トップページ > ラブライブ! > 2020年03月28日 > pYTkwfb7

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名無しで叶える物語(しうまい)
名無しで叶える物語(しうまい)
穂乃果「羅舞雷武!!」
どんな名言も敬語にして「!!!!!」を付けたらせつ菜ボイスで再生される説

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穂乃果「羅舞雷武!!」
1 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/28(土) 19:20:51.56 ID:pYTkwfb7
『私たちの為に苦しむことはないよ…!!』

『うん…でも決めたんよ。穂乃果ちゃんの目も廃校も何とかしてみせるから』

『…ごめんね。でも一回だけだよ。何度もすることはないから…』

『約束するよ…!』

『『翻れ 吊し人』…またね』
穂乃果「羅舞雷武!!」
2 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/28(土) 19:21:37.41 ID:pYTkwfb7
〜学校〜

穂乃果「は、廃校!?何で!?」

海未「UTX高校が羅舞雷武で華々しい成績を上げて人気ですから…どうしても生徒が集まらないんでしょうね…」

穂乃果「そ、そんなぁ!何か解決策とかないの!?」

海未「解決策ですか…やはり学校に人を引き付けるような実績を上げるのが手っ取り早いのですが…」

ことり「でもこの学校にそんな部活なんてないし…」

穂乃果「…じゃあさ!私たちも始めようよ愛沸!UTXの真似になっちゃうけど…」

海未「…意外と悪くないかもしれません。人気も伝統もある大会ですしそこで成果をあげられたらきっと人も集まります!」

ことり「でもことりたち初心者だし…」

海未「高校生から始めて夏の羅舞雷武を制したという例も過去にはあります。可能性は0ではありません」

穂乃果「とりあえずやってみよう!ダメならまた考える!」

ことり「…そうだね、まずはやってみなきゃね!」

穂乃果「よーし!やるよ羅舞雷武!やるったらやる!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
3 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:22:17.21 ID:pYTkwfb7
海未「今日はもう遅いですから部活申請は明日ですね。それまでにちゃんと羅舞雷武について調べておくんですよ?」

穂乃果「了解!」
〜〜〜〜

〜穂乃果家〜

穂乃果「ただいまー!お母さんいる?」

雪穂「さっきお店閉めたからリビングだと思うよ」

穂乃果「おっけー」トコトコ

穂乃果「ねぇお母さん!私愛沸始めることにした!」

穂乃果ママ「海未ちゃんとことりちゃんでやるの?」

穂乃果「うん!」

穂乃果ママ「…これも巡り合わせかしらね」

穂乃果「え?」

穂乃果ママ「何でもないわ。頑張りなさい!きっといい経験になるわよ」

穂乃果「うん!」

〜穂乃果の部屋〜
穂乃果「羅舞雷武!!」
4 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:23:19.06 ID:pYTkwfb7
【羅舞雷武】

人が宿す魔力の力を使い、羅刹の如く激しく舞い、雷の如く激しくぶつかり合う競技

参加選手は愛沸と呼ばれる。女子競技最大の祭典である

穂乃果「ほうほう…属性の役割…固有能力…」カタカタ

穂乃果「…眠い!まだ途中なのに…」ウトウト

穂乃果「…」zzz

『部を統合したいんでしょ?なら実力をテストさせて貰うわよ!』

『時間操作、それが私の能力!』

『…わかってるわよ!約束したもの。負けた以上は部の統合を認めるわ!』

『にっこにっこn』

雪穂「お姉ちゃん!朝だよ!」

穂乃果「はっ!もう朝!?寝落ちしちゃったんだ…」チュンチュン

穂乃果「それにしても今の夢なんか妙にリアルだったような…」

雪穂「ご飯出来てるからね!!」

穂乃果「今いくよー!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
5 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:24:09.88 ID:pYTkwfb7
〜通学路〜

穂乃果「おはよー、海未ちゃん!ことりちゃん!」

海未「おはようございます。羅舞雷武については調べられましたか?」

穂乃果「…う、うん!ばっちりだよばっちり」

ことり「私も調べてきたよ。お母さんが凄い詳しくてびっくりしちゃった」

海未「それで考えは変わりませんか?」

穂乃果「うん、やってみたい!」

ことり「私も!」

海未「それなら放課後に早速部活申請を出しに行きましょうか」

穂乃果「おー!」

ことり「おー!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
6 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:25:29.63 ID:pYTkwfb7
〜生徒会室〜

穂乃果「…だからお願いします!廃校を無くしたいんです!」

絵里「羅舞雷武ね…良い考えかもしれないけど…」

希「いいやんそれ!ウチたちも混ぜてよ!」

絵里「ちょ、勝手に…」

希「ウチも絵里ちも愛沸経験者だし力になれると思うよ?」

海未「ぜ、是非お願いします!」

絵里「…まぁ参加してもいいけど!その前に問題点があるわ」

ことり「問題点?」

絵里「結論から言うと統合よ」

穂乃果「ほぇ?統合?」

絵里「実はね、この学校には既に愛沸部が存在するの」

ことり「し、知らなかったです…」

絵里「私も生徒会長になった後で知ったからね。宣伝もしてないし仕方ないわ」

絵里「それで部費の分配なんかで同系統の部活は統合した方がいいんだけど…」

絵里「部長の子のこだわりが強くてね。説得しないといけないのよ」

穂乃果「…統合の説得なんかしなくてもその部に入れば解決するんじゃ…?」

希「多分入部拒否で終わるね。入部の権限は部長にあるからウチらは何も言えないし…部長さん、根はいい子なんだけど頑固な所もあるんよねぇ」

ことり「でもそれじゃあ統合のお願いも聞いてくれないんじゃ…」

希「ふふ、そこに関してはウチに策があるのだ!」

絵里「ふふ、さすが希ね!そんな訳で話つけにいくわよ〜!」

穂乃果「いきなり!?」
穂乃果「羅舞雷武!!」
7 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/28(土) 19:26:08.94 ID:pYTkwfb7
〜愛沸部 部室〜

希「ここやね」

穂乃果「よーし!」コンコンコンコン

シーン…

穂乃果「あれ?開かない…」

ことり「留守なのかな?」

希「いや、気配は感じるやん?合鍵を使うよ」

穂乃果「おお!」

絵里「…やけに準備がいいじゃない」

希「まあね、ウチはタイムトラベラーやから」

絵里「また変なことを…」

希「…」

希「にこっち〜?いるよね?開けるよ」ガチャ

にこ「鍵の意味がないじゃない!」

希「鍵は開けるためにあるんよ…」

にこ「んなわけあるか!で、何の用よ一体…」

穂乃果「部活の統合のお願いに来ました!」

にこ「は?統合?なんで?」

穂乃果「廃校を無くすために羅舞雷武に出たいんです!それで愛沸部を立ち上げたくて…」

にこ「ふーん、羅舞雷武…それに愛沸部ね…」

穂乃果「はい!」

にこ「私はなあなあで大会には出たくないの。見たところあなた弱そうだしお断りよ。ほら帰った帰った!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
8 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/28(土) 19:26:49.41 ID:pYTkwfb7
絵里「希、出番よ」コソコソ

希「任された!」コソコソ

希「いいの?にこっち?そんなこといって」

にこ「え」

希「ウチらは一応生徒会だし、いざとなればこの部を…」

絵里「え」

にこ「ひ、卑怯よ!」

希「そんな酷いことをしたくはないんやけど…絵里ちがね…せめて何か機会を与えてくれないと廃部なんてことに…」グスッ

絵里「!?」

にこ「ぐ…せめて、せめてテスト!それくらいはする権利があるわ!」

希「それくらいなら絵里ちも文句は言わないかな…」

にこ「…」ギロリ

絵里「希ィ!」

ことり「テストって何をするんですか?」

にこ「部を統合したいんでしょ?なら実力をテストさせて貰うわよ!」

にこ「絵里と希に関しては経験者なの知ってるから参加しなくていいわ」

絵里「…了解よ。この子たちがどれくらい動けるのかも見ておきたいしね」

海未「いきなりですね…」

にこ「悪い?場所の指定は任せるわ」

絵里「グラウンドが空いてるわ、そこにしましょう」
穂乃果「羅舞雷武!!」
9 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:28:19.98 ID:pYTkwfb7
〜グラウンド〜

にこ「それじゃあテストだけど…私の背中に1度でも触れられたら合格とするわ」

穂乃果「え?それだけでいいんですか?」

にこ「えぇ。逆にあなたたちは1人につき3回背中に触れられたら失格とするわ」

ことり「わかりやすくていいかも!」

にこ「…ふん」

にこ「この石を投げて地面についたら始めとするわよ」スッ

そう言うとにこは地面から手頃な石を拾い上げ高く放り投げる

そして石が地面についた瞬間、ことりの背中ににこの手が添えられていた

ことり「えっ…」

にこ「これで一つ」

海未「なっ…」

それを見た海未が一歩遅れて動き出すものの既ににこは遠くに離れている。明らかに常人の動きではない

海未(今の動きは辛うじて見えた…ならさっきの動きは一体…)

にこ「考えてていいの?」ピトッ

海未「は?」

海未は考えつつも決してにこから目を離していなかった。にも関わらず海未の背中ににこは手を着けている!

