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創る名無しに見る名無し
少女漫画キャラバトルロワイアル
ロリショタバトルロワイアル27

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少女漫画キャラバトルロワイアル
266 : ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:43:15 ID:S0Q4nNgQ
投下します
少女漫画キャラバトルロワイアル
267 :透友人帳 ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:44:32 ID:S0Q4nNgQ
ぺたんと膝を折って座り込んだ少女が、どこまでも高い青空をぼんやりと眺めている。
その双眸は確かに上空を映しながらも、どこか現実の色が感じられない。
がたがたと小刻みに震える肩口を両腕でぎゅっと強く抑え込んで、
彼女はもう何度目かわからない言葉を、再び繰り返すかのように口にする

「うそです……慊人さんが、あんな……あんなひどいこと」

先刻見た光景が、頭に焼き付いて離れない。
自分たちに向けて平然とした態度で「殺し合え」と告げた慊人さんの冷たい表情。
そして、言う事を聞かないものはこうなるとでも教え込むように、
あまりにも呆気なく、とても簡単に爆破されてしまった紫呉さんの首輪。
「紫呉さん……、どう、してですか……?」
風音にも負けるような弱弱しい声で発されたその質問に、答えてくれる人はもういない。
いつもなら、冗談じみた台詞が後ろから聞こえてくるはずなのに。
「あ……、しぐれ、さ……、しぐれさん……っ」
泣きたくなるのをこらえようとするけれど、そんなのは無駄な努力だった。
気がつけば透は声の限りを尽くして泣き叫んでいて、どんなに頑張ろうと止めることは不可能だった。
ひくひくとしゃくりあげる咽喉を震わせながら、両の瞳から涙がとめどなく流れ落ちる。
頬を伝ったその水滴が地面にぽたりぽたりと落下し、水溜りのように大きな染みをいくつも作る。

どうして自分の大切な人は、みんなこの手から零れてしまうのだろう。
お父さんもお母さんも失って一人で生活していた自分が、やっと見つけた新たな温もり。
それすらも簡単に奪われて、一体どうすればいいというのか。

色々な場所、様々な人、見たこともない不思議の数々。
彼らと知り合ったおかげで出会うことのできた、数多くの幸せ。
それらはすべて、あの日あの瞬間、透が紫呉の家に訪れたときから始まった。
言い換えれば、紫呉との巡り合いが全ての始まりだと言っても過言ではない。

――――それなのに、もうその紫呉はいないのだ。

私がお台所で夕御飯のお味噌汁を作っていて、
由希君は学校の課題を解いていて、夾くんは縁側でお昼寝をしていて。
そして紫呉さんは、自室で締め切りに追われた原稿を書いている。
夜になって、私が「夕御飯ができました」と声をかけると、
みんなそろってテーブルについて、私の作ったご飯をおいしそうに食べてくれる。

そんな平穏な日々が嬉しかっただけなのに。
何でそんなささやかな幸福さえ叶わないのだろう?
「嫌です、こんなの……。こんなのおかしいです……っ!!」
泣き声を上げ過ぎて咽喉が枯れたようにかさかさと痛む。
小さく咳き込んでむせながら、傍らのバッグを開けて中のペットボトルを取り出した。
蓋を開けて唇を近付け、ゆっくりした動作でこくこくと中身を飲み下す。
ほんの少しだけ落ち着きを取り戻し、涙で濡れた瞳を両手の甲で軽く拭った。
制服のポケットに入っていたハンカチを水で湿らせ、真っ赤に腫れた目元を優しく冷やす。

親しい者の死を前にして、張り裂けそうな胸を掻き抱き、歩くことすらできなくなるのは当然だ。
特に、失うことの辛さを誰よりもよく分かっている、優しい心の持ち主ならば。

