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名無しで叶える物語(しうまい)
名無しで叶える物語(しうまい)
穂乃果「旅の仲間?」

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穂乃果「旅の仲間?」
18 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 00:29:20.80 ID:fmsZlKbP
-穂乃果の家-

シュンッ

おばあちゃん「ふふ…ははは!」

希「うまくやったつもり?」

おばあちゃん「なっ…、希、いたなら脅かさないでおくれよ。」

希「おどかしたのはおばあちゃんの方やん。村のみんな…特に穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりちゃんは、びっくりしてたよ。」

おばあちゃん「ハハハ、そうだろうさ。希だってできないような魔法だからね。」

希「まあ、ね…でも、その指輪は危険なんよ。言ったやろ?それをあんなおふざけで使っちゃダメやん。」

おばあちゃん「ごめんて。ちょっとしたおふざけじゃよ。一瞬のことだし、大丈夫だろう。」

希「もう……、それで、穂乃果ちゃんにはきちんと話してあるの?」

おばあちゃん「うーん、まあ、軽く言ってはあるわい。まあ伝わってなくともあの子には海未ちゃんもことりちゃんもいるんだし、なんとかなるだろう。希もいるしね。」

希「それはそうだけど…うちだって万能じゃないんよ。わかってるやろ?」

おばあちゃん「それはもちろん。灰色ののぞみんだもんねえ….」

おばあちゃん「……まあ、そんなことはいいんだよ。それでも希のことは頼りにしてる。たとえ魔法がなかったとしても、希が頼りになることは変わらないからね。」

希「もう、またそうやって調子のいいこと言って。」

おばあちゃん「調子のいいのはあんたの受け売りさね。…っと、そんなことを話している場合じゃないよ。穂乃果が来ても困るし、私は今すぐにでもここをでなくては」

希「…本当に行くんやね。」

おばあちゃん「そうとも。私には長い休暇が必要なんだ…ここはうるさくてね、穂乃果もいるし、凛も近いし。静かなところでこの本を書き上げたいんだよ」

希「わかったよ…それで、」

希「例の指輪はどうするの?」
穂乃果「旅の仲間?」
19 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 00:30:24.17 ID:fmsZlKbP
おばあちゃん「ーーーっ、」

おばあちゃん「…もちろん、穂乃果に置いていくよ。私が持っていても仕方ないだろう。」

希「うんうん。絶対それがいいよ。どこに置いたん?」

おばあちゃん「そこの暖炉の上さね。」

希「ふむ…」

おばあちゃん「いや……、ちょっとまって。」

希「…?」

おばあちゃん「指輪は…まだ、わたしのポケットの中じゃ。」ゴソ…

希「そっかそっか。それじゃあ暖炉の上に置いていきなよ。」

おばあちゃん「………」

希「おばあちゃん…?」

おばあちゃん「………」

希「おばあちゃん…」

おばあちゃん「……、すまぬ。あげるとなったら、少し惜しくなってきたんじゃ。」

おばあちゃん「…しかし……わたしが見つけた指輪じゃ。わたしが見つけた……それをどうして、あの子に譲らなきゃいけない?」

希「おばあちゃん…!」

おばあちゃん「そうじゃ、これは私の…私だけの指輪じゃ。」

おばあちゃん「これはわたしの……愛しいひと……」

希「ーーーっ、それをそう呼んでいたのは、あなたじゃないはず。」
穂乃果「旅の仲間?」
20 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 00:33:06.93 ID:fmsZlKbP
おばあちゃん「…もちろん、穂乃果に置いていくよ。私が持っていても仕方ないだろう。」

