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創る名無しに見る名無し
自動作成されるキャラクターで短編小説2

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自動作成されるキャラクターで短編小説2
48 :創る名無しに見る名無し[]:2010/10/12(火) 01:08:39 ID:yl8ie8cX
今回はタイトル付きです。
設定としては、寿司屋での客と板前の会話と思ってください。

【特徴】
いつも黒い服ばかり着てる、
わさびが嫌い、
家族に旅館で働いてる者が居る

4レス投下します。
自動作成されるキャラクターで短編小説2
49 :創る名無しに見る名無し[]:2010/10/12(火) 01:09:24 ID:yl8ie8cX

【質問の多い寿司屋】

「わさび、きらい?」
「……えっ?」

突然話しかけられ、手が止まる。
質問の意図がつかめず、思わず聞き返してしまった。

「えっとね、いつも、わさびの入ってないお寿司、でしょ? だから、わさびがきらい、なのかなあって」
「あー……。そうだな、わさびはきらいだ。うん」

いつもそうだが、ずいぶん幼いしゃべり方をする女だ。
たしか、年は25,6といったはずなんだが。

「どうして、わさび、きらいなの?」
「実家がわさびの名産地で、いつも食べさせられていたから、だな」

息継ぎが下手なのか、単に舌足らずなのか。
よくこんなしゃべり方で生きていけるよな。
自動作成されるキャラクターで短編小説2
50 :創る名無しに見る名無し[]:2010/10/12(火) 01:10:08 ID:yl8ie8cX

「……いつも? いつも、わさび?」
「ん? ああ、実家が旅館で、お客さんに出す料理の余りが俺たちの食事だったんだよ」
「ああ、そっか。それで……」
「いくら名産地でも、毎日料理に出ると……な」

舌の回転はいまいちだが、頭の回転はまあまあらしい。
客用のわさび料理の残りを毎日食わされていたのだが、
そうはっきり言わずとも理解できたようだ。

「そっか……、うん、わかった」
「ああ」

とりあえず、質問はひと段落というところか。
いつも変な質問の多い女だが、今日はまた特に変な質問だったな。
まあ、さび抜きの寿司ばかりなんて、確かに珍しいだろうけど。
自動作成されるキャラクターで短編小説2
51 :創る名無しに見る名無し[]:2010/10/12(火) 01:10:53 ID:yl8ie8cX

「……ねえ、また少し、きいてもいい?」
「ん? なんだい?」
「あのね、いつも真っ黒なのは、どうして?」
「真っ黒? あぁ、俺の格好がか。単に趣味だ。黒が好きなんだよ」

友人達からはおかしいおかしいと言われる。
確かに、頭の上から足の先まで黒尽くしなのは珍しいかもしれないが、
別に黒を着てはいけないというルールはないのだから、文句を言われる筋合いはないはずだ。

「んー……、でも、あまり、いないよ?」
「俺みたいに真っ黒な奴は、だろ? いいんだよ、ほかの連中と俺は違うんだからな」

要領の得ない質問だが、何が言いたいのかはわかる。
もう、常連と言ってもいいほどこの店で顔を合わせてるんだ。
こんな妙な会話も、すっかり慣れたもんだ。

「でも……、なんだか、怖い人みたい……」
「まあな。上から下まで黒づくめなんて、水商売かヤクザ者か。怖いと思われても仕方がない」
「だけど……、ほんとは、こわくないでしょ?」
「いつも俺としゃべってるあんたなら、分かってると思うけどな」
「……うん。こわくない。だいじょうぶ」

かあっ! にくいねぇ、この笑顔が!
思わず独り占めにしちまいたくなるぜこんちきしょう!!
おおっといけねえ、素が出ちまった。
自動作成されるキャラクターで短編小説2
52 :創る名無しに見る名無し[]:2010/10/12(火) 01:11:37 ID:yl8ie8cX

「あんたのその笑顔、まるで天使みたいだよな」
「ええ? ……そんなこと、ないよ……」
「恥ずかしがんなって。いつも白い服着てるからよ、ほんと天使みたいに見えるぜ」
「んん……、でも、うれしい。ありがと……」

はにかむ仕草もほんとにかわいいぜ!
こんな俺にも、こんなすげえ知り合いができるんだ。
ほんとにいい店だぜ、ここはよう。
っと、そろそろ時間だ。

「それじゃお客さん、そろそろ店じまいだ。いつも閉店まで付き合ってくれて、ありがとうな」
「うん、たいしょうのお寿司、とってもおいしい。おはなしも、楽しい。また、くるね」
「おう、待ってるぜ! じゃあまたな!!」
「うん、ばいばい」

小さく手を振る彼女に、俺は大声で声をかけた。

「ありがとうございやした! またどうぞ!」


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53 :創る名無しに見る名無し[]:2010/10/12(火) 01:12:20 ID:yl8ie8cX
こういうのを叙述トリックっていうのか?
ではまた。


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