- 彼方「彼方誕編集」
709 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 00:00:21.80 ID:gkSSj/Xs - 遥「お姉ちゃん……」
彼方「ごめんね」 彼方「遥ちゃんを抱いてあげたいけど、この体じゃ上手く抱いてあげられない」 彼方「一緒に寝てあげられない」 彼方「……今日の夜、また悪夢を見ても」 彼方「私には何もしてあげられない」 話を聞いて、 そんなことはないよって " 嘘をつく " くらいしかできない それは何もできないのと同じ。 その嘘さえもつけなくなってしまう前に。 彼方「夢の中の彼方ちゃんがどうだろうと、この私はまだ遥ちゃんと一緒にいる」 彼方「遥ちゃんとなら、どこにだって行っても良いって思ってる」 彼方「……この体じゃ、連れていってもらう必要があるけどね〜」 遥「本当に良いの?」 彼方「……いいよ〜」 遥「………」 遥「……っ」
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710 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 00:10:33.82 ID:gkSSj/Xs - 遥「もう少しだけ、頑張ってみる」
遥「もしかしたら、エマさんの時みたいないい夢があるかもしれないから」 遥「だから……あと一日」 遥「それが悪い夢だったら……私、もうきっと我慢できないけど」 彼方「じゃぁ……」 遥「?」 手招きする 出来るのなら自分から近づいてあげたいけど 今の私には出来ないから、遥ちゃんに来てもらう。 そして――おでこに、キス 遥「お、おね……お姉ちゃん!?」 彼方「良い夢を見られるように、おまじない」 彼方「一緒に寝てあげられないから」 彼方「特別だよ〜?」 遥「も〜……」 遥「えへへ……ありがと……」 遥「きっと、お姉ちゃんと一緒の夢が見られると思う」 すっごく嬉しそうな、紅い顔の遥ちゃん。 でも、どれだけかわいい顔をしていても 世界はちっとも、遥ちゃんに優しくしてくれることはなかった
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711 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 00:11:00.58 ID:gkSSj/Xs - 続きは明日
明日で終了予定
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716 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 08:55:41.35 ID:gkSSj/Xs - ――――――
――― 遥「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 彼方「っ」 朝になって、部屋の中には悲鳴が轟く すぐそばに隣接していた壁を力強く叩く音が聞こえたかと思えば 相手側からは「叩くな!」という怒号が飛んできて 上のベッドが軋み、遥ちゃんの嗚咽が聞こえる 彼方「遥ちゃん」 彼方「……遥ちゃん、彼方ちゃんならここにいるよ〜」 彼方「下におりてごらん? 大丈夫だから〜」 顔を見せてあげられたら良いけど、今は難しい せめて……と、声だけでも聴かせて傍にいることをアピールしてみる 遥ちゃんがゆっくり動く布擦れの音 視界の片隅に見える梯子に右足が降りてきて 徐々に遥ちゃんの姿が見えてくる 遥「お姉ちゃん……っ」 彼方「ね〜? 彼方ちゃん、ちゃんとここにいるでしょ〜?」
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717 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 09:07:46.76 ID:gkSSj/Xs - 遥ちゃんは、私が愛ちゃんのお店のアルバイトを始める夢を見たらしい
アルバイトに始まり、愛ちゃんからの熱烈なオファーを受けた私は、 自分の資格や、力が活かせるならと……愛ちゃんのもんじゃ焼き屋さん専属の調理師となって、 そして。 別に付き合ったりはしなかった 付き合ってないのだから結婚だってしてなかった だけど、その関係はただの友人ではなくて でも、家族でもなくて。 遥ちゃんにとっては……自分以上にも強い繋がりに見えちゃって……。 遥「お姉ちゃん、私なんてどうでもよくなっちゃったんだって……」 彼方「え〜……私、そんなこと絶対に言わないと思うんだけどなぁ……」 この私にはその自信があっても しずくちゃんと心中したり、ほかの子達と付き合っていく私がいたというのなら 絶対だなんて確証を持たせてあげることは出来ない。 それこそ、私のこの手足が無くならない限り。
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- 彼方「彼方誕編集」
