- さがら総 変態王子と笑わない猫。44匹目
64 :イラストに騙された名無しさん[]:2020/01/17(金) 00:39:40.81 ID:BErwnV9K - ここまで語ればもはや説明の必要も無いと思うのだけ ど、この話は要するに見栄だけで生きる親によって代理戦争に巻き込まれた小学生たちの物語という事 になる。
親の愛情は自分が出す「結果」とバーターでしてのみ与えられるという何ともやり切れない家庭環境で追い詰められていく年端も行かない少女たちの声なき悲鳴みたいなものが主題であり、「他者が羨む何者かになる事だけを条件に愛される」という歪さが話の真ん中にデンと居座っている。 ただ、この「他人が羨む存在になる事だけが幸福になるための唯一の道なのか」という問いが凛や楓といった小学生だけでなく女子高生三人娘、デビュー即売れっ子ラノベ作家になった星花、学歴社会から早くも撤退を決め込んだ引きこもりダウナー娘の冬燕、星花と同時デビューでありながら圧倒的な差を付けられたヤヤの三人を通じても投げ掛けられている点はこの巻の大きな特徴となっている。
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- さがら総 変態王子と笑わない猫。44匹目
66 :イラストに騙された名無しさん[]:2020/01/17(金) 00:40:54.45 ID:BErwnV9K - そして他人との比較の中にしか幸不幸を見出せない苦しさを「下」からだけでなく「上」からも描いているからこそ堪らない。終盤、全ての騒動にカタが付いた様な状況の中で普段の饒舌さとは似ても似つかぬ静けさの中でポツリと本音を語る星花の姿は強烈。
飛び抜け過ぎた才能とその成果としての名声によって空に浮かぶ月の如く孤独な存在となった星花と、そんな星花の置かれた立場を知りながら凡人であ るが故に何も出来ずに立ちすくむ「ラノベ作家」天神の姿は強い印象を残した。 こんな息苦しい問いが投げ掛けられ続けた第六巻だったけれども、正直「凡人にはそこまで割り切れねえよなあ」と思っていた。それは小学生同士の友情を見せ付けられても「まあ子供の世界だから許される事だよねえ」と厭らしい見方を捨てきれなかった。 だからこそ最後の最後にさがら総なりの答えが「誰もが羨む様な何者かになれない苦しさ」を打破する考え方みたいな物がぶち込まれてくる展開になった時には唸らされた。
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- メディアファクトリー・MF文庫J総合スレッド163
451 :イラストに騙された名無しさん[]:2020/01/17(金) 18:23:26.15 ID:BErwnV9K -
5つ星のうち5.0 他人との比較の上でしか確認できない幸や不幸に意味はあるのか、という問題 2020年1月12日 https://www.amazo n.co.jp/gp/customer-reviews/RZTCNGULKBSWE/
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