- 穂乃果「伝説のパン」
2 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:36:55.51 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「早く急いで！このままじゃ去年の二の舞だよ」
ことり「そんな事言っても…」
穂乃果「年に一度の伝説のパンが購買に来てるんだから。しかも…限定10個…。急がなきゃすぐになくなっちゃうよ」
ことり「でも…廊下は走っちゃダメだよぉ〜」
この物語はある学園の購買にて販売された伝説のパンの争奪戦に挑んだスクールアイドル達の記録である。
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- 穂乃果「伝説のパン」
4 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:39:51.53 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「普段温厚な生徒が多い音ノ木坂も今日ばかりは周りに敵が多くなるんだ。ウカウカしてられないよ」
ことり「そんなに人気なの？その…伝説のパンが？」
穂乃果「そうだよ。ことりちゃんは去年休んでたから知らないだろうけど。まず一年生は手に入れる事は不可能だね」
ことり「どうして？」
穂乃果「情報が少な過ぎるんだよ。一年生の中には知らない子だっているくらいだからね。私は知ってたけどさ。それでもダメだったんだよ」
ことり「そうなんだ…そんなに…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
5 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:41:56.39 ID:hJ6ZqnLg - ことり「でも穂乃果ちゃん…。こっちって購買部とは逆の方向だよね？」
穂乃果「伝説のパンは購買部のおばさんが売り歩いてるんだよ」
ことり「え？どうしてそんな事を？」
穂乃果「教室によっては不公平になるし販売数も限られてるからさ」
ことり「あぁ…なるほど」
穂乃果「って喋ってる場合じゃないんだよ。早く購買のおばさん探さなくちゃ」
ことり「う、うん。って、あれ？」
穂乃果「どうしたの？何かあった？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
8 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:44:37.47 ID:hJ6ZqnLg - ことり「あれ…前を歩いてるの凛ちゃんだよね？」
穂乃果「本当だ。まさか凛ちゃんも…？」
凛「ん？あっ！穂乃果ちゃん、ことりちゃん！」
穂乃果「げっ、気づかれた」
ことり「穂乃果ちゃん…」
凛「二人とも何してるの？お昼ご飯食べないの？」
穂乃果「あ〜うん。ちょっとね。今急いでるんだよ。あの…また後でね！」
凛「え〜なんか冷たいにゃ〜」
穂乃果「そんな事ないよ。別に…ねえ？」
ことり「え？あはは…」
凛「あ〜！！もしかして穂乃果ちゃん達も伝説のパンを探してるの？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
9 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:46:20.84 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「え？やっぱり凛ちゃん知ってるの？」
凛「うん。にこちゃんから聞いたんだ。凄い美味しいって噂なんでしょ？凛も食べてみたな〜」
穂乃果「あ〜そうなんだ。なるほど。にこちゃんにね」
凛「うん。だから、凛達も探してるの」
穂乃果「達？」
凛「うん。かよちんとにこちゃんと手を組んで…」
ことり「手を組んで？」
凛「あっ…」
穂乃果「あのさ…凛ちゃん？もしかしてだけど…」
凛「何？」
穂乃果「足止めしてる？私たちを…」
凛「え？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
10 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:47:52.28 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「ことりちゃん行こう！」
ことり「へ？」
穂乃果「敵だよ！凛ちゃんは敵なんだって」
ことり「え？えーーー！？」
凛「ちょっ」
ことり「ど、どういう事なの？」
穂乃果「足止めだよ。にこちゃん達と手を組んでるって事は凛ちゃんが足止めしてる隙にこちゃんと花陽ちゃんがパンを探してるんだよ。言ったでしょ？今日に限っては皆んな敵だって」
ことり「え〜そ、そうなの？」
凛「バレちゃ仕方ないにゃ〜」
穂乃果「走るよことりちゃん」
ことり「え？え〜」
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- 穂乃果「伝説のパン」
11 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:49:28.70 ID:hJ6ZqnLg - 凛「待つにゃ〜」
穂乃果「待てと言われて待つバカはいないよ」
ことり「ほ、穂乃果ちゃ〜ん」
凛「ちゃんと足止めしなきゃにこちゃんに怒られちゃうにゃ〜」
