- 【からくりメイデン】〜La Pucelle de Karakuri〜
86 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 12:25:23 ID:DOXAW9vy -
メイデン〜しろがね〜
ラプラスの魔「この人形劇を御覧になるのが初めてでも、そうでない方もご機嫌よう。私はラプラスの魔と申し上げます」
ラプラスの魔「先ほど２幕目を演じられた【からくり】編では自動人形と『まいた』少年達との戦いが繰り広げられました」
ラプラスの魔「７体の乙女は揃い、早くもこの【薔薇乙女】編は用済みになるのでしょうか…」
ラプラスの魔「いいえ、違います。今はまだ仕掛けの途中、こちらの物語はここからが始まり」
ラプラスの魔「それでは【薔薇乙女】編、第２幕の始まり始まり……」
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87 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 12:30:43 ID:DOXAW9vy - ルシール「〜〜」
翠星石「ほうほう」
ルシール「〜〜〜」
蒼星石「ふむふむ」
しろがね「つまり先生は何者かに生き返らせられたということですね」
鳴海「夢みたいだが、こうして本人を見るとなあ……」
ルシール｢ふん、あまりレディーをじろじろ見るでないよ｣
鳴海「ところでお前を生き返らせた奴はどんな奴なんだ？」
ルシール「さあねぇ。その白い人形は何だったのかね……」
ドールズ「白いドール……！！」
しろがね「皆さんどうしたんですか？」
真紅「もしかしたらその子もローゼンメイデンかもしれないわ」
水銀燈(雪華結晶っ……)ぎりっ！
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88 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 12:35:03 ID:DOXAW9vy - 鳴海「また、お前たちの姉妹か。ローゼンメイデンはいったい何体いるんだよ」
蒼星石「僕たちローゼンメイデンは全部で７体。たぶん残りのドールズも目覚めているかもしれないね」
しろがね「その白いローゼンメイデンはどんな子なんですか？」
翠星石「翠星石達もさっぱりわからんです。ただ、相当強くて危険なヤツですよ」
ルシール「その子に人の命を自由にする力があるのかい？」
蒼星石「僕は少し関わった事があったけどそんな力はないはずだよ」
真紅「じゃあ一体……」
しろがね「もしや『生命の水』<アクア・ウイタエ>が関係しているのでは？」
鳴海「確かに、生命の水の回復力とこいつらの不思議な力を合わせるとどうにかなりそうかもな」
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89 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 12:48:04 ID:DOXAW9vy - 翠星石「ちょっと！ちょっと！！翠星石たちを置いて話をするたぁ良い度胸です。このバカ野郎とアホ助っ!!｣
鳴海｢バカ野郎……｣
しろがね｢アホ助……｣
ルシール｢そんな言葉使いで『乙女』を名乗れるのかねぇ……｣
翠星石｢と、と〜もかくぅ〜、生命の水って何か教えやがれですぅ!!」
真紅｢私からもお願いするわ。教えて下さらないかしら御婦人｣
ルシール｢そっちの子はなかなか見所がある｣ふっ
ルシール「生命の水とは、まあどんな病気も治すことのできる万能薬さ」
水銀燈(っ!!どんな病気も……)
しろがね「但し副作用があり、目の色や体毛などが銀色になるのです」
蒼星石「病気が治るならそのぐらい良いんじゃないの？」
鳴海「副作用はもう１つある。水に『呪われちまう』んだ」
真紅「ひっ!!」びくっ
水銀燈(『呪い』……？)
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90 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 12:54:34 ID:DOXAW9vy - ルシール「生命の水はなんでも溶かしてしまうのさ。金属も人も、そして記憶さえもね……」
翠星石「な、何ですかっその危ねぇ薬は!!」
ルシール「そうさ、恐ろしい薬さ。その中にある錬金術師が溶けた。そのお方は人形を……自動人形と言う人形を恨んでいた。尋常ではないくらいね」
蒼星石「人が溶けるとどうなるんですか……？」
ルシール「溶けた者は死に、その者の記憶は生命の水に保存されてしまう｣
ルシール｢そして、その水を飲めば、溶けてしまった者の記憶が飲んだ者に流れ込んでくるのさ」
鳴海「溶けた奴の思いが強かったら飲んだ奴の心を支配しちまう……まあ、これが呪いだな」
しろがね「他にも老化を遅くしたりと、様々な効果があります」
真紅「ところで、そんなすごい物と貴方達が関係あるのかしら？」
鳴海「オレ達の血に混じってるんだよ。生命の水がな」
ドールズ「っっ!!!」
鳴海｢だが、そんな特別な人間もオレ達で最後だ｣
しろがね「ちなみに私達は５年に１歳しか年をとりませんし、軽い傷ならすぐに治ります」
真紅(だからあの時は傷が治ったのね)
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91 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 13:10:44 ID:DOXAW9vy - 翠星石｢すげえですよ！お前ら本当に人間ですか？｣
蒼星石｢ちょっと、翠星石……｣
ルシール「ええ、そうさ。私らは人間じゃない｣
ルシール｢生命の水を飲んだ者は『しろがね』と呼ばれて自動人形の破壊に一生を賭けるのさ……」
水銀燈｢……｣
水銀燈「ちょっと良いかしら」
ルシール「何だい？お嬢ちゃん」
水銀燈「私の名前は水銀燈よっ！｣
水銀燈｢アナタ、私を変な人形と勘違いして…壊そうとしておいて謝りもしないって言うの!?」バンッ
真紅(いつにも増してイライラしているわね……)
ルシール「『済まない』とは言ったはずだがね」
水銀燈「このっ……!!」ギロッ
翠星石「っ……」ぞくっ
鳴海「おい、やめようぜ」
しろがね「そうですよ。ほら、先生も」
ルシール「済まなかったよ……」
水銀燈「フンッ！！」
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92 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 13:14:44 ID:DOXAW9vy - 蒼星石「今度はこっちが質問させてもらうけど、『自動人形』とは何なの？」
しろがね「自動人形とは人を襲う命を持った人形です」
鳴海「しかもそいつらは人の生き血を飲むわ、病気をバラまくわのクソッタレな人形さ」
翠星石「物騒な人形もいるんですねぇ〜」
水銀燈「ルシール。貴女、私とその人形を間違えたって訳……!?」ギン!!