718 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 09:19:55.98 ID:gkSSj/Xs - 彼方「でも、そっか〜」
彼方「また嫌な夢を見ちゃったんだね〜……」 おでこにキスしてあげたのに。 遥ちゃんの気持ちはあんなにも高ぶって……幸せそうだったのに。 その精神的に幸福な状態でも 夢で悪いものを見ちゃったというのなら、 これはもう、いよいよ遥ちゃんどうこうの問題じゃない 彼方「辛い?」 彼方「苦しい?」 遥「うん……」 彼方「じゃぁ……一緒に、死んでみる?」 死が二人を別つまで。 結婚に関係するものとして、そんな言葉をよくよく耳にする ということは……世間一般的に、死は別れなんだと思う。 でも、もしその別れの時である死さえも共にしたなら 限りある生涯の垣根さえも超えて、永久的に二人一緒にいられるんじゃないかな。 だから……。 彼方「どうする?」
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- 彼方「彼方誕編集」
719 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 09:46:15.62 ID:gkSSj/Xs - 遥「……っ」
彼方「いいよ」 遥ちゃんの細い指が首にかかる 苦しいのは嫌だけど でも、それが遥ちゃんの味わった苦しみだというのなら我慢もできる 彼方「ぅ……」 指の一本一本に力が込められていくと 大事な血管を押さえられてるからか、強い違和感と不快感を感じてしまう 彼方「ぁ……」 遥「っ……無理……」 彼方「っ、はっ……けほっ……」 首を絞めたという部類にまで届かない程度で離れた遥ちゃんは、 首を締めようとした手を押さえて……引き下がっていく 彼方「遥ちゃん……」 泣きそうな顔 辛くて、苦しくて、崩れてしまいそうな…… 遥「やだ……殺したくない……」 彼方「屋上から飛び降りるっていう手もあるんだよ〜?」 遥「お姉ちゃんを突き落とすなんて、出来るわけないよ!」 彼方「ぎりぎりまで連れていってくれたら、あとは自分で――」 遥「やだっ!」 遥「やだよ……そんなこと……やだ……っ!」
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720 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 10:14:05.67 ID:gkSSj/Xs - 遥「お姉ちゃんと一緒に居たい」
遥「このまま、私とお姉ちゃんで……一緒に居たいのっ」 遥「死んじゃったら終わっちゃう」 遥「終わっちゃうよ……」 遥ちゃんは泣き出しちゃって 死なせたくないって……首を横に振る 遥ちゃんにとっても、死んじゃうのは終わりと同じ。 でも、このままだと辛くて苦しい夢のせいで いつか不眠症になっちゃうだろうし、早死にすると思う 彼方「……心中はしたくないんだよね?」 遥「したくない……」 彼方「でも、私がみんなと一緒にいたりするのは嫌なんだよね?」 遥「やだ……」 彼方「……一緒にいるのが駄目ってなると、彼方ちゃん何もできなくなっちゃうから」 彼方「譲歩して欲しいな〜」 遥「譲歩?」 彼方「うん」 彼方「例えば〜……スマホ。やり取りは必ず遥ちゃんに見せる」 彼方「GPSをONにして、常にどこにいるか分かるようにしておく」 彼方「定時連絡を必ずする……みたいな」 彼方「その合間の時間で、私が他の誰かに身体を許すかもしれないって思うなら」 彼方「貞操帯……だったかな……それをつけておく。とか」
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- 彼方「彼方誕編集」
722 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 10:41:53.71 ID:gkSSj/Xs - 彼方「生きていくうえで必要最低限な時間はほかの人のために使う」
彼方「でも、それ以外の全ては遥ちゃんに使う」 彼方「お友達なんて作らない」 彼方「遊びに行かないし食事もしない」 彼方「どこかに泊まるなんてもってのほか」 彼方「学校やお仕事以外は必ず遥ちゃんの傍にいるようにする」 彼方「一緒にいるときはスマホは遥ちゃんに預けておく」 彼方「それでも心配なら、バレないように、手だけはまた手錠でつないでくれてもいい」 彼方「……だからその代わり、私が誰かとお話してても怒らないで」 彼方「危ないこととか悪いことをしようとしないで」 彼方「なに話してたのかとか、全部ちゃんと報告するから……最低限の人付き合いは、許してくれないかな……」 遥「………」 遥ちゃんに契約みたいなことは必要ないって言ったのに 私から、契約するかのようなお願い でも、 こんな壊れかけだったとしても遥ちゃんは遥ちゃんだから。 私が尽くし続けることで遥ちゃんが楽になれるなら、その方法を選ぶ
