- 産経抄ファンクラブ第263集
712 ：文責・名無しさん[sage]：2020/03/25(水) 05:18:51.90 ID:yNhsc+oC0 - 産経抄 ３月２５日
東京都世田谷区にある「駒沢オリンピック公園」は、昭和３９（１９６４）年の東京五輪の第２会場の跡地にできた。「東洋の魔女」と呼ばれたバレーボール女子日本代表チームが、金メダルを獲得した舞台でもある。
▼皇紀２６００年にあたる１５年に開催が予定されていながら、幻に終わった東京五輪のメインスタジアムは、ここに建設されるはずだった。１１万人の収容力を誇る世界最大級の競技場である。
▼ところが日中戦争の長期化にともない、国内では物資を統制する動きが強まっていく。ついに建設に必要な鉄材使用について、政府の承認が得られなくなった。これが大会返上の「決定的要因」との見方がある（『幻の東京オリンピック』橋本一夫著）。
▼今夏の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新しい国立競技場は、すでに昨年１１月に完成している。大会終了後は、球技専用にするのか、陸上トラックを残すのか。そんな議論が遠い昔の出来事のように思える。
▼新型コロナウイルスの世界的大流行（パンデミック）によって、予定通りの開催はとても無理な状況となった。かといって、２度目の「返上」や中止もあり得ない。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）をはじめすべての関係者が、前代未聞の延期に向けて走り出している。
▼もっとも、１年先の開催となっても、課題は山積みである。とりわけ本番に向けて調整を続けてきたアスリートたちは、厳しい選択を迫られることになる。
「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証しとして、完全な形で実現する」。安倍晋三首相は、先のＧ７首脳テレビ電話会議でこう述べた。なんとか苦難を乗り切って、さすが日本だ、東京だ、と世界から称賛される大会にしたい。
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