- 歩夢「大切なあなたへ」
91 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:48:30.64 ID:sNx74/rX - 第6章
せつ菜「明日はライブ本番です!今日は早めに全員帰宅しましょう!」 あの一件から2週間が過ぎ、ライブを明日に控えていた あれ以降歩夢ちゃんとはまったくと言っていいほど話せていない さすがに前日ということで同好会に顔を出したのだけれど そこに歩夢ちゃんの姿はなかった…
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92 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:49:10.69 ID:sNx74/rX - エマ「結局最後まで歩夢ちゃん来れなかったね…」
しずく「エントリー自体は取り消してないし…心配ですよね」 かすみ「かすみん的にはライバルが1人減ってラッキーですけどねっ」 璃奈「そんなこと言いながら今日は歩夢先輩来るかなぁ?って毎日言ってたよね、かすみちゃん。璃奈ちゃんボード『にやにや』」 かすみ「ちょっとりな子!余計なこと言わないでよぉ!」
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93 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:50:07.40 ID:sNx74/rX - 果林「さすがに2週間ブランクがあったら本番は厳しいわよね…」
彼方「彼方ちゃんもさすがに心配でうかうか昼寝もしてられないよー…」 愛「家庭の事情って言ってたけどよっぽど重い事情が…」 本当は私のせいで来れなくなっちゃったんだって言わなきゃ… みんなが不安な状態のままライブを迎えちゃう… 辞める前くらい誰にも迷惑をかけないで辞めていかないと… でも今言ったら余計にみんなを混乱させちゃうかな…どうすれば…
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94 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:51:17.79 ID:sNx74/rX - せつ菜「大丈夫ですよ!歩夢さんのことですからきっと忙しくても合間に練習をしています!」
!! かすみ「そ、そうですよね!先輩が頑張っていける子だから〜って言ってつれてきたのが歩夢先輩でしたし!」 せつ菜「そうですよ!歩夢さんなら大丈夫です!」 愛「それもそうだね!歩夢を心配してて私たちのパフォーマンスが落ちたら歩夢だって嫌な思いしちゃうしね!」 みんなは強いなぁ…ずっと一緒にいた私ですらそんな風に思えないのに… 今の私にはそんな風に思う資格すらないんだけどね…
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95 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:54:16.08 ID:sNx74/rX - せつ菜「じゃあ明日に向けて早めに帰りましょう!」
あなた「戸締りとか片付けはやっておくからみんな先に帰って大丈夫だよ」 しずく「そんな、さすがに先輩に任せるわけには…」 かすみ「そうですぅ、練習したのはかすみんたちですしぃ」 あなた「ううん、これくらいさせてよ。みんなは明日に備えて少しでも早く帰って体を休めてほしいな」 璃奈「でも1人じゃ時間かかっちゃうし、危ないかもだし…璃奈ちゃんボード『ハラハラ』」 せつ菜「そうですよ!みんなでやればすぐに終わるんですから!」
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96 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:54:50.98 ID:sNx74/rX - あなた「こんな時くらいいいカッコさせてよ、明日は応援するしかできないんだから」
かすみ「せんぱいはかすみんたちのリーダーなんですから、いつだってカッコいいからこんな時くらいじゃないですよぉ!」 あなた「リーダーならなおさら!今日はみんな私に全部任せて帰ること。その分明日は最高のパフォーマンスにしてね」 せつ菜「でもっ…」
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97 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:55:30.54 ID:sNx74/rX - 果林「せつ菜、ここはこの子の心遣いを大切にしましょう」
果林「ありがとうね、この子のためにも今日は早く帰って明日最高のパフォーマンスをしましょう」 エマ「そうだね、今日はお言葉に甘えちゃおうか」 彼方「ほらほら〜みんな帰った帰った〜」 あなた「みんなお疲れ様、気をつけて帰ってね!」 ガラガラッバタン
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98 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:56:15.41 ID:sNx74/rX - あなた「さて、片付けと戸締りしよっかな」
これが私がやる同好会での最後の仕事 最後くらいみんなの負担を減らせるようにカッコつけられたかな 私には何もできないから。
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99 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:57:59.51 ID:sNx74/rX - あなた「最後だと思うと少し寂しいな…」
初めはスクールアイドルへの一途な憧れだった 憧れだけ…のはずだった… だんだんと憧れは欲望に代わって私に嫉妬と無力感を抱かせた それが原因で大切な人の心も離れてしまって 私は何がやりたかったんだろう ガラガラガチャッ あなた「これでよしっと」 後は鍵を返して最後の仕事は終わり これが最後… 全部終わったら歩夢ちゃんとお話できるかな… ?「あのっ!」 !?
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100 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:58:52.03 ID:sNx74/rX - !?
馴染み深いのに…なんだか酷く懐かしく感じる声が聞こえた… あなた「歩夢…ちゃん…?」 歩夢「久しぶり…だね」 あなた「どうしてここに歩夢ちゃんが…?」
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101 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 20:59:42.65 ID:sNx74/rX - 歩夢「1つだけ今日…今言わなきゃいけないことがあったから」
あなた「どうして今なの…?教室で話しかけようとしてもすぐに離れて行っちゃって…私のことが嫌いになっちゃったんだよね…?」 歩夢「ううん、そんなことない、でも今は何も聞かないで、これだけ聞いてほしいの」 あなた「…?」 歩夢「明日…私のステージをちゃんと見て」
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102 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 21:00:15.19 ID:sNx74/rX - あなた「もちろんみんなのステージを見るつもりだけど…最後になるかもしれないし」
歩夢「…!!」 あなた「あっ…」 まだ言うつもりじゃなかったのに歩夢ちゃんがいた驚きと懐かしさで口を滑らせてしまった
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103 :名無しで叶える物語(庭)[]:2019/11/23(土) 21:00:48.62 ID:sNx74/rX - 歩夢「…」フルフル
歩夢「…今はこれだけ。私のステージを見て。また明日っ!」 タッタッタッタッ これを言うためだけに私が出てくるのを見計らってたのかな…? 明日のステージを見てって… 練習もしてないだろうし、私が作った詞も中途半端なのに… 何をするうもりなんだろう… …………
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