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723 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:03:21.53 ID:gkSSj/Xs - 遥「ほんとうに、そうしてくれる……?」
遥「連絡したらちゃんと返してくれる?」 遥「電話したらすぐに出てくれる?」 遥「一日の予定とか、全部教えてくれる?」 遥「何もない時は、ずっと一緒にいてくれる?」 彼方「うん、約束する」 彼方「……友達のことが不安なら、まずは私のスマホのデータを遥ちゃんが消してくれてもいいよ」 遥ちゃんがあとから不安がらないように ちゃんと考えて、穴を埋めて、すべてを晒していく 遥「……同好会と、バイトの人以外は全部消すね?」 彼方「うん、良いよ」 遥「………」 遥ちゃんが分からないバイト先関係者 それだけはちゃんと選び取って、削除する もちろん、連絡用のアプリからも。 遥「信じるからね?」 遥「今日から、ちゃんと守ってくれるんだよね?」 彼方「うん、絶対」 貞操帯は、後日だけど。 でも、それ以外のことなら…… 遥「じゃぁ、いいよ」 遥「……ちょっとだけなら、許しても」 それでも遥ちゃんは不安そうだったけど、でも、頷いてくれた。 そして――休むわけにもいかない学校に、連れていってもらう
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724 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:08:16.13 ID:gkSSj/Xs - ――――――
――― 流石に、遥ちゃんに授業全てを手伝って貰うことはできないから、 校門前で果林ちゃんと待ち合わせ。 私を見るや否や、果林ちゃんは唖然として。 果林「……大丈夫なの?」 彼方「なんとか、左手で書いてみるよ〜」 彼方「ダメそうだったら、あとでノートを借りてもいいかな?」 遥「………」 遥ちゃんに目を向けると 遥ちゃんは何も言わなかったけれど、頷く これは多分、良いよってことだろう 果林「……」 果林「そう……」 果林「無理は、しないで欲しいのだけど……本当に授業受けるの?」 彼方「そうしないと、特待生取り消されちゃうからねぇ……」
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- 彼方「彼方誕編集」
725 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:16:08.85 ID:gkSSj/Xs - 果林「まったくもう……」
果林「じゃぁ、遥ちゃん……彼方のことは預かるわね?」 遥「はい。宜しくお願いします」 礼儀正しく頭を下げる遥ちゃん でもその空気は、普段の遥ちゃんらしくなく、嫌悪感が滲んでる 預けたくない、任せたくない そんなものが……溢れてる。 彼方「じゃぁね〜……後で連絡するから」 遥「うんっ」 遥「じゃぁ、気を付けてのちゅー」 遥ちゃんはそう言って、 果林ちゃんにも見えるように、唇を重ねてきた。 果林「ちょっ……」 柔らかくて、小さくて 味わうことなんて出来ない、潤いを感じるキス すぐに離れた遥ちゃんは、満足げ。 遥「またあとでね」 彼方「またね〜」 戸惑う果林ちゃんを促して、車椅子を動かして貰う
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726 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:25:08.36 ID:gkSSj/Xs - 遥ちゃんがだいぶ見えなくなるころ、
果林ちゃんは急に「彼方」と、呟いて。 果林「……なに、してるのよ」 彼方「ん〜?」 果林「あんな場所で、しかも……妹となんて」 彼方「普通じゃない? おかしい?」 彼方「………」 彼方「だから、果林ちゃんはどうしろっていうのかな〜?」 果林「………」 果林「やめた方が良いわ」 果林ちゃんはいつにもまして深刻そうに零す。 下手に身体を動かせないから、 果林ちゃんがどんな顔をしてるのかまでは、見てられない 今、どんな顔してるんだろう。
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- 彼方「彼方誕編集」
727 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:28:32.96 ID:gkSSj/Xs - 果林「昨日、お見舞いに行ったときからもう何か危なそうな感じがしたけど」
