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名無しで叶える物語(茸)
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」

書き込みレス一覧

かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
1 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 15:04:31.27 ID:3YoG7XIB
かすみ「早く死んでくれません?w」

しずく「かすみさん、言いすぎですよ。こんな人でも精一杯生きてるんですからw」

愛「まあただ生きてるってだけでなんの価値もないけどねw」

果林「みんな、そこまでにしてあげて」

彼方「いじめはよくないよ〜」

かすみ「彼方先輩人聞き悪いですよぉ。かすみんたちイジメとかしてないですしぃ〜」

エマ「そうだよ。この同好会はみんな仲良しなんだから、イジメとかあるわけないよ。……ね?」

侑「……は、はい」

果林「何してるの?」

侑「え?」

果林「早く飲み物くらい用意しなさいよ。みんな練習でクタクタなんだから」

侑「は、はいっ……!」

せつ菜「あ、待ってください! 侑さん!」

侑「な、なんですか……?」

せつ菜「私、お腹空いたのでついでにたこ焼きもお願いしますね!」

侑「……はい」


歩夢「……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
8 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 15:13:02.19 ID:3YoG7XIB
侑「え、えっと……果林さんがミルクティーで愛さんがサイダー、かすみさんは練乳入りの苺ミルクで、しずくさんは……えっと、なんだっけ……あっ」
チャリーンッ

ジャラジャラジャラッ…


侑「お、お金落としちゃった! 早くしないといけないのにっ……」

侑「あぁっ、自動販売機の下にっ……」


侑「……っ、ぐすっ……」


侑「……なんで、私……こんなことしてるんだろ……」

侑「私はただ、頑張ってるみんなの力に少しでもなれたらって……」


侑「…………」


侑(……言おう。今日こそはちゃんと、辞めたいって言わなきゃ)


侑「よ、よしっ……がんばれ私!」


歩夢「ん? 何を頑張るの?」

侑「あ、歩夢ちゃんっ!?」

歩夢「遅いから心配になって見にきたんだよ? それで、何を頑張るの?」

侑「そ、それは……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
14 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 15:21:22.64 ID:3YoG7XIB
歩夢「どうしたの? 私にできることなら協力するよ? だって大切なお馴染みの侑のためだもん」

侑「……っ」

歩夢「ん? なんで怖がってるの? もしかして侑は私のこと嫌いなの?」

侑「そ、そんなことは……」

歩夢「そうだよね。なら教えて? 侑は何を頑張りたいの?」

侑「え、えっと……」

歩夢「まさか同好会辞めたいなんて言わないよね? どうしても入りたいからって侑が言うから私がみんなに口利いてあげたんだもん」

歩夢「私の顔に泥を塗るようなことするわけないよね? ……ね?」

侑「や、やだな……そんなこと言うわけ、ないよ。あはは…」

侑「さ、さっきのは、その……みんなのためにもっと頑張ってサポートしないとって、そういう…」

歩夢「そっかぁ。よかったよぉ。最近、侑って同好会にいる時、いつも暗い顔してるからもしかして楽しくないのかなって心配してたんだよ?」

侑「そ、そんなことないよ……楽しいよ」

歩夢「うんうん」

歩夢「……ならもっと楽しそうにしろよ」

侑「う、うん……気を付ける、ね」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
26 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 15:35:16.52 ID:3YoG7XIB
侑「はぁっ、はぁっ……! お、お待たせしました!」

果林「チッ……遅いのよ。グズ」

エマ「たかが飲み物買いにいくだけでこんなに人を待たせる人もいるんだね〜」

しずく「あらかじめ用意しておくとかそういう考えはないんですか?」

愛「いいじゃんいいじゃん、そんなやつほっとけば。使えない人に何言ってもエネルギーの無駄っしょw」

せつ菜「まあ私はたこ焼きがおいしければなんでもいいですけど……もぐもぐ、ふはふは」

かすみ「あーーっ! せつ菜先輩だけたこ焼き食べててずるーいっ!」

かすみ「もちろんかすみんの分もありますよねぇ〜?」

侑「えっ……?」

かすみ「……は? まさかせつ菜先輩だけに買ってきたんですか? 先輩は私たち全員のサポート役としてここにいさせてあげてるのに、せつ菜先輩だけえこひいきしてるんですか?」

