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創る名無しに見る名無し
|・) ◆5b.OeHcAI2
eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2
ロボット物SS総合スレ 43号機

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ロボット物SS総合スレ 43号機
436 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/10/31(日) 17:17:58 ID:qV3P4k25
>>432
なにこれひわい
裏側は……なんですね分かります
ロボット物SS総合スレ 43号機
465 :|・) ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 21:59:08 ID:qV3P4k25
>>361
これはひどいwこんなんに追いかけられたら逃げるしかないなw
しかし6年か・・色々変わったんだね(遠い目

>>462
何だか見覚えのある機体がちらほらと……狼男さんはジャラケムかな?かっこええ
このハロウィン(と言う名のバトルロワイヤル)には巻き込まれたくないなw


んでわでわでわ



壁|・) スッ

壁|・)<誰モイナイ。誰モイナイカラ投下スルナラ今ノウチ……

壁|ミ サッ
ロボット物SS総合スレ 43号機
467 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:00:07 ID:qV3P4k25

「――ふぃー、あっぶねぇ……」

 アビスワン崩壊により巻き起こった熱線からウェルを守りきったイグザゼン/俺。その後青い光の軌跡を背後に残しつつ、空を滑る様に駆ける。

<間一髪、と言った所か。まずはあの屋敷まで向かおう。彼らもそこで待っているはずだ。>
「了ー解。」

 言われたとおり頭部を振り、俺は件の場所――ロン・クーロンの屋敷を探す。しかし


「……あれ?」

 見当たらないのだ。
 あの赤い屋根も。今にも崩れ落ちそうな廃屋も。

<目視のみではなく、センサー類も使え。座標上ではこのすぐ近くだ。>

 言われるがままに思考の内にセンサー類のものなのだろう、複数の像が重なり先程とはまったく別の光景を映し出す。
 するとビンゴ。あの2人のらしき動体反応とその近くのキャリアーのものだろう、際立った熱源も感知した。

「お〜い!」

 声を上げ、ウェルを抱えていない方の手を振りつつ、反応の元へと向かう。
 するとそこは大きな空き地だった。丁度いいやと着地と共にグランアーマーの巨体の片膝を付き、駆け寄ってきたリョウを見下ろす。

<オー!ディー……チャン?ナノカー?>
「随分大きくなったものだね。5倍ぐらいかい?」
「さっきの戦闘で突然こんなになっちゃってな。まぁそのお陰で勝てたし、それに」

 そういいつつ片手を身長に下ろす。その内には勿論

「こいつも助けられたんだ。」
「!? これは……ウェル君!? まさかあの励起獣に化けてたりしたのかい?」
「まぁ、そんな所か……とりあえず手の上から下ろしてやってくれ。」
「分かった。ミッチー、キャリアーにまで運んでやってくれ。」
<ガッテンダー!>

 ミッチーに抱き起こされ、連れて行かれるウェル。
 それを確認してから俺もグランアーマーの顕現を解く。

「ソートリターン!」

 号令と共に白銀の巨体は瞬く間に部品1つ1つにまで分解され、白い光となって消えていく。
 残ったのはその中心にいた俺とアリスだけ。

「――ふむ。脈も正常。外傷も無し……見た所すぐに目覚めそうだね。」
「死ぬ気で助けたからなぁ。そうじゃねぇと……しっかし、お前ら何でこんな何も無い所まで移動してんだ?あの屋敷はどうしたんだ?」
「? ……ああ、そうか。」

 俺の言葉に何やら納得したような表情を浮かべるリョウ。
 どういう事だといぶかしんでいると

「ここが、屋敷“だった”場所だよ。」
「屋敷……だった?」

 言葉の意味も分からないまま周囲を見渡す。
 するとおかしなモノを1つ見つけた。
ロボット物SS総合スレ 43号機
468 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:01:09 ID:qV3P4k25

「……穴?」

 水を並々と湛えた10m四方ほどの大きな穴が、雑草の生い茂る空き地の中央付近にそれだけぽっかりと空いているのだ。言うまでもなく不自然極まりない。

「元は地下へと続く直通エレベーターがあった空間さ。」
「!」
「……僕が屋敷より飛び出した直後だったかな。背後から轟音と共にそちら側へ引き込む猛烈な突風が吹き荒れてね。それが止み、気が付けばこんな状態になってたんだ。」
「ふへぇ……」