希「うんうん。絶対それがいいよ。どこに置いたん?」

おばあちゃん「そこの暖炉の上さね。」

希「ふむ…」

おばあちゃん「いや……、ちょっとまって。」

希「…?」

おばあちゃん「指輪は…まだ、わたしのポケットの中じゃ。」ゴソ…

希「そっかそっか。それじゃあ暖炉の上に置いていきなよ。」

おばあちゃん「………」

希「おばあちゃん…?」

おばあちゃん「………」

希「おばあちゃん…」

おばあちゃん「……、すまぬ。あげるとなったら、急に惜しくなってきたんじゃ。」

おばあちゃん「…しかし……わたしが見つけた指輪じゃ。わたしが見つけた……それをどうして、あの子に譲らなきゃいけない?」

希「おばあちゃん…!」

おばあちゃん「そうじゃ、これは私の…私だけの指輪じゃ。」

おばあちゃん「これはわたしの……愛しいひと……」

希「ーーーっ、それをそう呼んでいたのは、あなたじゃないはず。」

おばあちゃん「そんなことはわかってる!それがどうして、私がこの指輪をそう呼んじゃいけないことになるのじゃ。」

おばあちゃん「そうだ…希、おまえきっと、穂乃果に譲らせるようにして、こっそり自分がもらっていってしまうつもりなんだろう!この大切な指輪を!」

希「…っ、」
穂乃果「旅の仲間?」
21 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 00:33:44.29 ID:fmsZlKbP
希「……おばあちゃん、その指輪を長く持ちすぎたようやね。」

希「それに、うちをズルイ魔法使いみたいに言って。」フル…

キラキラキラキラッ

希「Zurui-Zurui-ZuruiKotoHa」

希「Sichadamemanoyo-KoraKora!!」

ズズゥゥゥゥゥン…ッ

おばあちゃん「ひっ……」

おばあちゃん(部屋が…急に、影、が…うごいて)

おばあちゃん(…っ、希が怒っている。こんな怒ってる希は、はじめて見た…)

おばあちゃん「ひぃぃ…やめとくれ!わかった、わかったよ!あんたの言う通りだ!」

希「……、わかってくれて、ありがとうな。」

シュウウウウウ

希「ごめんなあ。うちもこんなことはしたくなかったんよ……ただ、あなたを救いたくて。」

おばあちゃん「……、わかっとるよ。」

おばあちゃん「…それじゃあ、わしはそろそろいくよ。穂乃果のこと、よろしく頼んだよ。」

スクッ

希「……、まって…おばあちゃん。まだ指輪は、あなたのポケットの中よ。」

おばあちゃん「ーーッ、ああ、そうだった。そうだったねえ…歳を取ると、忘れっぽくて困るねえ…」ゴソ…

おばあちゃん「………っ、」スッ

おばあちゃん「……っ、う……う……」ス…

コトッ
穂乃果「旅の仲間?」
22 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 00:34:02.56 ID:fmsZlKbP
おばあちゃん「……はーーーーーー。」

おばあちゃん「はあ。なんだか体が軽くなったような気がするね。」

希「それはよかった!」

おばあちゃん「それじゃあね。希。いつかまた機会があれば、あんたとまた、龍の秘宝でも探す旅にでたいよ」

希「ふふ…懐かしいね。きっとまた。」

おばあちゃん「それじゃあね。」

希「うん…またね。道中は気をつけて。」

おばあちゃん「ハハハ。まだまだ私は若いからね!よーし、新たな旅に出発だ。」

希「いってらっしゃい!」
穂乃果「旅の仲間?」
23 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 00:39:02.88 ID:fmsZlKbP
>>19 >>20
なんかコピペミスったわノリで読んで
穂乃果「旅の仲間?」
24 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 00:59:20.36 ID:fmsZlKbP
ーーー
ーー

ガチャッ

穂乃果「おばあちゃん!!!」

穂乃果「………っ、」

希「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…希ちゃん。行っちゃったんだね…おばあちゃん…」

穂乃果「あははっ…前々から旅に出る〜とか、休暇がほしい〜とか、言ってたけど…まさかこのタイミングで、なんて。お見送りくらいさせてくれたらいいのに。」

希「あの人は、そういう人やからね。」

穂乃果「ふふふ、まったくだよ。もー。おばあちゃんがいなくなったら…この家は私一人で。家のこととか全然わかんないのに…」

穂乃果「…はー。もう!希ちゃんは、おばあちゃんとも昔馴染みでしょ?穂乃果のこと、よろしく頼んだよ!」

希「あははっ、穂乃果ちゃんらしいなあ。言っとくけどうち、そんなに頼りにならないよ?」

穂乃果「希ちゃんは、例え魔法が使えなくたって頼りになるよ…って、なんだろうこの指輪。おちてる。」ヒョイッ

希「あーー」

穂乃果「?」

希「穂乃果ちゃん、海未ちゃんとことりちゃんは?」
穂乃果「旅の仲間?」
25 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 00:59:54.09 ID:fmsZlKbP
穂乃果「パーティーの混乱を収めてるところだと思うよ。」