侑「だ、だって頼まれなかったから……」

かすみ「なに口答えしてるんですか?」

歩夢「まあまあかすみちゃん、落ち着いて」

かすみ「これが落ち着いてなんていられませんよっ!」

歩夢「これからみんなの分、買いに行くつもりなんだよね?」

侑「え…」

歩夢「そりゃあジュースもたこ焼きもってなったら全員分持ちきれないもん」

彼方「彼方ちゃんはたこ焼きじゃなくてたい焼きがいいなぁ〜」

愛「んじゃ愛さんはパンケーキにしてもらおっと!」

天王寺「わたしも愛さんと同じのがいい」

せつ菜「おかわりお願いします!」

侑「は、はいっ……!!」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
27 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 15:47:21.09 ID:3YoG7XIB
侑「ご、ごめんね! 遅くなっ………」


シーン……


侑「……誰もいない。私が時間かかっちゃったからみんな帰っちゃったのかな」

侑「どうしよう、このたこ焼きやたい焼きやパンケーキ……もったいないしお母さんにあげよう」

侑「私も帰ろう。ちゃんと戸締まりして、っと……あれ? 私のかばん……ない」

侑「どこにいっちゃったんだろ……」


侑「あ……ゴミ箱の中に……」


侑「……でもよかった、見付かって」


侑「……っ、うぅ……ぐすっ……」


侑「なんで……っ、なんで、私がこんな目に……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
32 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 15:54:57.82 ID:3YoG7XIB
侑「ただいま…」

母「おかえりなさい、侑ちゃん。遅かったわね」

侑「う、うん……同好会の練習が長引いちゃって……」

母「そう、お疲れ様。毎日頑張って偉いわね。侑ちゃん」

侑「……」

母「侑ちゃん? どうしたの? 学校で何か嫌なことでもあった?」

侑「う、ううんっ! なんでもないよ! ちょっと疲れただけ! 毎日楽しいよ!」


侑(私が小さい頃に父親が亡くなって、うちは母子家庭だ。だから毎日お仕事頑張ってるお母さんを心配させるわけにはいかないよね……)

侑(私さえ、我慢してれば……大丈夫)


侑「そうだ、これ! いつもお仕事お疲れ様!」

母「まあこんなにいっぱい。食べきれるかしら? ふふっ」

母「ありがとね、侑ちゃん」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
42 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 16:09:56.98 ID:3YoG7XIB
侑「……」
カチカチ

母「侑ちゃん? また遅くまでお勉強?」

侑「う、うん、明日までに終わらせなきゃいけないのがあって…」

侑「お母さんは先に寝てて」

母「あんまり無理しすぎちゃダメよ。おやすみ、侑ちゃん」

侑「うん! おやすみなさい!」


パタン…


侑「ふぅ、明日のテスト対策はこのくらいで大丈夫かな…」

侑(いっぱい勉強して、良い大学に推薦で入ってお母さんを楽させてあげるんだ)


侑「あとは……みんなの楽曲制作も明日までに完成させなきゃ」

侑「9人分だから大変だけど、1つでも遅れたらまたかすみちゃんにえこひいきって言われちゃうし…」


侑「頑張らなきゃ……」


侑「もっともっと、頑張らなきゃ……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
47 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 16:22:31.32 ID:3YoG7XIB
翌朝


