- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
1 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 19:40:36.38 ID:zpusuiCV - しずく「ちょ、いきなりどうしたんですか!?」
果林「私がバカだったのよ……」 果林「あんな事を言わなければ……あぁ〜!!」 しずく「だから、なにがあったのか話してくださいってば」 果林「……」 果林「実は昨日モデルの撮影があってその時に……」 読モ1「ねぇ、果林ちゃんって彼氏いるの?」 果林「え?彼氏?」 読モ2「なに言ってんの、こんな美人なんだから彼氏いるに決まってんじゃん」 果林「え?いや……」 読モ1「そっかぁ、それもそうだよね。1人の訳ないよね〜」 果林「あ、あのね。それはね……」 読モ1「え?もしかしていないの?」 読モ2「うっそーマジで?その見た目で彼氏いないとかあり得なくない?」 果林「なっ……!!」ムカッ 果林「―わよ……」 果林「私にだって、彼氏くらいいるわよ‼」
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
6 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 19:50:06.96 ID:zpusuiCV - 果林「それで今度彼氏を紹介する事になってしまって……」
しずく「なんていう事を……まぁそんな事を言われたら見栄を張りたくなる気持ちもわかりますが」 しずく「でも、私にどうしろと言うんです?私一応女の子なんですけど」 果林「しずくちゃん、演劇部なのよね」 果林「男の子の役とかやった事ないの?」 しずく「そりゃまぁ、ありますけど」 果林「お願い、モデルの娘達と会う時だけでいいから男の子のお芝居をして私の彼氏になって」 果林「しずくちゃんしか頼れる人がいないのよ」 しずく「う〜ん……」 しずく「わかりました、私でよければ協力させてもらいます」 果林「しずくちゃん……」パァァ しずく「その代わり、やるからには本気で演じますからね。果林先輩もしっかり合わせてくださいよ」 果林「もちろん‼ありがとうしずくちゃん、助かるわ」
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
13 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 20:03:33.01 ID:zpusuiCV - しずく「まずは私が演じるべき彼氏の設定を決めましょう」
しずく「どんな彼氏像をご所望ですか?」 果林「そ、そうね……」 果林「積極的に私を引っ張ってくれる肉食系な彼氏かしら」 しずく「なるほど……肉食系ですか」 果林「出来そうかしら?」 しずく「そこまで難しくはないと思うので私にも出来そうです」 しずく「少しイメージトレーニングしてみますね……」 しずく「肉食系……私は肉食系な彼氏……」 しずく「……」 しずく「お、果林」 しずく「なんかキレイになったなぁ、もしかして髪切った?」 果林「へっ?し、しずくちゃん?」 果林「ま、まぁ確かに1週間前に切ったけれど……」 しずく「なんだそんな前に切ったのか、もっと早く気付けばよかったなぁごめんな」 果林「いえ……気付いてもらえただけで嬉しいわ」 しずく「まっ、果林はいつもキレイだからな。気付かなかったのも無理はないよな。ははは」 果林「ちょ、なに言ってるのよもう……」カァァ 果林(演技のはずなのになんだかキュンとしちゃったわ……変なの)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
17 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 20:17:17.24 ID:zpusuiCV - しずく「―ふぅ……まぁこんな感じでしょうか」
しずく「こんな彼氏でいいですか?」 果林「えぇ……それにしてもすごいわね。声色まで変えてまるで本当の男の子みたいだわ」 しずく「精一杯低い声を出せばそれらしくなれます」 しずく「あとは……私と果林先輩では身長差があるので演劇部からシークレットシューズを借りてきますね」 果林「そんな物まであるのね」 果林「髪はどうするの?あなた随分髪が長いけれど」 しずく「ひとまとめにして帽子を被ります」 果林「なるほど、そんな方法が……」 果林「これならなんとかなりそうだわ。悪いわね、この件が終わったらお礼するわ」 しずく「いえいえ、これも演劇の練習と思えば。私も勉強させてもらいます」 しずく「モデルの方達に会うのはいつですか?」 果林「今度の金曜日に撮影があるからその日に紹介する予定よ」 しずく「わかりました、それまでに私もイメージを固めておきます」 果林「当日はスタジオで待ち合わせしましょ、よろしくお願いね」