穂乃果「はあ…はあ…はあ…しつこい。他の人達を足止めすればいいのに…なんで私達の邪魔をするのさ」
ことり「そ、そうだね…はあ…はあ…」
ザワザワ
穂乃果「げっ、人混み…何？もしかして…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
12 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:50:57.69 ID:hJ6ZqnLg - ヒデコ「あっ！穂乃果、ことりちゃん！」
穂乃果「この人混み何？もしかして例の？」
ヒデコ「うん。例のアレ！この先で見かけたって人が居るらしいんだけど…」
穂乃果「もうこんなに人が？」
ことり「って事はもう売り切れちゃったのかな？」
凛「はあ…はあ…追いついたにゃ…ってこの人混みは何？もしかしてこの先に伝説のパンが？ 」
穂乃果「みたいなんだけど…」
凛「なんだけど？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
13 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:52:44.11 ID:hJ6ZqnLg - 絵里「この先は通行禁止です」
穂乃果「え？絵里ちゃん！！？」
ヒデコ「そう。絵里先輩がここを通行禁止にしてるんだよね」
凛「なんで絵里ちゃんが？」
穂乃果「絵里ちゃーーん！！！」
絵里「あら、穂乃果」
穂乃果「何してるの？」
絵里「ほら？今日は例のパンの販売の日でしょ？あれって凄い人気で去年も大混乱を招いたのよ。だから、こうやって通行を制限してるの」
穂乃果「え？でも…この先で目撃されたんでしょ？購買のおばさんが」
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- 穂乃果「伝説のパン」
14 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:54:55.78 ID:hJ6ZqnLg - 絵里「そうよ」
穂乃果「通行禁止じゃ買えないじゃん」
絵里「そうね買えないわね。この先にいる人しか」
穂乃果「はい？」
ことり「絵里ちゃん…今日、希ちゃんと一緒じゃないんだね」
絵里「ん？」
穂乃果「希ちゃん…え？もしかして…」
絵里「あら？バレちゃったかしら…」
ヒデコ「え？どういう事？」
穂乃果「罠だよこれ！そもそも絵里ちゃんはもう生徒会でもなんでもないんだよ？通行禁止にする権限なんてないじゃん」
凛「あーーーーー！そういう事かぁ。この先に希ちゃんがいるって事？」
絵里「バレちゃ仕方ないわね。けど、もう希が買ってる頃かも」
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- 穂乃果「伝説のパン」
15 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:57:13.23 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「しまった。盲点だった。絵里ちゃんはこう言ったイベントには参加しないと思ってたのに。生徒会長降りてから随分とまあゆるくなったもんだね」
凛「本当にゃ！」
絵里「ふふっ。私だって音ノ木坂の生徒なんだもの。こう言ったイベント事にずっと参加してみたかったのよ」
穂乃果「言ってても仕方ない。まだ希ちゃんが買ってない可能性もあるし売り切れてない可能性だってある」
絵里「そうね。でも、私がすんなりここを通すと思う？」
穂乃果「それは…」
凛「穂乃果ちゃん。ここは一つ手を組むって言うのはどう？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
16 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 21:59:49.29 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「手を組む？にこちゃんと花陽ちゃんを裏切るって事？」
凛「違うよ。凛がかよちんを裏切る訳ないよ」
ことり「にこちゃんも裏切らないであげて欲しいな…」
凛「ここは三人で協力して絵里ちゃんを出し抜くの。そこからはお互い恨みっこなしで」
ことり「私も入ってるんだね…」
穂乃果「でも、凛ちゃんは穂乃果達を足止めするのが目的なんでしょ？絵里ちゃんが居た方が都合がいいんじゃない？」
凛「だって希ちゃんが先に買ってる可能性があるなら止めなきゃいけないし。ここで指を咥えて待ってる訳にはいかないよ」
穂乃果「そう言う事か。よしっ、分かった。手を組もう」
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- 穂乃果「伝説のパン」
17 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:02:28.81 ID:hJ6ZqnLg - 凛「交渉成立だね」
穂乃果「うん。して、凛ちゃん」
凛「何？」
ことり「してって…」
穂乃果「手を組むと言っても…作戦は？」
凛「作戦ね…特に…」
穂乃果「だと思ったよ。私に案があるの」
凛「本当？流石穂乃果ちゃんにゃ」
穂乃果「まあね。いい？私が絵里ちゃんの気を引き付けるからその隙に凛ちゃんは突破して！そしたら絵里ちゃんは凛ちゃんの方に気が行くから。そしたら、今度は私が行く。それで、最終的に絵里ちゃんは混乱すると思うんだ」
凛「成る程。分かったにゃ」