 屋敷が消える? それも跡形も無く?
 そんな事が本当にあるのだろうか。ただそういう理不尽な事にはもうそろそろ慣れて来た頃。それに実際に消えてしまっているのだから文句の付けようもない。

「……ディー。」
「ん?」

 周囲を見渡しつつ歩き回っていたアリスが足を止め、こちらを見据える。

「ここを中心にこのジャンクヤード全体を覆うほどの、しかし酷く微弱な……私でも注意せねば分からないような励起反応の残滓がある。私の感じていた違和感の正体はこれだったようだ。」
「ふぅ〜ん……って、励起反応ってまさか!?」

 励起反応。
 他にも事象励起なんていう言葉をアリスから聞く事はよくある。そしてそれらの名を聞く時は決まって

「――ああ、励起獣だ。」

 怪異の類が現れた時だ。




「……つまり、あの屋敷は一種の励起獣だったと?」
「そういう事だ。励起獣は何も怪物の姿だけをしているだけではない。過去か未来か、まったく別のセカイの、別の時間軸か……
 とにかく、他の“何処か”にあった情報を元に自身を構築する事もある。攻撃性のあるなしもモノによってまちまち。安定しているものほど小さいようだ。」

 つまりは俺らは知らず知らず自分達からバケモノの腹の中に入っていったという事。
 そう考えると身震いがする。

「残された励起反応の経路を見るにそれはこの穴を通り、湖底へと続いている。どうやらXiカラムか、あるいはあのあれを収めていたドームそのものがこの屋敷にとっての“セカイの楔”だったようだ。」
「それが潰れたから消滅したと……」
「ああ。」

 軽く言ってくれるが、つまりはロンと言う男はそんなバケモノの中でその核を使い、何やらをしていたという事になる。しかし――

「そういや、リョウ。」
「なんだい?」
「ロンって奴は何十年も前からここにいたんだよな?」
「そうだ。彼から聞いた話だけど、失踪する直前まで3,40年はここで住んでいたんじゃないかな。」
「つー事は、励起獣ってのは昨日今日この世界に現れたもんじゃないんだな……」
「前も言ったが、彼は“セカイ外の存在”について研究を行っていた。励起獣の腹の中に住んでいたのもその一環だったのかもね。」
「んー……」

 俺だったらお断りだな、なんて思いつつ改めて空き地を見渡す。
 さっきまでここに大きな屋敷があっただなんて誰に説明しても信じてくれはしないだろう。それぐらい綺麗さっぱり消え去っていた。
ロボット物SS総合スレ 43号機
469 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:01:59 ID:qV3P4k25

(……ここで、「ロン・クーロン」ってのは一体どんな研究をしていたんだろう?)

 リョウ曰く、ありとあらゆる場所を観測出来るという「Xiカラム」。
 そしてアリスの知識としての「記憶」。
 正体不明の「観測者」。

 アリスの言う事が確かなら、何処かにこれの元となった“本物”のあの屋敷があるのだろう。ひょっとしたらそれがアリスと関係が……?

「ところでディー君。」

 そんな思考を遮るリョウの声。
 なんだと返す俺とただ沈黙を守るアリスの顔を交互に見回し、決まっているだろうと言う。

「「Xiカラム」の事さ。色々取り込んでた事もありちょっと遅くなったが、聞いておきたいんでね……君達はあれで何を見た?出来うる限り詳しく話してもらいたい――ひょっとしたら、力になれるかもしれないからね。」
「Xi、カラム……」

 確かに俺はあの装置の内で「何か」を見た。
 大半が口では説明出来ないような異様で、どうしようもなくおぞましいモノどもだったが、僅かながら口に出せそうな、それらしいカタチを残した記憶もある。

「俺が見たのは――」

 5つの“影”。
そして“観測者”。それが提示した俺の家族の行方のビジョン。
 それぞれを朧げな記憶の内より手繰り寄せつつ思い出し、ゆっくりと話していく。楽しげに聞くリョウ。派手に相槌をうってくれるミッチー。ただ黙ってこちらを見つめるアリス。三者三様の反応だが、皆興味深げに聞いていた。

