- 産経抄ファンクラブ第144集
522 :文責・名無しさん[sage]:2010/12/26(日) 06:32:12 ID:oxrO8pxUP - 産経抄 12月26日
ナベヅルはツルの仲間でも抜きんでて、群れで暮らすのを好むようだ。毎年冬を 迎えると、シベリア方面から南の地へ移動するのだが、総個体数の9割までが 鹿児島県北部の出水平野で冬を越す。有名な「出水のツル」である。 ▼昭和の一時期は朝鮮半島で越冬することもあったらしいが、戦後ほとんどが出 水に帰ってきた。エサもたっぷりとあって居心地が良いためらしい。出水市として も絶滅危惧種、そして貴重な観光資源として大切に扱い、個数も増え続けてきた。 ▼一方で一カ所に集中しすぎると疫病がはやった場合、ナベヅル自体が絶滅す る怖さもある。だから、少数派ながら別の群れが飛来する山口県周南市の越冬 地に一部を移し分散させようと、試みたこともあったようだ。だがそれも群れの 「団結心」のため簡単にはいかないらしい。 ▼案ずるかな今年、ツルの一部が鳥インフルエンザに感染したことがわかった。 野鳥だけに、これ以上の感染を防ぐのは至難のワザだ。絶滅の恐れが現実のも のになりかねない。しかも近くには養鶏場もあり、こちらへの感染も怖い。いわば 二重の危機を背負い込んでしまったのである。 ▼考えてみると、このナベヅル社会の危機は民主党政権のそれと似ていなくも ない。菅直人首相らと小沢一郎元代表との対立で党分裂の可能性が高まった。 だが昨日の2人を中心とする会談は「挙党一致」で終わり、そんな空気とはなら なかったようだ。 ▼よほど政権という「エサ場」の居心地が良いのだろう。だがこのまま「小沢病」 や「仙谷病」を抱えていては、党が崩壊するかもしれない。いっそ、2つに割れて 一から出直した方が、国民のために良いような気がするのだが。
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