- 産経抄ファンクラブ第262集
592 ：文責・名無しさん[sage]：2020/02/14(金) 05:10:45.68 ID:tZbmLEyy0 - 産経抄 ２月１４日
若き日の野口英世がペスト菌の横浜上陸を阻止したエピソードを先週紹介した。野口の恩師である北里柴三郎は１８９４（明治２７）年、最初にペストが大流行した香港に赴いて調査研究を行っている。
▼北里に同行していた医学者の青山胤通（たねみち）は患者の治療にあたるうちに、自らペストに感染してしまう。からくも一命をとりとめたニュースは、日本と香港の両方で大きく報じられた。香港の市民は青山の徳をたたえて、中心部の通りを「青山道」と名付けたという。
▼中国での新型コロナウイルスによる肺炎の感染爆発が止まらない。そのなかで、一人の医師の存在が大きくなってきた。武漢市の病院で新型肺炎の患者を治療中ウイルスに感染、今月７日に亡くなった李文亮さんである。３３歳の若さだった。
▼李さんは昨年末から、原因不明の肺炎に警鐘を鳴らしていた。「デマを流した」として当局に処分されたが、まもなく患者の急増により、指摘の正しさが証明される。
その死を悼む人が増えるにつれて、政府に対する批判の声が強まっている。なぜ、国民に必要な情報を伝えず、いたずらに感染の拡大を許したのか、と。
▼いや、日本から偉そうなことはいえない。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、乗客だけでなく乗員にも感染が広がり、とうとう検疫官まで感染が確認された。日本各地の観光地から訪日観光客の姿が消えるなど、新型肺炎は経済にも打撃を与えつつある。
▼この非常事態を前にして、国会は何をやっているのか。安倍晋三首相と立憲民主党の辻元清美氏は、聞くにたえないヤジと罵詈（ばり）雑言を応酬している場合ではないだろう。現場で新型肺炎と格闘している人たちの士気に、影響しないことを祈るばかりである。
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