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名無しで叶える物語(しまむら)
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
璃奈「う〜ん……自販機の1番上のボタン届かないよ〜」せつ菜「私が押してあげましょう!!」

書き込みレス一覧

美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
51 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 07:40:25.51 ID:y8Vg2itZ
愛「最初はビックリしたけどこうして見ると……」

愛「ママッチ、めっちゃ若々しくてかわいいじゃ〜ん♪」

愛「あたしもこの見た目のまま歳取りたいなぁ〜あはは」

千歌ママ「よく言われるの、うふ♪」

美渡「愛ちゃん普通にママッチ呼びしてる……流石ギャル、ノリがいいなぁ」

千歌ママ「ねぇ、ミトッチが食べたもんじゃってどれなの?」

美渡「あぁ、えっとね」

美渡「―って、だからミトッチ言うな‼あまりにも自然に言うから危うく聞き流すとこだったわ‼」

愛「あっはははは‼ウッケる〜」

千歌ママ「美渡ちゃんはこういうところがかわいいのよ〜」ナデナデ

美渡「もうっ、愛ちゃんの前でやめてよね」カァァ

美渡「あー愛ちゃん、いつものもんじゃお願い。早いとこ食べさせて黙らせないと」

愛「了解!!ただいま用意しまーす♪」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
52 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 07:57:44.36 ID:y8Vg2itZ
愛「それそれそれ〜」ジュウジュウ〜

千歌ママ「愛ちゃんもんじゃ焼くの上手ねぇ、おいしそ〜」

愛「へへ、それほどでもあるのだ〜」

美渡「このもんじゃがビールとよく合うんだわ、て事でビール追加」

千歌ママ「それなら私は日本酒でももらおうかしら」

愛「に、日本酒……?」パチクリ

千歌ママ「ん?だって私はもう大人だもん」

愛「そうだったそうだった、わかりました〜」





千歌ママ「あ〜ん、―はむっ、あむあむ……」

千歌ママ「―ん……」クイッ

千歌ママ「―はあぁぁ〜、おいしい〜♪日本酒との相性も抜群ねこのもんじゃ」

美渡「でしょでしょ、この味はほんと病み付きになるよ〜」モグモグ

美渡・千歌ママ「「んん〜、うんま〜い♪」」

愛「……」ジーッ

愛(変わったお母さんだけどミトッチの事可愛がっているんだな、いい人)

愛(お母さんってこんな感じなんだ……いいな、親子って)
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
54 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 08:26:22.73 ID:y8Vg2itZ
千歌ママ「ふぅ〜おいしかったぁ。愛ちゃん、ごちそうさま♪」

愛「はーい、ママッチは東京に住んでるんだよね。またいつでも来てよ」

千歌ママ「えぇ、私もこのお店気に入っちゃったわ〜、また来るわね」

千歌ママ「今度は美渡ちゃんの話をいっぱい聞かせてあげる」

愛「マジで!?楽しみ〜」ニヤニヤ

美渡「だぁ〜っ‼余計な事は喋らなくていいから‼ほら帰るよ」

千歌ママ「私ちょっと酔っちゃったかも〜、美渡ちゃんおんぶ〜」ギュッ

美渡「たく……飲み過ぎだよ母さん、―よいしょ」グッ





美渡「そんじゃ愛ちゃん、今日もごちそうさま」

愛「うん‼あ、ねぇLINE交換しよーよ。なんかあった時連絡取れるといいっしょ」

美渡「いいよーほい、QRコード」スッ

愛「サンキュー、これでOK!!」ピロン

愛「これでミトッチと繋がった〜えへへ」

美渡「暇な時いつでもLINE送ってよ、私も送るからさ」

愛「うん、さっそくスタンプを送信♪」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
55 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 08:41:58.93 ID:y8Vg2itZ
4日目

ブオォ〜

美渡「まったく、なんで私が東京に来てまで家の掃除なんか」

美渡「のんびりして行けって言ったのは母さんだろ、娘にやらせるなよな」

美渡「しゃーない、せっかく世話になってんだからこうなりゃとことんキレイにしてやるか」

美渡「掃除が終わったら買い物に行かないと、今夜は私がご飯作るって約束したし」

美渡「なに作ろうかなぁ、うーん」

美渡「―なんだかんだ今日は1日かかりそう……愛ちゃんのお店には行けないかも」ピロン

美渡「ん?愛ちゃんからLINEだ」

美渡「『今日は来ないのか〜ミトッチ?』はは、噂をすればなんとやらだ」

美渡「『悪いね、今日は忙しくて行けないわ〜(泣)』と」






愛「あはは、ミトッチお母さんに捕まったか〜」

愛「たまには親孝行もしないとね、しゃーなし」

愛「ミトッチが来ないのは残念だけど他にお客さん来てるからね、あたしも頑張らないと」

ガララ

愛「いらっしゃいませー!!ようこそもんじゃみやしたへ‼」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
56 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 08:53:12.62 ID:y8Vg2itZ
5日目