ことり「それ…上手くいくかなぁ…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
18 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:07:20.34 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「それじゃあ行くよ！」
凛「うん！」
絵里「何か企んでいるみたいだけど無駄よ。あなた達にここは突破出来ない」
穂乃果「それはどうかな？」
絵里「大した自信ね。Покажи, на что ты способен」
穂乃果「…なんて？」
凛「ポルンガを呼び出そうとしてるのかな？」
穂乃果「なるほど！ナメック語か！」
絵里「ロシア語よ！かかって来なさいと言ってるのよ！！！！」
穂乃果「なるほど」
凛「本当にロシア語喋れたんだね」
絵里「……もう手加減しない」
穂乃果「よし…凛ちゃん…」
凛「うん」
穂乃果「絵里ちゃん！8×2（13＋2）÷3は？」
凛「よし、この隙に行くにゃ」
絵里「80」
穂乃果「え？早っ！？」
凛「にゃ！？」
絵里「残念ね！捕まえたわよ凛。その程度の計算で私が怯むと思う？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
19 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:10:08.18 ID:hJ6ZqnLg - 凛「ううっ…穂乃果ちゃん…捕まったにゃーーー！！」
絵里「ふふっ。ドンマイ凛」
凛「助けてーー！！」
穂乃果「ごめん。助かったよ、凛ちゃん！」
凛「え？」
穂乃果「この借りはいつか返すからね！！」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん、いいの？」
穂乃果「うん。行こう」
凛「う、嘘でしょ？穂乃果ちゃん？穂乃果ちゃーーーん」
絵里「まさか穂乃果が凛を見捨てるなんて…」
穂乃果「よしっ、凛ちゃんと絵里ちゃんをいっぺんに巻く事が出来たね！一石二鳥だね！」
ことり「そ、そうだね」
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- 穂乃果「伝説のパン」
20 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:14:36.68 ID:hJ6ZqnLg - 凛「う〜穂乃果ちゃんを信用してたのにぃ。酷いにゃ〜」
絵里「取り敢えず…」キュッ
凛「え？何するの？」
絵里「凛はここでお留守番！」
凛「ちょ…絵里ちゃん。ちょっと…ほどくにゃ〜」
絵里「全く。一筋縄じゃいかない様ね。せーっかく他の生徒達を足止めしてたのに。さて、私に喧嘩を売った事を後悔させてあげるわよ、穂乃果！」
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- 穂乃果「伝説のパン」
21 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:16:54.38 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「はあ…はあ…はあ…疲れたぁ。全然見つからないね…」
ことり「はあ…はあ…はあ…本当に…こっちの方にいるのかな？」
穂乃果「だって…絵里ちゃんが止めてたし…」
ことり「あの…はあ…はあ…例えばの話なんだけど…」
穂乃果「うん」
ことり「絵里ちゃんがああしてたのも実はフェイクだったとか」
穂乃果「フェイク？どういう事？」
ことり「あそこを通れない様にすればその先にパン屋さんが居ると思うのが普通でしょ？」
穂乃果「あっ！だから、あえて何もない道をって事？」
ことり「うん。人だかりも出来るから皆んなそっちに目が行くし足止めもできるしで…」
穂乃果「あ〜そこまで考えてなかったぁ。絵里ちゃん役者だなぁ」
ことり「あくまで予想だよ？本当にそうかは…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
23 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:20:15.06 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「いや…そうだよ。見つからないって事は絶対そう言う事だよ」
ことり「決めつけるのは…」
穂乃果「あっちに行ってみよう」」
ことり「え〜」
希「なんや、えりちから連絡が来たから穂乃果ちゃん達の事を警戒してたけど。勝手に勘違いしてくれたみたいで助かったなぁ。さてと、それにしてもどこにいるんやろう？確かにこっちの方に歩いて行くのを見たんやけどなぁ」
海未「カードに聞いてみたらどうですか？」
希「誰や？」
海未「私です」
希「海未ちゃん？」
真姫「私もいるわよ」
希「真姫ちゃんも？まさか…二人もパンを？」
海未「そのまさかです」
希「意外やなぁ。二人はこう言うのには興味ないと思ったし参加するとしても穂乃果ちゃんや凛ちゃんと行動すると思ったわ」
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- 穂乃果「伝説のパン」
25 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:23:35.11 ID:hJ6ZqnLg - 海未「まあ…元々参加するつもりはなかったのですがね」