ルシール「ええ、さっきも言った通りさ。あんたを自動人形と勘違いしてこの町まで追って来た。もっとも、町の人に気づかれないように夜だけしか動けなかったがね」
鳴海「まあ、自動人形はもういないんだけどな」
蒼星石「それが亡霊騒ぎの正体だったんだね」
真紅(ほっ……)
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93 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 13:33:46 ID:DOXAW9vy - ルシール「しかしこの人形達はよく出来てるね。初めて見たときはエレオノールの子供だと思ったよ」
しろがね「な、な、先生っ！！」カアアア… …
鳴海「お、おい待て！クソババアっ!!」
水銀燈｢……｣
水銀燈｢あはははは｣
水銀燈「蒼星石ぃ。どうやら貴女のマスターは下品な言葉が大好きなおばかさんのようねぇ」ニヤニヤ…
翠星石(翠星石も人の事言えないからフォローのしようがねぇです……)
蒼星石「マスターの悪口は許さないよ？」ガタッ！
鳴海「やめとけ蒼星石」
蒼星石「でも……っ」
鳴海「なあ、水銀燈……って言ったな」
水銀燈「あらぁ、なあにぃ？」にやっ
鳴海「時には下品な言葉でも吐かねぇと、人ってのは自分の気持ちを素直に伝えられねぇんだよ」
水銀燈「あらぁ？そうだったの？勉強になったわぁ」にやり
蒼星石(水銀燈っ……!!)
真紅「やれやれだわ」
翠星石(雰囲気最悪です。何とか話題をそらさねぇと)
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94 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 13:37:39 ID:DOXAW9vy - 翠星石「そ、そう言えば町が嫌に静かですね」
しろがね「おかしいですね…」ガチャッ
住人｢……｣
真紅「これはっ!!町の人達が……」
蒼星石「死んでる……？」
自動人形「いや、寝ているだけさ」ザッ
全員「っっ!!」
自動人形「紹介が遅れた。私は【真夜中のサーカス】の楽士の『トルネード・ラプソディー』だ」
翠星石「【真夜中のサーカス】!?」
しろがね「これは自動人形!?でもどうして!?」
T・ラプソディー「人も蘇るなら人形も蘇ることが出来ると思いませんかな？エレオノール嬢」
蒼星石「この人形も蘇ったのか!?」
真紅「貴方どうしてこんな事を!?」
T・ラプソディー「雪華結晶様からこの町の人間を眠らせよと御命令を承った。ただ、『しろがね』３人と『ローゼンメイデン』4体では流石に分が悪いので低級な自動人形を連れて来たがね」
自動人形達「うひひひ」
自動人形「オマエラみィ〜んなオワリさ!!」キリキリ……
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95 ：【第１１幕】[sage]：2010/10/01(金) 13:42:42 ID:DOXAW9vy - 翠星石「どれもこれも白薔薇が関係してるんですか」
ルシール「お前は自動人形なのに町の人間を殺しはしないのかえ？」
T・ラプソディー「殺しはしない。『土壌』を無駄にするのは馬鹿げているからな」
蒼星石(土壌……!?)
鳴海「ゴタクは良い、さっさとかかってきな」ゴゴゴゴ……
水銀燈(あの男の雰囲気が変わった!?)
T・ラプソディー「その男の言う通りだな。さあ！来たまえ!!」
鳴海「 歯 車 も 残 さ ね ぇ よ オ モ チ ャ ヤ ロ ウ !! 」
〜からくりメイデン〜
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