- ガチで闇が深い野球界の出来事や人物 [無断転載禁止]©2ch.net
926 :神様仏様名無し様[sage]:2018/07/13(金) 10:43:39.05 ID:YRlxoV0e - 私は田中とよく飲み歩いたものだが、店のボーイやホステス、それに時によっては
お客までが田中勉と知るやサインを求めたがる・・・・・彼は場合によっては迷惑そうにも していた。球界のスターになると自分ひとりで楽しめる時間がないのだ。その彼が 雨に濡れながら、世話になった人には低姿勢で接待している姿を見て、彼も相当な苦労人 だと思った。 「田中さん、どうして中日に移ったの?」 「オレは、ブタ(中西監督)が嫌いなんだ。なにかにつけて意見があわん。 あの人はファンに人気があって、マスコミには青年監督だ、豪快だ、と騒ぎたて られとるだろう?実際はな、小心で、女みたいよ。それに選手に悪口を平気でいう 監督だよ。選手仲間では、案外、評判はよくないんだ。西鉄首脳陣で、気の合ったのは 稲尾さんだけよ。オレが入団してからずっと、面倒もみてくれ、可愛がってくれたよ。」 「じゃ、中西監督が西鉄をやめたら、稲尾さんが監督やな。そないになったら、あんたは また西鉄に帰れるなあ。今度西鉄に帰ったらコーチに昇格間違いなしや。」
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927 :神様仏様名無し様[sage]:2018/07/13(金) 10:44:51.47 ID:YRlxoV0e - 『儀礼的八百長』
小川、田中らとメシを食べに行った時のことである。 田中は、「オレは八百長するようになって王を料理する方法を覚えたよ。どこのピッチャーもあいつを 攻める時、インコースギリギリのところで勝負するけど、あいつはな、あの球を打てるように 練習しとるで。インコース攻めでもホームランを打ちよる。ホームラン打たれるのイヤだった から、ド真ん中にほったらええ。かえって空振りしよる。」 小川は 「あいつ(王選手)バケものや。高目にほっても、もっていきよる。」 私は「巨人は、実力でいつも優勝してんの?」と聞いた。 「ウン。一般のファンが思っている以上に巨人は強いよ。」と小川は言った。 田中は「KとMな。あれは教えあっとるよ。」 私はその意味がはっきりと分からなかった。 「あいつら、バッターボックスに入りよったら、次はカーブや、次はシュートやいうて 教えとる。Kが巨人戦でホームランをよう打つやろ。ありゃMが球を教えとる」 私はなるほどと思った。そういえば、Kの本塁打はそのほとんどが巨人戦でたたき出して いるのだ。 私が「へえ!M、そんなこともやるんや」と言ったら田中は 「あんなビビッチョおらんよ。こないだの巨人戦やったかな、ピッチャーはHやった。 オレがバッターボックスに立った時、いきなりインコース胸元にほうってきよった。 もうちょっとでデットボール食うところやった。あぶなかったよ。Mに、“お前おぼえとけ” いうたった。Mのやつ、“真ん中へほうれいうとるのにビンボール投げよって、すまん、すまん、 ”とあやまりよった。」 私は二人の話を聞いているとどうもふにおちないところがあった。 「しかし、アンパイアこれ聞いとって、なんいもいいよらんの?」 「審判?・・・・審判はな、ボールか、ストライクいうとったらええ。選手同士の会話 なんか関係なしや」 プロの世界はこんなものかと思った。
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928 :神様仏様名無し様[sage]:2018/07/13(金) 10:47:12.61 ID:YRlxoV0e - 小川は「アンパイアに可愛がってもろたら得することもあるよ。1試合には
ボール、ストライクの判定が難しい球がたいてい12、13球あるもんや。 そんなときにはな、親しくしとると、ストライクにとってくれるね。アンパイヤには サービスしとくもんだよ。」 私は人情としてそうなるものだなと思った。 そういえば、田中は、「ワシが西鉄時代、いま南海へいっとるYと同じ部屋で仲が 良かったんだが、Yが南海にいき、バッターボックスに立ったら、オレに打ちやすい 球をほったるんや。あいつ一塁へ出たら牽制球でアウトにしたる。そしたらピッチャーの 防御率は変わらんし、あいつは打率をあげよる。これも金には関係ないが一種の 八百長や。益さん(益田)がいうてた話やが、“こんちくしょう”と虫の好かない選手もいるし 同じ釜の飯食って、グチの言い合いや、一緒に飲み歩いた仲間は球団が変わっても もちつもたれつの球をほうることがあるそうや」 私は選手同士にこんな駆け引きがあとうとは実のところしらなかったのである。 田中は選手に同士の一種の儀礼的八百長(?)については、こんな話もしていた。 「オレが西鉄時代、Tさんにはいろいろ世話になったよ。兄貴のように思えてな。 よう面倒も見てくれた。Tさんがサンケイに移籍、オレが中日でどっちもセントラル。 オレがピッチャー、Tさんがバッターの時には、アゴに手をあてたらカーブ、手をどこへ もやらんときは直球。Tさんにはちゃんとサインずみやから、そのつもりで打ってきよる。」 「へえー、じゃ、その球に合わせたら、ヒット出るやろか。」 「そうだな、7割、8割はヒットになりよる。 試合終了後、Tは “勉、世話になったな。”こちらは“いやいや”てな調子だよ。 どうってことないよ。Tさんには、少しでも現役で残ってもらいたいし、そのために オレは協力しているんだ。」 八百長ではない八百長、選手仲間の仁義みたいなものが、公然と行われている 話を聞いて、私はプロの世界を再認識したのものである。 藤縄洋孝著 『プロ野球ファンに詫びる-八百長演出家が告白する球界の内幕』/昭和46年
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