- 産経抄ファンクラブ第143集
865 :文責・名無しさん[sage]:2010/12/03(金) 11:30:45 ID:c7z6Z4Bk0 - 2010.12.3 03:13
このニュースのトピックス:産経抄 表向き肉食が禁じられていた江戸時代に、彦根藩だけは牛肉生産が認められていた。将軍家などへ献 上していた記録が残っている。それを誰よりも楽しみにしていたのが、牛肉が大好物だった水戸藩主の徳 川斉昭だ。 ▼ところが仏教信仰の篤(あつ)い井伊直弼が彦根藩主となると、生産を禁止する。斉昭が何度頼んで も、直弼はすげなく断ったという(『牛肉と日本人』吉田忠著)。 ▼水戸浪士によって直弼が暗殺された「桜田門外の変」の原因は、斉昭の食べ物の恨み、なんてこと はもちろんない。ただ、幕府の大老として開国を推し進めた直弼と攘夷(じょうい)を唱えて激しく対立した 斉昭が、牛肉をめぐっては、まったく逆の立場だったとは興味深い。 ▼環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加をめぐる論議が、政府内で本格的に始まった。アジア太平 洋圏で起こっている自由化への大きなうねりに背を向けていては、貿易立国の日本の将来はない。もっとも 農林族議員たちの、絶対阻止の 決意は固いようだ。 ▼自らの内閣を「奇兵隊内閣」と名付けた菅直人首相は今回、「平成の開国」と打ち上げた。それほど歴 史好きなら、小紙連載の「幕末から学ぶ現在」にぜひ、目を通してほしい。筆者の山内昌之東大教授は、 旧幕臣の福地桜痴の言葉を引いて直弼を批判していた。 ▼もし直弼にまことの開国の「卓識」があれば、自ら上京して開国と鎖国の得失を天皇の前で堂々と弁 じていただろう、と。斉昭も開国によって、米国産牛肉がたらふく食べられると知ったら、攘夷にあれほど 固執しなかったかもしれない。あくまで妄想だが。首相には直弼を反面教師にして、国民の前で堂々とT PPを弁じてほしいものだ。
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