- 産経抄ファンクラブ第144集
304 :文責・名無しさん[sage]:2010/12/18(土) 06:31:01 ID:gocUBbJYP - 産経抄 12月18日
落語にはあまり意味のない言葉を羅列することで笑いを取るものがある。子供に二十 幾つもの言葉を並べた名前をつける『寿限無』などその典型だ。「呆助、唐十郎、チン ケイトウ…」とありったけの罵倒語で啖呵(たんか)を切る『大工調べ』にも、似た趣が ある。 ▼一昨日、仙谷由人官房長官の会見に出た記者たちはそんな落語を聞かされた気 がしたことだろう。ただし同じ笑いでも、こちらは失笑だった。何しろ14分間にわたり 約30項目の「首相の決断」をまくしたてた。リーダーシップという言葉だけでも16回 出てきたそうだ。 ▼一国のスポークスマンとしては異様な会見だったが、それには前段があった。前 日の会見で菅直人首相が指導力を発揮した事例を聞かれ「突如聞かれても…」と口 ごもり、「明日までに思い出しておく」と答えた。その回答として「実績」を羅列したの である。 ▼だが仙谷氏がとうとうと並べた「首相の決断」は疑問だらけである。中国側に振り 回され放しだった「日中首脳会談」のどこに指導力が発揮されたのだろう。「韓国併 合100年談話」は「将来に禍根を残した愚挙」との批判が渦巻く「決断」だった。 ▼直近の諫早湾干拓事業をめぐる上告断念も「いたずらに地元の反発を招いただけ」 と、評判は芳しくない。逆に、小沢一郎元代表の国会招致では何も決断しない。前 日に実績を聞かれて、とっさに何も出てこなかったことの方が、よほど正直な「答え」 に思えた。 ▼耳に心地のいい公約ばかりを並べ、どれもまともには実現できない。そんな民主 党政権の「羅列政治」の象徴とも受け取れる。ヤケクソとしか聞こえない仙谷氏の 「独演会」に、菅政権の「黄昏(たそがれ)」をみた気がした。
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