穂乃果「これって夢でみた…」

にこ「ぼさっとしない!」

魔力で身体能力が強化されているにこは残像を残す程に速い!海未の隣にいる穂乃果の背後に素早く回り優しく触れる

穂乃果「わっ!」

にこ「これでまずは一周ね」

海未「一旦離れましょう!3人で背中を合わせて守りに入りますよ!」

ことり「うん!」

にこから10m程離れた位置で三人は背中を合わせ話し始める

にこ(さて、作戦会議くらいは見逃してあげようかしらね)

にこ(魔力纏いも出来ないようじゃ私が負けるわけもないし)

ことり「これってどういうことなの?いくらなんでもおかしいよ!」

海未「わかりません…しかし現に起きていることなのですから対策しないといけませんね…」

穂乃果「…わかっちゃったかも、私」
穂乃果「羅舞雷武!!」
10 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:28:58.81 ID:pYTkwfb7
海未「どういうことですか!?穂乃果!」

穂乃果(確か夢だと…
―――私の能力は時間操作―――って言ってたよね)

穂乃果「えっと夢、じゃなくて!昨日ネットで時間系の能力があるって見たんだ!それだったら説明がつくかなって」

海未「固有属性…!先程のは時間を止めたということですか…!」

ことり「確かにそれならさっきのも説明できるけど…でもそれじゃ触るどころか近づけないよ!」

海未「…どう対策しましょうか?」

穂乃果「…あっ!目眩ましなんてどう!?
私と海未ちゃんで水蒸気をバーンと出してさ!いくら時を止めても前が見えなかったら関係ないよ!」

ことり「ことりたちも前が見えないよ!」

穂乃果「ありゃ…」

海未「…いえ、その案を少し利用しましょう」

穂乃果「使えるの!?」

海未「あなたが驚いてどうするのです!
私に1つ策があります。少し神頼みですが…」

海未「穂乃果、ことり、あなたたちは火属性と風属性ですよね?」

穂乃果「うん、そうだよ」

ことり「あってるよ」

海未「なら…」
穂乃果「羅舞雷武!!」
11 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:29:43.69 ID:pYTkwfb7
穂乃果「お待たせしました!にこ先輩!」

にこ「遅い!もう会議は終わったかしら?」

ことり「えいっ!」

にこの問いかけに、ことりは行動で返答する

強い突風を吹かせにこを後ろに吹き飛ばし距離を置く

海未「せやっ!」

その直後に海未は横に長く、薄い水の壁を展開。再度ことりが風を吹かし壁を前進させる

見た目で言えば津波に近い。にこの前進を防ぎながら徐々に迫ってくる

にこ(これじゃ前に進めない…回り込むかしらね)

海未「ここですね…穂乃果、水を蒸発させてください!」

穂乃果「うん!『火球』!」

海未の指示に従い、穂乃果は両方の手のひらからバスケットボール大の球を生み出して連射する

水壁に着弾すると同時に水蒸気がグラウンドを包み込み全員の視界を遮った!

海未(仕上げですね 。『水分身』!)

穂乃果「海未ちゃん、走る準備!」ヒソヒソ

にこ(目眩まし…ゴリ押し?受けてやろうじゃない!)

経験者故の驕りか。にこは穂乃果たちの策に乗り水蒸気の中に留まる。だがそのにこの足元を浸すように水が迫る!

水は探知機の役目を果たしにこの足元に触れた瞬間海未に位置を知らせる

にこ「あらっ!?」

海未「穂乃果!ことり!最初の位置から動いていません!真っ直ぐです!」

穂乃果「おっけーい!」

海未の声と共に二人が走り出す。しかし不幸なことに数秒後、強い風が吹く

それは辺りを覆う煙を全て払いのけ、日が穂乃果たちを照らし出す…

にこ「…ついてなかったわね!」

穂乃果「くるっ!」

にこ「『止まれ』」

にこの言葉に従うように風が、遠くへ消えていく水蒸気が、そして目前の三人が停止する
穂乃果「羅舞雷武!!」
12 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:30:56.91 ID:pYTkwfb7
にこ「次の機会は与えない。まずはこの司令塔からね」

そう一人で呟きにこは海未の背後に回り込む。そのまま手を背中へと伸ばし…手が背中を突き抜けた!

にこ「んなっ!」

予想外の出来事ににこは倒れこむように姿勢を崩す!そこに畳み掛けるようにして時間停止が終了する!

海未「…来た!」

海未からすれば気がつけばにこが分身に引っ掛かっている状況。すかさず、そして慌てずに海未は水を操りにこを拘束して離さない!

ことり「やった!捕まってる!」

穂乃果「タッチだよっ!」

にこ「あ」

横着するにこの背中を穂乃果が触り試合が終了する

ことり「やったね!穂乃果ちゃん!」

穂乃果「うん!」ブイ

海未「作戦通りいきましたね!」

にこ「…いつ分身とすりかわったのよ」

海未「真っ直ぐと言った直後です。水分身は喋れないので」

にこ「じゃあ途中の風で水蒸気が晴れなかったら姿が見えないままやるつもりだったの?」

海未「あれはことりにやってもらいました」

にこ「…そういえばトサカの子が風を最初に使ってたわね…」

にこ「なら私があなたを触りに行くよう誘導されてたのね?」

海未「そうです。そこは少し神頼みでしたが…」

にこ「ぐ…こんなお粗末な作戦に敗れるとは私も鈍ったわね…」

穂乃果「勝ちは勝ちだもん!」

にこ「…わかってるわよ!約束したもの。負けた以上は部の統合を認めるわ!」

ことり「やったぁ!」

希(前より上手くいってるね)

希「一見落着やね。えりち」

絵里「えぇ。ハラショーだったわ!」

絵里「皆お疲れ様!今日はもう帰っていいわよ。部活の手続きはこちらでしておくわ」

穂乃果「はーい!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
13 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:31:41.82 ID:pYTkwfb7
〜穂乃果家〜

穂乃果「疲れた…」グテ

穂乃果「今日はよく眠れそうだなぁ…」

穂乃果「…」zzz

『5月、まあ早い方ね』

『本気の模擬戦、やってみる?』

『ウチの能力の数?22個やよ?』

『絶対零度、受けてみなさい』

穂乃果「わああああ!?ってあれ?」ガバッ

雪穂「うるさいよ!まだ朝4時なんだけど!?」ガチャ

穂乃果「ご、ごめん…」

雪穂「でも一人で起きるなんて珍しいじゃん、どうしたの?」

穂乃果「妙にリアルな夢をね…」

雪穂「どんなの?」

穂乃果「生きたまま氷付け」

雪穂「ひええ…」
穂乃果「羅舞雷武!!」
14 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:32:56.61 ID:pYTkwfb7
〜通学路〜

海未「お、おはようございます」ゲッソリ

ことり「どうしたの?海未ちゃん?」

海未「氷付けになる夢で早起きてしまいまして…あぁ恐ろしいです…」ブルブル

穂乃果「!?」

海未「どうしたんですか?穂乃果」

穂乃果「な、なんでもないよ」

ことり「?変な穂乃果ちゃん」

〜放課後 部室〜

にこ「来たわね」

絵里「早速今日からの練習について話すわよ」

穂乃果「はい!」

絵里「まずは羅舞雷武に出るにあたって基本中の基本をマスターしてもらうわ」

ことり「基本?」

にこ「えぇ、魔力による身体強化よ。その名も魔力纏い!これがないと普通に死ぬから出場させてもらえないわ」

にこ「ちなみに昨日私も使ってたわよ」

穂乃果(名前そのまんまじゃん…)