愛「おーい、ミトッチ〜」タタタッ

美渡「やっほ、愛ちゃん」

美渡「昨日は行けなくてごめんねぇ」

愛「いいっていいって、ママッチにはなに作ってあげたの?」

美渡「私の家でよく食べているみかん鍋、お母さん1人じゃ鍋なんてやらないから喜んでくれたよ」

愛「おぉ〜みかん鍋、あたしも食べてみた〜い」

美渡「今度愛ちゃんにもごちそうしてあげるよ」

愛「うん‼楽しみにしてるね」

愛「今日は1日オフの日だから昨日の分も合わせていっぱい遊ぼ♪」

愛「あたしの行きつけのお店連れて行ってあげる」グイッ

美渡「あはは、そんな引っ張らなくてもついて行くって」

美渡「よーし、私も今日は思いっきり遊んじゃうぞ〜♪」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
57 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 09:12:06.88 ID:y8Vg2itZ
愛「うーん……」ジロジロ

美渡「な、なに?なんか付いてる?」

愛「ミトッチってさぁ、学生時代もっとはっちゃけたかったって言ってたよね」

美渡「んまぁそうだね、だから今日は遊ぼうかなと」

愛「あたし思うんだけど、ミトッチってかなりルックスがイケてるからギャルファッションも似合うと思うんだね」

美渡「へっ!?私がギャルぅ!?」

愛「そーだよ、今日はあたしとお揃いのギャルファッションで遊んでみようよ!!」

美渡「いや〜、流石にこの歳でギャルファッションは痛いだけのような……」

愛「そんな事ないって‼そんじゃまずは洋服屋へレッツゴー!!」ガシッ

美渡「うわわっ!?ちょっと愛ちゃ〜ん!!」





洋服屋

愛「―おーっ‼あたしの思った通り‼よく似合ってるよミトッチ♪」

美渡「……」ジーッ

美渡「肩が出てる、おへそが出てる、生足も出てる、胸元もバックリのシャツに超ミニスカート……」

美渡「〜〜〜〜!!」カァァ

美渡「やっぱ私着替え」

愛「えぇ〜?ダメだよ着替えちゃ‼今日だけ、今日だけその格好でいてよ〜」

美渡「この格好で東京歩くとかなんの罰ゲームだよ……」

美渡「はぁ……仕方ない、どうか知り合いに出会いませんように」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
58 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 09:27:51.21 ID:y8Vg2itZ
愛「ミトッチが学生の頃ってどんな格好が流行ったの?」

美渡「ん?そうだなぁ、今とそれほど変わらないけど私らの世代はルーズソックスが流行ったな」

愛「ルーズソックス?」キョトン

美渡「えっと、ここに置いてあるかな……」キョロキョロ

美渡「―お、あったあった。これがルーズソックスって言うんだよ」

愛「長っ‼そんなのどうやって履くのさ」

美渡「こうやって足元に集めてダボタボにして履くんだよ」

愛「へぇ〜、結構イケてるじゃん。これ買ってあたしも履いてみようかな」

美渡「今時の娘にもルーズソックスのよさがわかるんだ……」





愛「へへっ、どうミトッチ?」

美渡「ほう、愛ちゃんにゃルーズソックスはぴったりだ。元々これもギャルファッションだからね」

美渡「もっと昔には長いスカートが流行ったみたいだよ、スケバンとか呼ばれてたっけ。地面スレスレまで伸ばしてさ」

愛「今とは真逆だね〜、時代によってファッションが変わるのは面白いなぁ」

美渡「いつの時代も女の子はオシャレには一生懸命だったんだよねぇ」シミジミ
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
59 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 10:23:43.13 ID:y8Vg2itZ
美渡「うう……この格好、なんだか落ち着かないなぁ」

