- 栞子「付き合ってほしい?」
848 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:53:14.38 ID:VTH0WrGC - 栞子「私はあの同好会が嫌いでした」
栞子「あそこには豊かな才能を持つ方がたくさんいます」 栞子「工学系や料理、演劇などその分野を目指せばトップクラスの人間になれるような方がいるんです」 栞子「本来なら高校生活をその才能を磨くために使うべきだと私は思います」 栞子「それを、スクールアイドルに費やすなんて...」 栞子「あまりにも勿体ないです」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
849 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:54:04.35 ID:VTH0WrGC - 栞子「...他に?」
栞子「...どうして他に理由があると思うんですか?」 栞子「...スクールアイドル同好会にだけ攻撃的だから、ですか...」 栞子「そんな事は...ありません...」 栞子「ただ単にあの同好会は無駄なものだと思っているだけです」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
850 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:54:28.29 ID:VTH0WrGC - 栞子「......」
栞子「いえ、違います」 栞子「...あなたの言う通りです」 栞子「他にも理由があります」 栞子「...あなたには嘘はつきたくありません」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
851 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:55:55.10 ID:VTH0WrGC - 栞子「私は以前、ある人を通してスクールアイドルを見ていました」
栞子「その人はとても頭が良く、様々な才能があり、私にとってあこがれの存在で心から尊敬していました」 栞子「私はその人にスクールアイドルについてたくさん教えてもらったんです」 栞子「正直な所、私はその良さをいまいち理解をする事が出来ませんでした」 栞子「けれど彼女がスクールアイドルについて話すとき、心の底から楽しそうに話すのを見ていたので私はそれほど嫌ってはいませんでした」 栞子「むしろ、彼女をこんなに笑顔にさせてくれるスクールアイドルに対して好意を持っていたくらいです」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
852 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:56:38.28 ID:VTH0WrGC - 栞子「ですが、数年前その人はスクールアイドルフェスティバルという大会の運営の一人になったんです」
栞子「理由を聞いたら、大好きなスクールアイドルを近くで支えてあげたいと言っていました」 栞子「先程も言った通りその人は高い才能を持つ方です。本来ならもっと上の立場に立つべき人だと私は考えます」 栞子「運営の企画や方針などは他の方たちと一緒に決めるのであの人の能力が十分に発揮することはできません」 栞子「私はそれが最初からある程度予想はついてました」 栞子「ですが...あの人の気持ちを考えると無理に止める事は出来ませんでした」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
853 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:57:07.61 ID:VTH0WrGC - 栞子「結果、オリンピック等の原因もありましたが...彼女の努力も空しく今年のスクールアイドルフェスティバルは中止になってしまいました」
栞子「あの時喧嘩をしてでも止めるべきだったと私は考えています」 栞子「自身の才能に見合う仕事を選んでいたらもっと多くの人の為になれることを成しえたと思うんです」 栞子「それを...自分に向いてない事をやって無駄にするなんて...」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
854 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:58:17.04 ID:VTH0WrGC - 栞子「......」
栞子「私はその人の姿を見続けていたのでスクールアイドルの魅力の恐ろしさがよく分かるんです」 栞子「同好会の方達もスクールアイドルというものが本当に好きなんだと思います」 栞子「好きだからこそ自分に向いている事に費やす時間を減らしてまでアイドルをやっているんだと思います」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
855 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:58:45.04 ID:VTH0WrGC - 栞子「でも、このままでは彼女たちも無駄な時間を過ごしてしまいます」
栞子「だから私はあの人ようにならないよう同好会の方達を無理やりにでもアイドルを止めさせようとしているんです」 栞子「彼女たちの才能をあの人の様にスクールアイドルで潰させたくはないんです」 栞子「でも...最近はそれも上手くいかなくて...」 栞子「......」 栞子「何もかもが上手くいかないです」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
856 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:59:18.20 ID:VTH0WrGC - 栞子「...少し話したらすっきりしました」
栞子「話を聞いてくれてありがとうございます」 栞子「私の方も色々と考えてみます」 栞子「もしかしたら会長を止める事にするかもしれません」 栞子「他の人に才能云々と言いながら、私自身が自分の適性を把握できていなかったようです」 栞子「...駄目ですね」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
857 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 22:59:40.78 ID:VTH0WrGC - 栞子「...?」
栞子「どうしました?」 栞子「...私に告白した理由?」 栞子「あぁ...観覧車に乗った時のことですか」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
858 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:00:14.51 ID:VTH0WrGC - 栞子「...もう一つ理由が?」
栞子「何でしょうか?」 栞子「...私の事を支えたい?」 栞子「それは...どういう事でしょうか?」 栞子「何故ほとんど関わりの無かった私に対してそう思ったんですか?」 栞子「...他人の為に一生懸命になり過ぎて無理してるように見えた...」 栞子「そんな...無理なんて...」 栞子「だから私が躓いてしまったときに一緒に居て支えたかった、ですか」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
860 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:00:49.33 ID:VTH0WrGC - 栞子「...自分が私と付き合うのはふさわしくないと思っていた?」
栞子「しかし私に付き合ってくれと告白してきたではありませんか」 栞子「...本当に好きだったから...」 栞子「ふふっ、あなたらしいですね」 栞子「...同好会も同じ?」 栞子「本当にスクールアイドルが好きだからフェスティバルを再開させようとしてる...」 栞子「...無理やり止められる事ではない...」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
861 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:01:20.80 ID:VTH0WrGC - 栞子「でも、それで失敗して後悔しては本人たちが可哀想です...」
栞子「...しない?」 栞子「本当に好きな事を真剣にやった事は後悔しない、ですか...」 栞子「あの人も後悔はしていないのでしょうか...?」 栞子「姉さん...」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
862 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:02:01.94 ID:VTH0WrGC - 栞子「...大丈夫?」
栞子「そういうものなのでしょうか...」 栞子「分からないです」 栞子「でも、何故でしょうか」 栞子「不思議とあなたに言われるとそうなのかもしれないとも思えるんです」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
863 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:02:32.30 ID:VTH0WrGC - 栞子「でも、それならば私の今まででやってきた事は全く無駄だったという事ですね...」
栞子「...無駄じゃない?」 栞子「私には私の役割...私にしかできないこと...」 栞子「......」 栞子「分かったような分からないような、変な感じがします」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
864 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:03:26.28 ID:VTH0WrGC - 栞子「ですが、少し考えてみます」
栞子「あなたと話してると何か良い方法があるのではないかと思えてくるんです」 栞子「なんだか、知らないうちにあなたの影響を受けてしまったみたいですね」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
865 :名無しで叶える物語(らっかせい)[]:2020/04/01(水) 23:04:12.45 ID:VTH0WrGC - 栞子「そうですね。少し彼女達や他の生徒達への接し方も考えてみようと思います」
栞子「時間を取らせてしまいました。申し訳ありません」 栞子「そろそろ帰りましょうか」 栞子「帰りにどこかのカフェにでも行きませんか?あなたともう少しお話ししたいんです」
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- 栞子「付き合ってほしい?」
866 :名無しで叶える物語(らっかせい)[sage]:2020/04/01(水) 23:04:34.79 ID:VTH0WrGC - 今日はここまでです
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