果林「今日は――」 彼方「それ以上言われても、彼方ちゃんは首を横に振るだけだよ」 果林「彼方……」 彼方「ダメなんだよ。遥ちゃん」 彼方「彼方ちゃんが一緒にいてあげないと壊れちゃうんだよねぇ……」 彼方「だから、同好会もやめて、最低限の連絡先以外を消して――」 彼方「………あ、ごめんね。電話」 果林「出なくていい」 彼方「ううん、出なきゃダメ」 止めようとしてきた果林ちゃんの手を払い除けて、 遥ちゃんからの電話を受ける 遥『三コールだった……』 彼方「ごめんね。まだ、左手で出るの慣れなくて……」 遥『コールが2回終わる前にって、言ったよね?』 彼方「うん、ごめん……」 彼方「次からは、絶対に出られるようにするから」 遥『果林さんとお話してるのもいいけど、約束は守ってくれなきゃ……やだよ』 彼方「ごめんね」 遥『……次は駄目だからね』 彼方「わかった。約束する」
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728 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:42:37.45 ID:gkSSj/Xs - 少しだけ話して、電話を切る
果林ちゃんは立ち止まっていたようで……まるで景色が変わってなかった 彼方「遅れちゃうよ〜?」 果林「何今の……」 果林「どういうこと、約束って」 彼方「私がみんなに会える条件」 彼方「詳しく言えないけど……2コール以内に電話に出るって約束があるんだよね〜」 彼方「だから、二度と邪魔しないでね?」 果林「っ……」 彼方「遥ちゃん、約束破ったら怖いんだから……」 果林「彼方は、本当にそれで――」
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729 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:47:56.14 ID:gkSSj/Xs - 彼方「いいよ」
彼方「私から持ち掛けた条件なんだから……いいに決まってる」 果林ちゃんはおかしいって言う 狂ってるって、私に言ったわけじゃないだろうけど……呟く でも、そうしないとダメなんだから仕方がないよね そうしないと、遥ちゃんと一緒にいられないんだから そうじゃないと……遥ちゃんは壊れていっちゃうんだから。 果林「彼方……」 彼方「なぁに?」 果林「………」 果林「……っ……」 果林「……ごめんなさい」 彼方「良いよ別に……邪魔さえしなければ、それでいいから」 果林ちゃんは何かを言いかけたけど、言わなかった うん。 それでいいんだよ……言ったって、無駄なんだから。 歯ぎしりみたいなのが聞こえたけど、気のせいだってことにしておく。
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- 彼方「彼方誕編集」
730 :case.0:遥と (らっかせい)[]:2021/01/14(木) 11:58:08.93 ID:gkSSj/Xs - 彼方「あ、また電話――」
果林「ん」 果林ちゃんは私が出るよりもはやく電話を取って、耳に当ててくれる 遥『良かった、出てくれた』 彼方「………」 果林ちゃんが出てくれただけだけど。 それを隠すかどうか迷って 隠さないと決めたからと……ちゃんと話す。 彼方「あ、でも……今のは果林ちゃんが取ってくれただけだよ〜」 彼方「実は、一番手伝ってもらうことになるからちょっとだけ事情話しておこうと思って」 遥『そっか』 遥『……よかったぁ』 すごく、安堵した遥ちゃんの声 それに続いて「東雲の子がどうしてここにいるの?」と、雑音が聞こえた 果林「っ……あ……」 果林ちゃんの口から洩れる呆然とした言葉 車椅子がゆっくり動いて、私には見えなかった景色の中…… 見慣れた髪型で、東雲学院の制服を着た女の子が手を振ってるのが見えた 遥『本当のこと言ってくれてよかった』 遥『さっき、電話に出てくれなかったから心配で戻ってきちゃったんだよね……えへへ』 遥『でも次、果林さんにスマホ持たせたら怒るからね』 彼方「ごめん……」 遥『お姉ちゃんは、私だけのお姉ちゃんでいてくれなきゃ……嫌だからね』 彼方「うん、私は遥ちゃんだけのために生きていくよ〜」 遥『絶対だからね』 大丈夫。 だって、そうしなければならないんだから――と、心に言い聞かせた
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- 彼方「彼方誕編集」
731 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 12:09:59.00 ID:gkSSj/Xs - case.0:遥と 終了
ヒストリ case1.果林 (洋服選び 5-32) case2.璃奈 (菓子作り 45-102) case3.歩夢 (クソゲー 118-151) case4.菜々 (お勉強会 172-206) case5.侑 (クリスマス 213-264) case6.しずく(心中演技 275-341) case7.エマ (年末年始 358-443) case8.かすみ(バレンタイン 457-498) case9.愛 (一緒にバイト 510-575) case0.遥 ( 598-730)