愛「その内慣れるって、次はどこ行く?」

美渡「そうだな〜、―ん?なにあの行列?」

愛「あぁ、あれはタピオカミルクティーの店だよ。今チータピが大人気なんだよね」

美渡「チータピ?」

愛「めっちゃうまいよ、せっかくだからあたしらも飲んで行こうよ。このファッションにもバッチリ合うし」

美渡「はは、いいね。東京らしいや」





愛「ほい、ミトッチの分」スッ

美渡「ありがと。へぇ、タピオカミルクティーの中にチーズが入ってるんだ。オシャレ〜」チュウ〜

美渡「―ん〜、コクがあっておいし〜♪」

愛「ね、あたしもチータピ大好き。ハマると抜け出せないんだよね〜」チュウチュウ

美渡「こんな格好でこういうの飲んでるとまるで学校帰りに寄り道してるみたい、楽しいなぁ」

愛「学生に戻った気分になった?そりゃよかった」

美渡「うん、青春時代を思い出すよ」チュウ〜
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
60 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 10:39:53.19 ID:y8Vg2itZ
美渡「あ、カラオケがある。最近全然行ってないな〜」

愛「そんじゃ行っちゃう?あたしも久し振りに歌いたくなってきちゃった」

美渡「よーし、カラオケ行っちゃいますか‼」




カラオケ店

美渡「ふわぁ〜、最新機種はこんなハイテクなタッチパネルなんだ。すごっ」

愛「でも使い方はとても簡単だから、先入れていいよ」

美渡「それじゃ……これ」ピピピッ





美渡「ボーダーのTシャツの〜す〜そ〜から覗くお〜へ〜そ〜♪」

美渡「し〜かめ顔のママの背中〜すり抜け〜てやって来た〜♪」

愛「あたしの知らない歌……でもミトッチ歌うま〜」

美渡「―ずっと前から〜彼の〜事〜好き〜だった〜誰〜よりも〜♪」

美渡「やっと私に〜来た〜チャンス〜逃〜せ〜な〜い〜の〜♪」

愛「はいはいはいはい!!」

美渡「―MajiでKoiしちゃいそ〜な〜約束〜の5秒前〜♪」

愛「いいねいいね〜!!ひゅーひゅー♪」

美渡「あはは、どうもどうも」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
61 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 10:52:07.39 ID:y8Vg2itZ
愛「いや〜ミトッチうまいね〜、曲のタイトルもマジイケてるし」

美渡「私が小さい頃に流行ってたみたいでさ、よくお母さんが歌ってたんだよ」

愛「この調子でどんどん入れてこ〜、次は愛さんの番だ」ピピピッ

美渡「私も負けないぞ〜」





美渡「あ〜歌った歌った、もう喉ガラガラ」

美渡「それにしても、まさか愛ちゃんが演歌歌うなんて意外だったねぇ」

愛「ばあちゃんが演歌好きでね、あたしも小さい頃から一緒に聴いて育って来たから」

美渡「ギャルと演歌ってのもすごいギャップだ」

愛「演歌を歌うギャルってのも中々イケてるっしょ」ニカッ

美渡「ほんと、愛ちゃんはギャップの塊だよ」

美渡「いっぱい歌ったからいいストレス発散になった〜」

愛「ねーねー、最後にこの歌2人で歌おうよ」

美渡「お、その歌なら私も知ってる。いいよ、記念にデュエットしよっか」

愛「それじゃ、送信っと」ピピピッ
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
62 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 11:08:34.86 ID:y8Vg2itZ
美渡「やっぱカラオケは楽しいな〜」

美渡「けど夢中で歌って気付けば夕方……時間が経つのは早いもんだねぇ」

美渡「愛ちゃん、帰らなくて大丈夫?」

愛「まだまだいけるよん‼」

愛「―って、言いたいところだけどぼちぼち帰る時間かな。もっと遊びたかったのに〜」

美渡「私は満足したからいいよ、早く帰らないとおばあちゃんやお姉さんが心配しちゃう」

愛「うん……でもやっぱ待って‼帰る前にあそこ寄ってこ」

美渡「ゲーセン?」

愛「ギャルと言えば友達同士でプリクラ!!ミトッチだってよくやってたでしょ」

美渡「プリクラってまだあったんだ。いいよ、それくらいなら付き合ってあげる」

愛「よっしゃ‼行こ行こ♪」





美渡「ちょ、愛ちゃんくっつき過ぎじゃないの?」ドキッ

愛「女の子同士なんだからいいでしょ、ほらカメラの方見て」

美渡「う、うん。―へへっ」パシャッ

愛「次は愛さんとお揃いのポーズだ〜」

美渡「うえぇっ?そんな前かがみになったら胸が見えちゃうよ〜」カァァ

愛「最後に……ちゅっ♪」

美渡「うわっ!?愛ちゃん大胆過ぎるってば!!」

愛「ミトッチもほら、ここにちゅーして」スッ

美渡「えぇ……も〜、しょうがないなぁ」

美渡「―ちゅっ」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
63 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 11:21:17.86 ID:y8Vg2itZ
愛「はい、ミトッチのプリクラ」スッ

