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名無しで叶える物語(らっかせい)
名無しで叶える物語(茸)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
ラブライブ板2020の楽しかった思い出を語るスレ

書き込みレス一覧

果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
58 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 09:22:31.98 ID:Jxoc62Zt
果林(下級生や、小学生……小さな子供をかわいいと言うのは分かる)

果林(同級生や、年上の人だとしても)

果林(可愛い? と同意を求めてくる人に対して、"その服"、"その装飾品"が可愛いと暗に思いながら口にすることはある)

果林(綺麗な人には、羨望と敬意をこめて綺麗だと言うこともあるけれど……)

果林(けれど、彼方は違う)

果林(可愛いかどうかなんて、同意を求めてきていたわけじゃない)

果林(いつもの装飾品、変わらない制服……なのに、可愛いと、思わされてしまった)

果林「……はぁ」

ドクンッ
   ドクンッ
 トクンッ
    トクンッ

果林(……まずいわね。これは)

果林(心不全かしら……病院行かないといけないわね)

果林(なんて……)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
59 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 09:43:57.78 ID:Jxoc62Zt
....ギュッ

果林「っ!?」

彼方「戻ったよ〜」

果林「ちょ、ちょっと……彼方っ!?」

果林「どうして後ろから抱き着いてくるのよ……」

果林「普通に前から来たら良いじゃないっ」

彼方「むふふ〜」

彼方「果林ちゃんの背中、がら空きだったぜ〜?」

果林「っ……」

果林(息が耳に……っ)

果林(リップクリームの匂い……)

果林(彼方の……)

....フルフル

果林「ほらっ、離れてっ……早くっ」

パッ.....

彼方「はぁい〜」

彼方「どう? ちゃんと塗れてる〜?」チュッ

果林「ぬ、塗れてるわ。大丈夫」フィッ

彼方「彼方ちゃん渾身の投げキッスが……」

果林「はいはいありがと、嬉しいわ」

果林「馬鹿なこと言ってないで戻りなさいよ……」

彼方「むぅ……は〜い」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
61 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 10:09:32.38 ID:Jxoc62Zt
――――――
―――

果林「……で、またベンチで寝るのね。彼方は」

彼方「zzz……」

果林「……」チラッ

果林(なにが、彼方ちゃんはここにいまーす。よ)

果林(すやすや寝ちゃって……)

ナデナデ

彼方「ん……」

果林「……彼方」

果林「彼方……彼方……」

ナデナデ
   サワ....

果林「……貴女はどうして、そんなに無防備なの?」

彼方「んんぅ……zzzz……」

果林「……バカね」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
62 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 10:39:01.71 ID:Jxoc62Zt
果林「……彼方」

ナデナデ
   サワサワ

彼方「ん……zzz……」

果林「……膝枕、させて?」

果林「……ダメ?」

果林「………」

彼方「んぅ……zzz」

果林「……枕、取っちゃうわよ」ボソッ

果林(なんて……)

果林(そんなことできるわけないじゃない)

果林「唇、ちゃんとしてるわね……」

果林「……彼方」ボソッ

果林(……貴女を見ていると、ドキドキさせられちゃうわ)

果林(だからお願い、無防備な貴女を私に魅せないで)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
63 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 11:11:27.98 ID:Jxoc62Zt
果林「……彼方」

ナデナデ
    ....ムニッ

果林「あんまり柔らかい頬してると、食べちゃうわよ……?」

彼方「zzzz……」

果林「……もぅ」

果林「暢気に寝てくれちゃうんだから……」

プニプニ……

果林「……」

ナデナデ
    キョロキョロ

果林「っ……」ドキドキ

果林「ふー……」

果林(落ち着きなさい、私)

果林(ダメだからね……ほんと)

果林(こうして、隣で愛でられるだけで良い)

果林(そうでしょう?)

果林「好き……」ボソッ

ナデナデ

彼方「ん……んぅ……zzz……」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
66 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 12:08:38.78 ID:Jxoc62Zt
――――――
―――
[翌日]

果林「……珍しく部室にいると思ったら、どうしたの?」

彼方「……」ウツラウツラ

彼方「……ん……あぁ、果林ちゃん……」

果林「大丈夫? 寝るななんて私は一言も……」

彼方「いやぁ……枕もお洗濯しないといけなくてねぇ……」

彼方「持って帰ったは、良いんだけどねぇ……」ウツラウツラ

果林「忘れちゃったのね……」

果林「……ねぇ、少し歩けるかしら」

彼方「ん〜……運んで〜」

果林「ふふっ……子供じゃないんだから……」

果林「けど、肩は貸してあげる」

彼方「背中貸して〜……」

果林「私、彼方をおんぶできるほどの力はないのよ。悪いけど」

ナデナデ

果林「少しだから。ね?」

彼方「ん〜……」

彼方「彼方ちゃん頑張るぅ〜……」

果林「えぇ、頑張って」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
69 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 12:50:12.74 ID:Jxoc62Zt
テクテク
   ズルズル
 テクテ....