希「へ〜そうなんや？まあなんでもええけど。こうしている間にも売り切れてしまうかもしれんからウチは行くよ」
海未「そうはさせません。あなたはここで脱落です」
希「随分強気やね」
海未「ふふっ、こう見えて勝負事は好きなんです」
希「知ってるよ。でも、ウチだって…」
海未「真姫！」
真姫「ええ！」シュ
希「な、なんや？なにを…こ、これは…」
真姫「ふふ。これで希は終わりね」
海未「そうですね」
希「くっ…えりち…ごめん…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
26 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:26:36.09 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「ん〜こっちの方にも居ないなぁ」
ことり「うん」
穂乃果「こんなんじゃ売り切れどうこうの前に昼休みが終わっちゃうよ〜」
ことり「あはは…それはちょっと辛いね。ここまで来たら私も食べたいなぁ」
穂乃果「でしょ？」
ことり「うん。あれ？」
穂乃果「どうしたの？」
ことり「あれって…もしかして…」
穂乃果「その、もしかしてだよ！購買部のおばさんだよ」
ことり「だよね？」
穂乃果「うん。やっと見つけた〜。良かった〜」
ことり「そうだね」
穂乃果「よしっ、行こう！」
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- 穂乃果「伝説のパン」
28 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:29:40.19 ID:hJ6ZqnLg - 山田先生「待てお前達！」
穂乃果「げっ、先生…！？」
山田先生「げってお前なぁ。教師に向かってそれはないだろう。何か私に見つかって困る事でもあるのか？」
穂乃果「あはは…ち、違うんですよぉ。あの…お昼にしようかなぁって」
山田先生「そうけ。購買にパンでも買いに行くのか？」
穂乃果「え？さ、さあ…」
山田先生「今日は一年に一回だけ伝説のパンが販売さらる日だもんなぁ」
穂乃果「えっと…そのぉ…」
山田先生「私は教師だしなぁ。こう言うのは止めなきゃいけないんだよなぁ」
穂乃果「そ、そんな…」
山田先生「今から適当に理由をつけて二人に職員室まで来てもらってもいいんだけどな…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
29 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:33:53.09 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「ええ…やっと見つけたのに…ここまで来て…」
山田先生「これは独り言なんだが。私もこの学校の卒業生なんだが。食べた事がないんだよなぁ伝説のパン。在学中一度も…流石に教師が参加する訳にはいかないしなぁ」
穂乃果「え？」
山田先生「高坂？こう言う時どうすればいいか分かるよな？」
穂乃果「私！先生みたいな人大好きです！」
山田先生「よしっ！行け！」
穂乃果「はいっ！行ってきます！先生の分も手に入れて来ます！」
山田先生「バカっ！？声がデカイよ！」
ことり「先生…」
穂乃果「行こう！」
ことり「うん…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
30 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:39:02.15 ID:hJ6ZqnLg - 穂乃果「っと…先生が止めるから購買のおばさん行っちゃうじゃんね」
ことり「この短時間でそんなに遠くには行ってない筈だけど…」
にこ「あんた達…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
穂乃果「はあ…今度は何？…ってにこちゃん？」
にこ「パンを買うつもりなら…諦めた方がいいわよ…」
穂乃果「ど、どうしたの？」
ことり「大丈夫？何があったの？」
花陽「にこちゃん…争奪戦でやられちゃったの」
穂乃果「花陽ちゃん…。やられたって…誰に？…いくらなんでも手荒な真似をする人は…」ゴクリ
にこ「希よ…海未と真姫が現れたと思ったら…希が後ろから…」
穂乃果「ワシワシされたんだ…。って言うか海未ちゃん居たの？」
花陽「うん。なんか…海未ちゃんも真姫ちゃんも楽しそうだったよ」
穂乃果「そうなんだ…。…去年あれだけ誘っても参加しなかったのに…どうして…」
ことり「意外だよね」
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- 穂乃果「伝説のパン」
31 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:43:00.40 ID:hJ6ZqnLg - 海未「そんなに意外ですか？」
穂乃果「海未ちゃん！？」
真姫「まあ意外よね」
ことり「真姫ちゃんも」
にこ「まだ居たのね…」
穂乃果「どうしてさ海未ちゃん！去年あれだけ誘っても付き合ってくれなかったくせに！！！それどころか敵対するなんて！！！」
海未「いいじゃないですか。たまには敵同士でも」
穂乃果「でもさぁ。せめて理由を…」
海未「真姫のあんな顔をみたら…」
真姫「ちょっと…言わないでよ」
穂乃果「真姫ちゃん？」
ことり「真姫ちゃんのあんな顔って？」
にこ「どう言う事よ？」