海未(もっと何かあるでしょう…)
穂乃果「羅舞雷武!!」
15 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:33:49.35 ID:pYTkwfb7
『魔力纏い』

愛沸の基本中の基本。身体能力を飛躍的に高める効果がある。これを身につけずに戦おうものならば数秒持たずに重体となるだろう

纏う魔力量が多ければ多いほど高い効果を発揮する
穂乃果「羅舞雷武!!」
17 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:34:58.23 ID:pYTkwfb7
ことり「え、死ぬ?」

ことり「あの、昨日何も考えずにやってたんですけど…」

にこ「私が手加減してなかったらタッチの瞬間に内臓がシェイクされてたわ」

ことり「チュン!?」

希「そんなわけだからまずはその練習から始めようというわけやね」

絵里「そうよ。早速始めるわ。魔力を身体に張り付けるイメージで放出してみなさい。習得まで時間が掛かると思うけど焦らずね」

二年生「はい!」

穂乃果「じゃあ私から!たあ!」ボッ

にこ「あっつ!火を出してどうするのよ!火を出さずにやりなさい!」

穂乃果「ご、ごめんなさい!」

穂乃果「改めて…やっ!」ブゥン

絵里「!?」

絵里(二回目で完璧に…!?ありえないわそんなの…これに特化した練習を予定してたのに…!)

海未「ふっ!」ブゥン

絵里「なっ!?」

ことり「やっ!」…

絵里「…流石に全員とはいかないわよね」

希「…ヨシ」

にこ「ちょっとちょっと、どうなってるのよこれ!」

海未「何がですか?」

にこ「飲み込みが早すぎるってこと!もっと苦労するはずなのよ、これ!?」

ことり「ことりに才能がないわけじゃないんだね…」ホッ

穂乃果「何かスッと出来ちゃったよ…」

海未「私もです…まるでずっと親しんできたかのような…」

絵里「まあ幸いであることに違いはないけど…想定外だわ。でもこれなら…」

絵里「本気の模擬戦、やってみる?」

穂乃果「…ん?」

海未「その台詞は…」
穂乃果「羅舞雷武!!」
18 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:36:44.92 ID:pYTkwfb7
ことり「おぉ!」

にこ「あなたは修行よ」

ことり「そんなぁ…穂乃果ちゃぁん…」

穂乃果「しょうがないよ。今日は見てて!」

ことり「うん…」ズーン

絵里「仲間外れみたいで申し訳ないけどホントに危ないから理解してね、ことり」

絵里「じゃあ一応属性の紹介ね。私は氷属性よ」

海未「…」ピクッ

絵里「ステージ3で絶対零度まで扱えるわ」

穂乃果(夢でみた通り…)

海未「ステージ3…強い…!」

ことり「私たちまだステージ2だしね…」

希「次はウチね。ウチは固有属性やね」

穂乃果「おー!珍しい!」

希「このタロットカードに対応した能力を使えるんよ。ステージは一応3になるのかな」スッ

海未「え?待ってください!タロットカードは22枚ありますよね?」

希「そうだね」

海未「じゃあ希先輩の能力の数は…」

希「22個やよ?」

穂乃果「滅茶苦茶強いじゃないですか!」

希「と言うのは半分嘘やよ〜。残念ながらまだ使えないのがあったり回数制限があったりで実際はそんなに強くないのだ!」

ことり「そこでバランスはとれてるんですね」

にこ「最後は私ね。知ってるとは思うけど能力は時間操作でステージ5…じゃなくて3よ」

海未「時間…やはり非常に珍しいですね…」

穂乃果「どういう感じで時間停めてるんですか?」

にこ「…実は時間系能力者って独立した世界軸に生きてるのよ。それで今あなたたちの生きてる大本の軸を…」

穂乃果「わっかんないよ!にこちゃんの言ってることは1つも分かんないよ!」

にこ「いきなりキレないで!まぁつまり頑張って停めてるのよ」

絵里「…じゃあ始めましょうか。まずは希と穂乃果でやってみましょう。グラウンド空いてるから移動するわよ」
穂乃果「羅舞雷武!!」
19 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:37:47.59 ID:pYTkwfb7
〜グラウンド〜

希「いくよ!穂乃果ちゃん!」スッ

穂乃果「はい!」

希「『駆けろ 戦車』!」

希の掛け声と共に取り出された『戦車』のカードが光り始める。光が止むとそこには巨大な馬車が現れていた!

馬車を引く2頭の巨馬は威圧感を発し穂乃果を見下ろしている

穂乃果「えぇ!?」

希「戦車のカードは馬車を生むんよ!ちなみに時速で300qくらい出るから気を付けてね」

穂乃果「ちょっ…」

希は穂乃果に声を掛けひらりと馬車に乗り込む。そして巧みに手綱を操り馬車を動かし始めた!

穂乃果「あわわわわわ!」

馬車は穂乃果目掛けて走り回りながらどんどんと加速し、遂には300qの速さで穂乃果に突撃する!

穂乃果「は、速いけど…かわせる!?」

絵里「穂乃果!見えてるなら攻撃しないと駄目よ!」

穂乃果「は、はい!なら…『火球』!」

穂乃果は高速で動き回る希の馬車を避けつつ火球を連射するも全て希の少し後ろを通りすぎていく…

穂乃果「ぜ、全然当たらない…!」

海未「穂乃果!相手を狙うのではなく少し先を撃たないと…!」

穂乃果「やってみる!」

海未のアドバイスを活かし少しずつだが希に『火球』が掠りはじめる。だがそこ止まりだった…

経験の差と言うのがふさわしいだろう。希は巧みな位置取りで穂乃果の火を避け続けている

希「ふむふむ、見えてるならもっと速くしてもよさそうやね?なら『昂れ 力』!希パワーた〜っぷり注入!」

希が妙な掛け声と共に『力』のカードを馬に翳す。その瞬間、馬の筋肉が肥大し脚力が異常なほどに向上する!

穂乃果「は、速っ…ぐふぅっ!?」

自身の動体視力を遥かに越える速度に穂乃果は目を回し、あっという間に轢かれて地面に転がる

常人であれば体がバラバラに千切れ飛ぶような衝撃。しかし穂乃果は五体満足なまま地面に転がっている
穂乃果「羅舞雷武!!」
20 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:39:55.34 ID:pYTkwfb7
穂乃果「私、死んだ?」

希「流石に殺したりはしないやん?きちんと限界は見極めてやったつもりやよ」

ことり「ほっ」

海未「魔力纏い…凄まじい防御力です!」

絵里「初めてにしては中々だったわよ!
それじゃあ次は海未と私でやりましょうか。水は氷と相性悪いけどよろしくね?」

海未「はい!お願いします!」

海未と絵里が5m程度の距離を置いて対峙する

海未(今日早起きしたついでに技を考えてきました…早速使う時が来たようですね!)

海未「行きます!『水弓』!」

海未は手元に水の弓と矢を精製し、力強く弦を引く。そうして放たれた矢は鉄すら射抜くほどに鋭い!絵里を貫かんと迫っていく!

だが魔力の後押しを受け絵里は凄まじい動体視力を発揮する!高速で飛来する弓を凍らせ握り砕いた!

海未「…一発で駄目なら連射するまで!ラブアローシュート!」ボソッ

絵里(ラブアローシュート?聞き間違えよね…)

海未は絵里に速射を十重二十重と続けるも全てが凍てつき、拳で砕かれ無力化されねいる!