<ヘェ〜……>
「……ふむふむ、なるほど。“観測者”に“摩天楼”か。実に興味深い……そうだ、アリス君も何か見たのだろう?是非とも教えて欲しいのだが……?」
「ソートシンクの影響か、私が見たものも似たようなものだ。特筆して付け加える事は無い。」
「そうか、それは残念……流石に相乗りは良くなかったのかなぁ。」
「…………」
「……ああそうだ、リョウ。お前もあの装置を使った事はあるんだろ?ならその“観測者”なんかにも……?」
「いいや。僕があの装置で見たことがあるのは像やイメージのみ。あれを伝って特定の誰かと会話をした事なんて一度も無かったよ。」
「じゃあ、俺が見たあれは一体……?」
「さぁ、ね。ただそんな事を考えるよりもベル君らを助ける事を考える方が先決だろう?君の説明で彼らの居場所の目星も付いたしね。」
「本当か!?」

 思わず声を大にし、詰め寄る俺。
 対するリョウはまぁ落ち着けと制しつつ、言葉を続けた。

「その名は「ペンタピア」。このアクアリングやスチームヒルも含まれる“ペンタピア連合”の中枢さ。」
「ペンタピア……」

 俺だってその名前ぐらいは聞いた事がある。
 この地方の経済の中心にして一番大きなジャンクヤード。皆の憧れであり、他のジャンクヤードからの移住者も多いらしい。

「そんな所にあいつらが……」
「決定打となったのは“摩天楼の中に聳える一際大きなビル”という言葉。そんなものがあるのは僕の知る限りではあそこだけだからね。」

 なんて言いつつリョウはいつの間にやら手に持っていた分厚い本のページを捲り、ある所で止める。
 そこにあったのは

「これだろう?」
「……!」

 そこに載っていたのは天に向かって聳え立つ、桁外れに巨大な直角三角形の形をした威容。
 周りのビルが豆粒にさえ思えてくるほどの馬鹿でかさ。ヒルズコンビナートの一体何倍ぐらいの大きさだろうか……そしてまた、見間違えるはずも無い。
ロボット物SS総合スレ 43号機
471 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:02:52 ID:qV3P4k25

「こいつだ……!」

 それは、俺がXiカラムにて視たあの建物と極めて酷似していた。

「背鰭の塔(ドルサルタワー)。“縦穴”や“ギガライン”と同じく、何者かの遺した遺物を再利用したもの。現在はペンタピアの中心にして、ペンタピア軍の一大拠点でもある――これに間違いないんだね?」
「ああ、間違いねぇ――が、えらい所に浚われたもんだな……」

 場所さえ分かれば後はどうとでもなる。
 間違いなくあの黒いのや、その仲間もいるだろうし一筋縄ではいかないだろうが……

「ディー君。」

 そんな事を考えていた俺に呼びかけるリョウの声。それにんだよと返すと

「逸る気持ちは分かるけどね、だからと言って今からいきなり飛び出すなんて無茶はしないように。」
「うっ……」
「やはり図星か。アリス君はどう思う?」
「肯定。気付いてはいないだろうが、グランアーマーの顕現化などという無茶もしたのだ。明日一日程度は休んだ方がいい。」
「……と言う事だ。決定だね。ただ休む所なら心配しないでもいいよ、既に手配済みさ。」
「だけど……!」

 逸る気持ち。焦る気持ち。
 あの時視た、ベルの力無く座り込み、悲しそうにしている姿を思い出す。バールの捕らえられた後姿を思い出す。
 あんな目に遭わせた奴らが憎い。一刻も早く、奴らをぶっ飛ばして皆を助けたい。
 ただただその一心だった。

「だから落ち着けと――これは僕の純粋なる予想だが、彼らは君らを誘き寄せる為の「奴ら」の用いた、言わば“餌”。
 ならば辿り着くまで何かするなんて事は無いだろう。急いだ所で何にもならない。どうせ行くならきっちりと体力を回復させて、万全の体制で臨んだ方がいい。」

