トップページ > ラブライブ! > 2020年03月25日 > B4FQqSgx

書き込み順位&時間帯一覧

27 位/2876 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数000000000000000000002300023



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
名無しで叶える物語(えびふりゃー)
千歌「モンスターハンター!」

書き込みレス一覧

千歌「モンスターハンター!」
171 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:10:09.76 ID:B4FQqSgx
【島 集会所】

ダイヤ「今から半刻前、果南さんと梨子さんからリオレウスを見つけた、との報告がありました」

ダイヤ「また、火竜は獲物の大部分をその場に置いて去っており、今後戻ってくる可能性が高いと思われます」

鞠莉「私とダイヤで相談した結果、前準備が十分出来る条件だと判断したから……これより、リオレウス討伐作戦を開始するわ」

千歌「火竜、討伐……」

善子「いよいよ、って感じね」
千歌「モンスターハンター!」
172 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:11:45.96 ID:B4FQqSgx
ダイヤ「戦法は予定通り、果南さんと私が前衛、千歌さんと梨子さんが遊撃部隊、善子さんと鞠莉さんが弾幕による後方支援、ですわ」

梨子「……リオレウスはアプトノスの肉の大部分を食べ残してました、戻って来るのにそれほど時間は無いかもしれません、向かうなら、今すぐ向かうべきかと」

ダイヤ「……だ、そうですので質問等、無ければそのまま出発しますが……皆さんどうですか?」

果南「今回の相手は被弾したら洒落にならないから、とにかく身を守るのを徹底する、懐に入りすぎない……それが一番大事かな」

果南「あと、正面には絶対立たない事。火球が当たったりしたら、それこそ大変な事だからね」

千歌「……」

鞠莉「よし、じゃあ行きましょう…気を付けなければならない相手だけど、位置が分かってるこの機を逃す手は無いわ」







ダイヤ「それでは、皆さん気を引き締めて。これを、この村の最終決戦と心得るように!!」


「「「「オー!!!!」」」」
千歌「モンスターハンター!」
173 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:12:33.08 ID:B4FQqSgx
島の対岸から森の中を歩く事十数分。果南と梨子の先導で辿り着いた場所には、空の王者がその場に鎮座していた。



ダイヤ「静かに…居ますわ」


辺りに、バラバラになったアプトノスから昇る血の匂いが漂っている。これだけの血の匂いを流しても肉食の獣が現れないのは、そこに生態系の頂点が居るからだ

その場に舞い戻っていた火竜は、辺りを警戒しながら食事の続きを行っている。自分の体長近くある大型のアプトノスの肉を、まるごと食べつくす勢いで貪りつくす



「グルル……」
千歌「モンスターハンター!」
174 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:13:18.47 ID:B4FQqSgx
ダイヤ「いきますわよ、各自準備を」




ダイヤ「(5……4、3……)」

ダイヤが片手を挙げて合図をすると、各々が首を静かに縦に振った

広げた五本の手の指を一本ずつ折りたたんでいく。それこそが、突撃へのカウントダウン。

誰もが、息を飲んだ。正真正銘、これが火竜との決着となるだろう。


ダイヤ「(2……1……)」


これまで、様々な準備を行ってきた。万全とは言えなくとも、可能な限りの備えをしてきた。

その成果が、今この一瞬に掛けられている。


ダイヤ「ゼロッ……!!!!」


その指がすべて折りたたまれた時、彼女たちの姿は藪の中から飛び出していた!
千歌「モンスターハンター!」
175 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:16:49.02 ID:B4FQqSgx
ダイヤ「各々所定の配置に!果南さん、前に出過ぎないように気を付けて!」

果南[言われなくても分かってる!!!」

果南は素早く走って近づき、持ち上げた重剣を振り下ろす!!先手必勝、出会い頭の隙にかけた渾身の一撃を今放つ!!