――――――けれど、少女は知っているから

辛い時、苦しい時に、その場に立ち止まり座り込んでいるだけでは駄目なのだと。
どんなに過酷な現実が押し寄せてきても、歩き出さなければ生きてはいけないと。

滲んだ視界の向こう側に見つけた人影に向かい、彼女は歩き出す。
一歩、また一歩。例え歩みは遅くても大丈夫だ。きっと前に進めるはずだから。


     ○     ○     ○

少女漫画キャラバトルロワイアル
268 :透友人帳 ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:45:22 ID:S0Q4nNgQ


どこからか聞こえた女の泣き声を耳障りに思いながら、朱里は木々の間を歩いていた。
更紗の声ではないな、というのはその声を耳にした瞬間に、直感で分かった。
彼女は強い。自分が心底惚れ込んでしまうほどに、その精神は強くしなやかだ。
例えこんな状況であったとしても、見苦しく泣き喚くような真似などしない。
それが分かっていたからこそ、特別、その泣声の主を探そうとは思わなかった。
「しかし、更紗は早く見つけ出さねばならんな」
この場にその大切な彼女がいることを思い、朱里は己に誓うかのように独りごちた。

荷物の中に入っていた名簿のなかに、彼の知る名前は自分を除き全部で四つ。
更紗、揚羽、浅葱、四道。皆、自分によく関わりのある者ばかりだ。
更紗は朱里の恋人(……のはずだ。自分の勇み足でなければ)で、
女だてらになかなかの修羅場を潜り抜けているが、所詮は一般人だ。
一刻も早く見つけて、この手で守ってやらねばならない。
揚羽というのはよく知らないが、確かタタラ軍に味方しているという隻眼の派手な男の名だった筈だ。
当然この場では、敵対している自分に対し、不利な動きをするかもしれない。気を付けねば。
更に敵対者といえばもう一人。勿論、浅葱の阿呆にも注意しなければならない。
こいつは阿呆なだけあって何をしでかすかわからない分、本当に厄介だ。

――――だが、そんなことよりも気にかかるのが四道の名が書かれていることだった。
自分にとって唯一の親友といってもよい従弟であり、最も信頼する部下でもある彼。
仏の四道との二つ名を持つその男は、桜島の合戦で憎きタタラ軍に討たれ非業の死を遂げた。
まさに「ホトケ」となった筈のその男の名が、なぜここに在るのか。

「まさかあの男の言ったことは本当だとでもいうのか……?」
朱里が思いだしていたのは、開始前に着物を着た男が話していた内容だ。
あのふざけきった男は「好きな願い事をかなえてやろう」と自分たちへ高らかに告げた。
そしてその願いには、不老不死――――命の再生すら含まれるのだと。
だとするならば、まさか四道は強制的に生き返らされたとでもいうのか。
墓穴から遺骸を掘り返され、黄泉の国から魂を連れ戻されて、
こんな下らない儀式とやらに参加するためだけに、再びその命を辱められようとしているのか。

「ふ、ふはははは……っ、はははははははっっっ!!」

突然、狂ったように大声をあげて哄笑をあげる朱里。
その様は、かつて民から『赤い鬼』と呼ばれ恐れられていた姿に酷似していた。
 
「……どんな願いでも叶えてやるだと? ふん、馬鹿にするな。
 俺の野望は俺のものだ。俺がこの手で掴むものだ! お前らのような他人に叶えてもらう義理はない。
 いいか、馬鹿げた儀式の主催者共、俺がお前たちによく思い知せてやる。
 俺と俺の大切な者達を虚仮にしたのが、一体どれほどの罪か! その身にしかと刻みつけてやる!!」

更紗との出会いや沖縄での経験によって、王ではなく一人の人間としての心が芽吹いた朱里。
しかしそれでも、彼には未だ『赤の王』としての資質がしっかりと残存していた。
王たる者に必要な、絶対的なプライド。それは朱里が朱里であるために必要な、最も根源的なものだった。 
その自分自身を嘲っただけでも十分だというのに、最愛の恋人と親友の命まで軽んじられているのだ。
朱里にとって何より大切なその三つを同時に馬鹿にされ、一体どうして平静でいられるだろう。

