」ピキ…ピキ… ルシール(何だいこの音は!?) ドットーレ「お前の手はこれで終わりか?」パラララ…… ルシール「っ!!弾丸が……」 ドットーレ「今度はこちらの『手』を見せてやろう!!」ダッ! ルシール「くっ!」ダッ!! ドットーレ「逃がすかっ!!喰らえ……」スッ ドットーレ「 『 紺 碧 の 手 』 ッ !!!!! 」 ピキ……パキパキッ
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195 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:21:39 ID:MV7dgTab - ルシール(またこの音がッ!?)
ピキピキピキッ!!! ルシール「足が凍って!!!!?」 ドットーレ「ふはは!!どうだ!己の掌は空気中の水分を氷結させるっ!!」 ルシール(コレのせいで弾丸は触れなかったのかい…) ドットーレ「そしてお前の周りの水分を凍らせる事により…」ピキッ… ルシール(かはっ!!息がっ…)ガクッ ドットーレ「どうだルシィィル、苦しいか!?苦しいだろう!?だが己の復讐はこんなものでないぞっ!!」ガシィ……ブンッ!! ドシッャァァ! ルシール「ぐっ……!!」 ドットーレ「まだだ!まだ終わらんぞ!」ぐいッ ドットーレ「苦しめ!!」ガンッ!! ドットーレ「 苦 し め ッ ッ !! 」 ボ ギ ッ !! ドットーレ「 苦 し め ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !!!!!! 」 ベ キ ベ キ ベ キ … ッ !!!! ルシール「ゴフ……ッ!!」グシャ…ッ ドットーレ「そして無様に這いつくばれェェェ!」ブンッ!! ズザザザザザザザッ!! ルシール「ぐ……がはっ…」 ゼイ…ゼイッ ドットーレ「くくく、良い眺めだなぁルシール。今、己の帽子でお前に最高のフィナーレを飾ってやろう!!」カシン! 「待ちなさいっ!!」ビシュシュシュ…… ドットーレ「誰だ?」 ルシール(アンジェリーナ…!?) 水銀燈「ルシール!!何よあなた!?ぼろぼろじゃない……」 ルシール(水銀燈か……)
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196 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:24:51 ID:MV7dgTab - ルシール「水銀燈…結婚式は見てきたかい……」
水銀燈「こんな時に何を!?」 ルシール「結婚式は…見て来たのかい……」 水銀燈「ええ……」 ルシール「エレオノールは…美しかったい……」 水銀燈「天使みたいだったわ……」 ルシール「幸せ…そうだったかい」 水銀燈「世界中の誰よりもね……」 ルシール「そうかえ……」ふっ 水銀燈「何笑ってるの、早くあいつを倒すわよ!」 水銀燈「ジャンクになりなさいっ!」バシュシュシュ ドットーレ「届かぬ!」ピキキ… パキキキキ… 水銀燈「まだまだぁぁぁ!!」シュババババッッ ドットーレ「これが雪華結晶様と同じローゼンメイデンの力なのか?」パシ…ッ ドットーレ「 弱 い ! 」メキ…ッッ ドットーレ「弱すぎるぞォ!!しろがね!!ローゼンメイデンッッ!!」パキキキキ…! 水銀燈「力が…違いすぎる……」
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197 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:27:11 ID:MV7dgTab - ルシール「……」
ルシール「私の力を使いな」 ドットーレ「ほう。まだ奥の手があるのか。良いだろう使ってみたまえ」 水銀燈(使えるワケないじゃない!!使ったら……死んじゃうかもしれないのよ!?)ガタガタ… ルシール「使いな、水銀燈」 ドットーレ「使え」 めぐ『使って…水銀燈……』 めぐ『私の命を…使って……?』 水銀燈「う…く……」ガタガタ!! 水銀燈「そんなの使わなくて結構よ!」ダッ!! 水銀燈「壊れなさいッッ!!」ギュアッ!! ドットーレ「遅い!」ヒュッッ!! 水銀燈「そんな……!!」 ドットーレ「どうやら壊れるのはおまえのようだなァ!」グオッ 水銀燈「くっ……」 ルシール「おどきっ!」ドンッ 水銀燈「きゃっ」 ザクッ!!!! ルシール「ッ!」…ジワァ…
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198 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 00:29:23 ID:MV7dgTab - ドットーレ「ふん。運が良いな。あと数秒遅かったらその人形の首は飛んでいたぞ」
水銀燈「何で私を庇ったのよ!!こんなイカレた攻撃がまともに当たったら死ぬわよ!?」 ルシール「心配してくれるのかえ水銀燈?おまえ私を嫌いなんだろ?」 水銀燈「何を言って……」 ルシール「嫌いなはずさ……」 ルシール「私の血は、こころは、奴らのような深い闇色…おまえのようなひよっ子と私が相容れる訳もないよ」 私を嫌っておくれ。 アンジェリーナ…… 水銀燈「キ ラ イ な わ け な い で し ょ ク ソ バ バ ア !!!」 水銀燈「あなたは私だわ!眩しい物に怯えて…けれど、それに憧れて…っ!でも、あなたは私なんかと違う!!あなたは穢れてなんかいない!壊れてなんかいないのよっ!」 水銀燈「だからルシール、死なないで……」ぽろぽろ…… ルシール「……」 ルシール「さあ、ドットーレ、決心はついたかえ!」 ドットーレ 「終わりだァ!ルシィィィィール!!」 ド ン ッ !!!!!