果南「せああっ!!!!」


「ガアァッ……!」


が、鋭い一撃は空を掠めた。その一撃が頭に触れるより先にリオレウスは空へと飛び立ったのだ。
その大きな体を、悠々と翼で浮かし、天空を自由に舞う。それこそ、まさに空の王者の姿だった

果南「ああ!もう!!!」

ダイヤ「果南さん、イラつかない!」

果南「分かってるってば!」



野に住む獣の感覚は鋭い、少しの殺気を感じ取り素早く危機を回避する。

それが、何十年と生きている竜なら尚更の事だった。
千歌「モンスターハンター!」
176 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:20:56.79 ID:B4FQqSgx
果南とダイヤが最前。少し後ろに千歌、更に少し離れて善子、鞠莉、そして最後に梨子。

先に決めた通りの陣形に全員が並び立つ



ダイヤ「まったく……ガンナーの三人、お願いします!!」

善子「任せなさい!」


善子、鞠莉の弾丸、梨子の矢が空を飛ぶリオレウスに向けて放たれる

重力に逆らって放たれた弾丸は本来の威力を発揮出来てはいないものの、傷を与えるには十分な精度だ

火薬で爆発的加速を付けられた弾が、リオレウスの翼膜の一部に風穴を開ける!!!

「ガッ……ガアアアアアアアアアアア!!!!!!」



鞠莉「これでもくらいなサーイ!!」

鞠莉が放つのは、雷撃弾。雷光虫の力を込めた火竜リオレウスが忌み嫌う属性の弾だ。

距離が離れている事により勢いが殺され、弾本体が火竜の体に通らなくとも、込められた雷撃の力が的確にダメージを蓄積させていく!!
千歌「モンスターハンター!」
177 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:23:43.32 ID:B4FQqSgx
ダイヤ「効いています、そのまま!」

梨子「……わかりました!」


戦いの最中、梨子が一瞬目を瞑る。指の感覚を鋭敏にし、強く弦を張り構える。


狙うは上空、リオレウスより更に上。自らの頭上をはるかに超える天へと向けて、梨子は矢を放つ。

曲射

複数の矢を上空に放ち自然落下で獲物へと突き刺す事でダメージを与える高難易度の技だ


放物線を描きながらぐんぐんと上へと向かう矢は、ある一点でその動きの向きを変える。今まで自らの動きを鈍らせていた重力を味方に付け速度を増して下へ下へと高速で向かっていく。

矢の真下に在るのは、空を舞う火竜の姿。落下の速度そのままに、その鋭い矢が、守る物の無い無防備な背中に襲い掛かる!!!!


「ガァッ!!!!」



千歌「当たった!」

梨子「やった…!」

梨子が放った矢の塊は、まるで飛ぶ鳥を射止めるように、リオレウスの背中を正確無比に捉えた
千歌「モンスターハンター!」
178 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:25:33.15 ID:B4FQqSgx
「グルル……!!」



果南「あれは……!」

ダイヤ「……! マズイ、皆さん!構えて!」

火竜が空中で背を反り、息を吸い込んだ。口には腹から登って来た赤の光がチラチラと零れる。
それこそが、この火竜リオレウス最大の武器を使用する序章だ。

体内に存在する火炎袋に空気という名の薪を加えて放つ、絶対必殺の一撃。

その姿は、辺り一面を焼き付き尽くす、地獄の業火。その威力は、太陽の如き圧倒的火力。
驚異的な速さで再生するとはいえ、自らの喉を焼いてしまうほどの驚異的な熱量を持つ。

火竜の双眸が地に立つ千歌達を捉える。火竜は食事を邪魔され、気が立っていた。彼女達は文字通り、竜の逆鱗に触れたのだった。


リオレウスは地上に向けて、腹の底から火炎弾を放った。小さな流星の如き熱球は地面にて炸裂し、辺り一帯、全てを完全に焼き尽くす!!!



ダイヤ「くっ……ああああああああああ!!!!!!」
千歌「モンスターハンター!」
179 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:27:12.78 ID:B4FQqSgx
ダイヤは最前線に立った。

巨大な盾を前に地面に力いっぱい突き出し、火竜から放たれる巨大な火炎を自ら受け止める。

爆風で手が痺れる、少しでも手を緩めれば盾諸共、全てが吹き飛ばされてしまうだろう。それほどの威力が盾越しでも感じられた。

しかし、ダイヤは決して手を緩めない。後ろに立つ皆を守る為、この狩りに勝つため、そして何より生き残るために!!!!