侑「うぅ、結局徹夜だったぁ……」

侑「眠い……けど、なんとかみんなの曲も完成したし、気に入ってもらえるといいなぁ」

侑「あっ、もうこんな時間! 急がなきゃ!」


侑「いってきまーす!」

母「侑ちゃん! お弁当!」

侑「ありがと! いってきます!」

母「車に気を付けてね。いってらっしゃい」





侑「はぁ、はぁっ……よかった、間に合った」

侑「うっ、徹夜明けで走ったから頭がくらくらして…」
フラッ

ドンッ…

「きゃっ!?」

侑「わわっ!」
ドサッ

侑「ご、ごめんなさいっ!」

せつ菜「痛たた」

侑「せ、せつ菜さん!? すみませんっ! 大丈夫ですか!?」

せつ菜「はい! 侑さんこそ怪我してないですか!?」

侑「わ、私は大丈夫です! 頑丈さだけが取り柄ですから。あ、急がなきゃ……すみません、お先に失礼します!」


せつ菜「……」

せつ菜「あれ? 何か落ちてますね!」

せつ菜「これは……きっとゴミですね!」
ポイッ
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
53 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 16:34:37.99 ID:3YoG7XIB
侑(よし、午前中のテストはバッチリ!)

侑(昨日、頑張ってよかったぁ)

侑(お弁当食べて午後も頑張ろう……あれ?)


侑「おかしいな……お弁当が無い」

侑「今朝、お母さんが入れてくれたはずなのに…」
ゴソゴソ

侑(……もしかして)


侑「あ、あの……愛さん」

愛「んー? なんだしー?」

侑「私のお弁当知りませんか……?」

愛「……はぁ? なんで愛さんに聞くのかなぁ?」

愛「もしかして愛さん疑われてる系?」

侑「そ、そういうわけじゃ……ないですけど……」

愛「じゃあなんで愛さんがあんたの弁当について知ってると思ったのかなー?」

侑「そ、それは……」

愛「うわ、マジひどー! 信じれないしー! みなー! 聞いてほしーしー!」

クラスメイト「どした?どした?」

愛「あんさー! 侑ったらひどいんだよー! 自分で弁当持ってくるの忘れたくせにさー! 愛さんが捨てたー! とか決めつけてきてさー!」

クラスメイト「マジ? 最悪じゃん」

クラスメイト「さすがにそれ酷くない?」

クラスメイト「愛ちゃんがそんなことするわけないのにさー」

侑「ち、ちがっ……そんなつもりじゃ……」

クラスメイト「高咲うざ…」

クラスメイト「死ねよ」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
60 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 16:45:24.59 ID:3YoG7XIB
クラスメイト「愛ちゃん大丈夫?」

クラスメイト「辛かったよね」

愛「正直鬼キツかったけどみんなのおかげでチョー平気よ!」

クラスメイト「愛ちゃんえらーい!」

クラスメイト「謝れよ、高咲」

侑「す、すみませんでした……」


せつ菜「あーーーー!!!!」

せつ菜「誰ですか!! 燃えないゴミに残飯捨てたの!!」

侑「!?」

せつ菜「ちゃんと燃えるゴミに捨てないとダメですよ!!」
グチャ ポイッ

せつ菜「これでよし、と!」

せつ菜「じゃあゴミ出しちゃいますけど、他に捨てるゴミある人いますかー!?」

クラスメイト「高咲さんを捨てたいんですけどー燃えるゴミですかー燃えないゴミですかー?」

クラスメイト「きゃははっ!」

クラスメイト「うけるー!」

せつ菜「え? 侑さんってゴミだったんですか!?」

侑「……っ、ち、ちがいます……うぅっ!」
タタタタッ

せつ菜「あれ? 行ってしまいました」

クラスメイト「きゃはははっ! 中川さんサイコー!」

愛「せっつーチョーうけるー!」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
64 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 16:56:28.87 ID:3YoG7XIB
せつ菜「よいしょ、よいしょ……っと」

せつ菜「ゴミ出しも楽じゃないですね!」
ポーイッ

せつ菜「ふぅ、一仕事終えました!」


侑「……」
コソコソ

侑「……」
キョロキョロ


侑(お弁当箱だけでも回収しないと…)
ゴソゴソ

侑「痛っ!!」

侑「な、なんでカッターの刃や画ビョウがこんなに捨てられて…」

侑「くっ……ぅ、……っ」
ゴソゴソ


侑「あった……私のお弁当箱」


侑「…………っ、……ごめんね、お母さん」

侑「せっかく作ってくれたのに……ごめん……ごめんなさい……っ、うぅ……ぐすっ……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
72 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 17:14:05.35 ID:3YoG7XIB
侑「……」