彼方「外に何かあるの〜?」

果林「外にはベンチがあるわ」

果林「……そこ、座って」

彼方「ん……」

果林「………」

果林「……ほら」ポンポン

彼方「果林ちゃん?」

果林「少しだけ……貸してあげる」

彼方「……良いの?」

果林「私の気が変わらないうちに、頭を乗せちゃいなさい」

彼方「じゃぁ……失礼しま~す」

....ポスッ

果林「……エマに比べたら、寝心地悪いかもしれないけれど」

彼方「ん〜ん……良いお足ですぞ〜」

サスサス....
   ……ムニッ

果林「指で遊ばないで」

彼方「えへへ……はぁい〜……」
ラブライブ板2020の楽しかった思い出を語るスレ
5 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/11/22(日) 13:53:32.24 ID:Jxoc62Zt
ヒトリダケナンテエラベナイヨー!!!の爆誕
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
70 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 13:58:32.55 ID:Jxoc62Zt
ナデナデ
   ナデナデ.....

彼方「zzzz……」

果林(本当は、こういうこと……あんまりよくないのだけど)

果林(駄目ね……彼方にはしたいって思っちゃう)

ナデナデ....

果林「……自分の足の上で彼方が寝てるのを見るのって、なんだか不思議な気分」

果林(足が、彼方の体温で温かくなる)

果林(彼方の髪の感触、匂い)

果林(リップクリーム……ちゃんと使ってくれてる)

スッ....
    ナデナデ

彼方「ん……zzz……」

果林(……膝を貸してあげる分)

果林「……彼方」

……チュッ

果林(貴女が私に無防備な仕返し)

果林「彼方の頬……柔らかくて好きよ」

果林「私の膝枕はどうかしら……」

果林(いつもの枕に比べたら、寝心地悪いんでしょうけど)

彼方「っ……ん……zzzz……」

サワサワ

果林「好きって……言って欲しいわ」ボソッ

果林(なんて……)

果林「ふふっ……ちょっと、暑くなってきちゃったみたい」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
71 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 14:13:11.73 ID:Jxoc62Zt
果林(……こんなの、ほかの誰にも見せられないわね)

果林(させてあげられないって言いながら、膝枕して)

果林(髪を触って……頬に……)

果林「……っ」

パタパタ
   パタパタ

果林(陽当たりが良すぎて……暑いわ)

果林(ほんと……)

果林「……彼方、大丈夫?」

彼方「ん……zzzz」

果林「そう、大丈夫なのね」

果林(今の私をエマが見たらなんていうかしら)

果林(笑われるわね、きっと)

果林(悪い意味じゃなく……純粋に)

果林(あぁ……どうか、誰にも見られませんように)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
73 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 14:48:15.55 ID:Jxoc62Zt
――――――
―――
[翌日]

果林「……あら、彼方はまだ部室に来てないのね」

果林(枕が置きっぱなし……)

果林「………」チラッ

果林「ふーっ……」

果林(落ち着きましょう? ね?)

果林(ここは、部室なんだから)

果林「でも……少しだけなら」

ギュッ

果林「……あっ、いい感じの柔らかさだわ」

ギュッ
   ギュッ....

果林「彼方の匂い……」

……スンスン

果林(いつも嗅いじゃってるけど……直接じゃないから……)

スンスン
   スンスン

果林(なにこれ……好き……)

ギューッ

――ガラッ

果林「!」ビクッ

彼方「あれ……果林ちゃん?」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
76 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 14:56:28.72 ID:Jxoc62Zt
果林(……ね、寝たふりで行けるかしら)

果林(ソファに座ってるし……膝上の枕に顔埋めてるし……大丈夫)

果林(落ち着いて、私は桜坂しずくなんだから……今だけ)

果林「す……すー……すー……」

彼方「……果林ちゃん?」

スタスタスタ
  スタスタスタ....