熱で盾が歪んでいる。盾の握り手からは全面から伝わって来た熱が握りしめた手を焼く。それでも、逃げるわけにはいかない。逃げたら、後ろの皆が無事では済まないから。

果南「ダイヤ!」

千歌「ダイヤさん!!」

ダイヤ「だ、いじょうぶ……私にまかせておきなさい……」

自分が弾き飛ばされれば、後ろに居る果南と千歌に真っ先に被害が及ぶ。
最大戦力である果南、この作戦の要である千歌、火竜の討伐においてこの二人を失うことは絶対に有ってはならない。

そして何よりも……仲間を失うことは絶対に嫌だ。


ダイヤ「いっ……ああああああああああ!!!!!」
千歌「モンスターハンター!」
180 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:27:54.47 ID:B4FQqSgx
ダイヤ「はぁっ……はぁっ……」


炎が過ぎ去っても、ダイヤは立っていた。息も絶え絶えで、体のあちこちがあまりの熱に焼けてしまっていても、そこに立っていた。

まだ、もう一仕事ある。この村の司令塔として、号令を掛けなければ。

息を大きく吸って声を張る。





ダイヤ「今です、千歌さん!!」
千歌「モンスターハンター!」
181 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:28:39.39 ID:B4FQqSgx
千歌「まかせて!!!ダイヤさん!!」

その言葉を言い終わる前に、千歌は盾の内側から飛び出す

大火炎を放った火竜は首を振り、硬直していた。火炎を放ち、焼けた喉の部位の再生を待っているのだろう

千歌「これでも……くらえっ!!!!!!!」

ポケットから取り出した、光り輝く球体をリオレウスの眼前に向けて投げつける。


閃光玉。強烈な光を浴びせて、対象の視界を奪う道具だ。
千歌「モンスターハンター!」
182 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:31:08.33 ID:B4FQqSgx
閃光玉を使用する際には幾つかリスクが存在する。

まず、そもそもの話、眼前にぶつけなければ、目つぶしにはならない。視界に入れられなければ雷光虫を利用した強烈な光源もただの光に過ぎない。

それに、激しい光はハンターの視界をも遮ってしまう。背を向ければ光を回避できるが、それは即ちモンスターにも背を向ける事となり大変危険だ。

さらに、視界を奪われたモンスターは、大きく暴れる事もある。目が見えない状態で荒れ狂った獣の近くに居ることは間違いなく死を意味する。

しかし、今、この扱いの難しい閃光玉を使う条件は整っていた。



リオレウスは炎を出したことにより硬直している。火炎で狙っていた地に向け、頭を大きく落としている。

ガンナーの三人は、予め距離を取っており閃光玉の範囲内に居ない。そして前衛の二人もダイヤの盾の後ろに隠れられる範囲内に在る。

即ち、今が好機!



千歌「いっけえええええええええ!!!」



炸裂した閃光玉から、辺り一帯を染め上げるほどの光が迸る。

空の王者。時には太陽とも同一視される気高き竜の目の前に一つの輝きが炸裂した!!!
千歌「モンスターハンター!」
183 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:33:34.37 ID:B4FQqSgx
「ガァァァァァ……!!!!!!」



呻き声をあげて、火竜は地へと落ちていく。視力を失い、地鳴りを響かせて地へと叩きつけられた。


ダイヤ「全員、総攻撃です!!!!!」


果南「地に落としちゃえば……こっちのもんだもんね!!」

槍の一刺し、剣の一振りが頭部に集中する。火竜最大の弱点、最も衝撃に弱い部位に斬撃を集中させる


善子「そこで……倒れてなさい!!!」

予め横に回った善子はスコープを覗き、地面に投げ出した脚に狙いをつける。的確に、弾を放ちダメージを蓄積させていく。

リオレウス程の大型モンスターにもなると自らの体重を支える為に足にかなりの負担が掛かっている。足を狙撃していれば、簡単に立ち上がることは出来ない。

梨子「はぁっ……!!!」

大空を見上げた梨子は再度上空へ矢を放つ。前衛を巻き込まない翼へと狙いを定め、矢を空へ。

大きな放物線を描き、加速しきった弾丸が上空で分裂し、空の王者の翼を文字通りもぎ取っていく!!!