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
21 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 20:28:36.88 ID:zpusuiCV - 金曜日
読モ1「やっと撮影終わったね、お疲れ様」 読モ2「今日彼氏を紹介してくれるんでしょ?ここに来るの?」 果林「えぇ、そろそろ迎えに来ると思うんだけど……」 しずく「果林」 果林「あ、来たわね。紹介するわ、この人が私の彼氏」 しずく「どうも、いつも果林がお世話になってます」 読モ2「へぇ〜イケメンじゃーん」 読モ1「爽やか系って感じ?礼儀正しくて優しそうで果林ちゃんにぴったりね」 読モ1「お名前はなんて言うんですか?」 果林「な、名前?」 果林(しまった……名前を聞かれるとは思わなかった。しずくちゃん、どうするのよ)チラッ しずく「―あ、俺しずおって言います」 読モ1「しずお?変わった名前だね」 読モ2「なんか見た目と名前合わないね〜おじさんみたい」 しずく「あはは、よく言われるんですよ。もっと今風の名前にして欲しかったなぁ」 読モ2「きゃははっ、しずおウケる〜」 果林(しずお……とっさに名前を出すなんて流石は演劇部員ね、ナイスよしずくちゃん)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
28 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 20:39:05.63 ID:zpusuiCV - 読モ2「で、しずおは果林のどこに惚れた訳?」ニヤニヤ
読モ1「あ、私も気になる〜どこを好きになったの?」 果林「えぇっ!?」 果林(そ、そんな事まで聞いてくる〜!?) しずく「う〜ん、そうだなぁ……」 しずく「果林って見た目は大人っぽくてクールに見えるけどさ」 しずく「こう見えてかわいい物が好きだなんて女の子らしいところもあるんだよ」 しずく「そんなギャップにやられちゃったかな、ははは」 しずく「なっ、果林」ナデナデ 果林「ふぇっ!?」ドキッ 読モ2「わかる〜小物とか意外とファンシーだよね〜」 読モ1「よく果林ちゃんの事を見てるんだね、いい彼氏じゃない」 果林「そ、そうね……」カァァ 果林(しずくちゃん……私の事をそんな風に……)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
31 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 20:52:28.23 ID:zpusuiCV - 読モ2「いや〜2人はお似合いのカップルだね、この後はデートするんでしょ?」
読モ1「果林ちゃん、素敵な彼氏を紹介してくれてありがとう。あとは2人で楽しんでね」 果林「え、えぇ……それじゃ、行きましょうか」 しずく「そうだな、果林」グッ 果林「はわっ!?」 果林(当たり前のように肩を……しずくちゃんたら大胆) 果林「ねぇ、しずくちゃん」 しずく「なんだ?果林」 果林「いや、あの……2人はいなくなったからもうお芝居をしなくてもいいのよ」 しずく「―おっと、そうでしたね」 しずく「私、お芝居の事となるとつい夢中になってしまって」 果林「でも、おかげであの2人には彼氏がいる事をアピール出来たし」 果林「本当に助かったわ、ありがとうしずくちゃん」 果林「よかったらこの後ご飯でもどうかしら?お礼にごちそうするわよ」 しずく「そうですね、ではお言葉に甘えてごちそうになります」
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
34 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 21:03:53.76 ID:zpusuiCV - レストラン
