- 産経抄ファンクラブ第263集
924 :文責・名無しさん[sage]:2020/03/30(月) 05:42:43.79 ID:/t7MTEtQ0 - 産経抄
長い夜を抜けると雪国であった。朝の底が白くなった。本当は、拙宅のある多摩地方で雪が積もりだしたのは夜が明けてからだいぶ経(た)ってのことだが、文豪の名文を拝借したくなるほどの降りっぷりであった。 ▼幸いにも都知事閣下から、週末は不要不急の外出を控えるように、とのご沙汰をいただいている。ここはゆっくり桜隠しの雪を楽しもうと、到来物の吟醸酒を台所へ取りに行って気がついた。そうだ、今日は産経抄を書かねばならぬ。 ▼コラムを書くのは不要不急かもしれぬが、1両に3人しか乗っていない電車に乗って会社に出かけた。悲しいかな、テレワークなるものができないからだ。しかも長年の相棒である携帯電話(ガラケー)での検索が、突如としてできなくなった。 ▼正確に書くと、NTTドコモのiモードでの検索サービスが、24日で終わったのだ。栄枯盛衰は世の習いとはいえ、当時は画期的だったiモードが、5G(第5世代移動通信システム)の実用化に伴って消えていくのは、なんとも寂しい。 月々、330円で配信されていたNHKニュースも今月末で廃止される。 ▼皆様のNHKさんもネットでの同時配信には熱心だが、ガラケー利用者なぞ歯牙にもかけていないようだ。スマホを買わないだけなのに、新型コロナ情報もろくに見られなくなる。 ▼早く5G対応のスマホに買い替えなさい!とせき立てられているようだが、まあ、いいや。 大量の情報や映像が瞬時に流れようとも人類は、目に見えないウイルスに翻弄されるほど脆(もろ)い。外出がままならぬ今こそ、古今東西の名著を読まれるようお勧めしたい。 武漢発新型コロナの長いトンネルを抜けると、どんな国が待っているのか。本にヒントが書いてあるはずだ。
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