- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
780 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 20:35:26.88 ID:Fs5Pax0I - 遥「お姉ちゃん、サークルは入るの?」
彼方「入らないよ〜」 彼方「遥ちゃんと一緒かな〜……」 彼方「バイトと勉強に集中したいし……同好会はあれだったけど」 彼方「サークルは別に良いかな〜って思ってる」 遥「そっか……」 遥「誘われたりしないの?」 彼方「誘われては、いるけどねぇ……」 彼方「ダンスでしょ〜? アイドルに〜スクールアイドルでしょ〜」 彼方「あとは、お料理サークルとか、演劇部とか〜」 遥「いっぱい誘われてるんだね」 彼方「みんな、私のこと知ってたみたい」 彼方「やっぱり、去年のあのライブの影響が凄く出てる」 彼方「大学でも結構注目されてたりするんだよね〜」
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
781 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 20:59:25.15 ID:Fs5Pax0I - 遥「もしかして、その……」
彼方「ううん、それは大丈夫」 彼方「遥ちゃんと違って、常に指輪していられるし……ネックレスだってできるから」 彼方「この手と首元を見て……話を切り替えたりするんだよね〜」 彼方「あぁ、いるんだ。みたいな」 彼方「えへへ〜」 ....トンッ 遥(ベッドの上で、お姉ちゃんが寄り掛かってくる) 遥(肩に頭を摺り寄せるようにして……小さな笑い声) 彼方「いるんだよ〜」 彼方「遥ちゃんが、いる」 彼方「……今度紹介してって、言われたりもしちゃって」 彼方「困っちゃうから誤魔化して笑うんだけど……」 彼方「………」 彼方「えへへ、遥ちゃんの可愛い写真しか、スマホに入ってないんだよね〜」 遥「えー? かわいくてごめんなさい?」 彼方「かっこよくなってみたい〜?」 遥「お姉ちゃんがカッコいいから、私は可愛いで良いと思う」 遥「あ、でも」 遥「私がかっこよければお姉ちゃんが可愛くなるなら、かっこよくなりたいかな」
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782 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 21:12:13.66 ID:Fs5Pax0I - 彼方「そんな遥ちゃんには〜ちょっとおすすめの場所があるんだ〜」
遥「おすすめの場所?」 彼方「えっとね〜」 スッ..... 彼方「これこれ〜」 遥「かっこいい関係あるかな」 彼方「タキシード着てくれるなら」 遥(ドレス撮影体験……) 遥「高くない?」 彼方「そこはね〜思い出にお金を出せるかどうかかなぁ?」
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783 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 21:31:56.51 ID:Fs5Pax0I - 彼方「……私達、本当には出来ないから」
彼方「その分、こういうのに手を出しても良いんじゃないかな〜って」 遥「そう言われると断れなくなっちゃうよ……」 彼方「……えへへ」 彼方「ごめんね」 彼方「……関係なく、こういうの撮りたいなって」 遥「もぅ……」 遥(頬を赤らめるお姉ちゃん) 遥(可愛くて、好きで、愛おしい) 遥(こんな顔で言われたら、やっぱり。断れない) 遥(でもたしかに、私達には結婚式なんて出来ない) 遥「そうだね……」 遥(ウェディングドレスを着たお姉ちゃんと、タキシードを着たお姉ちゃん……) 遥(……どっちも良い) 遥「良いと思う」 遥「デートの予定に加える?」 彼方「ううん、6月にしようかなって」 彼方「ほら、ジューンブライドってあるでしょ〜?」 彼方「せっかくなら、そういうのやってみたいな〜って」
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784 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 21:52:46.03 ID:Fs5Pax0I - 遥「今年?」
彼方「ん〜……」 遥(今年でも良いけど……でも) 遥(去年にあんなライブをした後で、姉妹でウェディング撮影) 遥(人に見られでもしたら、誤解じゃないことをされちゃうかもしれない) 遥(誤解なら笑うことができる) 遥(でも、私達は……) 遥「気にし過ぎかな……」 彼方「そうだねぇ」 彼方「反響があったのは事実だし……」 彼方「それで注目されて、声をかけられたりしてるのもそう……」 彼方「でも、だからこそあえて目を惹いてみるっていうのはどうかな?」 遥「どういうこと?」
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785 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 22:00:36.99 ID:Fs5Pax0I - 彼方「公表はもちろんしないけど」
彼方「あえて、目を惹くようなことをしてみるでしょ〜?」 彼方「それが、周りで話題になったら……私達はまだ注意深く見られてるってことになるし」 彼方「そんな気がしたから入ってみただけだよ〜って、誤魔化して」 彼方「そういう関係じゃない、あの日限りのものなんだよ〜って、言う」 遥「……」 遥「そんなこと、言いたくない」 彼方「遥ちゃん……」 遥「嘘でも、そんなこと言いたくない……」 遥(お姉ちゃんが言う方法が良いのか悪いのか) 遥(私にははっきりさせられないけれど) 遥(でもそんなの……イヤだ) 遥「そんなこと言わなくちゃいけないくらいなら、我慢する」
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
786 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 22:17:50.29 ID:Fs5Pax0I - 彼方「そっか……」
スッ..... ナデナデ 彼方「ごめんね……嫌なこと言っちゃったね」 遥「ううん」 遥(お姉ちゃんの優しい手が、頬を撫でてくれる) 遥(大学生になったのに、ちっとも変わらない小さな手は) 遥(それでもお姉ちゃんの力を感じる) 彼方「私も、遥ちゃんとの関係が嘘だなんて言いたくない」 彼方「でもね……」 彼方「でも……」 フルフル..... 彼方「そんな思惑は関係なしに、遥ちゃんと記念に撮影したい」 遥「………」 彼方「だめ……かなぁ?」 遥「も〜……断れなくなっちゃうってばっ」
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
787 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 22:40:26.26 ID:Fs5Pax0I - 遥「………」
遥「じゃぁ、どこか別のところに旅行行こうよ」 遥「知り合いがいなそうな場所で」 遥「二人で……こっそり、撮影しようよ」 遥(お金は余計にかかるかもしれない) 遥(でも、二人きりの旅行の思い出だと思えば) 遥(これからも続けていくための、安心を買うと思えば) 遥(多少のお金は、安いものだと思う) 遥「それなら、良いよ」 遥「私も……撮影、したいし」 彼方「ありがとね〜」 遥「ううん、良いよ」 遥「……でも、気を付けよ?」 遥「やっぱり……」 遥(やっぱり私たちの関係は、おかしいモノなんだから) 彼方「そうだね〜」 遥(お姉ちゃんは笑って……私の膝上に頭を乗せる) 遥(リビングからお母さんの声がすると、お姉ちゃんはすぐに頭を上げちゃって) 彼方「いこっか」 遥「……うん」 遥(行きたくない。そう思う心を、隠して頷く)
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788 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/19(火) 22:40:37.46 ID:Fs5Pax0I - 続きは明日
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