希「他に今、誰かこの辺りにいるかな?」

穂乃果「みんなパーティー会場だと思うけど」

希「そっか…そっか。ねえ穂乃果ちゃん、その指輪はね、もしかしたらすっごく危険で、貴重なものかもしれないんだ。」

穂乃果「…、希ちゃん…?」

希「だから…、絶対誰にも見つかっちゃいけない。海未ちゃんにもことりちゃんにも…絶対に。隠しておける?」

穂乃果「……、わかったよ。なんだかよくわからないけど、希ちゃんが真剣なのなんてすっっごく珍しいから、それだけすごいものなんだね。」

希「あはは…まあ、言う通りや。頼んだよ。うちは少し…調べることがあるから。またすぐここを訪ねるね」ガチャ

穂乃果「えっ、もう言っちゃうの?」

希「ふふ…穂乃果ちゃん。魔法使いが旅立つのに、早いも遅いもないんよ。必ずちょうどいい時期にでて、丁度いい頃合いに戻ってくる。」

希「きっと…すぐに戻ってくる。予想が当たってなければいいんやけど…少し、まっとってなあ。」タタッ

穂乃果「希ちゃん…!!」ガチャッ

穂乃果「…、もういない。」

穂乃果「まったく…おばあちゃんも希ちゃんも、自由すぎるよ。」

穂乃果「これじゃあ穂乃果のことなんて言えないじゃん…」

ガチャッ
穂乃果「旅の仲間?」
26 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 01:00:27.26 ID:fmsZlKbP
ことうみ「穂乃果(ちゃん)!!!」

海未「はあっはあ、…おばあさまは…?」

ことり「希ちゃんも…」

穂乃果「あはは…2人とも、行っちゃったみたい。」

穂乃果「希ちゃんは、すぐ戻ってくるみたいだけど。」

ことり「穂乃果ちゃん…」

海未「…っ、大丈夫です!穂乃果には、私もことりもいますから。」

ことり「そうだよ!穂乃果ちゃん!きっと大丈夫!!」

穂乃果「ふふ、ありがとう。2人とも。」

海未「穂乃果……」

穂乃果「あーあ、まったく、自由なおばあさんと魔法使いのせいですっかり酔いがさめちゃった。もっともっと酔いたいのに〜…」

穂乃果「…ってなわけで、それじゃあ2人とも、いこっか…!」

海未「…、いくとは、どこに…?」

穂乃果「あははっ、そんなのもちろんーー」


ーーパーティの二次会だよっ!!
穂乃果「旅の仲間?」
29 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 01:42:56.83 ID:fmsZlKbP
>>28
このスレ見てたわ
久々指輪物語見たら書きたくなってな
穂乃果「旅の仲間?」
32 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:08:29.93 ID:fmsZlKbP
-数日後-

ドンドンドンドンドン!!!!

穂乃果「あーもーうるさぁあい!!穂乃果は留守だよ!もういないよ!」

ドンドンドンドンドン!!!!

穂乃果「くっ…もう、せっかくの夜食タイムに!でない!もー絶対でないからねーだ!」

希「魔法使いのお友達でも?」

穂乃果「…っ!!希ちゃん?!」

ガチャッ

希「やっほー♪1週間ぶりやね!」

穂乃果「ごめぇん希ちゃん!もー村の人たちがね!おばあちゃんのことで朝も夜もひっきりなしに訪ねてくるから!またかと思って!」

希「別にいいんよ。こうしてあけてくれたんだし!それより話したいことがあるんよ、入って入って…」


…ガチャン。

穂乃果「どうしたの?急ぎ?」

希「そう、そう。急ぎなんよ。穂乃果ちゃん、こないだ話した指輪、ちゃんと隠してる?」

穂乃果「もちろん!ちゃーんと封筒に入れて、いつもポケットの中に……ほら。」

スッ

希「ごめん穂乃果ちゃん、ちょっと借りるよ」スッ

ポイっ

穂乃果「?!!?!なんで暖炉の火の中に?!大事なものなんじゃないの?!」
穂乃果「旅の仲間?」
33 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:09:16.15 ID:fmsZlKbP
希「大丈夫…大丈夫。ちょっとまって…………」