果林「ん……んぅ……」ドキドキ

彼方「……果林ちゃん?」ボソッ

果林(彼方の声が耳元で聞こえる……っ)

果林(起きて良いかしら……足音が聞こえたていで……)

トサッ

果林(な、なんで隣に座るのよ……っ)

キシッ......

彼方「そんな体勢だと、体悪くしちゃうよ〜……」

彼方「それくらい、疲れてたのかな〜?」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
77 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 15:07:02.89 ID:Jxoc62Zt
果林(疲れてなんて……)

彼方「いつも、ありがとねぇ……」

彼方「最初は探しに来てくれて……連絡するようになったら迎えに来てくれて……」

彼方「……必ず、傍にいてくれる」

果林(えっ……ちょっと待って)

果林(起きれなくなるから止めて……体揺すって起こしてっ)

果林(引っぱたいて枕返せって怒鳴っても良いからっ)

果林(ちょっと……っ)

彼方「……果林ちゃん、たまに好きって言ってくれるよね」

果林(んんんんんっ!?)ドキッ

彼方「えへへ……」

彼方「ほっぺ触ったり、ほっぺにちゅってしたり……」

彼方「彼方ちゃんだって、気付かないほど爆睡するのは滅多になかったりするんだぜ〜?」

彼方「……果林ちゃんの、えっち」ボソッ

果林(ふぐぅっ!?)ビクッ
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
81 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 15:18:10.98 ID:Jxoc62Zt
彼方「………」

彼方「彼方ちゃんは撫でられるのも触られるのも……ほっぺにちゅってされるのも」

彼方「別に嫌じゃないよ」

彼方「……だから、私はいつだって人気のない場所で寝てるからね」ボソッ

果林(え……えっ?)

果林(待って、彼方……貴女何言ってるの)

果林(え、嘘……え……えっ!?)ドキドキ

果林(ば、バレてたの……?)

彼方「………ん」

彼方「………」

彼方「……仕返し」

――チュッ

果林(彼方ぁっ!?)ドキッ

彼方「……えへへ」

彼方「なぁんて……」

彼方「起きてるときに言えたら……一番なんだろうなぁ……」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
84 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 15:28:54.50 ID:Jxoc62Zt
果林(お、起きて良いの?)

果林(私、起きちゃっていいのかしら……ねぇ)

果林(私、起きて良いのかしら……)

果林(今の彼方の顔が見たい)

果林(からかってるのか、からかってないのか)

果林(嘘か実か知りたい)

果林(でも……全部からかいだったら、私死ぬわ……)

果林(……っ)

果林「ん……」

彼方「……あ」

果林「んん……zzz……」ドキドキッ

果林(無理っ……顔なんて見られるわけないじゃない)

彼方「……」

彼方「………好きだよ」ボソッ

果林(無理……モデル生命絶たれるかもしれないけど……動けないっ!)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
85 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 15:37:11.96 ID:Jxoc62Zt
――ガラッ

エマ「お待たせ〜」

歩夢「お待たせしちゃってすみま……あ、果林さん……」

彼方「果林ちゃんは今、おねむみたいなので」

彼方「お静かにねぇ〜……」

せつ菜「彼方さんが起きていて果林さんが寝ているなんて珍しいこともありますね」

彼方「そうだねぇ……」

彼方「………」

彼方「まぁ」

彼方「……寝たふりだって、彼方ちゃんにはお見通しだけどねぇ」ボソッ

果林(ん゛!?)

エマ「今何か言った〜?」

彼方「何も言ってないよ〜」

彼方「今日は……彼方ちゃんが頑張る日なのですよ〜」

果林(あぁ……あぁぁぁっ)ドキドキ

果林(もぅ……彼方のバカぁっ!)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
88 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 15:39:06.02 ID:Jxoc62Zt
そして、二人は密やかに逢瀬を重ね続けるのでした。

おしまい。
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
96 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 16:30:04.03 ID:Jxoc62Zt
――――――
―――
[翌日]


果林「……で、どうして私は来ちゃうのよ……」

彼方「zzz……」

果林(本当は起きてるんでしょ?)