侑(午後のテスト科目の勉強しなきゃ…)

侑(お腹空いなぁ……)
グー

せつ菜「!」

せつ菜「侑さん!!」
タタタタッ

侑「せ、せつ菜さん…?」

せつ菜「もしかしてお腹空いてるんですか!?!! はっ!! まさかさっきゴミ箱に入ってたのって侑さんのお弁当だったんですか!?!!」

侑「もう大丈夫ですから…」

せつ菜「そんなこととは知らずにゴミ出ししてしまってすいませんでした!!!!」

侑「い、いいですから……そんな大きい声でやめてください……」

せつ菜「私のパンあげます!! 食べてください!!」
ポイッ

侑「あ、ありがとうござ」


愛「そういうことなら愛さんもあげるしー! みんなも侑に分けてあげなよー!」

クラスメイト「まあ愛ちゃんがそう言うなら」

クラスメイト「愛ちゃん優しいー!」

クラスメイト「あたしのもあげるー!」

クラスメイト「私もお菓子とか持ってるしー!」

クラスメイト「わたしもー!」「あっしも!」「せっしゃのも恵んであげるでござる」「わがはいも!」「おいどんも!」「それがしも!」


ドッサリ……


侑「え、えっ……」

せつ菜「よかったですね!!」

愛「モチ全部食べるよね? つーか食べきるまでテスト受けるの禁止だからw」

侑「そ、そんな……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
78 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 17:25:08.73 ID:3YoG7XIB
クラスメイト「ま、当然っしょーw」

クラスメイト「貰っといて残すとかあり得ねーしw」

せつ菜「侑さん、いっぱい食べて午後も頑張りましょう!!」

侑「こ、こんなにたくさん食べきれないよ……」

愛「いやいやw 恵んでもらってそりゃないっしょw」

クラスメイト「「「食ーえ!! 食ーえ!! 食ーえ!!」」」


侑「……」
モグ


愛「ほらほらーw そんなペースじゃテストに間に合わないよー!」


侑「……っ」
モグモグ


侑「……っ」
モグモグ




侑「も、もうお腹いっぱいで…」

クラスメイト「はぁ? いーからとっとと食えよ!!」

愛「誰か食べさせてあげればー?w」

クラスメイト「しゃーねーなー! おらっ!!」
グイッ

侑「んんぅっーーっ!?!! んっ、んんっ……!!」

クラスメイト「ほらほらよく噛んで!!ww」

クラスメイト「まだまだたっぷり残ってんだから、よっ!!」
グイッ

侑「んっ! んんっーーっ!! かっ、ふぁっ、ぐぎゅっ…!!」


侑「ぅぶっ、ぁ、ぉ……ぉおぇぇええーーっ!!!!」
ビシャビシャビシャ


クラスメイト「きゃー! 汚なーいっ!!」

クラスメイト「うわ、最悪」

クラスメイト「死ねよ、マジこいつ」


侑「げほっ、げほっ……!! はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
82 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 17:36:32.76 ID:3YoG7XIB
ちょっと休憩室挟みます
ちなみに体験談ではありません。フィクションです
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
104 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 18:53:41.02 ID:3YoG7XIB
侑(結局、午後のテストは全然集中できなかった……)

侑(それよりももっと最悪だったのが……)



果林「はぁ? 曲がまだできてない?」

エマ「えぇと、たしか期日って今日だったよね?」

しずく「たった9曲もまともに作れないんですか?」

侑「ちゃ、ちゃんと作ったんです! USBに入れて持ってきたはずなのにっ」

侑「あれっ、なんでないんだろ……!」

かすみ「そんなこと言って、どうさ間に合わなかった言い訳に決まってますよ!」

侑「そ、そんなことっ……おかしいな、絶対かばんに入れたはずなのにっ…」

侑(まさか…)