穂乃果「……?」

希「……よし、穂乃果ちゃん、手だして、」

スクッ

穂乃果「え、え、穂乃果の手に乗せるの?」

希「大丈夫…熱くはないよ」

コト…

穂乃果「…、ほんとだ。」

希「穂乃果ちゃん、何か指輪に見える?」

穂乃果「や、なにも………、」

穂乃果「…….…ん、まって。」

希「……?」

穂乃果「何か…文字が浮かび上がってきた。エルフ語かな?読めないや…希ちゃん読める?」

希「それはエルフ語じゃないよ。」

穂乃果「え、じゃあどこの言葉だろう…」

希「……、穂乃果ちゃんは知ってるよね?レズドールって…全ての悪の根源って言われていた場所のこと。」

穂乃果「うーん、なんだか前に海未ちゃんに聞いたような…大昔、力で無理矢理この世界を支配しようとした国のことだよね?」

希「簡単に言うとそんな感じやね。そこに浮かび上がったのはそこの言葉。読んだらいけない文字なんよ。」

希「……でも、この国の言葉に訳して読むことはできる。」
穂乃果「旅の仲間?」
34 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:10:23.87 ID:fmsZlKbP
穂乃果「なんで書いてあるのっ?」

希「待ってね、そこに浮かび上がってるのは一部だから…全てを訳した文章が、昔の書物に残ってたから。今から読むね、」


三つの指輪は、空の下なるエルフの王に
七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に
九つは、死すべき運命(さだめ)の人の子に

一つは、暗き御座の冥王のため、
影横たわるレズドールの国に

一つの指輪は、すべてを統べ、
一つの指輪は、すべてを見つけ、
一つの指輪は、すべてを捕らえて、
くらやみのなかにつなぎとめる

影横たわるレズドールの国に


希「…と、まあこんな感じやね」

穂乃果「???」

希「さっぱりわからないという顔やね。まあここまでは予想通り。それじゃあ窓の外で聞き耳をたててる誰かさんに、穂乃果ちゃんへの通訳をお願いしようかな、」

希「…ね。海未ちゃん、ことりちゃん?」

ことうみ「「っ!」」ビクッ

ガチャ

ことり「あはは…ばれてたんだ。というか、海未ちゃんも聞いてたんだね」

海未「私も希にバレていることよりも、ことりがいたことの方に驚きました…」
穂乃果「旅の仲間?」
35 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:11:11.14 ID:fmsZlKbP
希「というか、なんで2人揃ってこんな時間に穂乃果ちゃんちの周りにはりついてるんよ…」

ことり「何か…何故だかわからないんだけど、胸騒ぎがして」

海未「私もです。何故でしょうね…」

希「あはは、流石は幼馴染みやね…魔法よりもすごい胸騒ぎや。それで…三人とも。」

三人「?」

希「穂乃果ちゃんはこの運命に抗えないとして…でも2人はまだ、選ぶことができる。」

希「ここから先の話を聞いたら、ただではすまないよ?何が起こるか…ひょっとしたら死ぬことになるかもしれない。ここには2度と戻ってこれないかもしれない。」

希「その覚悟はある?穂乃果ちゃんと、運命を共にする覚悟ーー」

「あるよ!!!」「ありますっ!!!」

希「ふふ、そう言ってくれると思った。」

希「まあでも、今のは少し脅しすぎ…かな。でもまぁもしかしたらそういうこともあるかもしれない…から、一応ね。」

穂乃果「と、というか私はそれを受け入れる以外の道ないの〜?!」

希「ごめんね。こればかりはうちにもどうしようもないんよ…でもうちも、できる限りのことはするから。」

穂乃果「う、ん……そっか。まあ、希ちゃんが助けてくれて、2人が一緒なら……」
穂乃果「旅の仲間?」
36 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:11:47.48 ID:fmsZlKbP
穂乃果(希ちゃんは、2人に判断を委ねていたけど…きっと希ちゃんだって、この運命を外れることはできたはずなんだ。私以外は。)

穂乃果(みんな、私のために、同じ運命を選んでくれようとしてるんだ。本当は他の道だって選べたはずなのに。私のために……)

穂乃果「………」

穂乃果(それなら………それなら、わたしは)