絵里「悪くない速射だけどやっぱり相性的によくないわね」

海未「強い…!」

絵里「次は私の番ね」

絵里「絶対零度、受けてみなさい」

海未「あっ」

絵里が右手を突き出し絶対零度の風を吹雪かせる!!風の通り道はあらゆるものが凍てつき、太陽を反射してキラキラと輝いている

巻き込まれた海未も例外ではない。驚愕した顔をそのままに氷像と成っている。間違いなく戦闘不能だ

絵里「っと!やりすぎかしらね!穂乃果!火を出して暖めてあげて!」

穂乃果「はぃぃ!海未ちゃん!もう少しの辛抱だよ!」

絵里が氷を織り成す魔力を霧散させると海未を覆う氷も自然と消える。すかさず穂乃果が駆けつけ震える海未の身体を暖める
穂乃果「羅舞雷武!!」
21 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:42:25.68 ID:pYTkwfb7
穂乃果「大丈夫?」ボッ

海未「…」ガチガチガチガチ

絵里「ご、ごめんね。久しぶりでテンション上がっちゃって…」

ことり(魔力纏えなくてよかった…)ホッ

穂乃果(夢だと私が受けてたけど海未ちゃんに流れるなんて…)ホッ

絵里「海未が回復するまで今度は私と穂乃果でやりましょうか」

穂乃果「え!?いやぁ今日はこの辺で…」

絵里「何いってるの!毎日模擬戦はやっていくわよ!」

穂乃果「そんなああああ!?」

〜帰り道〜

穂乃果「…」ガチガチガチガチ

海未「…」ガチガチガチガチ

ことり「ふぇぇん…」オロオロ

穂乃果「絵里先輩って恐ろしいね…」

海未「ハイ…」

ことり(私もいつか受けるんだよね…怖いよ穂乃果ちゃん…海未ちゃん…)
穂乃果「羅舞雷武!!」
22 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:43:55.39 ID:pYTkwfb7
『ステージ』

能力者は5つの位階に分けられる

5に近づくほど能力の強度は高い
穂乃果「羅舞雷武!!」
23 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:45:18.48 ID:pYTkwfb7
一ヶ月後 放課後

絵里「4月と比べると皆見違えるように成長したわね!」

穂乃果「そりゃあれだけ氷付けになったら嫌でも成長するよね」

海未「まったくです」

ことり「ことりはまだ慣れないよ…」

にこ「ことりは少し遅れたからね。それでも1ヶ月以内で魔力纏いを習得したから大したものよ。あんたたち才能あるわ。異常な程にね」

穂乃果「ふふん」エッヘン

希「そんなわけで練習試合組んだよー」

ことり「いきなりすぎますっ!」

希「ただでさえ夏まで時間ないからね。詰め込まないといけないやん?」

海未「確かに実戦は大事ですが…」

絵里「他にも狙いがあるのよ。今までしてこなかった部活の宣伝を派手にして新入部員の確保を目指します!」

穂乃果「おぉ、遂に!グラウンドの隅じゃ宣伝も何もなかったもんね!」パチパチ

海未「いてくれるといいですね…」

にこ「いてくれなきゃ困るのよ。羅舞雷武は下は3人、上は10人まで参加出来るからまだ人数増やしていきたいのよ」

希「そういえばにこっち。新入部員にアテがあるって言ってたけどそれはどうなってるん?」

穂乃果「そんなの聞いてないですよ!」

にこ「言ってなかったもの」

海未「どういう人なんですか?」

にこ「私の掛かり付けの病院にいる子よ。かれこれ2年くらいの付き合いになるかしらね。当然学校の生徒でもあるわ」

ことり「病院!?怪我してるんですか!?」
穂乃果「羅舞雷武!!」
24 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:47:26.83 ID:pYTkwfb7
にこ「違うわよ!昔の事故のせい。5年くらい前に話題になってたのよ?!」

穂乃果「?」

海未「5年前…矢沢にこ…能力暴走事件!?」

にこ「それよ!」

穂乃果「…私も思い出した!5年前くらいのだ!確かステージ5の能力者が暴走したってやつ!」

にこ「昔の私はとんでもなく凄かったのよ!ただし、暴走した後はステージ3相当なんだけどね…」

ことり「え?羅舞雷武に出て大丈夫なんですか?」

にこ「心配ご無用よ。そこは解決済みだから。話がそれちゃったわね」

希「それで今はどんな感じなん?」

にこ「それがタイミングが悪くてね。ここのところ全然会えてないのよ。全く進展してないわ」

穂乃果「えー!」

にこ「うるさいわね!そろそろ本気で行くつもりだったのよ!」

絵里「どういう能力なの?」

にこ「聞いて驚きなさい!世にも珍しい治療属性よ!」

穂乃果「どのくらい凄いの?」

ことり「さぁ…?」

にこ「あのねぇ…日本には1000人もいないくらいには希少な能力よ!」

海未「凄まじい希少さですね…」

穂乃果「URってやつだね!」

絵里「その例えはよくわからないけどその子が来てくれれば確実にプラスになるわね。今すぐ勧誘に行きましょう!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
25 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:48:16.81 ID:pYTkwfb7
〜1年生教室〜

真姫「オコトワリシマス!」

穂乃果「なんで!」

真姫「運動そんなに好きじゃないし…」

にこ「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「なによ?」

にこ「いいの?もしかしたらぁ、にこはぁ羅舞雷武の中でまた倒れちゃうかもぉ」

真姫「そ、それは…」

にこ「そうなったとき真姫ちゃんがいてくれたらすっごく安心するんだけどなぁ」

真姫「あ、安心!?」チョロン

にこ「安心なんて言葉じゃ言い表せないわ!もう真姫ちゃんがいないと駄目…かも?」

真姫「私がいないと駄目!?」チョロロン

穂乃果(あと一押しだ!がんばれにこ先輩!)

海未(止めの一言を!速く!)

ことり(この子ひょっとしてチョロい…?)

にこ「お願い!真姫ちゃん!あなたしかいないのよ!」

真姫「そこまで言うなら仕方ないわね!参加してあげる!」チョロロローン

全員(チョロい)

花陽(何の話してるんだろ?)

穂乃果「これで羅舞雷武に向けて一歩前進だね!」

花陽「!?」

にこ「じゃ、放課後部室に来て!」

真姫「わかったわ…ってあれ?待ってよ!別に倒れるくらいなら試合に出なくても…行っちゃった」

花陽(羅舞雷武…この学校から?あったんだ愛沸部…)

凛「か〜よちん!お昼食べよー!」

花陽「あ、うん!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
26 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:49:22.27 ID:pYTkwfb7
放課後

真姫「で、今皆は何してるの?」

絵里「練習試合を来週の土曜日に予定しているからそれに向けてひたすら特訓ね」

真姫「えっ、いきなり!?」

絵里「といってもまだあなたは基本からだから流石に試合には出さないわ」

真姫「そ、そう」ホッ

にこ「今度の練習試合は二年生だけでやってもらうわ。この一月の成果を出してきなさい!」

二年生「はい!」

希「大丈夫やと思うよ。多分圧倒的勝利に終わると思うから」

絵里「妙に自信ありげね」

希「ふふ、スピリチュアルやろ?」

真姫「どこが?」

にこ「しっ」ペシッ

真姫「あいたっ」
穂乃果「羅舞雷武!!」
28 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:50:46.42 ID:pYTkwfb7
絵里「じゃあこの一週間、二年生組は必殺技の練習に取り組むわよ!」

海未「っ!」キラキラ

穂乃果「ふぉぉぉ!」

ことり「待ってました!」

絵里「基礎練習と模擬戦お疲れ様!想像以上のペースで進んだわ。これも皆の熱意あってこそよ」

絵里「穂乃果は希 海未は私 ことりはにこについて修行を始めるわ。真姫もにこと一緒に基本をやること。じゃあ別れてちょうだい」

〜〜〜〜

希「穂乃果ちゃんはどういう技がいい?」

穂乃果「どーんと火力があって一撃で相手を倒せるのがいいな!」

希「アバウトやね…でも一撃を強めたいんやね?」

穂乃果「うん!」

希「方向性は決まったね!じゃあ具体的に詰めていこうか。有名所は『大火球』当たりやね…」

〜〜〜〜

絵里「海未は方向性は決まってる?」

海未「『水弓』はある程度威力があるのでひとまず決め技としていいと思うんです。ですから牽制技、連射性能のある技を開発してコンビネーションを作りたいと思います」

絵里(やけにスラスラ答えるわね。考えてたのかしら…)

絵里「そこまで決まってるなら話は早いわ!早速取りかかるわよ!」

〜〜〜〜

にこ「ことりはどうしたい?」

ことり「ことりは何か攻撃出来る手段を見つけないといけないかなって思ってます!今のままだと相手を追い払うだけで何もできないから…」

にこ「妥当ね。有名な風の技はいくつくあるからそれの中から選んでいくとしましょう」

真姫「ねぇ、全く魔力纏いできないんだけど…」

にこ「まだ初日だからね…」
穂乃果「羅舞雷武!!」
29 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:52:10.96 ID:pYTkwfb7
試合日 朝

