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132人目の素数さん
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
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純粋・応用数学(含むガロア理論)5
373 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 00:14:15.16 ID:xl9Agv/6
>>347
問1はつぎの解法が"初等的"ではある
相互法則やガウス和の利用を回避できるところがポイント

x^2+x+1 の素因数pを任意に取る. p>3 であるとしよう.
このとき xとpは互いに素である.(さもなくば p|1 となり矛盾)
このとき, p≡1 (mod 6)であることを示したい.
まず x^2+x+1≡0 (mod p) ...(1) が成立している
(1)の両辺にx-1を掛けることで x^3≡1 (mod p) ...(2)
s=ord_p(x)とおくと sは3の正の約数であるから sは1か3である
s=1 とすると x≡1(mod p) だが このとき (1)より 3≡0 (mod p)
よって p=3 となるが 仮定により p>3 だから この場合は不適
なので s=3 としてよい
一方 フェルマの小定理より x^(p-1)≡1 (mod p)
ここで s=3 すなわち ord_p(x)=3 より 3|p-1 が導かれる
証明ここまで

参考までに ord という記号について説明する
一般に pを素数, aをpと互いに素な整数とするとき
これは a^e≡1 (mod p)を満たす最小の正の整数eをord_p(a)で定める
a^u≡1 (mod p)なる自然数uを任意に取るとき 必ず uはord_p(a)で割り切れる
この事実は簡単に証明できる
証明の方針をいうとZがユークリッド環であること,
もっというと除法の原理を用いればよい
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
374 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 00:34:55.06 ID:xl9Agv/6
逆バージョン, 具体的には次はもっと簡単に示せる:
pをp≡1(mod 6)なる素数とするとき
x^2+x+1がpで割り切れるような正の整数xが存在する

(証明)
gをmod p の原始根のうちの1つとする
x = g^((p-1)/3) とおくと x^3=g^(p-1)≡1 (mod p)
よって (x-1)(x^2+x+1)≡0 (mod p) が成立するから
x-1≡0 (mod p) か x^2+x+1≡0 (mod p) の少なくとも一方が成立する
x-1≡0 (mod p) とすれば g^((p-1)/3)≡1 (mod p) となり
gが原始根であることに反するので
x^2+x+1≡0 (mod p) であることが示された
証明おわり

つまり実質の原始根の存在だけで示せたということで
極めて簡単な証明ということになりました
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
378 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 01:23:13.33 ID:xl9Agv/6
類題をあげておきましょう もちろん完全に初等的な方法で解けます:

(1) nを正の整数とし, n^3-3n+1の素因数をpとする.
このとき, p=3 か p≡±1 (mod 9) であることを証明せよ

(2) (1)を用いて 9k-1型の素数が無限個存在することを示せ
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
379 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 01:25:49.55 ID:xl9Agv/6
(1)を古典的な代数的整数論でやるなら,
p>3とし,ζを1の原始9乗根として
L=Q(ζ), K=Q(ζ+1/ζ), Lの整数環をO_A, Kの整数環をO_B とおく.
ζ + 1/ζ の最小多項式は x^3-3x+1 であることに注意する
(ここは計算によりすぐに判明するが 逆にこれに気づかない場合は
以下のような解法を取ることはありえない
なので本当の意味で最初にやるべきことは
たとえば x^3-3x+1の判別式を計算することである
すると判別式は81と平方数になっているので x^3-3x+1の分解体のガロア群は
巡回群となるから x^3-3x+1の根をαとおくと Q(α)/Qはアーベル拡大となる
判別式は81ということだから クロネッカー・ウェーバーの定理から
ある正の整数mが存在して Q(α)⊂Q(ζ_(3^m)) となっていることがわかる
奇素数ベキの円分体の拡大は巡回拡大であるから
今回の場合は m=2 とすれば十分であることがいえる
と,以上のような方法で 判別式の情報から Q(α)⊂Q(ζ) がいえた)