果林「遠慮しないで好きな物を頼んでね」 しずく「それじゃ遠慮なく……なににしようかな」 果林「……」ジーッ しずく「ん?どうしましたか?」 果林「な、なんでもないわ」 果林「……」キョロキョロ 果林(今のしずくちゃんの見た目はまるきり男の子) 果林(周りから見たら私達はカップルに見えるのかしら……) 果林(そう思うと、なんだか……)ドキドキ 果林「ねぇしずくちゃん」 しずく「はい?なんですか?」 果林「あなたは、彼氏役を演じてみてどうだった?」 しずく「そうですね、このような役もいずれ演じる時が来るかもしれないのでいい経験になりました」 果林「あ、えっと……そうじゃなくてね」 果林「私の事をか、彼女として見たりなんかは……」 しずく「もちろん彼女として見ていましたよ、そういう役どころですから」 果林「あ、そう……なの」 果林(しずくちゃんにとってはあくまで『演じる役』にしか過ぎないのね……) 果林(私1人だけドキドキして……バカみたい)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
36 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 21:31:02.50 ID:zpusuiCV - 果林(なんだかちょっと悔しいわね……)
果林(私が感じたこのドキドキ、しずくちゃんにも味わってもらおうかしら) 果林「ねぇしずくちゃん、また彼氏役を演じてみる気はない?」 しずく「え?もう1度モデルの方達に会うんですか?」 果林「そういう訳じゃないんだけど、せっかくだからもう少ししずお君と一緒に過ごしてみたくて」 しずく「しずお君……今思い返すと他にいい名前なかったんでしょうかね、恥ずかしくなってきました」カァァ 果林「あら、そんな事ないわよ。私の事を褒めてくれて嬉しかったわ」 果林「あの調子で今度はデートしてみない?」 しずく「デート、ですか……」 しずく「わかりました、更に演技に入り込めるように頑張ります」 果林「ありがとう、それじゃ日曜日に会いましょう。楽しみにしてるわ」 しずく「はい、よろしくお願いします」 果林(さっきは私の方がすっかりのまれたけど……) 果林(私の魅力で『しずお君』から『しずくちゃん』に戻してドキドキさせちゃうんだから) 果林(うふふ、やられてばかりじゃないのよ。しずくちゃんにお姉さんの本気、見せてあげる)ニヤリ
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38 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 21:49:56.31 ID:zpusuiCV - 日曜日
しずく「まさかまた男の子の格好をするなんてなぁ」 しずく(髪は帽子にまとめてあるから窮屈だし胸もさらしを巻いてるからちょっと息苦しいんだよね) しずく「―はっ!?ダメダメ、ちゃんと役になりきらないと」 果林「しずくちゃん、おまたせ」 しずく「お、来たか果林。―って!?」 しずく「果林、その格好は……」 果林「暖かくなってきたから薄手のセーターにしたのよ」 しずく「じゃなくてむ、胸元がばっくりと開いて……」 果林「あら、あなたには少し刺激が強すぎたかしら?」 しずく「い、いや……よく似合ってるよ」 果林「ありがと、それじゃ行きましょ」ギュウッ しずく「……あはは、今日の果林は大胆だなぁ」 果林(服装で不意を突いたけれど流石のプロ根性ね、中々手強い……) 果林(だけどこれで終わりじゃないのよ、作戦はまだ残ってる) 果林(さぁしずくちゃん、いつまで『しずお君』を演じていられるのかしら、ふふふ)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
41 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 22:08:45.10 ID:zpusuiCV - しずく(なんだか今日の果林先輩いつもと様子が違う)
しずく(すごく甘い香りがするしいつもよりキレイに見える) しずく(セクシーを売りにはしてるけどこんなにすさまじい色気を振り撒くなんて……) しずく「な、なぁ果林」 果林「なぁに?」 しずく「随分と積極的じゃないか、まるでそっちが肉食系みたいな」 果林「そうよ。実は私、肉食系なの。こんな事したって平気なんだから」ムギュ しずく「ちょ、果林先輩‼胸が当たって」カァァ 果林「ん?『先輩』?」 果林「ダメじゃない、ちゃんと役を演じないと」 しずく「あ、いやっ……」アタフタ しずく(胸がドキドキして役に集中出来ない……) しずく(1度演技が始まれば最後まで演じきるのに……) しずく(私、どうしたんだろう) 果林(だんだん効いてきたわね、いい調子だわ) 果林(赤くなるしずくちゃんもかわいいわね)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