『クク、風の刃で屠ってくれるわ!』

『『肉体活性』!からの『雷掌』!』

『壁は破れないかしら?』

穂乃果「また変な夢…」

どこかのスタジアム

穂乃果「ついにこの日がやってきたね…!」

海未「えぇ、初陣ですから勝ちたいところですね」

ことり「うぅ…緊張するよぉ…」

穂乃果「ここまで頑張ってきたんだもん!やれるよ、私たちなら!」

絵里「まだ試合まで数時間ほどあるから人はいないけど最終的にはかなりの観客が集まる見込みだわ。視線に呑まれずやるのよ」

二年生『はい!』

にこ「公式に申し込んだだけあってサポートも整ってるわ。安心して臨みなさい」

ことり「…あの、勝利条件とか禁止事項とか説明されてないんですけど…」

絵里「あ、そういえば説明してなかったわね」テヘッ

海未「大事なことじゃないですか!」

絵里「ごめんね…」

にこ「はいこれ、ルールブック。基本事項のページ開いてるから」
穂乃果「羅舞雷武!!」
30 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:55:09.89 ID:pYTkwfb7
〜〜〜〜

【勝利条件】
・敵の全滅

【敗北条件】
・魔力切れ 気絶 降参 重傷のいずれかでチーム全員がリタイアすること

【禁止事項】
・武器の持ち込み厳禁

〜〜〜〜

穂乃果「すっごいシンプル…」

希「敗北条件を満たしたらすぐに転移のスタッフが医療スタッフの所に飛ばしてくれるよ。重傷の心配はほとんどないし頑張りや〜!」



絵里「なんだか懐かしいわね。こう初めての試合に出る皆を見てると昔を思い出すわ」

海未「そういえば絵里先輩たちの昔の話って聞いたことありませんでしたね」

絵里「確かにそうだけど…聞きたい?」

穂乃果「聞きたい聞きたい!」

絵里「OKよ。小学生の頃はリトルリーグに参加していたわ。それで4年生くらいにステージ3に上がったんだったかしらね」

海未「早いですね…優秀な人でもステージ3は中学生になってからと聞きますが…」

にこ「テレビでも少し話題になってたわね」

絵里「その後泣かず飛ばすだけどね。まあその流れでリトルシニアリーグ、つまり中学生の部に上がったわ。だけど周りにステージ3の子もどんどん出て来て埋もれちゃったのよ」

絵里「極めつけには同年代でステージ5に上がった子が2人もいてね。そこで挫折したの」

穂乃果「な、なるほど…」

絵里「暗くなっちゃったわね!次はにこ!」

にこ「私もリトルリーグから始めてたわ。小泉っていうプロ選手に憧れてね」

海未「小泉?総理大臣ですか?」

にこ「ちっがーう!彗星のように現れ一年で引退した伝説のプロ選手よ!本当に凄かったんだから!」

にこ「手を振れば土砂崩れ、足を鳴らせば大地震。極めつけには重力を…」

絵里「後で聞くから!」

にこ「…話を戻すわ。小学5年生くらいね、ステージ4になって暫く無双してたわ」

ことり「ステージ4ってプロ選手並みじゃないですか!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
31 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:57:19.60 ID:pYTkwfb7
にこ「で、中学生になって少ししたらステージ5になったわ。私の輝かしい全盛期ね!綺羅ツバサに続く第2号で持て囃されたわねぇ…」

真姫「本当にその頃はすごかったのよ!その道の雑誌ではツバサとにこという文字が乗らない時はなかったわ!!」

海未「ステージ5なんて世界にも数えるほどしかいませんからね…」

穂乃果「とんでもないや…」

にこ「その後は中学生の公式戦で暴走してその後二年間は病院通いね」


真姫「私と出会ったのもその時ね。にこちゃんのリボン型リミッターの開発を手伝ってたのよ!」フフン

穂乃果「それそんな機能があったの!?」

にこ「いいでしょ!見た目も機能も完璧な特注品にこ!」

穂乃果「ちなみにそれをとったら…」

にこ「世界中の時が無差別に逆行したり止まったり速まったりしてとんでもないことになるわね」

海未「絶対にとらないでくださいね!」

にこ「もちろんよ」

にこ「高校入ったあとは愛沸部を結成。でも部員がバックレて1人になって後はあなたたちも知っての通りよ」

ことり「うぅ…重い…!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
32 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 19:58:44.66 ID:pYTkwfb7
希「最後はウチね。トリだけど大した話もないんよねぇ。珍しい能力だけど特別強いわけでもなく普通に中学生までやって、そのまま引退って感じ」

海未「平和ですね…」

絵里「それが一番よ。さ、アップして試合に備えなさい?」

穂乃果「はーい」

〜〜〜〜

数時間後 どこかのスタジアム 観客席

凛「まさか愛沸部が音乃木にあるなんてね!かよちん!」

花陽「そうだね、凛ちゃん。知らなかったから驚いちゃった」

凛「試合終わってさ、よさそうだったら今度こそ入ろうよ!愛沸部!」

花陽「私には無理だよ。経験者でもないし…」

凛「絶対に大丈夫だって!」

花陽「まずは試合見てから…ね?」

凛「またそうやって後回し〜!」

花陽「うぅ…って、アナウンス始まったよ!凛ちゃん!」

『音乃木坂高校vs上野東高校はもうまもなく始まります』

『両校共に人数は3人、上野東は全員が経験者一方、音乃木坂は全くの初心者3人。そのため前評判は上野東が優勢というところです』

花陽「しょ、初心者!?」

『それでは始まります』
穂乃果「羅舞雷武!!」
33 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:00:00.17 ID:pYTkwfb7
二年生「よろしくお願いします!」

歩美「よろしく!」

千鶴子「よろしくお願いいたします」

さち子「クク、よろしく頼もう!」

穂乃果(く、癖が強い…!)

海未「この度は練習試合を受けて頂きありがとうございます」

歩美「私たちもしたかったもの。そんな堅くならないでいいわよ」

千鶴子「そろそろ試合が始まる時分ですわ。離れましょう?」

穂乃果「はい!」

〜〜〜〜

海未「今回はただのスタジアムですから真っ向勝負になります。相手は連携が得意と評判ですから個人戦に持ち込んで食らいつきましょう!」

ことり「うん!」

『試合開始です』

穂乃果「行くよ!」

開始のアナウンスが響くと同時に穂乃果が突進しながら『火球』を撒き散らし、相手を分散させる

その後海未はさち子に、ことりは千鶴子に素早く接近し、予定通り3対3から個人戦に持ち込む
穂乃果「羅舞雷武!!」
34 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:01:05.83 ID:pYTkwfb7
海未(まずは計画通り…速攻で倒してことりたちの援護に向かいたいところですね)

さち子「フッ、来たかホディ!」

海未(胸に訴えかけるものがある子ですね…)

海未(まあいいです!いきなりですが新技とのコンビネーションを試しますか!)

海未「『水手裏剣』!」

海未の十本の指から手裏剣状の水が連射される!一つ一つは小さいが切れ味はあり、さち子は回避せざるをえない

さち子「きゃっ!?じゃなくて!ただでは済まさんぞ!」

『水手裏剣』に動きを制限されながらもさち子は能力を発動する

海未「風ですか…!」

さち子「食らえ!『風刃』!」

さち子の放つ風の刃はグラウンドに地割れめいた切り跡を残し海未を切り裂かんと迫る!

だが遅い!三年生との修行で鍛えられた海未を捉えるにはあまりにも!

海未(十分にかわせますね。これならば…一気に決めますか!)

海未は幾度も放たれる刃を最小限の動きでかわしつつ牽制を続け、さち子を壁に寄せていく

さち子「壁際!?」

海未「やっとですね!『水弓』!」

壁際に追い詰めたところで威力に磨きをかけた『水弓』でさち子を乱れ打つ!!

さち子「ぐああ!?」

何十発もの速射により魔力の鎧を削られ続け遂にさち子の魔力が尽きた

『田中選手、魔力切れのためリタイアです』

海未「よし!上手くいきました!近いのは…穂乃果ですね」
穂乃果「羅舞雷武!!」
35 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:02:12.73 ID:pYTkwfb7
『水手裏剣』ステージ2

絵里と海未が協力して作った技。専ら牽制技。手軽さと連射性能を追求したため格下〜同格にまでしか通用しない
穂乃果「羅舞雷武!!」
36 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:03:35.43 ID:pYTkwfb7
穂乃果「闘争(ファイト)だよ!」

歩美「物騒ね!」

歩美は体に雷を迸らせ、穂乃果に相対する

歩美「『肉体活性』!」

歩美が叫ぶと体に稲妻が走りだした!時折体から電気が飛び散りその身に宿す雷の量を知らしめる

穂乃果「先手をとらせちゃヤバい気がする…『火球』!」

穂乃果は『火球』を連発し歩美の動きを封じ込めようとする。だがすんでの所で間に合わず歩美の高速移動が始まった!