さらに、上空にはもうひとつの影。

千歌「これでおわりだあああああああああああ!!!!!!!!」


最後の一撃、飛び上がった千歌の獲物のよる鋭い一撃は、全生命の弱点である頭蓋を正確に捉えた!!!
千歌「モンスターハンター!」
184 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:39:38.75 ID:B4FQqSgx
千歌「はぁっ……はぁっ……!」


「…………………ガ………ッ………!」


果南「やった……!?」

梨子「いや……まだ、みたい」

梨子の言葉通り、攻撃を中断して離れたハンターの面々の前で、火竜はゆっくりと立ち上がった


「グォォ………ガァッ……!!!」


鞠莉「流石に…しぶといわね……」

善子「でも、もうこいつボロボロよ、翼も使い物にならなさそうだし」

ダイヤ「……気を付けなさい、言ったでしょう?手負いの獣が一番恐ろしいですわ」

千歌は火竜を見つめたままポケットを弄り、もう一度の閃光玉を取り出す。ルビィ達が材料を大量に調達してくれていたおかげで、十分な余裕が有る

千歌「ここはもう一回閃光玉を……」



投げようとした……その時、ぐらり、と千歌達の足元が揺らぐ
千歌「モンスターハンター!」
185 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:42:32.15 ID:B4FQqSgx
千歌「わわっ!……何この揺れ!?」

果南「……みんな、揺れに気を取られず前に集中して、いつ襲ってくるかわからないから」

ダイヤ「これは……地震……ですかね?」

善子「いや…にしてはこの揺れは……近すぎる……というか、どんどん近づいて来てるわ!?」






次の瞬間火竜の立っている大地を、あたりを包み込むほどの巨大な影が覆った

みるみるうちにその影は大きくなり、地割れの如き轟音と共に火竜の体を叩き潰した

“それ”は上空からその巨体を現した。しかし、この怪物に翼は無かった

その巨体は、火竜より遥かに大きい。
ぬらぬらとした黒光りする緑色の鱗を隆起した筋肉で作られた体に纏っていた。

胴体まで裂けたかの様な巨大な口。したたり落ちる唾液は強酸性なのだろう、地面に転がっているボウガンの弾が、いとも簡単に酸で溶けだしていた。


一言で形容するなら”悪魔”だった。


その在り方の異様さ、そして生命としての強靭さは、たった一度の跳躍で押し潰された火竜の姿を見れば、ありありと伝わっていた。
千歌「モンスターハンター!」
186 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:43:26.99 ID:B4FQqSgx
梨子「火竜を潰してくれてラッキー……とは言ってられる場合では、なさそうね」

果南「……あれは…!」

千歌「……果南ちゃん?知ってるの…?」




果南「凶暴竜、イビルジョー。別名を健啖の悪魔。獲物は……生きるもの全て」





梨子「あれは相手にしちゃダメな類のヤツよ…!」

千歌「でも、もうこんなに目の前まで来られたら…逃げられないよ!」

善子「私が遠巻きに散弾を撃つから、その隙に逃げなさい!散弾なら狙い付けなくても逃げながら当てられる!」

果南「いや、そんなものじゃアイツはたぶんビクともしない。ヤワな攻撃なら、するだけ無駄だよ」

善子「だったら…どうすればいいのよ!」






果南「……………私達が、ここに残って相手する」
千歌「モンスターハンター!」
187 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:44:50.58 ID:B4FQqSgx
梨子「へ……?」

千歌「私達……って?」

ダイヤ「私と鞠莉さん、ですわ。そうでしょう、果南さん?」

果南「うん、本当は私一人でなんとか出来ればいいんだけど…流石にちょっとキツいから盾と後衛は一人欲しいかな」

鞠莉「非常時にはね、私達が殿を務めるって決めてたの。みんなには内緒だったけどね」

果南「リオレウスが私達に襲い掛かるのは、私達が縄張りに立ち入る“侵入者”だから、追い立てるの」

果南「でも、イビルジョーは違う。私達の事はただの小さな生き物で“食物”なんだよ。このままだと、みんな食べられちゃう」

千歌「でも…!いくら二人が強くても、危険な事は変わりないよ!そんなことしたら、果南ちゃんとダイヤさんが!」


果南「もうこれしか方法が無いんだよ!!」

千歌「…………ッ!」
千歌「モンスターハンター!」
188 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:48:08.47 ID:B4FQqSgx
千歌「かな…ん…ちゃん…?」