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199 :【第20幕】[]:2010/11/02(火) 09:04:00 ID:MV7dgTab -
ねぇ、アンジェリーナ。覚えているかい?初めて自動人形との戦いを見て怯えきったお前に私がかけた言葉を… 自動人形『ぎゃぁぁ』バギョ… アンジェリーナ『あ…あぁ…』ガタガタ バシンッ ルシール『しっかりしなさい!アンジェリーナ』 痛かったろう……やっぱり私の血は赤くはないね………… アンジェリーナ。今更だがね。あのとき、本当は別の言葉をかけてやりたかったんだ。 私があのとき本当に言いたかった言葉は… 言 葉 は … ルシール「お逃げ…」 水銀燈「え?」 お逃げなさい…アンジェリーナ… ザクッ ザアアアアアアアア おかしいね、アンジェリーナ。 テントの中に雨が降る… なんてあたたかくて、赤い雨……
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200 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 09:04:42 ID:MV7dgTab - 水銀燈「ル…」
水銀燈「ルシィィール!!」ダッ ドットーレ「ふははは。雪華綺晶様ァァ。ドットーレはやり遂げましたぞ。ふははははは」 水銀燈「ルシール!しっかりしてよ!ルシール!!何よ!こんなに真っ赤じゃないの!?あなたの血は、こころは闇色なんかしていないわ!!」 ルシール「……あら…そうかね……」 水銀燈「待ってて、今、鳴海や真紅を…」 ルシール「いいさ…」 水銀燈「え?」 ルシール「もう私はいいんだよ…」 水銀燈「な…何言ってるのよ…ルシール……私と…ろくに…まだしゃべってもいないじゃない…」 水銀燈「私…もっとあなたと話をしたかったの…教えてもらいたい事もいっぱいあるのよ…」 ルシール「それは…ブルターニュ地方一おいしい…オマールエビの煮込みの作り方だね…」 ルシール「それとも……きれいな田舎風パッチワークのやり方かい?」 水銀燈「ええ…そうよ…ルシール…」 ルシール「ああ…教えて…やりたいねえ、水銀燈。でも…時間切れなのさ…」 水銀燈「そんな…」 ルシール「人生は…そういうものだよ…」
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201 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 09:07:06 ID:MV7dgTab - ルシール「生まれた時、人は白い画用紙と色とりどりのクレヨンを渡されて、なんでも描いていいよと言われる…」
ルシール「さて何を描こうか…考えているうち…たっぷりあったはずの時間は過ぎてゆく…」 ルシール「ようやく描きたいものが決まった時には…もう帰る時間さ…描きかけの紙とクレヨンは…取り上げられてしまうんだ…」 ルシール「私はね…ずっと…紙の端を黒く塗っていたよ…水銀燈。 ウサギを描きたかったんだけど…気付いた時には…フフ…もう、白いところは全て塗り潰してた……」 水銀燈「ル…ルシール…」ぼろぼろ… ルシール「泣くのはおよし…水銀燈。あんたは…私には、なるんじゃない…よ…ちゃんと…良い絵を…」 ルシール「クレヨンをしっかりにぎって… 真っ直ぐに紙を見て… 迷わず…お描き… …自分の…絵を…さ」 水銀燈「待って!行かないで、ルシール!!」 水銀燈「ルシール!?ルシール!?ねえ、ルシール!?」 ルシール「……」ピシピシ…パキィン! 水銀燈「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ドットーレ「さて、次はお前の番だな。苦しまぬように一撃で終わらせてやろう」 水銀燈(力が欲しい……っ) 水銀燈(あいつを倒せるだけの……) 強 い 力 が ! !