果林(……いや、私の言動が影響して起こしちゃってるのかもしれないわ)

果林(そうでなきゃ、彼方はここで寝たふりし続けてるだけになっちゃうじゃない)

果林(ないわね……ない)

果林(もし仮にバレていたとしても、それは私のミス)

果林(彼方の策略に嵌まったわけじゃないわ)

果林「……彼方」ボソッ

果林「……」

果林「彼方の寝顔……可愛いわ」

彼方「ん‥…zzz……」

果林「起きないと……唇にキスしちゃうわよ」

彼方「zzzz………」

果林(唇……艶々していて、美味しそうね……)ドキドキ
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
97 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 16:33:59.81 ID:Jxoc62Zt
果林(……もう、好きだって言っているのバレているし)

果林(頬にキスしたのとか、イヤじゃないって言われたし)

果林(わざわざ、人気のない場所にいるって彼方が言ってきたわけだし……)

果林(もう、唇にしても許されそうな気がしない……?)

フルフルフル!

果林(いやいやいや!)

果林(待って、待ちなさい果林)

果林(そんなの、私が一番初めに言ってた変な人の悪戯そのものじゃない……)

果林(けれど……彼方は別に良いって)

果林「……彼方、彼方ってば」

ユサユサ
   ユサユサ

果林「起きて、お願い……」

果林「さすがに私、寝込みを襲いたくはないわ」

果林(もう襲ってるよね? なんて、言わないで私の理性)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
100 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 16:37:39.83 ID:Jxoc62Zt
彼方「ん……んぅ……」

果林「彼方っ……彼方っ、起きて!」

彼方「ん……ぅ……」

彼方「……果林ちゃん?」キョロキョロ

彼方「どうしたの?」

果林「どうしたの? なんて寝ぼけた振りしないで……」

果林「……起きてたんでしょう?」

彼方「……?」

彼方「なんの、話……? ふぁ……ぁふ……」

果林「え……」

果林(ほんとに熟睡してたの……?)

果林(私が何かするのを待ってたんじゃなくて……寝てた?)

彼方「彼方ちゃん……いっつも寝てるんだけどなぁ……」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
103 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 16:46:49.85 ID:Jxoc62Zt
彼方「……果林ちゃんが……悪戯……してくるから、起きたこともあったけどねぇ」

果林「じゃ、じゃぁ……本当に、私が自滅してただけ……?」

果林「彼方が実は私を誘ってるとかじゃなく……?」

彼方「居場所を教えるのが誘ってることになるなら……誘ってるかなぁ?」

果林「私が、唇にキスしてたらどうするの……?」

彼方「え〜……?」

彼方「ん〜……そうだねぇ……」

彼方「……果林ちゃんがキスしたくなる唇になったのかぁ……って、思うかな……」

果林「えっ……」

彼方「だって、果林ちゃんが気持ちいいキスしたいから、リップクリームをプレゼントしてくれたんだよね?」

果林「ん゛っ」

彼方「だからもしかしたらって……彼方ちゃん、毎日毎日ちゃんとケアしてたんだよ〜?」

果林「……そ、そんな思惑は、無かったのだけど」

彼方「えっ」

果林「か、彼方の唇が荒れてたら嫌だなって思ったのは……そうだけど……」

果林「キスしたいと思ってはいたけど……大事にして欲しい気持ちの方が大きかったっていうか……」

彼方「ま、またまた〜」

果林「ほ、ほんとよ! ほんと……本当にそうだった」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
105 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 16:53:46.84 ID:Jxoc62Zt
彼方「えっ……」

彼方「えぇぇ〜……」

彼方「あ、あれぇ……?」

彼方「あっ……あぁぁぁぁっ!」

果林(顔真っ赤になっ――)

ボフッ

果林「ぅぶっ……」

彼方「か、彼方ちゃんのこと見ちゃダメ〜っ!」

彼方「今は、今は駄目だからっ」

果林(彼方の枕……良い匂い……じゃ、なくてっ)

果林(照れ隠し……? これが照れ隠しなの……?)

果林(やだ……なにこれ……好き)

彼方「か、彼方ちゃんはてっきり……果林ちゃんがキスしたいって……だから大事にして欲しいって……」

彼方「早とちり……? えぇ……えぇっ……えーっ!」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
109 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 17:02:55.56 ID:Jxoc62Zt
果林(キスしたいとは、思ってた)

果林(日に日にちゃんとしていく彼方の唇を見て……ドキドキしてた)

果林(今日だって、私……キスして良いのかしらって……思ってた)

ガシッ

彼方「ぁっ」

果林「っは……彼方……」

彼方「ま、待ってっ……今見ちゃだーめっ!」

果林「もう遅いわよ……もう、私の脳裏に焼き付いた」

彼方「ぅ……うぅ……」

果林(凄い、真っ赤になってる……)

果林(可愛い……好き……)

