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132人目の素数さん
面白い数学の問題おしえて〜な 40問目
分からない問題はここに書いてね 471

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面白い数学の問題おしえて〜な 40問目
82 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 00:17:57.78 ID:fiSnwSek
>>69
実数 z を任意に取り、x=z−π/2, y=π/2 として、

f(z)=f(z−π/2)cos(π/2)+f(π/2)cos(z−π/2)=f(π/2)sin(z)

これが任意の z で言えるので、結局、ある λ∈R に対して
f(x)=λsin(x) (∀x∈R) となる。逆に、このように表せる f は与式を満たす。
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937 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 08:53:13.67 ID:fiSnwSek
多項式環は代入してナンボなので、多項式環の代数構造は、
代入の前後で代数構造が保たれるような定義をその都度考えなければならない。

Rをd×dの正方行列全体の集合として、R係数の多項式環 「 R[x] 」を考えたい。
ここで、変数 x に代入する値が「スカラー」なのか「行列そのもの」なのかで、
R[x] に入れるべき代数構造が変わってくる。
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938 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 08:54:46.32 ID:fiSnwSek
x にスカラーを代入する場合を想定すると、行列 B∈R とスカラーλに対して
Bλ = λB という可換性が成り立つので、任意の f ∈ R[x] は

f=Σ[i=0〜n] A_i x^i, A_i∈R

という形に書ける。というより、そのような代数構造を R[x] に導入する。
また、例えば a,b∈R に対して、R[x]上では ax = xa, axbx = abx^2 などが成り立つ。
正しくは、そのような代数構造を R[x] に導入する。
そして、スカラー λ と f=Σ[i=0〜n] A_i x^i ∈ R[x] に対して、

Φ_λ(f):= Σ[i=0〜n] A_iλ^i ( = Σ[i=0〜n] λ^i A_i )

と定義すれば、Φ_λ:R[x] → R は Φ_λ(f+g)=Φ_λ(f)+Φ_λ(g), Φ_λ(fg)=Φ_λ(f)Φ_λ(g) を
満たすことになる。つまり、スカラーを代入するという操作の前後で、代数構造は保たれる。
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939 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 08:58:02.86 ID:fiSnwSek
書き忘れたが、「スカラーを代入する」とはどういうことかというと、
与えられたスカラーλと f ∈ R[x] に対して、Φ_λ を施した Φ_λ(f) を考えるということ。

つまり、Φ_λ を施したという意識が自分の心の中にあるなら、
「自分はいまスカラーλを代入した」と言える。

Φ_λ を施したのではなく、任意のスカラーλに対して直接的に Σ[i=0〜n] A_i λ^i を
考えているだけなら、「スカラーλを代入した」とは言わない。
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941 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:01:22.18 ID:fiSnwSek
今度は、x に行列そのものを代入する場面を想定する。この場合の R[x] を、
上の R[x] とは区別するために R<x> と書くことにすると、任意の f ∈ R<x> は

f=Σ[i=0〜n] A_i x^i, A_i∈R

という形には必ずしも書けず、正しくは

f = Σ[i=0〜n] Σ[k=0〜n_i] A_{k,0} x A_{k,1} x A_{k,2} x … x A_{k,i}

という形になってしまう。そのような代数構造を R<x> に導入することになる。
また、例えば a,b∈R に対して、R<x>上では ax ≠ xa, axbx ≠ abx^2 などが成り立つことになる。
そのような代数構造を R<x> に導入することになる。つまり、積に関する可換性は完全に放棄する。そして、
行列 A∈R と f=Σ[i=0〜n] Σ[k=0〜n_i] A_{k,0} x A_{k,1} x A_{k,2} x … x A_{k,i} ∈ R<x> に対して、

Φ_A(f):= Σ[i=0〜n] Σ[k=0〜n_i] A_{k,0} A A_{k,1} A A_{k,2} A … A A_{k,i}

と定義すれば、Φ_A:R<x> → R は Φ_A(f+g)=Φ_A(f)+Φ_A(g), Φ_A(fg)=Φ_A(f)Φ_A(g) を
満たすことになる。つまり、代入操作の前後で代数構造は保たれる。
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943 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:05:15.98 ID:fiSnwSek
なので、このような不便な構造が入った R<x> において多項式の計算をしているのなら、
計算途中の任意の式で x=A を代入しても何の問題もなく、そのような行為は正当化される。
より具体的に言うと、「 f ∈ R<x> に x=A を代入する 」とは「Φ_A を施した Φ_A(f) を考える」
ということであるが、これは上記の定義により実際に可能である。
ゆえに、R<x> での多項式計算なら、実際に x=A を代入可能となる。

ところが、>>899 を読む限り、>>899 では R<x> ではなく R[x] の代数構造のもとで
多項式を計算しているので、計算途中の式で x=A を代入することは全く正当化されない。
より具体的に言うと、「 f ∈ R[x] に x=A を代入する 」とは「Φ_A を施した Φ_A(f) を考える」
ということであるが、今の場合、f ∈ R[x] を用いているので、
使える作用素は Φ_λ (λはスカラー)でしかなく、Φ_A は全く使えない。

そして、Φ_λ なら使用可能なので、「xにスカラーλを代入する」ことは正当化できるが、
しかし Φ_A は使えないので、「x=Aを代入する」ことは全く正当化できない。

同じ理由により、>>899の最初と最後の多項式で x=A を代入することは正当化できない。
分からない問題はここに書いてね 471
945 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:09:27.18 ID:fiSnwSek
では、>>899は間違っているのかというと、そんなことはなくて、実は正しい。
ただし、証明の意味するところは極めて技巧的である。