pは9を割らないので pO_Aは 不分岐である (例えば共役差積の計算からわかる)
qをpO_Aを割り切る素イデアルとする.
qのフロベニウス置換がζ→ζ^pにより一意的に決まる(重要,非自明だが有名)
pはn^3-3n+1 の素因数なのだから x^3-3x+1∈F_p[x]が1次の因子を持つ
Kはアーベル拡大なのだから pO_B は 完全分解している
よって Kに対応するGal(L/Q)の部分群は qの分解群に含まれる
したがって ζ→ζ^p の位数は1か2であることが従う.
1の場合は p≡1 (mod 9) であり 2の場合は p≡ -1 (mod 9) となる
証明の概略ここまで
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
380 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 01:31:21.63 ID:xl9Agv/6
訂正
O_A, O_B とかいう記法はタイプミスなので訂正
O_A, O_B はそれぞれ O_L, O_K としといてください
最後から4行目は包含関係が逆になっていて
正しくは Kに対応するGal(L/Q)の部分群は qの分解群 を"含む" です
(なので 含まれるとなる場合は逆対応で Kが qの分解体に"含まれる" )
以上

もっとも初等的な方法はずっと簡潔で
こんなグダグダ前提となる情報を書く必要がないのですが
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
381 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 02:04:21.19 ID:xl9Agv/6
>>377
そうですね
たとえば 数体Q(2^(1/3))において
(p)がどのような分解するか,となると これはもう
アーベル拡大の理論で説明がつかない(たとえば KWに相当するのがない)
しかし実は保型形式が対応している(ラングランズ対応)
というようなことをシコシコと頑張っていた(ている)のが今の主流の1つですね
Inter-universal geometry と ABC予想 (応援スレ) 49
818 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 02:36:58.37 ID:xl9Agv/6
批判者の多くは論文を読んでいるのですか?
科学的理性として最低限やることだとおもうのですが
それもせずに虎の威を借るなど論外でしょう
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
405 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 18:05:08.92 ID:xl9Agv/6
>>384
そうですね 有限体の論を用いるならそのようになりますね
x^2+x+1 の問題と同様の方法でやろうとすると
ζ + 1/ζ ∈ F_p とは限らないので(ζはF_pの代数閉包の中の1の原始9乗根)
最低でもF_pの2次拡大を考えることになります

しかしながら まったく別の発想の解法があります
もちろん 完全に初歩的な方法です
(Step 1で初等数論のオイラーの定理を使ってるが
そこの部分は本質ではないし 利用する必要もない)
Step 2を見ればわかるとおり
不等式と鳩ノ巣論法(Thueの方法)のあわせ技が本質です
以下の方法は初等数論のしかも基礎だけで収まります

[回答例]
q≡±1,3(mod 9)を"満たさない"素数q全部の集合をDとおく

f(x,y) = x^3 - 3xy^2 + y^3 とおく
f(x,1) = x^3-3x+1 であるので
任意の互いに素な整数a,bの組に対して
f(a,b)の素因数すべてがDに"含まれない"ことを示せば十分

まずはStep 1 です
ここの部分は重要でないので
示すべき合同式だけをみて
Step 2 まで飛ばしても構いません

本文が長すぎるので 次の投稿で Step 1
そのつぎの投稿で Step 2 とわけます
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
406 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 18:07:39.63 ID:xl9Agv/6
>>405

Step 1
任意の互いに素な整数a,bの組に対して
f(a,b)≡±1(mod 9) あるいは
f(a,b)≡±3(mod 27) が成立する
(これは力技で示してもいいが多少の工夫をする)

以下はそれの証明である :

rを3と互い素な任意の整数とすれば r^(φ(9))≡1 (mod 9)
ここでφ(9)=6 であるから r^6≡1 (mod 9) となるので
(r^3+1)(r^3-1)≡0 (mod 9) より r^3≡±1(mod 9)を得る

