- 創作発表
41 :メス豚[]:2010/10/01(金) 10:13:34 ID:IRgRoADg -
島の人間は皆、顔馴染みだった 100人全員が全員の名前と顔を知っているし、なんでもよく知っていた 100人全員が何らかの役割を持っていたし、それぞれが必要とされていた 怠け者や嫌われ者でさえ、その役割をしっかりと与えられていた 島(彼らにとっての世界の全て)では、知らない人間や他人は存在せず 協力しあわなければ、生きていけなかった いつものようにモニターで島の様子を見ていた若い研究員は、島の人間が大嫌いだった 文明も持たず野蛮で、実験動物のようであわれだったからだ 彼らを監視して、管理していると、自分が神に思えてくる この虫けら共を生かしてやってるのは自分なんだと 島のある家の中がモニターに映っている 老人と男女、子供らが食事をしようとしている 「神様、ありがとうございます」 そう言って、楽しそうに笑いながら夕食をとっている彼らを見て 若い研究員は、下水の生ゴミを加工した再生食料を 一人で文句を言いながら食べるのだった 「人vs神」 おわり
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