 リョウの視線が俺を射る。

「…………」
「…………」

 眼鏡の向こうの真っ直ぐな、見透かすような瞳。何処か飄々として、底の見えない男だが、こういう時のこいつには逆らえない――そう思わせる“何か”があった。

「……わーったよ。俺の負けだ。まぁ俺が行こうとしてもアリスがいないとどうにもならないんだけどな……」

 そもそもこの問答に意味が無かった事に気付くが

「お前は私の“御する者”。私も最善を尽くすが、最終的な意思決定権はお前にある。」

 そんな事を言ってくれるアリス。
 ただ頭の熱も引いた今、無理矢理変身して飛び出す気はもうない。


(……明日、か。)

 日は傾き、スチームヒルでは信じられないぐらい紅く染まり上がるアクアリングの空の色。
 湖も、湖岸のビル群も、皆が皆同様に紅く染まり

(ベル、バール……絶対、絶対助けてやるぞ……!)


 俺の思いも、染めていった。
ロボット物SS総合スレ 43号機
473 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:04:10 ID:qV3P4k25






 音。
 水音。
淡々とし、画一的な。

「…………」

 あたしに、白いタイルに、全部に、満遍なく平等に降り注ぐ。
 タイルを叩く水音と共に湯気が濛々と立ち込め、ただ天を仰ぎ、棒立ちとなったあたしを包み込む。

「…………」

 ここでの生活もこれで3日目。
 あまり長くないように感じるけど、あたし的には1週間位には軽く感じた。
 今のあたしに出来る事と言えば、あのベッドで突っ伏すか、いつの間にやら置かれている軽食や7時、12時、19時に規則正しく忽然と現れる食事を食べる事か、こうやってシャワーを浴びる事ぐらい。他には何も無い。

「………はぁ。」

 何度もここから出ようとはした、がそれらも徒労に終わる。
 騒いだ所で虚しくなるだけ。扉は溶接でもしているのかと思えるぐらいガッチリ閉じられ、他に窓らしい窓なんて遥か下に摩天楼を望むあの大きな窓ぐらい。
 それも椅子を思いっ切りぶつけても傷一つ入らないのだから恐れ入る。一体何で出来てんだか……是非ちょっと調べてみたいけど、今はそんな事言っている場合じゃあないか。

「みんな、どうしてるかな……」

 失って初めて分かるモノ。
 多少焦げてたりして不恰好だけど皆で食べる料理の美味しさ。質自体はここで食べるものの方がずっといいんだけど、そんなものでこれには代えられない。
 忙しくとも働ける楽しさ。お客さん達と世間話をし、バールに手ほどきを受け、忙しなく走り回るのは、ここでぼうと寝転がっているよりずっといい。
 皆と遊ぶ楽しさ。たまの休日に友達や、ディーとウェルと一緒に下に下りて馬鹿やる事の楽しさは、何事にも代えがたい。

 全ては、“日常”。
 失わないと大切さの分からないモノ。

ロボット物SS総合スレ 43号機
475 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:04:51 ID:qV3P4k25

「――――」

 だが、それを失い嘆いているだけのあたしじゃない。
 諦めるもんか。絶対に、絶対に、取り戻すんだ……!


――――e■■r-X■■ m■■h■ ■■c■■■


「……!」

 拳を硬く握り締め、そう誓うあたしの脳裏に“何か”が囁いた。
 ノイズに紛れて擦れ、まったく聞き取れなかった声。
 だけどそれは確かに響いて、あたしに届いた。

「誰!?」

 思わず振り返り、周囲を見渡す。だが勿論誰も居はしない。ただ――

「!」

 床を覆う白タイル。そこに“それ”は転がっていた。
 水に濡れた、深い蒼を湛え、透き通った美しい短い刀身。

「これって……」

 恐る恐る拾い上げてみる。
 間違いない。以前“下”を訪れた時の騒動で、偶然手に取ったあの短刀。

「アリス、ちゃん……?」


 聞こえる筈の無い声。
 ある筈の無いモノ。
 理解しようの無い事象。



 ――何かが、確かに何かが、ゆっくりと、軋みを立てつつ、転がる様に、動き出していた。



                                                       Act.9_end
ロボット物SS総合スレ 43号機
476 :eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2 [sage]:2010/10/31(日) 22:05:32 ID:qV3P4k25
というわけで生存報告兼投下でありますた。


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