- 歩夢「世界旅行」
482 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 00:11:02.60 ID:bhT4Qt0K - 切ない表情をする遥くんを見ているとなんだかこっちまで泣きそうになって来るので、私は侑ちゃんの袖を引っ張ってこの場を離れようとした。
別れる際、彼方さんは私達に 彼方「今度は一緒に行こうね〜」 と手を振りながら歩いていた。私も小さく手を振り返していたが段々と姿が小さくなっていき、私は手を下ろした。 侑「ちょっと可哀想だったね」 と侑ちゃんが呟いた。私は小さく頷く。
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483 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 00:14:24.22 ID:bhT4Qt0K - 侑ちゃんは
侑「本当に気が付いてないのかな?」 の続けた。 侑「だってさ、どんなに鈍感でも気がつくと思うんだけどな」 確かに。侑ちゃんの言う事も一理ある。彼方さんは気が付かないふりをしているだけかもしれない。
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484 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 00:26:00.16 ID:bhT4Qt0K - 何の為に?私なら関係を壊したくないからだ。その気持ちは分かる。ぬるま湯に浸かった様な関係は楽なんだろう。けど、それって遥くんにとっては凄く残酷な事だと思った。
では、私がこの世界に来たのは二人の関係を後押しする為なのか?それもなんだか釈然としない。 二人が付き合えばハッピーエンドなのだろうか。そもそも、彼方さんはスクールアイドルだし。
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488 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 22:10:14.01 ID:bhT4Qt0K - 彼の気持ちを考えると心がギュッと締め付けら様だった。
私と侑ちゃんはそれから特に喋る事もなく歩き出した。 途中、すれ違った親子は子供が浴衣姿で会話の内容からして今日は花火大会があるらしい。 遥くんもきっとそれを知っていたんじゃないかな。 私は心の中で遥くんを応援していた。
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489 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 22:34:04.13 ID:bhT4Qt0K - 翌日、私はしずくちゃんと水の広場公園にいた。
しずく「ここでライブをやるとなると何処に問い合わせすればいいんですかね?」 歩夢「この公園自体は都で運営してる様だけど管理は委託会社が行ってるみたいだね」 昨日、音ノ木坂で打ち合わせした内容を同好会のメンバーに報告した所、早速手分けして会場の下見と手配の準備をする事になった。 内心、彼方さんと行動を共にしたかったけど侑ちゃんが適当に振り分けて私はしずくちゃんと行動する事になったのだった。
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491 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 22:43:08.31 ID:bhT4Qt0K - しずく「この噴水。なかなかライブ映えしそうですね」
歩夢「うん。実際にライブをやる時は噴水のタイミングを曲に合わせて貰ったりする必要があると思うけど」 そんな話をしていると突然、ポツポツと雨が降り始めたのだった。 しずく「え?今日、雨なんて言ってなかったのに」 しずくちゃんの言う通り天気予報では晴れと言っていたはず。当然傘も持っていないかったので私達は慌てて近くのコンビニへと走った。
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492 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 22:54:02.25 ID:bhT4Qt0K - コンビニの中に入ると冷房がガンガンに効いていて、雨のせいか汗のせいかだいぶ肌を冷えた。
しずく「びっくりしましたね。急に辺りが暗くなったと思ったらこの雨ですもんね」 歩夢「そうだね」 そんな事を店内で話していた。すると店内にピロリロリ〜とメロディが流れ出した。ふと自動ドアの方に目をやるとそこに居たのはずぶ濡れの遥くんだった。 まさか、また出会すとは思わなかった。なんと言う偶像。これは以前も感じた事だけれど、まるで仕組まれているのではないかと思った。
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494 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2021/09/07(火) 23:22:35.55 ID:bhT4Qt0K - 遥くんは私を見つけると一瞬気まずそうな顔して会釈をした。それに合わせて私も
歩夢「こんにちは」 と挨拶をする。しずくちゃんが不思議そうに私の顔を覗くので 歩夢「彼方さんのバイト先の子」 と説明した。しずくちゃんはへ〜っと呟く。 遥「3日連続なんて奇遇ですね」 歩夢「そうだね。ビックリだね」 私達はわざとらしく世間話を始めた。 遥「今日はどうされたんですか?」 相変わらず遥くんは礼儀正しく歳下とは思えない。 歩夢「あの…今日は私達部活で…」 と言いかけると 遥「あぁ、スクールアイドルの」 と遥くんは呟く。どうやら私達がスクールアイドル活動をしている事を彼方さんから聞いているらしい。
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