美渡「こんな格好でこんなポーズ……こりゃ絶対誰にも見せられない私の黒歴史だな」

愛「えぇ〜、黒歴史とか言わないでよ。私とミトッチの思い出なんだからさ」

愛「さっそくこれをスマホに貼って〜」

美渡「いやいやいやダメダメダメ!!そんなのスマホに貼らないでぇ‼」

愛「ちぇ〜、つまんないの」





愛「わざわざ家の前まで送ってもらってありがとう」

美渡「なぁに、年下の女の子を送るのは年長者として当然の事だよ」

愛「もんじゃ、食べてく?」

美渡「お、いいね〜」

美渡「―と、言いたいところだけど今日は帰るよ。愛ちゃんも疲れただろうし」

美渡「それに、こんな格好見られたくないよ」ピラッ

愛「そっか、わかった」

美渡「今日もありがとう、どこもすごく楽しかったよ」

愛「あたしもミトッチと遊べて楽しかった!!帰る前にまた遊びたいね」

美渡「うん、時間が合えばまた少しでも一緒に出かけようか」

美渡「それじゃ、おやすみ」

愛「おやすみ〜、帰り気を付けてね〜」フリフリ
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
64 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 11:37:07.71 ID:y8Vg2itZ
6日目

美渡「こんにちは〜」ガララ

美里「いらっしゃいませ」ニコッ

美渡「あ、確か愛ちゃんのお姉さん。どうも」

美里「どうも、うちの妹がお世話になって」

美渡「いえいえ、私の方こそ色々楽しい場所に案内してもらって」

美渡「今日、愛ちゃんは?」キョロキョロ

美里「ごめんなさいね、妹は今日部活の練習に行っているんですよ」

美渡「あ、そうなんですか。愛ちゃん部活もやってたんだなぁ」

美里「夕方までは帰らないと思います、私でよければもんじゃをお作りしますが」

美渡「そうですね、せっかくここまで来たし今日はお姉さんにごちそうしてもらいます」





美里「あなたがこのお店に来てくれた日から妹はとても楽しそうで」ジュウジュウ

美里「最近は美渡さんの話題で絶えないんですよ」

美里「『もう1人お姉ちゃんが出来たんだ!!めっちゃ楽しい人だよ‼」って」

美渡「そんな、参ったなぁ〜。でへへ」ニヘラ

美里「昨日も街で一緒に遊んでくれたみたいで、プリクラ見せてもらいましたよ」

美渡「は?愛ちゃんお姉さんにプリクラ見せたの!?うわぁぁ〜!!」

美里「そんな恥ずかしがらなくても、よくお似合いでしたよ。私にはとてもあんな格好は出来ませんわ」

美渡「うぐっ……遠回しに嫌み言われてる気分……」グサッ
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
65 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 12:40:52.22 ID:y8Vg2itZ
美里「さぁ出来ましたよ、召し上がれ」

美渡「おぉ、お姉さんのもんじゃもおいしそ〜、ふぅ、ふぅ〜」パクッ

美渡「―ん〜愛ちゃんとはまた一味違ってうまい‼最高です♪」

美里「ありがとうございます」ニコッ

美里「―美渡さんには本当に感謝しています」

美渡「あむあむ……私なんかしたっけかな」

美里「妹から聞いたかも知れませんが私は体が弱くてよく入院もしたりしているんです」

美里「だから妹とも中々遊んであげられなくて……」

美渡「いやでも、愛ちゃん結構遊んでるって聞いたけど」

美里「お友達と遊ぶのと姉妹で遊ぶのはまた別でしょう」

美里「本当なら私も妹と一緒にお出かけして遊んであげたいんですが、もしも具合が悪くなったら妹に迷惑をかけてしまう」

美里「なので、美渡さんが妹と会ってお話したりお出かけしてくれるのはとてもありがたいんです」

美渡「お姉さん……」

美渡「―友達と姉妹は別、か」

美渡「そんな事、考えた事なかったな」

美渡「楽しませてもらってるのは私も一緒ですよ、愛ちゃんやお姉さんが喜んでくれているならよかったです」

美渡「むしろ、お礼を言うのは私の方」

美渡「見ず知らずの私にこんなに温かく接してくれて、東京まで来た甲斐があったってもんですよ」

美渡「あの日、匂いにつられてこのお店に入ってよかった」ニヤッ

美里「うふふ、素敵な巡り合わせに感謝、ですね」

美里「よかったら、ビールでもいかが?」

美渡「お、それじゃいただいちゃいますかねぇ〜」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
66 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 12:53:02.66 ID:y8Vg2itZ
愛「ただいま〜」ガララ