果南「いい?三人は帰って、今の状況と場所を残ってる三人に伝えて」

鞠莉「私にも、こいつをどうすればいいか分からない。でも、あなた達みんなで考えれば道が開けるかもしれない。もし、絶対に敵わないと判断したのなら、逃げるだけでも構わない」

鞠莉「とにかく、自分達で考えて、自分達で未来を決めるの。そうすれば、例え後悔しても前に進めるから」

千歌「……鞠莉ちゃん」




鞠莉「だからとにかく逃げて、ちかっち。そして生きるの。生きれば、未来があるはずだから」
千歌「モンスターハンター!」
189 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:49:00.11 ID:B4FQqSgx
善子「……行くわよ、千歌、梨子。ここに立っているだけで、状況は悪化していく一方だわ」

梨子「……ええ、そうね。でも……」


不意に森の中に爆音が響き渡った。鈍く、不快な音だった。


「ガァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

こちらを観察するように凝視していたイビルジョーが突如、吠えた

頭を大きく持ち上げ、己の存在を遠くまで知らしめる強大な咆哮だった。


果南「何時までも睨み合っていてくれない、か」

千歌「……果南ちゃん!」

果南「千歌!早く行きな!」





千歌「絶対、絶対助けに来るから!」ダッ
千歌「モンスターハンター!」
190 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:49:38.46 ID:B4FQqSgx
果南「……全く、往生際が悪いんだから」

ダイヤ「それはお互い様でしょう?この期に及んでこんな怪物と戦おうとしてるんですから」

果南「……まあね。でも、死ぬつもりで残ってくれた訳じゃないよね?」

鞠莉「もちろんデース!ま、こんな大物と相対するとは思わなかったけどね」

ダイヤ「あの島にはやることは山の様にあるんですから……ここで倒れてなんかいられないですわ」

果南「そうだね……それじゃあ」

ダイヤ「……ええ」





果南「行くよ!ダイヤ!鞠莉!」

ダイヤ「私が指示します!お二人はそれに合わせて!」

鞠莉「OK!背中は任せて!」
千歌「モンスターハンター!」
191 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:50:36.06 ID:B4FQqSgx
「グオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

凶暴竜の突進が三人へと襲い掛かる。体を横にして、辺り一面を薙ぎ払う様にタックルを繰り出す。


ダイヤ「ハァッ!!」


ダイヤは盾を前に出し、正面から構える。そこに、金属製の盾にイビルジョーの太く、奇形の様に肥大化した尻尾が盾を掠める。
その衝撃だけでダイヤは遠くへと投げ飛ばされる程大きく仰け反った。


ダイヤ「ッ…!……図体通りの威力という訳ですね…」


イビルジョーの一撃で、ダイヤの盾は歪んだ。

多くの大型モンスターの攻撃をものともしなかった盾を、凶暴竜の一撃はいとも簡単に変形せしめた。


果南「よっと……危なかった…!」

果南はタックルの瞬間、地に転がり、イビルジョーの脚の下の隙間をすり抜ける
千歌「モンスターハンター!」
192 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:51:37.19 ID:B4FQqSgx
果南「ダイヤ…!大丈夫!?」

ダイヤ「だ…いじょう…ぶですわ……でも、あまり受け続けていると、盾が握れなくなるかもしれません」

果南「……分かった。なるべく私が引き付けて回避するようにする」

鞠莉「私も出来るだけ頭を撃って援護するわ!!」

ダイヤ「……了解です」






「グルルル………」


凶暴竜が再度こちらに狙いを付ける。その目は獲物を狙う野生の獣の目だった。

再度三人は、自分の背丈を優に超える巨大な生物に向けて臆することなく武器を構える。



「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」



大地の主、イビルジョーは吠えた。

その地を震わせる爆音こそが、この大自然における“狩り”の新たなる狼煙だった。
千歌「モンスターハンター!」
193 :名無しで叶える物語(えびふりゃー)[]:2020/03/25(水) 20:52:08.94 ID:B4FQqSgx
今日はここまで、明日は更新できません


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。