- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
2 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:36:54.93 ID:S/oLUofH - 善子「考えればわかるでしょ。シャーペンの構造が、短すぎる芯に対応できないようになっているのよ」
ルビィ「そういうことじゃないもん!」 善子「えっ?」 ルビィ「ルビィが言いたいのはさー、シャーペンの芯の使えない部分を捨てるのってかなり無駄じゃない?」 善子「そうね」 ルビィ「もったいないじゃん。まだ書けるのに」 善子「……」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
3 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:38:37.89 ID:S/oLUofH - ルビィ「でしょ?」
善子「でも捨てるしかないじゃない。使えないのよ?」 ルビィ「だったら最後まで芯使い切れるようなシャーペン作った方がお得じゃない?シャーペンの芯の使い切れない部分だって、三本くらい合わせたらまた一本のシャーペンの芯になるんだよ?」 ルビィ「それか捨てなきゃいけない部分まで書ける素材で作る必要ないじゃん。どーせ捨てることになるのが決まってるんだったらさ」 ルビィ「不思議だなぁ……」 善子「……」 ルビィ「ねえ善子ちゃん!なのになんで?なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないようになってるの!」 ルビィ「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで〜!!」ユサユサ 善子「あーもううるさいわね!知らないわよそんなこと!」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
5 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:40:37.68 ID:S/oLUofH - 〜別の日〜
ルビィ「うゅ……」ポケー 善子「……」 ルビィ「……なんで海って青いんだろ?」 善子「は?」 ルビィ「ねえ善子ちゃん。お空って青いよね?」 善子「当たり前でしょ」 ルビィ「海もおんなじくらい青いよね?」 善子「当然ね。何バカなこと言ってるのよ」 ルビィ「なんで海って青いんだろ。ねえなんで?」 善子「そんなの水だからに決まってるでしょ。水ってのは青いものなのよ」 ルビィ「でもお風呂のお水は青くないよね?」 善子「は?」 ルビィ「コップにお水汲んだ時だって、水たまりのお水だって青くないじゃん」 善子「……」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
7 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:42:45.49 ID:S/oLUofH - ルビィ「ねえなんで!なんで海の水だけ青く見えるの!善子ちゃん!」
善子「知らないわよ!海水だから青いんじゃないの!」 ルビィ「うっわ、知らないんだ!善子ちゃんのくせに!」 ルビィ「なのに『海が青い』とか歌詞にたくさん出てくる歌いっぱい歌わされてるなんて、ルビィまでまるでバカみたいじゃん!」 善子「いいでしょ別に!青いのは事実なんだから!」 ルビィ「そうとは限らないもん!もしかしたら善子ちゃんがおバカさんだからそう見えてるだけかもしれないし!」 善子(こ、こいつ〜……!) ルビィ「ねえ善子ちゃん!なんで海の水って青く見えるの!?ルビィ気になる!なんで!」 ルビィ「ねえなんでなんでなんでなんでなんでなんで〜!!」 善子「あーもううるさいわね!知らないって言ってるでしょ!」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
9 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:44:52.12 ID:S/oLUofH - 〜またまた別の日〜
ルビィ「……」 善子「……」 ルビィ「……むゅ」プクー 善子「今度はどうしたのよ」 ルビィ「お姉ちゃんに怒られた」 善子「は?」 ルビィ「学校帰りにコンビニ行ってるところ見つかって、お姉ちゃんに怒られたの!」 善子「ふーん。ま、一応学校帰りは寄り道するなってことに校則でなってるし、生徒会長に見つかった以上怒られるのは当然ね」 ルビィ「おかしい!」 善子「は?」 ルビィ「善子ちゃんだって学校帰りにコンビニ寄ったりすることあるじゃん!果南ちゃんだって、千歌ちゃんだって、曜ちゃんだって、あの梨子ちゃんでさえも!」 ルビィ「なのにルビィだけ見つかって怒られるなんて絶対おかしい!なんでなんでなんでなんでなんでなんで〜!!」 善子「……」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