まず、考えている多項式環は、R<x> ではなく R[x] に確定している。
つまり、x には任意のスカラーを代入することが前提の多項式環を考えていて、
xにAを代入することは全く眼中にない。なので、以下では x は行列ではなく、
x は具体的なスカラーだと思って計算することになる。
その代数構造のもとで多項式の計算をすると、

x^nE_n+x^{n-1}(a_{n−1}E_n)+…+x(a_1E_n)+a_0E_n

=x^{m+1}C_m+x^m(C_{m−1}−AC_m)+…+x(C_0−AC_1)−AC_0

という等式がまず得られる。両辺の x^n と x^m で次数が一致してないのがウザイので、
N = max{n,m} として、

F_k:=a_kE_k (0≦k≦n−1), F_n:=E_n, F_k:=O (n<k≦N),
D_0:=−AC_0, D_k:=C_{k−1}−AC_k (1≦k≦m), D_{m+1}:=C_m, D_k:=O (m<k≦N)

と定義すれば、

x^nE_n+x^{n-1}(a_{n−1}E_n)+…+x(a_1E_n)+a_0E_n = Σ[k=0〜N] x^k F_k,
x^{m+1}C_m+x^m(C_{m−1}−AC_m)+…+x(C_0−AC_1)−AC_0 = Σ[k=0〜N] x^k D_k

と次数を揃えて統一的に表示できて、かつ Σ[k=0〜N] x^k F_k = Σ[k=0〜N] x^k D_k である。
この等式において、x^k の係数を比較すれば、F_k=D_k (0≦k≦N) ということになる。
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946 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:12:00.31 ID:fiSnwSek
次に、今までの多項式計算のことは全て忘れて、その文脈とは全く無関係に

Σ[k=0〜N] A^kF_k

という行列計算について考えてみる。すると、F_k=D_k (0≦k≦N) 及び D_k の定義により

Σ[k=0〜N] A^kF_k = Σ[k=0〜N] A^kD_k

= A^nC_{n−1}+A^{n−1}(C_{n−2}−AC_{n−1})+…+A(C_0−AC_1)−AC_0

であり、最後の式は普通に順次打ち消し合って O になる。
すなわち、Σ[k=0〜N] A^kF_k = O となる。
一方で、F_k の定義により、Σ[k=0〜N] A^kF_k = A^n+a_{n−1}A^{n−1}+…+a_0E_n である。
よって、A^n+a_{n−1}A^{n−1}+…+a_0E_n = O である。

これで定理の証明が完了、という流れになっている。
分からない問題はここに書いてね 471
949 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:14:17.79 ID:fiSnwSek
なので、>>899は間違ってはいないものの、
その証明の正しい解釈を汲み取るのは難易度が高い。

個人的には、多項式環を持ち出さずに、
任意のスカラーλを直接用いて記述した方が誤解が少ないと思われる。

たとえば、次のようにすればよい。
分からない問題はここに書いてね 471
951 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:16:42.60 ID:fiSnwSek
補題:n≧0 とする。A_0,…,A_n は d×d の正方行列で、任意のスカラーλに対して
Σ[k=0〜n] λ^k A_k = O とする。このとき、A_0=…=A_n=O である。

証明:A_k の(i,j)成分を A_{kij}と表す。(i,j)を任意に取る。
Σ[k=0〜n] λ^k A_k = O という等式の両辺の(i,j)成分を比較すれば、
Σ[k=0〜n] λ^k A_{kij} = 0 であり、これはスカラー計算における等式である。
スカラーλは任意だから、よく知られているように、A_{kij}=0 (0≦k≦n) である。
(i,j)は任意だから、結局、A_0=…=A_n=O である。
分からない問題はここに書いてね 471
952 :132人目の素数さん[sage]:2021/12/29(水) 09:21:10.48 ID:fiSnwSek
ケイリーハミルトンの定理の証明:
スカラーλを取るごとに、B(λ)=λE_n−A という行列を考える。
B(λ)の与因子行列をC(λ)とすれば、λには依存しない m≧0 と行列 C_0,…,C_m が存在して、

C(λ)=λ^mC_m+λ^{m−1}C_{m−1}+…+λC_1+C_0

と表せる。また、|B(λ)|=λ^n+a_{n−1}λ^{n−1}+…+a_1λ+a_0 である。
このあとは、スカラーλごとに >>899 の計算をすることで、スカラーλごとに

λ^nE_n+λ^{n-1}(a_{n−1}E_n)+…+λ(a_1E_n)+a_0E_n

=λ^{m+1}C_m+λ^m(C_{m−1}−AC_m)+…+λ(C_0−AC_1)−AC_0

という等式が得られる。両辺の λ^n と λ^m で次数が一致してないのがウザイので、
N = max{n,m} として、

F_k:=a_kE_k (0≦k≦n−1), F_n:=E_n, F_k:=O (n<k≦N),
D_0:=−AC_0, D_k:=C_{k−1}−AC_k (1≦k≦m), D_{m+1}:=C_m, D_k:=O (m<k≦N)

と置けば、

λ^nE_n+λ^{n-1}(a_{n−1}E_n)+…+λ(a_1E_n)+a_0E_n = Σ[k=0〜N] λ^k F_k,
λ^{m+1}C_m+λ^m(C_{m−1}−AC_m)+…+λ(C_0−AC_1)−AC_0 = Σ[k=0〜N] λ^k D_k

と次数を揃えて表示できて、かつ Σ[k=0〜N] λ^k F_k = Σ[k=0〜N] λ^k D_k である。
すなわち、Σ[k=0〜N] λ^k(F_k−D_k) = O である。これが任意のスカラーλで言えるので、
上記の補題により、F_k−D_k = O (0≦k≦N) である。すなわち、F_k=D_k (0≦k≦N) である。
あとは、>>946 によって A^n+a_{n−1}A^{n−1}+…+a_0E_n = O を得る。


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