美里「おかえりなさい、愛ちゃん」

美渡「ちーっす、おかえり〜」

愛「あ、ミトッチ来てたんだ。それならLINEで教えてくれればもっと早く帰って来たのに」

美渡「あはは、ごめんよ。お姉さんとの話が盛り上がっちゃってさ」

美里「私がお相手していたから大丈夫よ」

愛「ごめんねお姉ちゃん、ありがと。あとはあたしが出るから少し休んで」

美里「はいはい、あとはよろしくお願いね」





愛「ミトッチ酒臭〜、もうすっかり出来上がってんじゃん」

美渡「いや〜お姉さん飲ませるのがうまくてさ、ついつい飲んじゃったよ」

愛「まったく……しょうがないなぁ」クスッ

愛「―ミトッチ、帰るの明日だっけ。何時に行くの?」

美渡「ん……明日はお母さんとお昼ご飯食べてから帰るから、午後になってからかな」

愛「そう……」

愛「ね、もう一杯飲んで行かない?もう少しお話したいよ」

美渡「へへ、いいよ。私も愛ちゃんの顔見ながら飲みたいや」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
67 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 13:00:44.19 ID:y8Vg2itZ
愛「はい、どうぞ」トクトクトク

美渡「お、注ぐのうまくなったんじゃないの?」

愛「お酌の仕方も練習してるんだよ」

美渡「愛ちゃんも付き合えよ〜、高2ならもう酒飲めるだろぉ」

愛「いやいや、あたしはお酒飲まないから。お酒は二十歳になってから、でしょ」

美渡「なんだよ〜私が愛ちゃんくらいの歳にはもう飲んでたぞ〜」

愛「ミトッチはギャルじゃなくて不良だったか〜」

美渡「だぁれが不良だ、コラッ」

愛「はいはい、あたしはこのジュースで付き合いますよ」

美渡「はぁ、しょうがないねぇ。それで勘弁してあげるよ」

美渡「それじゃ……かんぱ〜い」カチン

愛「かんぱ〜い」カチン
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
69 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 13:20:42.77 ID:y8Vg2itZ
美渡「んぐ……んぐ……」

美渡「―かあぁぁ〜!!やっぱビールはうまい‼」

愛「―ぷはぁっ、このジュースもおいし〜」

美渡「お、いい飲みっぷりだね〜」

美渡「あ〜あ、いつか愛ちゃんと一緒に酒飲みたいなぁ」

愛「ははは、あたしが二十歳になるまで待っててよね」

愛「それまでにちゃんとお酒飲めるようになっておくから」




愛「―こうやってミトッチとお話出来るのも今日で最後かぁ」

愛「ミトッチと知り合って1週間……あっという間に明日帰る日になるんだね」

美渡「なんだ急に、しんみりか〜?明日帰るからそれがどうしたのよ」

愛「ごめん、なんか……明日でお別れだと思ったら、さ……」ウルウル

愛「あたし……あたし……!!」ポロポロ

美渡「愛ちゃん……」

愛「帰らないで……」ギュウッ

愛「せっかく仲良くなったのに……せっかく新しいお姉ちゃんが出来たのに……」

愛「あたし、寂しいよぉ……」

美渡「……大丈夫、帰るったって同じ日本だ。会う気になればいつでも会える」ナデナデ

美渡「今生の別れじゃない、また必ず会いに来るよ」

愛「本当……?」

美渡「もちろん、愛だけにね♪」

愛「くすっ……あたしのダジャレ取らないでよ、もう」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
71 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 13:32:21.01 ID:y8Vg2itZ
7日目