歩美「ついてこられるかしら!」

穂乃果「速い!けど、ギリギリ目で追える!」

穂乃果は希との修行の成果を発揮し、高速で攻撃を仕掛ける歩美の攻撃をかわし時にはカウンターを交えて渡り合う

穂乃果(流石経験者…何とか攻撃を当てないと…そうだ!)

穂乃果は今度はカウンターではなく地面に火球を打ち付け土煙を巻き上げた!その直後、穂乃果は高く飛び上がり両手を煙が漂う真下へ向ける

歩美「ん!?」

歩美は煙に惑わされ穂乃果の位置を見失う。思考が一瞬止まるがそこは経験者。すぐに奇襲を警戒し煙の外に向けて走り出すが…

穂乃果「貰った!『大火球』!」

高所から下に向かって希と練習した新技を繰り出す!牽制目的の『火球』とは異なり一撃を追及した『大火球』は大きさも火力も段違いのものを誇る!!

『大火球』は煙の中心に着弾すると同時に地面を爆風がえぐり、回避が間に合わなかった歩美を巻き込みながら周囲を吹き飛ばす!

歩美「うぐっ!」

歩美は直撃こそ避けたものの爆風で足に傷を負い長所の速度を失っている

穂乃果「降参、しませんか?」

歩美「そうね…負けたわ…降参します」

『鳥居選手、リタイアです』

穂乃果「よし!勝ったよ!…あれ、海未ちゃん!」

海未「穂乃果!勝ちましたか!?」

穂乃果「なんとかね!」

海未「なら、急いでことりの元に向かいますよ!」

穂乃果「らじゃ!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
37 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:04:54.19 ID:pYTkwfb7
ことり「ハァハァ…」

千鶴子「中々ですがまだ粗いですわね?」

ことり「『風刃』!」

ことりは新たに習得した技を繰り出す。場所は違うが先程さち子も使っていたものだ

金属程度であれば容易く切り裂くそれは、しかし千鶴子の生み出す土の壁を貫けずにいた

ことり(いくらなんでも固すぎるよあの壁!)

千鶴子「壁は破れないかしら?」

ことり「く…」

千鶴子「魔力で固めればどんな土であろうと堅牢になりますのよ?そして固めた土は攻撃にも使えたりして」

ことり「!」

ことりの一撃を防いだ壁から岩礫が機関銃のように連射される!!
一撃ごとに壁は小さくなっていくが壁が無くなるまで待つには時間がかかりすぎる!

ことりも風でそらすか、かわすかして反撃の機会を窺うも肩や足など体の末端に時折痛打を貰い動きが鈍っていく…

ことり(これじゃじり貧だよ…何とかしなきゃ…何とかしなきゃ…)

焦れば焦るほど回避は疎かになる。徐々に被弾は増え遂に足が止まった

その機を逃すはずがない。千鶴子は止めとばかりに魔力を練り上げる

千鶴子「ここまでですわね…あら?」

穂乃果「ことりちゃん!」

海未「ことり!」

合流した二人が増援に駆けつけ、3対1の状況に。千鶴子にとっては絶体絶命。ことりにとっては起死回生の出来事だ

穂乃果「よーし!やるよ!」

ことり「(二人とも倒してきたんだ!負けてられない…!)待って!1人でやらせてほしいの…!」

海未(あのことりがここまで…)

海未「穂乃果、やらせてあげましょう」

穂乃果「…うん」

千鶴子「よろしいのかしら?」

海未「…ことりがやるというのであれば任せます」

ことり「ありがとう海未ちゃん、穂乃果ちゃん」
穂乃果「羅舞雷武!!」
38 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:05:57.39 ID:pYTkwfb7
〜〜〜〜

希(まずは『隠者』を使ってっと。ここやね!『翻れ 吊るし人』)スッ

にこ「ん、希…え、時間に歪み!?」

〜〜〜〜

ことり「!?」

ことり(頭が…痛い…)


『『風刃』完成したよ!』

『『風刃』はあくまで基本。ここから派生するのよ』

『高速回転する刃!名付けるなら『旋風刃』ってところかしらね』


ことり「今のって…」

千鶴子「考えている暇はありませんよ!」

ことり「きゃ!?」

思索に耽ることりを幸いに千鶴子がことりに止めを刺そうと弾幕を再開する

ことりはとっさに『風刃』を乱射、迎撃をしながら先のビジョンを反芻する

ことり「刃を高速回転させて放つ…だよね。行け!『旋風刃』!」

千鶴子「甘い―――!?」

千鶴子は『風刃』と同様壁を展開し対処しようとするが『旋風刃』の前に壁はあっけなく切り裂かれことりに死に体を晒す

ことり「もういっかい!」

再度放たれた『旋風刃』に千鶴子は魔力の鎧を切り裂かれ、呆気なく魔力が尽きる

『千鶴子選手、リタイアです。上野東高校の選手が全滅したため音乃木坂高校の勝利となります』
穂乃果「羅舞雷武!!」
39 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:07:47.57 ID:pYTkwfb7
『旋風刃』ステージ2

『風刃』の発展形。切断に特化しており千鶴子の頑丈な守りを容易く切り裂いた。合体技としても使用でき、ことりのお気に入り。魔力の色がついているため回避は可能
穂乃果「羅舞雷武!!」
40 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:08:44.47 ID:pYTkwfb7
千鶴子「参りました。まさかかくし球があるとは思いませんでした…」

ことり「いや、あれは…」

千鶴子「謙遜しないでください。自らの力で掴んだ勝ちですよ」

ことり「はい…」

さち子「今回はすぐに敗れてしまったが、次はそうはいかないぞ!さらばだ!」

海未「はい!また会いましょう」

海未(…この子を見ているとやはり胸が苦しくなります)

歩美「今回は為になる試合だったわ!また機会があったらよろしくね!」

穂乃果「うん!またね!」テクテク

にこ(さっきのは一体…?希がカードを出すと同時に…)

絵里「にこ、何してるの?セレクションの準備始めるわよ?これから一杯人が集まる予定なんだから…」

真姫「そうよ。この量のチラシ運ぶの大変なんだからね」

にこ「あ、ごめん!今いくわ!」

絵里「あ、戻ってきたわね。皆お疲れ様!良い試合だったわ。今日は帰って休んで良いわよ〜!」ルンルン

二年生「はい!」

〜〜〜〜

花陽「凄かったなあ、今の試合」

凛「かよちん、どうだった?」

花陽「凄かった!初心者って言われてたけどあんなビュンビュン動いてて!しかも勝っちゃったんだよ!」

花陽「皆輝いてたよ…」

凛「初心者でもあんなに動けるなんて凛もびっくりしちゃったよ!かよちんも今入れば…!」

花陽「それはまた今度話そ?」

凛「また後に…絶対だからね!」

花陽「う、うん…」

花陽(もう引けないかなぁ…私なんかじゃついていけないよね…)テクテク


真姫「ねぇ、誰も来ないんだけど」

希「『力』の逆位置…意味は失敗…」

絵里「あ、セレクションの告知してなかったわ…」

にこ「あんたねぇ!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
41 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:10:17.02 ID:pYTkwfb7
月曜日 放課後

凛「かよちん!すぐに行くよ!」バッ

花陽「ピャア!ど、どこに!?」

凛「決まってるよ!西木野さんのところ!愛沸部の人なんだって!掲示板のチラシに乗ってるにゃ」

\愛沸部/\愛沸部/\愛沸部/\愛沸部/\愛沸部/

花陽「わ、本当だ。掲示板がチラシで埋め尽くされてる…」トコトコ

凛「西木野さん!ちょっといいですか?」

真姫「なにかしら?」

凛「愛沸部の入部についてなんですけど…」

真姫「し、新入部員!?話を聞くわ!部室にいくわよ!」ガシッ

花陽「えぇ!?だ、ダレカタスケテー!」ズルズル

〜〜〜〜

穂乃果「ようこそいらっしゃいました!」モミモミ

にこ「歓迎するわよ!」モミモミ

花陽(何で肩揉まれてるんだろう…)

凛「凛は付き添いなんですけど…」

海未「まあまあ、あなたもまずは話だけでもどうぞ。こちらお茶菓子です」ササッ

凛「はぁ…」

絵里「にこ、お願い…!」コソコソ

にこ「『止まれ』目薬を垂らして…よし!」

絵里(…来た!サンキューにこ!)