愛「え? なになに? まーた愛さんを疑ってるのー?」

天王寺「またってなに? 愛さん」

愛「実はさー、今日昼休みにもさー」




天王寺「うわ、死ねばいいのに」

侑「違いますっ! 私は…」

果林「とにかく! 期日までに曲を仕上げられなかった以上、責任はとってもらうことになるわね」

侑「そ、そんなっ…! 信じてください! 私、ちゃんと作って」

果林「あのねぇ、あんたの嘘なんかここにいる誰も信じないわよ?」

侑「うそじゃ……嘘じゃありませんっ……そ、そうだ! きっと家に忘れて…」

侑「すぐにとってきますっ!」

彼方「そんなこと言って〜、逃げるつもりだったり〜?」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
113 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:04:34.50 ID:3YoG7XIB
侑「ちゃんと作ったんです……ぐすっ……」

侑「信じて……ください……っ」


ガチャ…


せつ菜「生徒会の仕事で遅れてすみませんでした!」

せつ菜「たしか今日、私たちの新曲が完成する日でしたよね!! ずっと楽しみにしてたんです!! 早く聴かせてください!!」
ウキウキ


侑「……」


せつ菜「??」

果林「ほら、せつ菜だってこんなに心待ちにしてたんだから。どうしてくれるのかしら?」

せつ菜「え? まだ曲できてないんですか!?」

かすみ「そうなんですよ、せつ菜先輩。この人、みんなを騙したんですよ。許せませんよね!」

せつ菜「はい! 騙すのはよくないですよ! ホントに!」

侑「……っ、曲は完成してるんですっ、きっと家に忘れてきただけで」

果林「はぁ、またそんな嘘を」

愛「ちょい見苦しいよー」

侑「ぅ……うぅ、ぐすっ……」

彼方「うざ…」


歩夢「こういうのはどうかな?」


歩夢「本当に家に忘れてきただけなのか、何人かついていって確認してみようよ」

侑「え…」

歩夢「家にあるはずだもんね? 一緒に取りに行ってあげるよ」

愛「歩夢ってばやさしー! 友達思いだねー!」

かすみ「まあそれなら逃げられることもありませんし。歩夢先輩に一票です!」

果林「そうしましょうか」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
120 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:11:00.99 ID:3YoG7XIB
侑「……」

かすみ「さっさと歩いてくださいよ」

果林「かすみちゃん、グズに何を言っても無駄よ」

愛「愛さんちょっと花火買ってくるねー!」


侑(かすみさん、果林さん、愛さんが私の家に来ることになった…)

侑(……もしこれで家にUSBが無かったらどうなるんだろう)

侑(ちょっと想像しただけで恐ろしくてたまらなくなった)






侑「……ここです」

果林「これはなかなか…」

愛「ボロすぎだしw」

かすみ「かすみん、ちょっとひいちゃいました」

侑「じゃあ探してきますのでちょっと待っててください」

愛「いやいやw」

果林「そんなこと言って出てこないつもりでしょ」

かすみ「かすみんたちも探すの手伝ってあげますよぉ」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
133 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:23:18.26 ID:3YoG7XIB
ガシャーン…

バリバリッ…


侑「か、果林さんっ! なにやってるんですか!?」

果林「USBみたいな小さなもの、どこの隙間に落ちてるかわかんないんだからそこらひっくり返し探してあげてるんじゃない」

侑「や、やめてくださいっ……!」


ガシャガシャ…

バリーンッ…


愛「こっちにはなさそうかなーw」

侑「あ、愛さんっ、そっちはお母さんの」



バキバキバキッ…

グシャッ…


かすみ「先輩の部屋にも無さそうですね〜」

かすみ「あ、貧乏人の分際で生意気にノートPC持ってたので壊してあげましたw」

侑「なっ…!?」


侑「あぁっ……な、なんで……こんな……っ」


果林「かすみちゃんやりすぎでしょw」

愛「うけるw」

かすみ「だってムカつくんですもんw」


侑「う、動かない……電源も、反応しない……」

侑「高校の入学祝いに、お母さんが買ってくれた……」


侑「ぐすっ……ぅ、うぅ……っ、……ひどい」


侑「なんで、こんなことが……できるんですか……っ」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
142 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:29:43.42 ID:3YoG7XIB
侑「…っ、ぅ……いくらなんでも、こんなの……ひどすぎじゃ……」