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- 彼方「彼方誕編集」
733 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 12:23:17.47 ID:gkSSj/Xs - 全10case終了のため、以上で終了となります。
予想より長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
690 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 18:34:46.32 ID:gkSSj/Xs - 遥「ねぇお姉ちゃん」
遥「少し思ったんだけど、言っていい?」 彼方「ダメそうな話かな〜?」 遥「だめというかなんというか」 モゾモゾ..... スンスン スンスン 遥「このマットレス……もうえっちな匂いがしみついちゃってない?」 彼方「え〜?」 彼方「さっきしたからじゃなくて〜?」 遥「カバーとか変えたし、違うと思う」 彼方「どれどれ〜?」 スンスン 彼方「あぁ……」 スン..... 彼方「あ〜……」 遥「ね?」 彼方「消臭スプレーやってるんだけどなぁ……」 遥「お姉ちゃんがドキドキしちゃうのってこれが原因じゃないかな?」 彼方「そっかぁ……責任とってくれないのか〜……」 遥「そ、そういう話じゃなくて!」 遥「ライブ! これならライブの方で用意するベッドでは問題ないんじゃないかなっ」
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
691 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 18:42:20.16 ID:gkSSj/Xs - 彼方「ん〜……」
スンスン スンスンッ 遥「そう思わない?」 グイ..... 遥「……お姉ちゃん?」 スンスン ギュッ 遥「どうしたの?」 彼方「ベッドが違ってても〜そこに遥ちゃんがいるなら……」 彼方「彼方ちゃんは、ドキドキしちゃうかなぁ……」 遥「もぉ〜……もう一回されたいの? しちゃっていいの? 宿題やる元気なくなっちゃうけど」 彼方「じゃぁ、遥ちゃんの宿題が終わってからね〜」 遥(それって……終わらない限りお預けってこと?) 遥(お姉ちゃんをえっちな気分にしたまま……?) 遥(それはそれで……えっちだよね) 遥「来週までかかっていい?」 彼方「彼方ちゃんにだって、もう一人くらい愛してくれる女の子が――」 遥「やるっ、今日中にやるからそれはだめぇっ!」 彼方「えへへ〜……よしよし〜」 彼方「あんまり焦らしちゃ……だめだよ〜?」ボソッ 遥(本当に悪いのは私じゃなくてお姉ちゃんだよね……っ!?) 遥(でも好き!)
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
693 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 19:01:13.86 ID:gkSSj/Xs - 遥「でも、お姉ちゃん私のにおいでダメになっちゃうの?」
彼方「ダメになっちゃうわけではないよ〜」 彼方「ただ、こう」 彼方「汗かいてるときは、ちょっと……思い出しちゃうかなぁ」 遥「なるほどね〜」 遥(えっちしてる時も汗をかいてるから) 遥(そのにおいを思い出しちゃって……って感じなんだ) 遥(……お姉ちゃん、えっちな女の子になりすぎじゃないかな) 遥(そんなところも、かわいくて好きだけど) 彼方「ライブで汗かいてたら……ちょっとドキドキしちゃうかも〜」 スリスリ ムニムニ ポスンッ 彼方「………」 遥「膝枕してて、えっちな気分にならない?」 彼方「少し〜……」 遥「ねぇ……」 遥「もしかして、えっちの後膝枕してたから……とか」 彼方「遥ちゃんのせいだねぇ……」 遥「えっちな妹でごめんなさい」 彼方「許してあげる〜」 遥「それはそうと……お夕飯、ロールキャベツだっけ。手伝うよ」 彼方「ありがと〜」 彼方「でもその前に、宿題だよ〜?」 遥「は〜い」 遥(早く終わらせちゃおうっと)
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
694 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 19:53:46.88 ID:gkSSj/Xs - ――――――
――― 遥(お姉ちゃんとえっちしたり) 遥(ライブの準備したり) 遥(内容の詰め込みをしたり) 遥(練習したり) 遥(えっちなこと考えたり) 遥(えっちなことをしたり) 遥(そんなこんなで……日にちは過ぎていって) 遥(すっかり性的な匂いに満ち満ちたマットレスに悶々としながら) 遥(私達はついにその日を迎えた) 遥(スクールアイドルと、ファンと) 遥(みんなが楽しめるお祭りのようなライブ) 遥(スクールアイドルフェスティバルの開催日!)