美渡「あぁ〜昨日は飲み過ぎたな……頭痛い……」

千歌ママ「ふらふらになってよくここまで帰って来られたわよねぇ〜」

千歌ママ「ほら、シャキッとしなさい。二日酔いの顔で新幹線に乗るつもり?」

美渡「うん、もう1回顔洗って来る……」




美渡「ふぅ……顔洗って化粧したら大分マシになったかな」

千歌ママ「美渡ちゃん、そろそろ行くわよ。忘れ物しないようにね」

美渡「わかってるよ、今行く」

美渡「……あ〜」

美渡「―ごめん母さん、帰る前にちょっと寄り道したい」

千歌ママ「愛ちゃんの所、でしょ?知ってたわ」

千歌ママ「いいわよ、まだ時間はあるから行ってらっしゃい。駅で待ち合わせしましょ」

美渡「悪いね、ちょっくら行ってきます」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
73 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 13:52:57.71 ID:y8Vg2itZ
愛「……」

愛(ミトッチ昨日はへろへろになって帰ったけど大丈夫だったかな)チラッ

愛(もうすぐお昼、今頃ママッチとご飯食べている頃か……)

愛「―はぁ……」

ガララ

愛「いらっしゃいま」

愛「―ミトッチ……」

美渡「や、愛ちゃん。帰る前にどうしても会いたくなってね」

美渡「これ、ここに来る途中で買ったの。よかったら」スッ

愛「なんだろ?開けていい?」ガサッ

愛「……これは」

美渡「みかんのヘアピン、私とお揃いだよ。ほら」チョンチョン

愛「か、かわいい……!!」パァァ

愛「ミトッチとお揃いなんて嬉しい!!ありがとミトッチ!!だ〜い好き♪」ガバッ

美渡「へへ、私もだよ。愛ちゃん」

美渡「愛ちゃんはもうひとりの私の妹だ、離れていてもそれは変わらないよ」

愛「うん……うん……ミトッチはあたしのもうひとりのお姉ちゃんだよ‼」

美渡「今度は私の家にも遊びに来てよ、海が見える旅館でさ。精一杯おもてなしさせてもらうよ」

愛「なにそれテンションあがる〜!!絶対行くよ」

美渡「じゃあ、私帰るね。―お姉さんも体に気を付けて」

美里「えぇ、ぜひまた来てくださいね」ニコッ

愛「じゃ〜ね〜ミトッチ〜!!ありがと〜!!」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
74 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 14:24:42.02 ID:y8Vg2itZ
高海家

美渡「ただいま〜、あぁ疲れた」ドサッ

千歌「おかえり美渡姉、おみやげは?」

美渡「あのなぁ……出迎えて早々言うセリフがそれかよ」

美渡「ちったぁ疲れをいたわれよなぁまったく」ゴソゴソ

美渡「ほれ、浅草で私が焼いた味噌ねぎ煎餅とぬか漬け」スッ

千歌「うぇっ、くせーのだ。もっとオシャレなお菓子とかないの〜?」

美渡「なんだと〜?おみやげもらえるだけありがたいと思えよな〜」グリグリ

千歌「あぅ〜い〜た〜い!!」

志満「あら美渡、おかえりなさい」

美渡「あ、志満姉。ただいま」

志満「千歌ちゃん、よかったわね美渡が帰って来て」

美渡「あ?なにが?」

志満「あなたが東京に行ってる間千歌ちゃん寂しがっていたのよ」

千歌「ちょ、志満姉‼」カァァ

美渡「へぇ〜」ニヤニヤ

美渡「そーかそーか、そりゃすまなかったね千歌ちゃぁ〜ん」スリスリムギュー

千歌「やだぁも〜くすぐったいってば、やめてよ美渡姉〜」キャッキャッ

美渡「いや〜やっぱり姉妹はいいもんだねぇ〜」

美渡「私も千歌や志満姉の事大好きだぞ〜♪」

志満「あらあら、嬉しい事言ってくれるわねぇ。私も抱き締めちゃおうかしら」ギュウ〜

美渡「うげぇっ、重い……」シロクロ

志満「まぁ、失礼しちゃうわね」
美渡「もんじゃでも食べて行こっかなぁ〜」
75 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 14:26:11.37 ID:y8Vg2itZ
終わりです。長くなりましたが最後までお付き合い、読んでいただきありがとうございました。
璃奈「う〜ん……自販機の1番上のボタン届かないよ〜」せつ菜「私が押してあげましょう!!」
1 :名無しで叶える物語(しまむら)[]:2020/09/16(水) 19:34:45.21 ID:y8Vg2itZ
せつ菜「よっ!!―ほっ!!―とりゃっ!!」ピョンピョン

璃奈「せつ菜さんも届いてない……」


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