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やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その119

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やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その119
127 :[]:2019/08/22(木) 21:54:04.01 ID:+Ad06nrj0
7月31日(水)朝日新聞東京版朝刊文化面・文芸時評

小野正嗣(作家)   大江作品を読む   名著は問う 社会のいまを

このひと月は、ずっと大江健三郎ばかり読んでいる。

NHKのEテレに「100分de名著」という番組がある。9月に大江の長編小説
『燃えあがる緑の木』(新潮文庫)が取り上げられることとなり、僕が講師を
担当するのだ。

『燃えあがる緑の木』は、3部から構成され、1993年から毎年1部ずつ文芸誌
「新潮」に掲載された。いまでもよく覚えているが、大学生だった僕は、単行本化が
待ちきれず、「新潮」を買って読んだ。

この長篇の第2部が刊行された94年に、大江はノーベル文学賞を受賞する。当時まだ
日本語でしか読めなかったこの作品は、ノーベル賞につながる大江の国際的な評価には
直接の貢献はしていないのかもしれない。

しかし、改めて読み直してみると、名著に値する作品だと痛感する。ほぼ四半世紀前に
書かれたにもかかわらず、まるで古びておらず、それどころか僕たちの社会の〈いま〉に
呼応するような問いかけがたくさん含まれていると感じられるほどだ。

(続く)
やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その119
129 :[]:2019/08/22(木) 22:07:29.01 ID:+Ad06nrj0
>>127
(続き)

作品のいちばん大きな主題は、「魂のこと」である。作家自身のように具体的な信仰を
持たぬ者は、いかなる宗教にも頼ることなく、いかにして魂の救済を想像しうるのか。

小説は、自らの魂の問題に取り組むために四国の森の中の土地に移り住んだ男の受難を
描く。「ギー兄さん」と呼ばれる主人公は、「救い主」として教会を設立するのだが、
この小説を通して、大江は「宗教」なるものがどのように誕生し、組織化されて
いくかを、壮大な構想力で再現しているようにも見える。

「救い主」の教団の一部が、教団施設を基地化して武装化していくあたりは、第3部が
刊行された95年3月に、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きたことを思うと、
すぐれた小説のもつ予言的な力というものを考えさせずにはおかない。

また、「救い主」の教団は、四国にある原発(伊方原発であろう)の前まで行進して、
そこで祈りの力によって、原発停止を実現しようとする。

大江健三郎が『ヒロシマ・ノート』(岩波新書)以来、核の廃絶を願って社会的な
発言・活動を粘り強く続けてきた事実を思えば、このような場面が描かれているのは
驚くべきことではないのかもしれない。

しかし、2011年の東日本大震災と福島の原発事故を経験したあとでは、この場面の
僕たちの受け止め方もまた、小説の刊行時以上に切実なものにならざるをえない。

(以下略)


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