果林「昨日、あんなに訳知りのように囁いてくれてたのは何だったの?」

彼方「あ、あれは……」フイッ

果林「……教えて。彼方」

彼方「あれは……ただ……ど、どうせなら……リード奪ってやろう……みたいな……」

彼方「あはは……ははっ……」

彼方「うぅ……」

彼方「うわぁぁぁぁぁ……もう駄目、彼方ちゃんは今日を最後に退学します……探さないでください」

果林「ちょ、ちょっとちょっと! それはさすがに許さないわよ」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
112 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 17:17:33.92 ID:Jxoc62Zt
彼方「だ、だってっ!」

果林「好きなのは事実だからっ!」

彼方「っ……」

果林「リップクリームを渡した動機は違うかもしれないけれど」

果林「だとしても……彼方に感じ取られた私の心は間違っていないからっ!」

果林「間違って、無かったのよ……全然」

果林(寝ている傍で好きだと囁いて)

果林(その体に触れて、頬に触れて、キスをして)

果林(そこのどこに間違える要素なんてあるのか知らないけど)

果林「昨日囁かれたとき、心臓止まるかと思ったんだから……」

果林「今日、学校サボるか迷って……ここに来るのだって……躊躇ってたんだから……」

果林「だって……おかしいじゃない」

果林「女の子が女の子になんて……」

果林「彼方がからかってるのかと思った」

果林「私が今日も触れようとしたら、起き上がって罵倒されるかもしれないって……少し思ってた」

彼方「……果林ちゃんは綺麗だから、彼方ちゃんにとっては憧れだった」

果林「そんなっ」

彼方「んーん」フルフル

彼方「だから、そんな果林ちゃんに"好き"って言われてドキドキした」

彼方「果林ちゃんの綺麗な唇に使われてるリップクリームで間接キスした時、気が気じゃなかった」

彼方「バイトしてる姿を見られて、リップクリームを買いに来たって言われて」

彼方「私に使っちゃったからもう使いたくないんじゃないかって、少しだけ怖かった」

彼方「でも……次の日にはリップクリーム贈られちゃって……」

彼方「えへへ……ずっとドキドキさせられっぱなしだったよ」

彼方「ねぇ、果林ちゃん」

果林「なに?」

彼方「今の彼方ちゃんの唇なら……キス、出来る?」

果林「ぇっ……」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
114 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 17:22:22.84 ID:Jxoc62Zt
彼方「ん……」

果林「か、彼方……」

果林(なんで目を閉じるのよ……)

果林(良いの……?)

果林(しちゃって……唇に……私が……)

果林(え……ほんとに……?)

ドクンッ
   ドクンッ
 ドクンッ
    ドクンッ

果林「っ……」ゴクッ

果林「………」

彼方「………」

――チュッ

果林「っふ……」

彼方「……っ」

果林「……好きよ。彼方」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
116 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 17:27:36.97 ID:Jxoc62Zt
果林(どうせ、真っ赤なんでしょうね。私)

果林(何でもないようなことのように言いながら……締まりがない顔してるんでしょうね……)

彼方「………」

彼方「ぁ……」

サワッ.....

彼方「……えへっ」

果林(自分の唇触って照れ笑いするって……何なの)

果林(何なのよ、彼方……っ!)

果林「……一回で良いの?」

彼方「え……」

果林「今度は、彼方の"返事"が欲しいわ」

果林(リードしたくなっちゃうじゃない……っ)

彼方「っ……」

彼方「目……目を閉じてくれなきゃ、出来ないよ……」

果林(好き)
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
118 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 17:34:07.54 ID:Jxoc62Zt
果林「……じゃぁ」

果林「ん……」

果林(もう少し見ていたいけれど……)

果林(彼方を虐めたいわけではないし……)ドキドキ

彼方「………」

果林(制服の擦れる音がする)

果林(風もないのに、彼方の匂いが強く感じる)

果林(……彼方の、息を感じる)

――チュッ

果林「ん……っ」

彼方「っは……はっ……はぁ……」

果林「彼方……」

彼方「………」フイッ

彼方「つ、次は……彼方ちゃんがリードさせて貰うから……」

果林「あら……それは楽しみね」

彼方「………」

......ギュッ

果林「好きよ。彼方」

彼方「……うん、彼方ちゃんも、果林ちゃんが好きだよ」
果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
120 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/11/22(日) 17:37:52.61 ID:Jxoc62Zt
二人は幸せなキスをして終了

今度こそ終わり


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