- 産経抄ファンクラブ第140集
787 :文責・名無しさん[sage]:2010/10/02(土) 06:22:00 ID:tEUXzigw0 - 産経抄 10月2日
中国の政治家がよく使う格言に「井戸を掘った人を忘れない」というのがある。 特に日中国交回復にあたった田中角栄元首相を語るとき、好んで引用されて いたように思う。世話になった人の恩義には報いるべきだという意味だろう。 ▼裏返してみれば、自分に膝(ひざ)を屈してくる相手にはよくしてやると言っ ているようにも聞こえる。だがどちらにしてもその格言はすたれてしまった。民 主党政権になって以来の対中外交、特に尖閣諸島付近での中国漁船の衝突 事件への日中の対応を見ると、そう思わざるをえない。 ▼昨年12月、当時の小沢一郎幹事長が総勢600人を超える民主党訪中団 を率い北京入りした。140人余りの参加議員らは先を争うように胡錦濤主席と 記念写真におさまったものだ。小沢氏も国内ではめったに見せない愛嬌(あい きょう)を中国首脳に対し振りまいた。 ▼その直後、鳩山由紀夫首相が天皇陛下と来日した習近平副主席との会見 を実現させる。中国側の要望で、事前通告のルールを無視して強引に押し込 んだのだ。小沢氏も宮内庁長官に辞任を迫るなどして後押しした。2本も3本も 井戸を掘ったのである。 ▼今回の事件で民主党政権は内心「あれだけ尽くしたのだから、中国も無理 は言うまい」と高をくくっていたのかもしれない。ところがどっこい、中国がやった のは閣僚級交流をやめるといった「恫喝(どうかつ)」のエスカレートだった。日 本はあっさりこれに屈してしまった。 ▼日本が経済的優位にあった田中元首相の時代ならともかく、今の中国はこ ちらが尾っぽを振って行っても利用されるだけだ。そのことをやっと、思い知った ことだろう。それにしてもあの大訪中団は一体何だったのですかねえ。
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