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
695 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 20:32:04.36 ID:gkSSj/Xs - 彼方「遥ちゃん、お弁当はみんなと食べる予定で変わらないんだよね?」
遥「うん、残念だけど時間的にそうなっちゃうかな」 遥「東雲のグループ楽曲の後……お姉ちゃんのライブ見に行くからね」 彼方「私も遥ちゃんのライブ見たかったなぁ」 遥「全部終わった後、お姉ちゃんのためだけにライブ開いてあげるよ」 遥(お姉ちゃんに愛……) フルフル 遥(……だめだめ) 遥「ライブ、見せ合いっこしようよ」 遥「生では見られないけど、生放送では見られるから」 遥「画面越しに、お姉ちゃんの視線を感じさせて」 彼方「難しいこと言うねぇ」 彼方「でも、送ってあげるよ〜」 彼方「あ……でも〜」 彼方「遥ちゃんはあんまり送ってこないでね〜?」 彼方「ドキドキしちゃうから」 遥「え〜……一瞬でも目を離したくないのに」 ジィィィ....... ジ~..... 彼方「っ……」 遥「………」 彼方「だめ……」フイッ
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
696 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 20:59:23.76 ID:gkSSj/Xs - 遥(顔が赤いお姉ちゃん)
遥(背けても、耳まで赤いからはっきりわかる) 遥(目を瞑っても) 遥(普段よりも浅く多い呼吸で分かる) 遥(かわいい) 遥(お姉ちゃんなのに、かわいい) ドキドキ ドキドキ 遥(反則だよ……) 彼方「もぅ……遥ちゃんが見つめるから……」 サワサワ ムニムニ 彼方「キス、させて貰うからね〜……」 遥「もっと、ドキドキしちゃうのに?」 彼方「遥ちゃんを道連れに出来るなら……もう少しドキドキしたっていいよ〜」 遥「も〜……お姉ちゃんのこと、好きにしたくなっちゃう」 チュッ チュプ...... 遥「っは……」 チュッ 彼方「んっ……」 遥(止まらなきゃ) 遥(今日だけは……止めなきゃダメ) スッ..... 遥「お姉ちゃん」 遥「夜、覚悟しておいてね」 彼方「……期待、してる」 チュッ 遥「っ……」 遥(もぅ……大好き)
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
697 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 21:48:11.77 ID:gkSSj/Xs - 遥「頑張ろうね、お姉ちゃん」
彼方「うん、それと……楽しも〜」 遥(私たち二人だけじゃない) 遥(侑さん達、虹ヶ咲の同好会のみんながいて) 遥(姫乃さん達、藤黄のみんながいて) 遥(東雲のみんながいて……ファンの人達がいて) 遥(まだファンに出来ていない人達もいる) 遥(そのみんなが、楽しめるように) 遥「……いこっか」 彼方「ドキドキするねぇ」 遥(家を一歩出たときから、私たちのお祭りは始まる) 遥(それはまるで、遠足に行くかのようなときめきを感じる) 遥「………」 スッ..... 遥「じゃぁお姉ちゃん、始めよう」 遥「私とお姉ちゃんの……百合営業」 彼方「営業かぁ〜……」 彼方「迫真の演技になっちゃうから、女優賞貰えちゃうかも〜?」 ギュッ 遥(笑いながら、堂々と) 遥(手を繋いで――飛び出していく) 遥(今日は積極的でも、大丈夫!)
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- 遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」
698 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2021/01/14(木) 21:48:53.89 ID:gkSSj/Xs - 続きは明日
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