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202 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 09:11:08 ID:MV7dgTab - 水銀燈「!!」
水銀燈(ルシール…お願い…力を貸して!!) ゴクッ ドットーレ「おやぁ?こいつ、ルシールの血を飲んだのかァ?」 ドットーレ「ふははははは!何という事だ!!汚らしい!死人の血を飲むとは!お前は壊れているのだな!!!」 水銀燈「うぐっ……」ドサッ… ドットーレ「はははは!あまりの絶望に自ら命を絶ったか!」 水銀燈(頭に声が響く……) 土は土に、灰は灰に!人形は人形に還せ!! 水銀燈(これが、こころの支配…『生命の水』の、呪い……) 自動人形を…壊せ 壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ 壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ 水銀燈(ああ…頭がぼ〜っとして……) …………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………………………………………………………
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203 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 09:15:10 ID:MV7dgTab - サワサワ…
サワサワサワ… ここは…どこ…? ルシール「一緒に紅茶でも飲まないかえ?水銀燈」 水銀燈「え?ルシール!?」 ルシール「何だい。あたしがいちゃ悪いかえ」 水銀燈「いいえ。どうやら、悪い夢を見ていたみたい…」 ルシール「そうかい…」 水銀燈「何だかね。ルシール…」 水銀燈「いつもよりも優しいわね」 ルシール「ふん、いつもこんなもんだよ」 水銀燈「そうだったかしら」クスッ ルシール「ああ、そうさ」クスッ ルシール「さて…と」カチャ 水銀燈「どこかへ行くの?」 ルシール「ああ、向こうに待たせている者達がいてね…」 水銀燈「ふうん。待たせなきゃ良かったのにね」 ルシール「そうだね」ニコッ ルシール「あんたはそんなことするんじゃないよ。自分の持ち時間は決して憎むことにつかってはいけないよ」 ルシール「愛することに使うんだ」 ルシール「そうすれば、出発する時が来ても、…きっと後悔は…しない」 水銀燈「ねぇ、なんのハナシ?出発って…どこに行くのよ!?」 ルシール「あんたには関係のない所さ」 ルシール「ほら、あんたにはあんたの行くべき所があるだろう?水銀燈」 ヒュオ… 水銀燈「ねぇ、待ってよルシール!」 水銀燈「ルシール!」 水銀燈「ルシールッッ!!」 ル シ ー ル !!!!!
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204 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 09:20:21 ID:MV7dgTab - 自動人形を…壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ
水銀燈(…言われなくても…そうしてあげるわよ!!) グ…ググ… ドットーレ「何だ…!?」 水銀燈「ルシールが…その血が私に力をくれた…」 水銀燈「ドットーレッ!あなたを完全に破壊するわ!!」 水銀燈「ジャンクになりなさいっ」シュババババ!! ザクザクザクザクザクザクッ 水銀燈「やったわ!」 ドットーレ「 誰 を だ い ?」
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205 :【第20幕】[sage]:2010/11/02(火) 09:22:02 ID:MV7dgTab - 水銀燈「うそ……?」
ドットーレ「己の『紺碧の手』は無敵なんだなァ……水銀燈ォォ」 水銀燈「なんで……なんでよぉぉぉぉ!!!!!!!!」 ドットーレ「はははは!!はははははははは!!!」 ドットーレ「今日は挨拶に来ただけだからここは引いてやろう。ただし、次に会った時は…水銀燈。お前の…最高に!絶望した!!その顔を見せてくれよぉ!!!?」ニタァ ドットーレ「ふはははは!ふははははははははは!!」ザッ… 真紅「ナルミ、しろがね!!メイメイはあっちに向かったわ。急いで!!」 蒼星石「これは……」 翠星石「この血まみれの服はオババの……」 しろがね「水銀燈ッ!何があったのですか!?」 水銀燈「壊れているのは…私だけ……」 鳴海「お、おい……」 水銀燈「ルシールは…ルシールは……穢れてなんかいなかったのよ…………」 からくりメイデン〜一時閉幕〜
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