果林「…ひどい?」

果林「そんなの全部こっちのセリフなんだけど?」

かすみ「そうですよ! かすみんたちなんて先輩の嘘に振り回されただけじゃないですかぁ〜」

愛「USBの一つでも見つかってればまだしも、それもないのに愛さんたちが悪いってそりゃないでしょw」


侑「ぅ、うぅ……ひぐっ、ぐすっ……」


かすみ「もぅウザいですねぇ、泣けば許されるとでも思ってるんですかぁ?」

愛「余計に愛さんたちをイライラさせるだけなのにね」

果林「ま、とにかくみんなの前で謝ってもらわないとね。戻るわよ」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
166 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:38:10.61 ID:3YoG7XIB
侑「…………申し訳、ありませんでした」


侑「みなさんの曲を、さ…作成させていただく立場にありながら……期日までに、お渡しすることができなくて……本当に、すみませんでした」



かすみ「うわ、土下座してる人なんて見るのかすみん初めてですぅ〜」

しずく「能無しのうえにプライドまで持ち合わせていないんでしょうね」

彼方「もっとひたいをこう、擦り付けるのが見たいなぁ〜」

エマ「これっていじめ? そんなことないよね?」

天王寺「うそつきならこれくらいは当然」

愛「いっそこのまま死んでくれないかなー、なんてw」

果林「そんな勇気あったらとっくに死んでるんじゃないかしら?」

歩夢「ふふっ」

せつ菜「曲が貰えなくて残念です! 次また頑張ってください!」


侑「……っ」

侑「ひぐっ……ぅ、ぁ……ぐすっ……」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
176 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:44:38.40 ID:3YoG7XIB
シーン……


侑「…………」


侑「…………あ、もうこんな時間だ」


侑「はやく帰らなきゃ、お母さんが心配しちゃう……」


侑「部室の掃除して……あ、かばんは……あった、よかったいつものゴミ箱の中……」


侑「あとは、戸締まりして……」


侑(これで家に帰れる……今日もやっと、学校から解放された……)
カンカンカン


侑(はやくお母さんに会いたいな……)
カンカンカン…


侑(ううん、会いたく……ないな……)
カンカンカン……




ヒュー……



侑(気が付くと、屋上にいた……)
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
192 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 19:54:18.09 ID:3YoG7XIB
侑「…………もう、無理だよ」


侑「もっとはやく、こうするべきだったんだ……」


侑「死んじゃえば、痛いことなんてない……苦しいことなんてない……辛いことなんてない……」


侑「お母さんには、悲しい思いさせちゃうけど……」


侑「…………ごめんなさい」


侑「ごめんなさい……侑は弱い子です」


侑「どうか、許してください」


侑「もう、限界なんです……なんでもいいから、楽になりたい……」



侑「さような――――」



侑(最後の言葉を言い終わる時だった)






「悪くない曲ですね」




侑「え?」


「これがスクールアイドルの曲ですか。今まで敬遠してきましたけど、聴いてみるとそう悪くないです」

「ただ…」


栞子「私が今見ている光景にはまったく相応しくありませんけど」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
218 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 20:08:18.44 ID:3YoG7XIB
侑「だ、誰……?」

栞子「一年の三船栞子です」

栞子「校庭に落ちていたUSBを開いてみたら……やはりこれを作ったのはあなたでしたか。高咲侑先輩」

栞子「あんな目に遇いながらも馬鹿真面目に作ってあげるなんて、あなたも奇特な人ですね。まあ、あの人たちには勿体無い出来映えですが」

侑「わ、私のこと……知ってるの……? みんなのことも」

栞子「ええ、勿論知ってますよ」

栞子「我が校のスクールアイドル同好会に所属している方ならすべて」


栞子「ずっと見ていましたよ」


侑「な、なんで……?」


栞子「何故なら、目障りだから」


侑「……っ、じゃあなんでっ」

栞子「何故、見ていたなら助けてくれなかった?とでも言おうとしてます?」

侑「……」

栞子「目障りだからと言ってるじゃないですか。あなたも含めて、ね」

栞子「だから私にとっては、あなたがあの連中に何をされてようがどうでもいいことなんですよ」

侑「……そう、だよね」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
228 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 20:18:55.04 ID:3YoG7XIB
侑「……」