海未「私は今日の昼休み真姫と音楽室に居たんです」
真姫「え？ちょっと…話すの？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
32 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:46:57.72 ID:hJ6ZqnLg - 少し前の音楽室
海未『これ、新しい詞です』
真姫『うん』
ワイワイガヤガヤ
真姫『随分と騒がしいわね』
海未『ああ…真姫は一年生ですから知りませんよね。なんでも一年に一度だけ伝説のパンが購買に並ぶそうなんです』
真姫『ああ…なんか、にこちゃんも言ってたかも。それで外が騒がしいんだ』
海未『穂乃果も急いで教室を出て行きましたよ。限定10個らしいですからね。毎年争奪戦になるみたいで…ある種、伝統的なイベントになってるみたいなんです。廊下を走ったりする生徒もいる様なので考え物ですけどね』
真姫『イベントかぁ…』
海未『どうしました？』
真姫『ううん。ちょっと楽しそうだなって。私、子供の頃からずっと優等生で…あまりそう言うのに参加した事がなかったの』
海未『そうだったんですか。真姫、私達も参加しましょう！』
真姫『でも……海未は嫌いでしょう？こう言った騒ぎは…』
海未『優等生ではありませんからね。私も』
真姫『…よく言うわ』
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- 穂乃果「伝説のパン」
34 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:50:46.61 ID:hJ6ZqnLg - 海未「と言う経緯が…」
にこ「なるほど…なかなかいじらしいじゃない」
花陽「そうだね…」
真姫「べ、別に…そんなんじゃ…」
海未「と言う事なので。って…あれ？穂乃果は？」
花陽「行っちゃったよ…話してる間に…」
海未「なっ…」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん…話は最後まで聞こうよぉ」
穂乃果「まじめに聞いてたら昼休み終わっちゃうって」
海未「待ちなさい、穂乃果〜」
穂乃果「ほら！来た〜。凛ちゃんと言い…待てと言われて待つ訳ないでしょ。この先に伝説のパンがあるんだからさ」
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- 穂乃果「伝説のパン」
35 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:54:07.35 ID:hJ6ZqnLg - スッ
絵里「止まりなさい、穂乃果」
穂乃果「げっ…絵里ちゃん」
海未「絵里まで来ましたか」
穂乃果「よく分かったね。この場所が…」
絵里「ことり…ポケットの中確認してみなさい」
ことり「え？あっ！？スマホ？私のじゃない…」
絵里「私の携帯よ。さっき忍ばせといたのよ」
穂乃果「いつの間に…」
ことり「まさか…この携帯で？」
ことり「気がつかなかった。全然接触してないのに…」
絵里「そっ。使うつもりはなかったけど一応準備しておいたのよ。追跡出来る様にね。これ、凛のスマホね！お陰で自分で探す手間が省けたわ。この先にいるんでしょ？」
穂乃果「それは…」
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- 穂乃果「伝説のパン」
36 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 22:57:09.44 ID:hJ6ZqnLg - 絵里「別に隠さなくたって良いわよ。表情見れば分かるんだから。さてと…それじゃあ…」
海未「絵里、私達もいるのですよ？そう簡単に行くと思いますか？」
真姫「そうよ。いくら絵里でも一人で勝てると思ってるの？」
穂乃果「そうだ！そうだーーー！」
絵里「まあ…簡単には行かないのは分かってるわよ」
希「えりちーーーー」
絵里「希！無事だったのね」
希「当たり前やん」
絵里「ふふっ、これで私も一人じゃなくなったわ」
真姫「それはどうかしら？」
絵里「え？」
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- 穂乃果「伝説のパン」
42 ：名無しで叶える物語(茸)[]：2021/01/19(火) 23:20:32.91 ID:hJ6ZqnLg - ことり「みんな、もうやめよう！」
絵里「ことり…」
穂乃果「ことりちゃん？」
海未「ことりが…大声を…」
真姫「初めて見たかも…」
ことり「たったパン一つでどうして争わなきゃいけないの！！！」
穂乃果「いや…それは…何て言うか…」
ことり「言い訳なんていいよ。こんなの間違ってるよ」
にこ「いや…大袈裟じゃない？別に険悪になってるって訳でも」
希「そ、そうやん？こんなの半分遊びで…青春の思い出的な？」
にこ「そうよ。ねえ？」
ことり「それでも…それでもぉ」
購買部のおばさん（以下おばさん）「お嬢ちゃん」
ことり「え？」
穂乃果「購買のおばちゃん…」
にこ「どうしてことりに…」
絵里「そんな…まさか…」
おばさん「今日のパン。残り一つだけど…買うかい？」
ことり「あの…」
穂乃果「ことりちゃん！」
ことり「あの…下さい。いくらですか？」
おばさん「350円になります」
ことり「はい。これで…」
おばさん「いつもありがとうね」
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