- 産経抄ファンクラブ第251集
748 :文責・名無しさん[sage]:2019/03/12(火) 06:02:13.88 ID:ETXbevSk0 - 産経抄 3月12日
米国現代史の最大の謎といえるのが、1963年に起きたジョン・F・ケネディ大統領の暗殺である。犯人として逮捕されたオズワルドは、事件の2日後に殺される。 ▼以来、オズワルドの単独犯行ではない、とする「陰謀説」がくすぶってきた。黒幕として挙げられたのは、CIA、ソ連、マフィアなどである。真相解明につながる機密文書は2年前に全て公開されるはずだったが、なぜか一部が非公開となった。 ▼伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』は、事件を下敷きにしたサスペンス小説である。首相暗殺の濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着せられる主人公は、学生時代の友人から警告を受ける。「おまえ、オズワルドにされるぞ」。 ▼北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2017年2月にマレーシアの空港で殺害された事件の謎も深い 。正男氏の顔に猛毒の神経剤VXを塗った実行犯として、2人の女が殺人の罪に問われている。インドネシア国籍のアイシャ被告(27)とベトナム国籍のフオン被告(30)は、オズワルドにされたのだろうか。 ▼2人は「いたずらの撮影と思っていた」と主張してきた。現場で2人に指示したとされる北朝鮮の男4人は、出国して行方をくらましたままだ。 現地の検察は昨日、アイシャ被告の起訴を取り下げた。理由はわからない。本来法廷に立つべき事件の張本人は他にいる。はっきりしているのは、それだけである。 ▼先月末に、フオン被告の母国を訪れ、トランプ米大統領と2度目の政治ショーを繰り広げたばかりだ。 裁判で有罪となれば死刑となる、彼女の身の上を気にかけた様子はみられない。非核化の前に、制裁の完全な解除を勝ち取るもくろみが破れ、むなしく帰国した正恩氏、その人である。
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