- 産経抄ファンクラブ第259集
342 :文責・名無しさん[]:2019/11/14(木) 07:53:04.12 ID:RMOJ+4d/0 - 産経抄
11月14日 英国のEU離脱は先月末、3度目の延期が決まった。 ジョンソン英首相がなぜ、10月31日、すなわちハロウィーンでの離脱にこだわったのか。 先日の日経新聞に載っていた、芸術文明史家の鶴岡真弓さんのコラムで合点がいった。 ▼ハロウィーンといえば収穫祭のイメージが強いが、その起源である万霊節はケルト文化では「大晦日(おおみそか)」にあたる。 北ヨーロッパの厳しい冬を乗り越え、復活を誓った翌朝に、新制度を迎えるというわけだ。 たとえばEUのマーストリヒト条約発効も、1993年11月1日だった。 ▼「勤労感謝の日」を元の新嘗祭(にいなめさい)に戻せ、と小欄で何度も訴えてきた。 その年の農産物の収穫に感謝する意味合いがすっかり薄れてしまったからだ。 もっとも宮中では、天皇陛下による最重要の祭祀(さいし)として、新穀を神々に供え陛下自ら召し上がる儀式が行われてきた。 ▼大嘗祭(だいじょうさい)は、天皇陛下が即位後初めて執り行われる新嘗祭である。 一代一度の大祭はもともと、旧暦では冬至のころに行われていた。 古代の日本人は、太陽の力が弱まり、万物が衰えるこの時期に、「一陽来復」を願った。 「この自然界の生命力の復活の祭祀に現実世界の王(のちには天皇)の復活の祭祀が重なって、大嘗祭が形成されたのであろう」(『大嘗祭』工藤隆著)。 ▼大嘗祭と新嘗祭では、米とともに粟(あわ)も供えられてきた。 飢饉(ききん)の際の貴重な代用食である。 有史以来、さまざまな災害に苦しめられてきた、日本の国柄の表れといえる。 最近も台風と水害によって、各地で甚大な被害が出ている。 ▼国学院大学名誉教授の岡田荘司さんによれば、災害を忌避するための祈りとともに、備えの意味もあった。 そんな祭祀に、国費が充てられるのは当然ではないか。
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