- 産経抄ファンクラブ第142集
193 :文責・名無しさん[sage]:2010/11/01(月) 06:20:37 ID:hYQTIjOJ0 - 産経抄 11月1日
中国メディアやネットによる、日本批判はエスカレートするばかりだ。2年前の四川大 地震の際は一時的にしろ、日本賛美の声があふれた。日本の救助隊が病院で母子 の遺体に全員で敬礼している写真が、国営新華社通信によって、全国に配信された からだ。 ▼「大事にしてくれてありがとう」。こんな書き込みが、ネットに目立った。数カ月後に 公開された映画「おくりびと」では、納棺夫役の本木雅弘さんの、遺体を清めるしぐさ の美しさが世界を感嘆させた。遺体を大切に扱うのは、日本の文化だったはずなの に、どうしたことだろう。 ▼東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さんを昨年1月末に殺害した容疑で、警視庁 が木嶋佳苗容疑者を再逮捕したニュースを聞いて、思う。この事件は当初自殺と処 理され、遺体は解剖されなかった。今年2月、別の男性が埼玉県富士見市で殺害さ れた事件で、木嶋容疑者はすでに逮捕、起訴されている。 ▼このとき埼玉県警は、遺体を司法解剖して、睡眠導入剤を検出した。青梅市の事 件の初動捜査が適切なら、防げた事件かもしれない。犯罪の疑いがなくても医師が 行政解剖を行う監察医制度もある。ただ対象となるのは、東京23区と大阪などの5 都市だけだ。 ▼このため全国的にみれば、いわゆる変死体の解剖率は、欧米諸国に比べて著し く低いという。犯罪の見落としを心配する声は、以前から高まっていた。しかし、開業 医になりにくいとされる解剖医の数は、減る一方だ。 ▼ベストセラーとなった『死体は語る』などの著者で、元監察医の上野正彦さんは、 「死体ほど雄弁なものはない」と訴えてきた。その声に耳を傾けて、「死者の人権を 守れ」とも。
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