栞子「早く帰ってください」

侑「……見てたならわかるでしょ」

侑「止めてくれるのはうれしいけど、もう……私は……」

栞子「止める? 何を言ってるんですか?」

侑「え?」

栞子「私は完全下校時間を過ぎても校内にいるあなたを注意しにきただけですが」

栞子「先程、伝えたつもりでしたが。あなたがあの連中から酷い仕打ちを受け、身投げをしようとしていたとしても」

栞子「私にはどうでもいいことです」

侑「だ、だったらっ」

栞子「規則は規則ですから」

侑「え……?」

栞子「まさか自分の命が規則よりも重いと? 見掛けによらず傲慢な人ですね」

侑「……」

栞子「規則とは人のためにあるものです。それをあなた個人の判断で勝手に破っていいものではありません」

侑「……」


栞子「今のあなたは迷惑な存在でしかない。従ってください。規則に」


侑「…………はい」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
251 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 20:34:15.96 ID:3YoG7XIB
侑「…………」
スタスタ


栞子「…………」
スタスタ


侑「……あ、あの」

栞子「これ、返しておきますね」

侑「あ……私のUSB……ありがと」


侑(たしか、校庭に落ちてたって言ってたっけ……)

侑(校庭……校庭…………あ、せつ菜さんとぶつかったあの時に……)

侑(じゃあ、完全に自分のせいだ……それなのに、みんなを疑って……)

侑(これじゃ自業自得だよね……誰かのせいじゃない、私が……)


栞子「つくづく愚かな人ですね。高咲先輩は」

侑「え?」

栞子「どうせ自分が悪いとでも考えていたのでしょう。自分が悪いから虐められる、虐められるのは自分が悪いから」

侑「な、なんでわかるの……」

栞子「それはあなたが救いようのない人間だからです」


侑「…………」


侑「……私、どうすればいいのかな」

栞子「具体的、かつ確実な解決案をというのなら転校をおすすめしますが?」

侑「それは……」

侑(できない……うちにはそんな余裕は……)
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
261 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 20:53:36.39 ID:3YoG7XIB
侑「……みんなが栞子ちゃんみたいな人だったらいいのにな」

栞子「クローン技術に興味があるんですか? ならこの学校ではなく専門的なところで学ぶのが」

侑「そ、そういう話じゃなくてっ…」

栞子「……?」

侑「……私ね、実はこの学校に入って幻滅しちゃったんだ」

侑「入学する前はね、きっと楽しい高校生活が待ってるんだろうなぁってキラキラしたところで、勉強や部活に一生懸命になれて」

侑「その三年間は、一生の思い出になるんだろうなって…」

栞子「……」

侑「……でも、違ってた」

侑「この虹ヶ咲は、私が想像してた虹ヶ咲とは全然違ってたんだ」

侑「馬鹿みたいだよね。勝手に期待して、勝手に裏切られて」

栞子「はい。馬鹿だと思います」

栞子「期待するのも勝手、裏切られるのもまた勝手ですが。それを自分のせい、他人のせい、そして環境のせい、というところで結論づけているあなたは馬鹿です」

栞子「自分が変われば他人も変わる、他人が変われば環境も変わる……真の解決策というなら、自分が変わる以外に有り得ないと私は思いますが」

侑「栞子ちゃん……」

栞子「人ひとりの出来ることには限界があります。あなたが立ち上がったとしてもこの腐った環境を変えられる力はないのかもしれない」

栞子「ただ……先程あなたは屋上で『もう限界』だと言っていましたが、それは自分から行動を起こしたうえでの限界でしたか?」

栞子「そうではないですよね? あなたはやるべきことを何一つやっていない。何が出来るか、それすらも考えていない。虐げられいる現状を受け入れている」

栞子「救いようのない馬鹿ですよ」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
265 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 21:01:03.05 ID:3YoG7XIB
休憩します
みんな仲良くしてよ
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
312 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 23:33:24.89 ID:3YoG7XIB
侑「……救いようのない馬鹿、か」