45 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 22:30:14.85 ID:zpusuiCV - しずく(なんだか果林先輩の体柔らかくていい匂いがして……)
しずく(もう……彼氏役とかそんなの関係無しに……) しずく(私は……果林先輩に……)クラクラ〜 果林(もうひと押しと言ったところかしらね) 果林「ね、しずくちゃん」 果林「彼氏役を演じてなんて言ったけど」 果林「本当はね、仕返しをしたかったの」 しずく「仕返し……?私、なにかしました?」 果林「私は不覚にもしずくちゃんの演技にドキドキしちゃってね、それをしずくちゃんは演技でしかないと言ったから悔しくなって」 果林「だから、あなたの事もドキドキさせてあげようと思ったの」 しずく「ずるい……そんなの……果林先輩の勝手じゃないですか」 しずく「私、一生懸命演じたのに……」 果林「ごめんなさいね。でも、今のしずくちゃんすごくかわいいわ。やっと素直になったのね」 しずく「いつの間にか演技するのを忘れていました」 しずく「そう……ですね、今の私は素の自分」 しずく「今はただ……果林先輩のそばにいたいです」
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
49 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 22:46:32.98 ID:zpusuiCV - しずく「もっとくっついても、いいですか?」ピトッ
果林「言う前にくっついてるじゃない」 しずく「あ……そうですね、あはは」 しずく「不思議ですね……」 しずく「最初は彼氏役として振る舞っていたつもりが」 しずく「いつの間にか果林先輩を意識してしまって……」 しずく「私今、すごく……ドキドキしています」 果林「私もよ」 果林「始めはモデルの娘達をごまかす為にしずくちゃんに演技をお願いしたけど」 果林「その演技にドキドキするようになって」 果林「今はしずくちゃんと一緒にいるだけで愛おしい想いが溢れてくる」 果林「なにも演じていないありのままのあなたにときめいている」 果林「案外、恋に落ちるのは些細なきっかけなのかもしれないわね」 しずく「そうですね、恋は理屈ではなく感情で気付くものなんでしょうね」 果林(作戦成功ね。あぁ、いい雰囲気。このまましずくちゃんと一緒に……) 読モ2「あ、果林〜!!」 果林・しずく「!!」ビックゥ
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
51 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 23:08:49.84 ID:zpusuiCV - 読モ1「もう、そんな大声で呼んだらびっくりするでしょ」
読モ2「いやぁお熱いムードで遠くからでも果林達だってわかったからさ、相変わらずラブラブですこと」 読モ1「ごめんね、デート中だったんだね。お邪魔しちゃった」 果林「い、いえ。別にそんな事は、ねぇしずくちゃん」 読モ1「え?『しずくちゃん』?」 しずく「お、おいおいなに言ってんだ果林。俺は『しずお』だろ、なぁ?」メクバセ 果林「あ、あぁそうそうしずおだったわね。学校の後輩と間違えちゃったわ」 果林(すごい、一瞬でしずおになりきってる。しずくちゃんがいなかったらボロが出てたわね) 読モ2「あの後果林達の事話してたらさ、カメラマンがしずおに興味持ったみたいで」 読モ2「よかったら今度果林と2人でモデルをやってみないかって言ってたんだけど、どう?」 果林「カメラマンの人が……?」 果林(そういえばあの日しずくちゃんはスタジオに来てカメラマンの人もいたわね) 果林「しずお、どうしましょうか」 しずく「果林とモデル……」 しずく「いいじゃないか、やろうぜ。いい記念になるだろ」 読モ2「流石しずお、ノリがいい〜」 読モ1「撮影は火曜日にやるみたい、もしよかったら果林ちゃんと一緒に来てね」 しずく「了解、その時はよろしく!!」 果林(しずくちゃんと撮影……?) 果林(なにさらっと大変な事請け負ってるのよ!!)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