また,f(r,1)≡ -1,3 (mod 9)であることも確認できる
(r=±1,±2,±4 の6通りを試せばよい)

aが3で割り切れるとき f(a,b)≡b^3≡±1(mod 9)
bが3で割り切れるとき f(a,b)≡a^3≡±1(mod 9)

aもbも3で割り切れないとき,
bc≡1 (mod 9)を満たす整数cを取れば
c^3*f(a,b) ≡ f(ac,1)≡-1,3 (mod 9)
よって, f(a,b)≡±1,±3 (mod 9)

f(a,b)≡±3 (mod 9) のときを考える
このとき f(a,b)≡±3(mod 27) を示せばよい
0≡f(a,b)≡a^3-3ab^2+b^3≡a+b (mod 3)
だから (a+b)^3≡3b(a+b)^2≡0 (mod 27)
f(a,b)-(a+b)^3+3b(a+b)^2 = 3b^3 とあわせて
f(a,b)≡3b^3 (mod 27) が得られるので
したがって f(a,b)≡±3(mod 27)
純粋・応用数学(含むガロア理論)5
407 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 18:10:07.00 ID:xl9Agv/6
>>405
>>406

Step 2
f(a,b)≡0 (mod p)を満たす互いに素な整数a,bの組が存在するような
p∈D が存在していたと仮定し, (これは背理法のための仮定である)
そのようなpでとくに最小なものを改めてpとおき
f(a,b)≡0 (mod p) が成立しているとする
このとき, gcd(ab,p)=1 はすぐに確認できる

nb≡a (mod p)を満たす整数nを取る
0≡f(a,b)≡f(nb,b)≡b^3*f(n,1) (mod p)
より f(n,1)≡0 (mod p) がいえる

鳩ノ巣論法により
nt≡s (mod p)を満たす整数s,tの組であって,
0<t<√p, 0<s<√p を満たすものが取れる.
s,tの最大公約数をdとすると gcd(d,p)=1 に注意して
n(t/d)≡(s/d) (mod p) が成立している
よって s,tは互いに素としても一般性を失わない.

このとき f(s,t)≡f(nt,t)≡t^3*f(n,1)≡0 (mod p)
さらに |f(s,t)|=|s^3-3st^2+t^3|<p^(3/2)
(ここの不等式は解析になるが高校数学の範囲で示せる
一方で,ここの評価を,雑に,例えば 5p^(3/2) とすると
後に p<25の範囲で個別調査する必要が生じてしまう)

f(s,t)≡±1 (mod 9) のとき
f(s,t)/p の素因数でDに属さないものが存在する
したがって pの最小性から
p^2≦|f(s,t)| がいえるので
さっきの不等式とあわせて p^2<p^(3/2)
よって √p<1 となり 矛盾となる

f(s,t)≡±3 (mod 27) のとき
f(s,t)/(3p) の素因数でDに属さないものが存在する
さっきと同様に矛盾が得られる

以上により いずれの場合も矛盾が得られるので
したがって 題意は示されたといえる

純粋・応用数学(含むガロア理論)5
408 :132人目の素数さん[sage]:2020/11/22(日) 19:54:56.89 ID:xl9Agv/6
一方で f(n)=n^3-3n+1 についての逆問題は厳しいきがします
つまり pをp≡±1 (mod 9)なる素数とするとき
f(n)≡0(mod p) を満たす整数nが必ず存在することの証明

p≡1 (mod 9) のときの存在を示すのは問題ない :
gをmod pの原始根とし a=g^((p-1)/9), aのmod pの逆元をbとする
このとき n = a+b とすれば f(n)≡0 (mod p)が確認できる
実際 b^3*f(a+b) ≡ a^6+a^3+1 ≡ 0 (mod p) となる

問題は p≡ -1(mod 9) のときで このあたりが初等的方法の限界でしょう
(このケースで完全な初等的な解法はあるのだろうか?)
無理やり"初等的"にやろうとすると 例えば F_pの2次拡大を具体的に記述するとか?
しかし代数的構造をある程度調べざるを得なくなるので相当苦しいでしょう
(とくに有限体論では当たり前である生成元の存在,つまり単数群の巡回的構造)
そもそも ただの翻訳になってしまったら それは初歩的な解法といえないだろうし
それなら有限体論の基礎を学んだほうがマシでしょうね

しかしながら もしかしたらあるのかもしれないですね
(F_pの2次拡大を翻訳しなおす方法は無しとしても)

以上


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