絵里「私たちは今新入部員を欲しているの。練習試合後にはセレクションする準備までしてたのに申し込み0で途方に暮れてたのよ」グスッ

凛(うわ!泣いてるにゃ!)

絵里「そんな中でのあなたたちの申し出は正に価千金!是非とも入部していただきたいわ」

花陽「は、はぁ…」

ことり「お茶をお持ちしました」カチャ

希「しました」カチャ

花陽「あ、ありがとうございます」

凛「美味しいです!」ズズッ

絵里「どうして入部を検討してくれたのかしら?」
穂乃果「羅舞雷武!!」
42 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:16:38.61 ID:pYTkwfb7
花陽「それは愛沸にずっと憧れていたから…でもやっぱり初心者なので無理ですよね帰ります!」ガタッ

穂乃果「困りますお客様!」ガシッ

花陽「ピャア!」

絵里「この部活は初心者歓迎中よ!心配いらないわ!」

凛「ほら、かよちん!先輩もこういってくれてるし入ろうよ!」

絵里「あなたも歓迎するわよ!」

凛「えっ、凛も?」

絵里「まだ部活に入っていないのはリサーチ済み。愛沸どうかしら?」

凛「かよちんが入るなら入ってもいいですけど…」

絵里「わかったわ。それじゃあ花陽さん?お願いできないかしら?」

花陽「私、運動苦手ですよ?」

真姫「私もよ」

花陽「どんくさいし…」

真姫「私もよ」

花陽「それに視力も良くないし…」

真姫「それは違うわね」

にこ「励ますだけでいい!」ペシッ

真姫「ヴェ!」

花陽「そんな私でもいいんですか?」

絵里「もちろんよ、信じてついてきなさい!」

花陽「わかりました…入部します!」

凛「じゃあ凛も入ります!」

全員「やったー!!!」

絵里「今日はもともと休養日で練習はないの。でも明日はあるから忘れずここに来ること」

花陽「は、はい!」
〜〜〜〜
次の日 放課後

花陽「小泉花陽です!よろしくお願いします!」

凛「星空凛です!お願いします!」

穂乃果「いらっしゃーい!一緒に頑張ってこー!」

海未「2人の属性は何ですか?」
穂乃果「羅舞雷武!!」
44 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:22:07.52 ID:pYTkwfb7
花陽「土のステージ2です!」

凛「凛は雷のステージ2です!」バチバチ

にこ「これで基本属性コンプリートじゃない!ついてるわね!」

絵里「助かるわ…それじゃ一年生はにこについて基本の練習をしっかりとやること!にこ、頼んだわよ」

一年生「はい!」

絵里「二年生組は模擬戦重ねて経験積んでくわよ!」

二年生「はい!」

〜〜〜〜

一週間後

にこ「やはりおかしい…こんな早く進むわけがないのよ…」

ことり「習得早かったね!2人とも!」

花陽「あ、ありがとうございます!」

凛「サクサク進んだにゃ!」

真姫「…私より遅く始めたのに」ズーン

にこ「いちいちへこまないの!ペースはあなただって悪くないのよ!」

絵里「基本が終わったならまずは模擬戦ね!私とやるわよ!」

凛「はいはいはーい!凛がやりたーい!」

海未「穂乃果、準備を」

穂乃果「うん」

〜〜〜〜

凛「ちちちちょっとさささ寒くななないかにゃぁ!」ガチガチガチガチ

花陽「絶対ちょっとじゃないよね!それ!」

穂乃果「今暖めるからね!」ボウッ

絵里「ごめん…」

絵里「えっと、次は花陽ね。大丈夫!絶対手加減する!いえ、してみせる!いえ、なんとか…」

にこ「うるさい!さっさと始めなさい!」

花陽「お、お願いします!」

海未「穂乃果」

穂乃果「うん」
穂乃果「羅舞雷武!!」
45 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:23:25.90 ID:pYTkwfb7
『属性』

火 水 風 土 風 氷の基本属性

そのどれにも属さない固有属性の2パターンが存在する
穂乃果「羅舞雷武!!」
46 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:24:36.15 ID:pYTkwfb7
穂乃果「暖まれ〜」ギュ

花陽「ぐすっ…」ガチガチガチガチ

絵里「ごめんね…本当にごめんね!」

花陽「い、いえ、気にしないで下さい。もっともっと頑張ります!」

希「絵里ちはそろそろ手加減を覚えた方がいいよ…」

にこ「まぁそれはそれとして…二年生組は羅舞雷武まであと約二ヶ月何するの?模擬戦は十分にやったと思うけど」

絵里「よくぞ聞いてくれたわにこ!いよいよ皆のステージを上げにいくわよ!」

穂乃果「おぉ!!」

絵里「ステージ3への昇格はシンプル。魔力量を増やすだけでいいの。必要量が凄まじいんだけどね」

絵里「ちなみにステージ4への昇格は体系化されてないからよくわからないわ」

穂乃果「えー」ブーブー

凛「そこが気になるところなのに!」ブーブー

絵里「なによ…よくわからないんだからしょうがないじゃない!!」ヒュウウ

穂乃果「寒いからやめてよ!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
47 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:28:20.83 ID:pYTkwfb7
にこ「ステージ3と4の間は絶対的。出来ればウチにも1人くらい欲しいんだけどね」

海未「プロ選手にステージ4が多いとは聞いていますが…どのくらい違うのですか?」

にこ「正に桁違いね。身体能力だけでも倍以上変わるわ」

にこ「ステージ4なら音速越えはデフォルト。能力によっては物理法則を超越するやつすらいるわ」

凛「えげつないにゃ…」

花陽「覚醒者とも言われてます。日本の人口で1割もいない程に希少ですね」

にこ「高校生でこの領域にいるやつなんて滅多にいないわよ。あまり気にしなくていいわ」

にこ(UTXを除いて…ね)


ことり「魔力を増やすってどうやるんですか?」

希「筋トレと同じ感覚やよ。魔力炉を限界まで使って休ませるの繰り返しで増えてく感じかな」

穂乃果「今までやってきた練習だと足りないんですか?」

絵里「全くね。これからはもっともっと魔力炉を苛めていくわ」

海未「…?1ついいですか?」

絵里「何かしら?」

海未「私たちが使った魔力って空気中にあるはずですよね?それを再利用出来ればいちいち魔力炉を鍛える必要はないのでは?」

絵里「あぁそれね。昔同じ事を私も考えたけどそれは不可能よ」

海未「何故です?」

絵里「理由はわかっていないけど制御から外れた魔力は自然と消えるのよ。今学会でも研究されているテーマだわ」

海未「そうなのですか…残念です」

絵里「それじゃ、一年生組は必殺技の開発を進めて貰うわ。花陽と凛はにこと3人組でやってちょうだい。終わり次第模擬戦に移ること」

真姫「私は?」

絵里「あなたはこっちよ。魔力纏いの練習をしながら二年生の治療ね。ハードだけどお願い」

真姫「わかったわ。任せなさい!」

絵里「それじゃあ、散!」パン

全員「おお!」

絵里(決まったわ…!)
穂乃果「羅舞雷武!!」
48 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:31:06.33 ID:pYTkwfb7
7月

絵里「6月は実りがありすぎたわね!2年生組がステージ3に到達。一年生たちは技の開発に成功までしちゃった。皆才能に溢れすぎてるわ…」

絵里「しかも地道な宣伝活動が効を奏して学校に入ってくれそうな人もどんどん増えてきてるわ!この調子でいきたいわね!」

にこ(この1ヶ月、妙に希がカードを弄っていたのが目についた…それに度重なる時の歪みも…)

