- 【赤い酔星】中日新聞・東京新聞こそ電波その58
202 :文責・名無しさん[sage]:2013/11/17(日) 12:26:12.50 ID:BJc3VgWPP - 中日春秋
鉄腕アトムと鉄人28号はどっちが強いか−。子どもの時、そんな議論を戦わせた人もいるだろう。いずれも五十年前の一九六三(昭和三十八)年にテレビでアニメ放映が始まった ▼能力分析はともかく、米国防総省ならば、アトムではなく鉄人を間違いなく選択する。最大の違いは感情の有無だ。アトムは戦いに際して時にためらい思い悩む。鉄人は悩まない。 正太郎少年の「リモコン」に命じられたまま、敵を攻撃する▼パキスタンなどでの米国の無人機攻撃への批判が高まる。民間人が巻き込まれている。モニターの精度の低さなどによる誤爆。それ以上に人の命を奪うことへのためらいを感じにくいことに原因がある ▼操縦は現地から遠く離れた、米国の基地内で行われる。オペレーターはモニターを見てミサイルを発射する。相手のおびえた目を直接見ることも叫び声を聞くこともない。無人機は鉄人と変わらぬ ▼人殺し方法は相手との距離をいかに取るかで進化してきた。直接殴る。剣で切る。銃、爆弾。そして無人機、やがては殺人ロボットへ進む。人間の関与は減る。人の感情を失った戦いはより冷酷になる ▼「アトムは完全ではないぜ。悪い心を持たないからな」。悪党が、お茶の水博士に指摘したアトムの「欠陥」。あれは「欠陥」ではなく、知恵だった。<心やさし科学の子>を米軍が気に入るはずもない。
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