52 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 23:21:05.77 ID:zpusuiCV - 読モ2「そんじゃまたね〜」
読モ1「デート頑張ってね」 しずく「さよなら〜」 しずく「あはは、男の子の服装でよかったですね」 果林「それはよかったけど、まさかモデルの撮影を依頼されるなんて」 しずく「別に写真を撮るくらい私は構いませんが」 果林「あのね、あの娘達はごまかせたけどカメラマンの人は何十人というモデルを撮影してきてるのよ」 果林「それこそ男女問わずね、いくらしずくちゃんの演技でもプロのカメラマンに通用するかどうか……」 果林「万が一女の子だとバレたら大変な事になるわ」 しずく「プロのカメラマン、ですか……」 しずく「ならば私は更にその上をいくプロ意識を持って撮影に臨みます、心配はいりませんよ」 果林「な、なんだか随分気合いが入ってるわね」 しずく「ふふ。神の目すら欺く私の女優魂、果林先輩にご覧いただきましょう」
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
53 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 23:34:31.39 ID:zpusuiCV - 火曜日 スタジオ
果林「しずくちゃん、準備はいい?」 しずく「なに心配してるんだ果林、どーんと俺に任せろって」 果林「もう既にしずおになっていたのね、自然になり過ぎてて気付かなかったわ……」 カメラマン「お、来たね果林ちゃん」 カメラマン「その子が例の彼氏だね、話に聞いた通りイケメンじゃないか。コーディネートもセンスあるね、このまま撮影出来そうだよ」 しずく「今日はよろしくお願いします、かっこよく撮ってくださいよ」 カメラマン「任せとけ‼それじゃさっそく始めよう」 カメラマン「せっかくのカップルなんだ、ここは仲良く抱き合う写真でも」 カメラマン「果林ちゃんは椅子に座って……」 カメラマン「君、しずお君だったかな。後ろから果林ちゃんを抱き締めて」 しずく「こんな感じかな?」ギュッ 果林「ちょっと……強く抱き締めすぎ……」カァァ しずく「あはは、つい気持ちがこもっちゃったよ」 カメラマン「恥じらう果林ちゃんもそれを笑うしずお君もいいね‼いただき‼」パシャッ 果林「ちょ、今のなし‼取り消してください‼」 果林(相変わらずしずおになると積極的なんだから……もう)
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- 果林「お願いしずくちゃん!!彼氏になって!!」
55 :名無しで叶える物語(東日本)[]:2020/03/28(土) 23:54:56.15 ID:zpusuiCV - カメラマン「お次は果林ちゃんがしずお君の肩にしなだれかかってポーズを取ってくれ」
果林「うふ、こうですか?」ピタァ しずく「はは、今日は一段といい匂いがするね……」 果林「そうでしょう、新しい香水に変えてみたのよ」 果林「ちゃんと気付いてくれたのね、ありがとう」ボソッ しずく(ひぇっ、果林先輩の吐息が耳に……クラクラしちゃうよ〜) カメラマン「小悪魔な表情の果林ちゃんと余裕を無くした表情のしずお君がかわいいね〜いいよいいよ‼」パシャッ カメラマン「モデルがいいとこちらも腕が鳴るねぇ」 カメラマン「それじゃ、最後に君は女の子らしい衣装に着替えてもらおうか」 しずく「え?なに言ってるんですか?俺は男」 カメラマン「あの娘達はごまかせても私の目はごまかせないよ、君の変装と演技も素晴らしかったがね」 しずく「―なんだ……最初からわかってたんですね」 果林「だから言ったでしょう。この人はごまかせないって」 果林「あ、あの2人にはどうか内緒に……」 カメラマン「わかってる、もちろん誰にも言わないよ」 カメラマン「さぁ、最後くらい飾らない君達の姿を撮らせておくれ」 しずく「……はい、私着替えてきますね」 果林「えぇ、―すいません、ありがとうございます」 カメラマン「いいって事よ、素敵なお友達だね彼女」 果林「はい……自慢の後輩です」
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