- やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その113
13 :☆[]:2018/01/13(土) 21:56:51.08 ID:QJcdxbFw0 - 2017年12月15日(金)朝日新聞東京版朝刊文化面・クロスレビュー
「君たちはどう生きるか」 『漫画 君たちはどう生きるか』が大ヒットしている。15歳の少年が叔父さんとの 対話を通じて、貧困や暴力という社会に横たわる大きな問題と向き合いながら成長する 物語だ。原作は雑誌「世界」の初代編集長吉野源三郎。なぜ80年前に語られた 「生き方」に注目が集まるのか。読み解いてもらった。 (続く)
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14 :☆[]:2018/01/13(土) 22:07:54.14 ID:QJcdxbFw0 - (>>13の続き)
人生100年 中高年に刺さる 社会学者 古市憲寿 癖がない絵で、漫画を読み慣れていない中高年もすんなり読める。人物の描き方も 今っぽい。旧制中学の生徒は丸刈りだったはずですがそうしていないし、主人公も 丸めがねの天才少年風です。 タイトルにも中高年を中心に売れ始めた理由があると思う。「人生100年時代」と 語られる今、「どう生きるか」は重要な問題です。学生時代は自分探し、会社では 企業戦士として戦い、さて定年。不安なところにこのタイトルが刺さったのではないか。 中高年の気分が若いのが今の日本です。 僕は今回、原作を初めて読みました。個人の尊重、知識や社会の進歩への信頼という 近代主義の原理がはっきり書かれ、吉野が、戦後も通じて日本をどんな社会に したかったのかがよくわかる。 「エリート予備軍」のコペル君が叔父さんから学ぶ原作のスタイルは説教くさい感じを 受けるが、漫画はそうでもない。最近「近代主義」や「リベラル」の評判がよくない ですが、実は中身よりも語り口の問題なのかもしれません。 (続く)
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15 :☆[]:2018/01/13(土) 22:19:07.88 ID:QJcdxbFw0 - (>>14の続き)
ライトな表現の「問題集」 高校図書館司書 成田康子 勤務先の高校の図書館用に漫画版を買いました。いつも貸し出し中で、漫画をきっかけに 原作の文庫を読む生徒もいます。 ストレートな題名が今に高校生に受け入れられるのか、半信半疑でした。どう生きるか よりもまず、どう大学に入るかを大切にしているように見えます。友人同士でも自分を さらけ出したがりません。 だからこそ、この本が話のきっかけになればと考えました。漫画版のライトな感じは 取っつきやすかったようです。生徒の表現を借りれば、原作に比べて漫画版は 「君たちはどう生きる?」くらいの軽さ。一つ一つのエピソードが深刻になりすぎない よう適度に和らげて表現されていますね。 原作も漫画も、節目節目でコペル君と叔父さんとの対話や手紙が入るので、作者が 投げかける問いがわかりやすく示されます。ある生徒はこの本を「問題集」にたとえ ました。生き方の「正解」を知っていてもその通り行動できずに悩むコペル君に、 自分を重ねながら読んだようです。 (続く)
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16 :☆[]:2018/01/13(土) 22:28:35.81 ID:QJcdxbFw0 - (>>15の続き)
貧困・偏狭 いまに通じる 文芸評論家 斎藤美奈子 メッセージは明快。人間はちっぽけだけど、世界は広い。特に原作には、教養のための 教養主義とは違う、大正モダニズムの良質な部分が受け継がれています。 中学生同士の友情を描くシンプルな筋書きですが、話題は多岐にわたります。コペル君 と叔父さんはニュートンの万有引力からナポレオンの歴史物語、そしてガンダーラの 仏像のことまで語り合う。 貧困にあえぐ同級生の生活や、偏狭な愛国心を振りかざす先輩の暴力に、「ヘタレ」な 男の子が向き合っていく。人生論の本というより、社会の仕組みを教えてくれる テキストです。 もし「総中流意識」が当然だった1980年代に漫画化されていたら、今ほど反響は なかったのでは。貧困は遠い世界と感じられたように思います。 ということは、コペル君が生きた30年代と現代の空気に通じるものがあるのかも しれない。見落とされがちですが、コペル君は、先の大戦での学徒出陣で命を 落としていく世代なのです。 (終り)
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