11 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:47:41.65 ID:S/oLUofH - 善子「姉だからじゃない?怒りやすいのよ、きっと」
ルビィ「ズルい!不公平じゃん!」 善子「仕方ないでしょ、姉妹なんだから。そういうものなんだから諦めなさい」 ルビィ「むゅゅゅゅゅ〜!!じゃあわかった!善子ちゃんが買い食いしてることもお姉ちゃんに報告してくる!」 善子「はぁ!?」 ルビィ「だってルビィだけ怒られるなんて不公平じゃん!やってることは同じなのに!」 善子「ば、ばれたんだから仕方ないでしょ!ばれなきゃセーフなの!」 ルビィ「じゃあなんてルビィだけお姉ちゃんにすぐ見つかってるの!なんで善子ちゃんたちは見つからずに済んでるの!」 ルビィ「というかそんなに買い食い禁止したいんだったらコンビニに張り付いて一日中ずーっと監視してたらいいのに!それならルビィだけじゃなくってみんなで怒られて平等なはずなのに!」 ルビィ「ねえなんで!なんでルビィだけ不公平な目に遭わなくっちゃいけないの!なんでなんでなんでなんでなんでなんで〜!!」 善子「あーもううるさいわね!知らないわよそんなの!」 ルビィ「むゅ〜!」プクー
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
12 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:50:21.33 ID:S/oLUofH - ルビィ「善子ちゃんのばか!」
善子「はぁ!?」 ルビィ「善子ちゃんのくせにルビィの質問にも答えられないなんて!ばかばかばかばかば〜か!」 善子(ぐ、ぐぬぬぬ〜……!) ルビィ「善子ちゃんってルビィの単純な疑問にも一個も答えてくれないんだね!ルビィより頭いいです〜的な雰囲気いつも醸し出してるくせにさぁ!」 善子「なによ!って言うかそういう細かい疑問こそダイヤにでも聞けばいいじゃない!ダイヤならなんでも知ってそうだし、なによりあんたのお姉ちゃんでしょ!!?」 ルビィ「聞いたもん。とっくに」 善子「なら ルビィ「でも黙れって言われた」 善子「えっ?」 ルビィ「下らないこと言ってる暇があったら勉強しろって言われた」 善子「……」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
13 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:52:14.20 ID:S/oLUofH - 善子「だったらあんたの疑問はその程度の質だったってことなのよ」
ルビィ「でも!生物の先生だって日々の中で小さな疑問を持つのは重要だって言ってたもん!」 ルビィ「だから善子ちゃんが答えてよ!ルビィの質問!ルビィ気になって夜も眠れない!なんでなんでなんでなんでなんでなんで〜!!」 善子「あーもううるさい!なんでだっていいでしょ!!」 ルビィ「やっぱり善子ちゃんだってわかんないんじゃん!ばかばかばかばーか!あっかんべー!」 善子(ぐ、ぐぬぬぬぬ〜……!!自分だって何も知らないくせに〜……!!)
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
15 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:54:32.79 ID:S/oLUofH - ***
善子「はぁ……」 善子(さてと、今日も配信……) ルビィ『やっぱり善子ちゃんだってわかんないんじゃん!ばかばかばかばーか!あっかんべー!』 善子「……」 善子(まったく。仕方ないんだから……) 善子「……」カタカタ ……… …… …
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
16 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:56:35.13 ID:S/oLUofH - 善子「ん」
ルビィ「えっ?」 善子「調べてきたわよ」 ルビィ「何の話?」 善子「あんたさんざんあれなんでこれなんでって言ってたでしょ。全部理由を調べてきたの」 ルビィ「あー……」 善子「まずシャーペンの芯が最後まで使うことが出来ない理由についてね。これはそもそも現在主流になっているシャープペンシルの構造自体に原因があるわ」 善子「シャーペンを分解するとわかると思うけど、そもそもシャーペンは芯を二本のバーが挟んで支えることで芯が真っ直ぐに固定されて、文字が書ける仕組みになっているの。だから、文字を書くためには『バーが芯を支える部分』以上の長さを持つシャーペンの芯が必要になるってわけ」 善子「で、このシャーペンの芯のうち『バーが芯を支える部分』に対応する芯の長さが絶対に書くために必要になる以上、どんなに頑張っても芯のうち使うことが出来ない部分が発生してしまうの。