「貴様らは俺が殺す。この手で! この腕で! 必ずこの俺が殺してくれる!!」
そう叫び、己の腰に差した刀へと腕を伸ばす。
彼が手にしたその刀は、桜島の海底で長い時を眠っていた伝説の宝刀・朱雀の刀。
抜き身の刃を眼前にぎらつかせて、まさに王族のみが持ちえる堂々たる態度で朱里は宣言した。
しかし次の瞬間、その言葉は別の声によって即座に否定される。

「あ、あの……それは駄目です……」
「ん?」

少女漫画キャラバトルロワイアル
269 :透友人帳 ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:46:20 ID:S0Q4nNgQ
木の間を縫って現れた少女がおずおずとかけた声は、聞き覚えのあるものだった。
どこで聞いたのかと考えて、先ほどの泣声と同一であることに漸く気付く。
しかし、朱里にとってそんな些細な事柄はどうでもよい問題だった。
重要なのは、己の切実なる決意をこの少女に批判されたということだ。
「どういうことだ? 何が言いたい」
「あ、慊人さんは、もうあんなことするはずないんです。きっと何かあったに決まっています」
「慊人『さん』? お前! まさかあいつの知り合いか」
その質問に、少女はこくんと首を縦に振って頷き肯定の意を示した。
ついている。こんなにもすぐあの男のことを知っている者に出会えるとは。
「はい。慊人さんは草摩家の当主で、私とは……」
そこで一旦言葉を切り、言い淀むように口を濁す少女。
しかし一瞬ののち、彼女は何かを振り切ったかのような確固たる目つきで、言葉を続けた。

「私とは……お友達です」

そう告げた少女の表情に、朱里はどうしてか腹の底から湧き上がる苛立ちを覚える。
それは、彼女の顔に一点の曇りも見当たらなかったからなのか。
「……友達だと?」
「はい、そうです。私は慊人さんがどういう方か知っています。
 ……慊人さんは確かに、他の十二支の方達に酷いことをしていたこともありました。
 でも、今はもう違います。慊人さんは辛くて、苦しくて、必死に変ろうとしていたんです!
 だから……、だからあれはきっと何か理由が……」
「ふん、どうだかな。お前が何と言おうと、俺には信じられない」
少女の台詞を途中で切り、吐き捨てるように唾棄すれば、相手は驚いた顔でこちらを見上げてくる。
「そんな……ひどいです……っ!」
「あの慊人とやらが男を殺した時の顔を見ても、まだそんなことが言えるのか?
 あれは、狂人の目だぞ。人を殺すことに何のためらいも覚えない人間の目だ」
「そんなことありません!!」

「いいか、女。俺はヤツを殺してでも、この儀式に反抗する。
 俺は、俺をこんなふざけた場所に呼びつけた主催者を決して許さん。
 目的を同じくする者たちを集めてやつらに反抗し、ここから必ず逃れてみせる」

朱里の思いはただ一つ、下らない殺し合いを強要する儀式の首謀者に対抗すること。
その目的を妨害するものは、すべからず斬捨てるべき存在だ。

「それは……、私だってそうしたいです。
 私だけじゃありません。夾君や由希君も、殺し合いなんて絶対にしたくないでしょうから。
 でもそのために人を……、慊人さんを殺すだなんて、そんなことできません!!」
「……それならお前は、ただの足手まといでしかないな」
そう口にすると、朱里は先程から握りしめていた剣の切っ先を少女の首元へと突き付けた。
一分の無駄もないその動きは、彼が人を殺すことに何の躊躇いも抱いていないことをひしひしと実感させる。
「…………っ!」
少女の長い髪を左手で鷲掴みにし、あまり陽に焼けていない白い首筋を露わにする。
喉元の間際、あと数ミリのところまで刃先を寄せた。
ほんの僅かに手元が狂うだけで、少女の首にはぱっくりと真一文字の痕が斬り結ばれるだろう。
そのまま髪を掴んだ手を動かし、軽く上下に体を揺すってやる。
一瞬ごとに皮膚と剣先の距離が変化し、ときには刀身の金属がひたりひたりと首に触れる。
その冷たい感触に、ひっ、と少女の唇から風切音のような吐息が微かに漏れ出た。
生死の狭間に立たされて怯えているのだろう。ガタガタと肩口が震えている。
それでも恐怖を必死に押し殺し、少女は朱里の目をまっすぐに見つめ返した。
その視線が、朱里を否応なく苛立たせる。
どこかで見たことのあるその視線は、愛しい女性のそれに似ていた。
朱里はその少女の姿を瞳に映しながら、柄を握る指先に力を込める。