希「にこっち?どうかしたの?」

にこ「明らかにおかしいでしょ、最近」

希「…おかしいってなにが」

にこ「周りの成長速度よ、異常でしょ」

希「確かにね…」

にこ「何が起こってるのかしらね?」

希「さ、才能が溢れてるんやない?多分それやねん」

にこ「(わかりやすっ!)そうなのかしらね」

花陽「た、大変ですー!」ガチャッ

穂乃果「どうしたの!?」

花陽「部員に対して理事長からの呼び出しです!」

理事長室

理事長「皆さん、呼び出された理由はわかりますか?」

絵里「申し訳ありません。わかりません」

理事長「部活動に励むことは素晴らしいことなのですが…部内にこの前の小テストで赤点になったものがいるとか」

穂乃果「」

凛「」

理事長「あくまでもあなたたちは学業が本分のはず。ですから期末試験でも赤点をとるようならば羅舞雷武出場は取り消しになるかもしれません」

絵里「なるほど…わかりました。徹底します」ガチャ

理事長(羅舞雷武…私が首を出すのも今さらかしらね…園田さんと高坂さんだったらどうするのかしら…)

〜〜〜〜

部室

絵里「名乗りでなさい」

穂乃果「申し訳ありません」ガクッ

凛「ません…」ガクッ

にこ「なにやってるのよあなたたちは!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
49 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:33:18.07 ID:pYTkwfb7
凛「待ってよ!にこ先輩もこっち側の人間のはずだにゃ!早く謝らないとダメなんだよ!」

穂乃果「そうだそうだ!」

絵里「にこはね、一応学年でも中の上はキープしてるのよ。不思議なことに」

にこ「一応ってなによ…まあそういうこと!」フフン

凛「絶対おかしいにゃ!何か秘密があるはずだよ!」

にこ「な、何もないわよ!」タジッ

穂乃果「…絵里先輩、にこ先輩の能力って」

絵里「時間系よ?」キョトン

穂乃果「にこ先輩の席の近くに優秀な人はいますか?」

絵里「…いるわね」

穂乃果「にこ先輩!少し聞きたいことが…」

にこ「にごぉ…」

〜〜〜〜
穂乃果「やっぱり!私ならそうするもんね!」

ことり「え?穂乃果ちゃん…?」

穂乃果「な、何でもないよ!」

花陽「それにしてもにこ先輩…」

凛「やっぱりからくりがあったにゃ!」

にこ「申し訳ありません」ガク

絵里「にこ…あなたねぇ…!」

にこ「全部が全部じゃないのよ!ほんと〜に一問だけ…たまにもう少し見たりもするけど…」ゴニョゴニョ

真姫「そこでやりきれない辺り小物ね」

にこ「反省してるから!許して!」

海未「問答無用!そんなズルは認められません!正々堂々と点をとってもらいますからね!」

にこ「は、はい…」シュン

絵里「チーム分けをして勉強に取り組みましょう。にこは私と海未と組むわよ」
穂乃果「羅舞雷武!!」
50 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:46:59.77 ID:pYTkwfb7
テスト返却日

真姫「結果はどうだったの?凛」

凛「ギリギリセーフにゃ!」

花陽「よかったね!凛ちゃん!」

ことり「穂乃果ちゃんは?」

穂乃果「私もセーフ!」

にこ「もちろん私もね!何とか成績もキープ出来たわ…」ゲッソリ

希「これでひとまず安心やね。ここからは夏に向けて練習に打ち込めると思うよ」

絵里「えぇ。今度は合宿を予定しているのよ。そこで新技だったり魔力の底上げだったりを徹底的にやるつもり」

穂乃果「おぉ!ちょっと楽しみかも!いつからですか?」

絵里「来週あたりを考えているけどどうかしら?」

全員「異議なし!」

〜〜〜〜

合宿 宿舎

ことり「先輩…禁止ですか?」

にこ「そうよ。親密さを深めてより連携なり会話なりを円滑にしていく狙いがあるわ」

真姫「いいんじゃない?」

凛「真姫ちゃんはあんまり変わらないにゃ…」

穂乃果「じゃあぅ絵里ちゃん!って呼んでもいいの!?」

絵里「もちろんよ。改めてよろしくね皆。じゃあ時間もないし練習を始めましょ」

希「…(まずは『隠者』のカードを使って…)」スッ

にこ(また希がカードをこそこそと…それと同時に時間の歪みも発生している…)チラッ

穂乃果『合宿は厳しい修行が続いた。一週間海未ちゃんと絵里ちゃんが音頭をとって…辛かったけど充実した修行だったんだ!』
穂乃果「羅舞雷武!!」
51 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 20:52:03.78 ID:pYTkwfb7


海未「山頂アタックです!頂上まで来られたら終わりますよ!」

絵里「ほらほら!どんどん雪崩いくわよ!」ドドドドド

希「南無三…!!」

穂乃果「ぬわっーーー!!!」

花陽 ことり「誰か助けてー!!!!」

真姫「にこちゃん逃げてる!ズルい!」



穂乃果「凛ちゃんの電気マッサージ効くぅ…!」

凛「8人もやると疲れてくるにゃ…」ビリビリ

にこ「便利よねぇ。ことりと絵里がいれば冷房要らずだし海未がいれば水飲み放題だし…」

真姫「花陽も作物育てられるらしいしね。無人島でも私たち余裕なんじゃない?」

花陽「稲さえあれば毎日収穫出来ますよ!」

希「うーん…このまま寝るのも何か勿体ない…誰か肝試しとか一発芸とかやらない?」

絵里「肝…!一発芸がいいと思うわ!」

ことり「あ、じゃあ久しぶりに海未ちゃんのアレみたい!おねがぁい!」

海未「仕方ありませんね…好きな殺し屋はデューク東郷です。顔真似します!」

ワッハッハッハッハッ

そして時は流れて…

〜〜〜〜
七月三十一日 夏の羅舞雷武 予選前日

絵里「今日集まってもらったのはトーナメント表が公開されたからよ。情報共有しないとね」

穂乃果「ずっーと思ってたけど公開するの遅すぎない?」

花陽「それには羅舞雷武の崇高な理念が関わってきます!!」
穂乃果「羅舞雷武!!」
52 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 21:09:14.79 ID:pYTkwfb7
ことり「わ!?」ビクッ

花陽「地形以外の要素は己の実力のみ。事前の対策は最低限に抑えた純粋な力比べ…!」

花陽「それが!羅舞雷武です!!」

海未「しかしそれでは弱小チームの逆転の芽を摘んでいることになるのでは?」

花陽「愛沸というのは残酷な実力社会でもありますから…弱い方が悪となってしまいます…」

絵里「で、トーナメント表なんだけど良い知らせと悪い知らせがあるわ。どっちから聞きたい?」

凛「良い知らせ!」

絵里「オッケー。良い知らせはね、3回戦までどの相手が勝ち進んでも強豪校がいないってことよ」

穂乃果「おぉ!すっごいラッキー!」

絵里「多分ここまでなら波乱がない限り勝てるわ」

にこ「じゃあ悪い報告ってのは?」

絵里「準決勝でUTX高校と当たるわ」

花陽「!!!」

凛「ゆーてぃーえっくす?」

穂乃果「どこそれ?強いの?」

花陽「最強の高校ですよ!!羅舞雷武を夏冬4連覇してる超超強豪です!!!」

凛「とんでも集団にゃ!」

海未「穂乃果?部を結成する前に調べたんですよね?その上で部活を結成したはずですよね?」ゴゴゴ

穂乃果「あ、それは…その…」
穂乃果「羅舞雷武!!」
54 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/28(土) 21:56:33.74 ID:pYTkwfb7
真姫「説教は後にして。綺羅ツバサがいるってことは私も知ってるけど後の2人はどういう人なの?」

花陽「優木あんじゅさんと統堂英玲奈さんですね!この3人は1人でも優勝が出来るとさえ言われてるんですよ!」

穂乃果「それは凄いけど…3人って少なくない?」

花陽「少数精鋭がモットーのチームだから最小人数の3人でやってるみたいだよ」

希「どういう能力なん?」

花陽「あんじゅさんは時間系のステージ4です。にこちゃんと同じだね」

ことり「す、ステージ4…」

花陽「でも、もう1人の英玲奈さんはよくわからなくて…」

海未「私もそのような記事を見ました。能力を隠しているのですか?」

花陽「隠してるわけじゃないみたい。だけど戦うこと事態滅多に無くてデータが無いの」

花陽「ただ身体能力は凄い高くて、音速を越えてるそうだからステージ4は確定かな。肉体強化の固有属性ではないかって言われてるよ」

にこ「信憑性は薄いから参考程度にね」

真姫「情報が少ないからそこは実戦の中で探るしかないわね…」
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