穂乃果「……わかった。私も覚悟を決めたよ!」

海未「それで、私達は何をどうすれば良いのですか?」

希「結論だけ先に言えば、穂乃果ちゃんが持っている指輪をある場所まで届けて欲しいんよ。」

穂乃果「これを?」スッ

ことり「わあ、きれいな指輪!」

穂乃果「えへへ、綺麗だよね〜!大きいから、指には合わなそうだけど…」スス…

希「…!!!?!はめたらダメや!!!」

三人「っ!」ビクッ

希「……っ、ごめん、ごめん。そういえば言い忘れてたっけ…抜けてるなあうち…や、抜けてるじゃすまないなあ。」

穂乃果「希ちゃん…?」

希「穂乃果ちゃん。その指輪、一度でもはめたことある?」
穂乃果「旅の仲間?」
37 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:12:16.78 ID:fmsZlKbP
穂乃果「ないよ!はめようとしたのは今が初めてかも…だってこれ、大きいし。」

希「……、はーーー……よかった……」

海未「この指輪は、そんなにはめたらまずいものなのですか?」

希「そうなんよ。そう、この指輪がなんなのか…知らないままで、こんな理不尽な使命は押し付けられない。」

希「少し長い話になるけど、聞いてくれる?」
穂乃果「旅の仲間?」
38 :名無しで叶える物語(しうまい)[]:2020/03/15(日) 06:13:08.67 ID:fmsZlKbP
ーーー
ーー

今からずっと昔、邪悪の塊と言ってもいいくらい…世界を悪で満たそうとしてる者がいたんよ。
名前は綺羅ツバサ。

彼女は彼女のもつ邪悪な力で指輪を作って、それを各種族に配ったんや。


海未「先ほど浮かび上がったという文字の話ですか?」


そうそう。流石は海未ちゃん。
3つをエルフに、7つをドワーフに、9つを人間に配ったんやね。
もらった各種族の王たちはそれはそれは喜んだらしい。
美しい魔法の指輪。そりゃあもらったら誰だって嬉しいよね。

ーーーでも、それは罠だった。

新たな指輪が一つ、作られたんよ。
さっき出てきた文字の話にあった、一つの指輪。レズドールの指輪。

その指輪は強力で、配った指輪を意のままにできる指輪だったんや。


ことり「もらった指輪をつけてる人は、それで操られちゃうの?」


まあ簡単に言うとそんな感じやね。
指輪の魔力に溺れてしまうんよ…
結局、指輪の力で綺羅ツバサはどんどん勢力を広げていった。世界を全て支配するのも、目前ってくらいまで…

でもね、それに抗って戦った人たちもいた。
エルフと人間の連合軍が、レズドールまで攻め込んだんよ。


海未「聞いたことがあります。一度世界が終わったと言われる、大きな戦争…」
穂乃果「旅の仲間?」
39 :名無しで叶える物語(しうまい)[sage]:2020/03/15(日) 06:14:33.39 ID:fmsZlKbP
そうそう。その戦争のこと…そこで綺羅ツバサは、人間に手を切り落とされて、指輪を失い…破れたんや。

穂乃果「すごーい!やるなあ人間!」

ふふ。でもね、人間はこの世で一番強欲な生きもの…

今度はその指輪を自分のものにして、世界を自分が動かそうと考えた。
自分の正義に従ってね。

海未「すごいですね、ホビットでは考えられません…自分が指輪にのまれてしまいそうで。」

ホビットは謙虚やからねえ…
でも海未ちゃんの言う通り。人間はすぐに指輪にのまれ、奪い合い…その果てに、

綺羅ツバサを倒した人間は、川の中で殺されたんや。

ことり「物騒な話で怖いなあ…」

穂乃果「ほんとだよ……」

海未「…?ちょっとまってください。もしかして、この指輪って。」

希「そうそう、穂乃果ちゃんが持っているその指輪は、まさに綺羅ツバサが最後につくった…一つの指輪。」

三人「…っ?!?!!!」

希「まあうちも今さっき火に投げ入れた時点でそれを確信したんやけどね。」

ことり「ま、まって!なんでその指輪がここに?!」

海未「そうですよ!ツバサを倒した人間は、指輪を持ったまま川の中で殺されたのでしょう?!何故それがここに!」

希「やっぱりその話もしないとやね…でもどうやら、時間があまりないみたい。手短に話すね。」

希(うちの勘が、急がないとヤバイと告げてる…)


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