侑「そうだよね」

栞子「……年下の私にここまで言われて悔しくないんですか?」

侑「…………栞子ちゃんって優しいよね」

栞子「質問の答えになっていませんが」

侑「どうでもいいって言ってたけど、私のこといろいろ考えてくれてて」

栞子「どう捉えようとあなたの勝手ですが、私自身そういうつもりはありませんよ。だから私に何か期待されても困ります」

侑「置かれている環境を変えたければ、まず自分が変わらなきゃ……か」

栞子「私だって道半ばです。本当はあなたに対して偉そうに抗弁垂れる資格なんてありません。まあ尤も今のあなたはその道すら見えていないようですが」

侑「そうだね…………でも、ありがと」

栞子「べつに感謝される筋合いもありませんよ」


侑「…………」


栞子「……どうするつもりですか?」

侑「わかんないけど……出来るなら、誰も傷付けない、傷付かない、そんな学校になったらいいなって」

栞子「なったらいいな、ですか…………つくづくあなたは……」


侑「今日はいろいろありがとね。栞子ちゃん」

栞子「……死ぬなら規則を破らないように死んでください。私からはそれだけです」

侑「死なないよ。もうそんなこと考えたりしない」

栞子「……では」
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
317 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 23:43:50.03 ID:3YoG7XIB
侑(……結局、家に帰ったのは栞子ちゃんと別れてから1時間くらい経った頃だった)

侑(帰りたくなかった。家の中のあの状態をお母さんになんて説明したらいいかわからなくて…)

侑(でも、これ以上お母さんを心配させるわけにはいかない)


侑「空き巣か、それとも竜巻のせいにしようか…」


侑「た、ただいま…」
ガチャ

母「侑ちゃん!? 侑ちゃんっ! よかった、無事で。心配したのよ!?」

侑「ご、ごめんね……私は大丈夫だよ」

母「よかった、本当によかったわ……お母さんが家に帰ったらもうこんな状態で、もしかしたら侑ちゃんに何かあったんじゃないかって」

侑「……っ」

母「侑ちゃん、何か知ってる?」

侑「え、えっと……その、これは」

侑(本当のこと言ったら絶対お母さん心配しちゃう……でも、ど、どうしたら……言わなきゃ、もう私だけの問題じゃない……こうしてお母さんにまで迷惑かけているんだし)

侑(でも……でもっ……)


侑「……っ」

母「侑ちゃん?」

侑「こ、これは……たつま」


栞子「お宅の娘さん、学校でイジメにあってますよ」
ガチャ
かすみ「ていうか先輩、キモくないですかぁ〜?」侑「……っ」
321 :名無しで叶える物語(茸)[]:2020/05/23(土) 23:53:49.25 ID:3YoG7XIB
侑「し、栞子ちゃん!? どうしてここに!?」

栞子「……」

母「侑ちゃん……今の話、侑ちゃんが虐められてるって」

侑「ち、違うよ…? お母さん……私はそんな虐められてなんて……ほ、ほらっ、毎日学校楽しいし」

栞子「本当です。高咲侑さんはクラス、そしてスクールアイドル同好会からイジメを受けています」

侑「や、やめっ……やめてよっ! 栞子ちゃんっ!!」

母「そう、だったのね……ごめんね、侑ちゃん。気付いてあげられなくて……」

侑「お、お母さんは悪くないよっ、悪いのはぜんぶ」

母「じゃあ家の中が荒らされているのも」

栞子「ええ、この生徒の仕業です。ほら、こっちに来なさい」
グイッ

侑「え……?」


かすみ「い、痛いっ! そんな強く掴まないでよっ!」


侑「かすみちゃん……?」

かすみ「……っ」
キッ


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