――――――右から左へ、たった一度刀を横へ薙ぐ。
それだけで全ては終わった。終わって、しまった――――――。

少女漫画キャラバトルロワイアル
270 :透友人帳 ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:48:19 ID:S0Q4nNgQ


     ○     ○     ○


「あ、あの……」
「悪かった。お前を試すような真似をしたことは謝る」

透は、眼前の男がなぜ急に刀を納めたのか全く分からなかった。
ただひとつだけ理解できたのは、男から先ほどの殺気が消えているということだけだ。
刀を鞘にしまうと、男は透に向かって素直にそう謝罪した。

「……昔、これと同じようなレースに参加させられたことがある。
 人が人を争い合わせるゲーム。人が死ぬのを見て楽しむ趣味の悪いゲームだ。
 俺はそのとき、自分と好きな女の二人だけが逃げられればそれでいいと思った。
 ……だが、あいつは俺と違う考えを持っていた。
 全員で協力しようと、自分たちだけが助かっても意味がないのだと、俺にそう言った」

そう告げる男の表情は、どこか優しげで楽しそうで、先刻までの冷酷な眼差しがまるで嘘のようだ。
男は透の双眸をもう一度見下ろすと、ふっと息が抜けたように笑った。


「……お前の強情さは、あいつによく似ている」


そう言い終えた後に「まあ……とはいっても更紗の方が百倍はいい女だがな!」などと付け加える男。
そんな姿に、透は漸くこの男の素直でない性格が把握できた気がした。

(……ちょっと、初めて会った時の夾君を思い出しました。
 あ、というよりも燈路さんのほうが似ているかもしれませんが……)

まさか小学生男児と重ね合わせられていると思わないだろう男が、透に話しかけてくる。
その姿は気さくなお兄さんという感じで、どこか出会ったころの紫呉を思い起こさせた。

「俺は朱里。お前は?」
「はい、私は本田透と言います。よろしくお願いします、朱里さんっ!」







少女漫画キャラバトルロワイアル
271 :透友人帳 ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:49:04 ID:S0Q4nNgQ
【B-4/森/朝】
【朱里@BASARA】
[状態]:平常
[装備]:朱雀の刀@BASARA
[道具]:基本支給品(ランダムアイテム0〜2個)
[思考]変わった女だな……
基本:儀式に反抗する仲間を集める
1:透とともに行動する
2:更紗や、仲間になりそうな人間を探す
 [備考]
  ※出典時期は14巻前後。少なくとも更紗の正体を知る前です


【本田透@フルーツバスケット】
[状態]:平常
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(ランダムアイテム1〜3個)
[思考]朱里さんともお友達になりたいですっ!
基本:儀式に反抗する仲間を集める
1:朱里とともに行動する
2:夾や由希、その他仲間になりそうな人間を探す
[備考]
  ※出典時期は21巻(慊人との崖の上での会話)以降のどこかです。

少女漫画キャラバトルロワイアル
272 :透友人帳 ◆o.lVkW7N.A [sage]:2010/10/02(土) 17:49:53 ID:S0Q4nNgQ
以上で終了です
ロリショタバトルロワイアル27
153 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/10/02(土) 23:55:19 ID:S0Q4nNgQ
実は書き手からすると、ドラえもんの道具というのはすごく便利なんだ…
基本、探そうと思えばほとんどどんな効果のアイテムもあるので、
こんな展開が書きたいなあ→こういうアイテムがあるとちょうどいいんだけど
→ドラの専門サイトで検索してみる→ちょうどいい道具発見! 不明支給品は君に決めた!ということに…



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