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◆.WX8NmkbZ6
MOON PHASE ◆.WX8NmkbZ6
多ジャンルバトルロワイアル Part.7

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多ジャンルバトルロワイアル Part.7
402 : ◆.WX8NmkbZ6 [sage]:2010/10/12(火) 01:00:33 ID:d1D/p7yv
シャドームーンを投下します。
多ジャンルバトルロワイアル Part.7
404 :MOON PHASE ◆.WX8NmkbZ6 [sage]:2010/10/12(火) 01:01:45 ID:d1D/p7yv
――この地球はやがてゴルゴムに支配される。
――下らない戦争も無くなり、金に目が眩んだ人間達も滅びる。
――新しい世界に生まれ変わるのだ。

 規則正しく、澱み無く、変わらぬテンポでシャドームーンは歩みを進める。
 足が地面に着く度に踝のレッグトリガーは独特の金属音を奏でた。
 思い出しているのは妹の秋月杏子、それにかつて恋人だった紀田克美と再会した時の会話だ。

――だが、そうなる前にお前達だけは助けてやる。
――どんなに姿が変わっても、お前達の事は今まで以上に思っている。

 この誘いに対して返って来たのは、拒絶の言葉だった。

 しかし心を強制的に排除された存在であるシャドームーンは何も感じない。
 「いずれお前達にも分かる日が来る」と、それだけ言い残してその場を後にしたのだ。
 結局二人がこの提案に乗る事は無く、今はゴルゴムの支配を逃れアメリカへと渡っている。
 それでもなお、シャドームーンが何かを感じる事はなかった。

 心が無いならば何故わざわざ過去の、それもごくささいな出来事を思い返すのか。
 その原因は公園で接触した名も知らぬ少女にある。
 少女が見せた眼に苛立ちを感じる裏で、シャドームーンは僅かに既視感を覚えた。
 その理由を考えて記憶を辿り、行き着いたのが杏子と克美の眼だったのだ。
 「元の信彦さんに戻って」と懇願した眼の奥にあったのは、あの少女のものと同じ憐憫。
 親しかった相手が変わり果てた姿への哀しみ。
――だがそれに気付いたところでやはり、シャドームーンの思考に変化は訪れない。
 影響された事と言えば、せいぜい進路を西に取った事ぐらいだろう。

 亀山薫に足止めされながらシャドームーンは逃げていく五人の姿を捉えていた。
 例の少女を含む三人は東へ、抵抗を続けていた二人は西へ。
 殺し損ねた少女に止めを刺すなら取るべき進路は東だ。
 サタンサーベルや南光太郎のみに固執しなくなった以上、これまでの進路の逆走にも抵抗は無い。
 或いは当初の目的を思えば南に向かうという選択肢もあった。
 即ち活動している参加者同士は殺し合わせておき、潜んでいる人間の抹殺に終始するという選択だ。

 しかしシャドームーンが公園で回復を済ませた後に進んだのは西だった。
 少女を殺す事自体は容易いが、そこで少女を追う事はシャドームーンのプライドが許さなかった。
 悲鳴を上げず、助けを求めず。
 それは弱者に出来る唯一のささやかな抵抗に過ぎない。
 だが同時に、唯一シャドームーンと対等に戦う手段でもある。
 今もしシャドームーンが少女を殺す事に拘れば、それは少女に敗北したも同然。
 少女を屈服させられなければ、シャドームーンの勝利とはならないのだ。
 故にシャドームーンは考える。
(二度とあんな眼が出来ないよう、次に会う時までに参加者達の死体を積み上げ、見せ付けてやろう。
 恐怖し、泣き叫び、助けを求め、絶望したところを殺してやる)

 そして参加者達を敵と見なした今、参加者間で殺し合わせるという消極的な姿勢を取る理由も無い。
 率先して殺し合いに加わり、敵を纖滅する。
 自身の存在感をそのまま表す足音を隠す事無く、シャドームーンは二人のライダーを追った。


多ジャンルバトルロワイアル Part.7
405 :MOON PHASE ◆.WX8NmkbZ6 [sage]:2010/10/12(火) 01:03:04 ID:d1D/p7yv

 荒廃した公園でシャドームーンは暫く回復を待つも、普段よりも格段に時間が掛かった。
 能力の抑制はここにも影響していたらしく、恐らくブラックサンも同様に制限されているのだろう。
 つまりブラックサンと互いに全力で戦う事は出来ないという事だ。
 その事にシャドームーンは憤りを覚えるが、殺し合いの開始当初よりは薄い。
 この会場にいる残り五十人程の敵達を対等に近い条件の中で倒す。
 世紀王に対抗出来る可能性のある者達がいると知った現在ではそれに納得しているからだ。
 ただし世紀王となった自分を今なお「信彦」と呼び続ける男との決着への執念は変わらない。

 ブラックサンとの戦いは既に一度目の衝突で決していた。
 それでも未だ決着がつかないのは、その際キングストーンの回収に失敗したからだ。
 一瞬だけ南光太郎の姿に戻ったブラックサンの死体に、シャドームーンは手出し出来なかった。
 秋月信彦ではなくなった身で何を躊躇う必要があったのか、シャドームーン自身も未だ分からない。
 創世王となる為にはそれが不可欠と知りながら遺体を捨て置いた結果、ブラックサンは復活した。
 今更口惜しいとは思わず、むしろより強力になったブラックサンとの再戦は喜ばしい。
 例え創世王に用意された舞台で、創世王の何らかの企みの上での戦いであったとしても。
 それはシャドームーンが自ら選び取った宿命なのだ。
(待っていろブラックサン。
 必ずや貴様をこの手で倒し、次期創世王の座に着いてみせる!)

 シャドーチャージャーの修復を終えると、シャドームーンは崩れたブランコの柵から飛び降りた。
 そして体力の回復を待たずに歩き出す。



 前方で火の手が上がるのを見ながら、シャドームーンは低く嗤った。
 参加者同士で束になってでも倒せない相手がいるのを知りながら、参加者同士で殺し合っている。
 放送によれば現時点で死者は十六人、シャドームーンが手を下す前に既に十四人も死んでいる。
 そんな人間達の姿が酷く滑稽だった。
 だがいかに人間達を見下そうと、彼らを敵と見なしているシャドームーンに最早油断は無い。
 慢心も無い。
 己の敵を皆殺しにすべく、更なる戦いを求めてシャドームーンは一路西に進んだ。

 シャドームーンが由詑かなみの抱いた感情を理解する事は、恐らくこの先も起こり得無い。
 ここにいるのが秋月信彦ではなく、シャドームーンであるが故に。


多ジャンルバトルロワイアル Part.7
407 :MOON PHASE ◆.WX8NmkbZ6 [sage]:2010/10/12(火) 01:05:43 ID:d1D/p7yv
【一日目朝/F−3 道】
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:無し
[支給品]:支給品一式、不明支給品1〜3(確認済み)
[状態]:疲労(小)
[思考・行動]
1:殺し合いに優勝する。
2:元の世界に帰り、創世王を殺す。
3:かなみは絶望させてから殺す。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
多ジャンルバトルロワイアル Part.7
408 : ◆.WX8NmkbZ6 [sage]:2010/10/12(火) 01:07:38 ID:d1D/p7yv
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