だから絶対にシャーペンの芯は最後まで使い切ることが出来ないのよ」 善子「ちなみにこの問題を解決するためには、『バーが芯を支える部分』の長さを出来るだけ0に近づける方法か、もしくはそもそもの芯を書くためにペンに対し固定化する方法を根本から変えるって選択肢が考えられると思うけど」 善子「どちらの方法を取るにしても、『開発コストが無駄になるシャー芯のコストに比べて高い』って問題が根底にあるらしく、だから環境負荷を低減するようなシャー芯はあまり世の中に浸透をしていないみたいらしいわよ」 善子「ま、時代のトレンドが変わればルビィが言うような方向での発展もあり得るのかもね」 ルビィ「へー……」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
18 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 18:59:54.86 ID:S/oLUofH - 善子「次に海が青く見える理由。これは水の分子が赤色の波長を吸収すること・海面で光が反射すること・海底で光が反射することの三つの要因が複合的に影響しているみたい」
善子「まず一番わかりやすいのが『海面で光が反射する』って理由よ。これは単純に空の青さを海面が鏡みたいに反射して、だから海が青く見えるの。これが一番目の理由ね」 善子「次に考えられているのが、『水の分子が赤色の波長を吸収するから』。水の分子は赤色の波長を他の色に比べて吸収しやすいって特徴があるみたいで、だから海の中を光がなが〜く通過する時に青色の波長だけが残って、それで海が青く見えているらしいわよ」 善子「砂浜から海を見た時に、遠くの海が青く見えて砂浜に近い海が白く見えるのがこの理由によるものね。水が多くたまっているところほど赤色が吸収されるから青く見えるの」 ルビィ「へー……」 善子「で、最後の理由が『海底で光が反射されているから』。海底は光を発さないけど、空から届いた光は一度海底まで届いた後に私たちの目に入っているらしいから、この過程の中で赤色の波長が吸収されて青く見えているのよ」 善子「以上3つが、海が青く見える原因よ」 善子「ちなみにこれらの理由もあくまで最も有力だと考えられている三つの要因なのであって、ほんとのところはよくわかっていないらしいわよ」 ルビィ「ほー……」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
19 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 19:01:21.32 ID:S/oLUofH - 善子「で、最後に、なんでルビィだけが怒られることが多いのか」
善子「この答えは簡単よ。本当にたまたま、ルビィの運が悪いから」 善子「そもそも何かを罰する時の基本だけど、罰っていうのは『ほどほどに』与えるのがベストなのよ。例えばこの前の買い食いだと、四六時中見張っているというのはさすがに監視のコストが大きすぎる。けど、全く監視をしないというのもルールを決めた意味がない」 善子「だからほどよいバランスの中で『確率的に』監視をするって選択肢が生まれるの。日時や時間に縛られずに抜き打ちで検査をすることで、他の人に対する抑止力にもなる」 善子「だからルビィだけが怒られて、他の人は見つからなかったってのもほんとにたまたま。陰謀でもなんでもないわ」 ルビィ「へー……」 善子「わかった?」 善子(むふん♪)ドヤ! ルビィ「ふーん。ま、どーでもいいや!ルビィには関係ないし!」 善子「え゛!?」
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
20 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2023/03/01(水) 19:02:49.50 ID:S/oLUofH - ルビィ「というか善子ちゃん、わざわざそんなこと調べてまとめてくるなんて、よっぽど暇だったんだねw」
善子(っ!!?)グサリ ルビィ「それだけ?じゃあルビィ今日は用事あるからもう帰るね!この後花丸ちゃんと一緒に新作のゲームで遊ぶんだ〜!」 善子「えっ!?ちょっ、まっ、ルビっ」 ルビィ「ばいばーい!」ピューッ! 善子「え、えぇぇ〜!!?」 善子(ちょっと!まさかの無視!?って言うかさらっとヨハネのことハブって遊びに行くなぁぁ〜〜!!)
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- ルビィ「……なんでシャーペンの芯って最後まで使い切れないんだろ」善子「は?」
21 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2023/03/01(水) 19:03:25.82 ID:S/oLUofH - おしまい。お読みいただきありがとうございました
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