- 理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter1
46 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:00:38.25 ID:cTyYfwfX - カシュ カシュ
月「チッ弾切れか..リロードがめんどくさいな..」 月はスポーツバッグの中に無造作に手を突っ込むと代わりのマガジンを取り出して、サブマシンガンの弾倉を取り換えた 聖良(まずはあのサブマシンガンをなんとかしないと..まともにヤりあったら蜂の巣にされてジ・エンドです!) 月「隠れてないで..ササっとあの世に行ってちょうだい!!」
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47 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:01:11.39 ID:cTyYfwfX - パララララララララララララララ
サブマシンガンから射出された銃弾が暴風雨のごとくプランターを蜂の巣にしてゆく 聖良「くっ!」 月「そこ!!」 聖良はプランターの陰から飛び出して八百屋の中に飛び込んだ パラララララという銃声の後に聖良のいた場所に銃弾が雨あられと降り注いだが幸運にも銃弾が命中することはなかった
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48 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:01:48.63 ID:cTyYfwfX - 八百屋の親父「な、なんだお前は..!!ウチを巻き込むんじゃない!!」
聖良「ちょっと雨宿りさせてください!!弾が止んだらすぐに出て行きますから!!」 逃げ込んだ先の八百屋の親父は聖良の事を疫病神のように睨み 慌てたように店から出て行くように怒鳴りつけた 月「袋の鼠だよ!!」 月は店の前から身を乗り出すと、サブマシンガンの銃口が店の中目がけて火を噴いた パラララララ 聖良「くっ!!」 聖良は身をかがめるとレジのカウンターの陰に素早く逃げ込んだ
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50 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:02:27.44 ID:cTyYfwfX - 八百屋の親父「うわああ!!ウチの売り物が!!やめてくれぇ!!」
銃弾に粉々に打ち砕かれたレタスやキャベツが店内に散乱し、積み上げられた段ボールの中から大きなカボチャがゴロゴロと聖良の足もとに転がってきた 聖良「これでも食らいなさい!!」 月「!!」 聖良は月目がけて勢いよくカボチャを投げつけた サブマシンガンがパラララという軽快な音を立ててカボチャを粉砕し、粉々に砕け散ったカボチャが月の視界を一瞬塞いだ 月「うわ!!」 月はわずかに動揺し、サブマシンガン乱射の手を緩めた
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51 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:03:19.64 ID:cTyYfwfX - 聖良「はあああ!!」
聖良はその一瞬の隙を捕らえて月の眼前に肉薄した 月「ッ!!」 月は眼前の聖良にサブマシンガンの銃口を向けるが.. 聖良「遅い!!」 月「え?うわ!!」 聖良に腕を掴まれると一本背負いを決められ、商店街の宙を月が弧を描いて舞った 月「グ!!」 ドシンという音の後、アーケードの上に体を叩きつけられた月はうめき声を上げる サブマシンガンがカラカラと音を立ててアーケードを滑って行った
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52 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:04:01.14 ID:cTyYfwfX - 月「!!」
月は慌ててサブマシンガンを拾おうとするが.. 聖良「お探しのモノはこれですか?」 月「くそ!!」 聖良にサブマシンガンを拾い上げられてしまった 聖良「勝負ありです..大人しく投降してください..」 聖良はサブマシンガンの銃口を月に突きつけて降伏するように促した
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53 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:04:48.77 ID:cTyYfwfX - 月(クソッ!!ここまでか..いや..待てよ? 確か..)
聖良「どうしたのです?腕を後ろに回して組んで、床にひざまずいてください」 月「イ〜ヤ..まだだよ..どうやら運命の神はどうやら僕の味方みたいだ」 月はニヤリと笑みを浮かべるとポケットの中からナイフを取り出した 聖良「!!」 聖良は慌てて銃口を月の腕に向けてサブマシンガンの引き金を引いた..が
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54 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:05:35.01 ID:cTyYfwfX - カチン
聖良「え!?」 弾切れの金属音が虚しくその場に鳴り響いた 月「こういうことさ!!弾を込めないとそのサブマシンガンはただの鉄クズなんだよ!!」 聖良「クッ!」 月はダガーナイフで聖良の体を切りつけた 聖良はダンスを踊るようにステップを踏んでナイフの斬撃を回避する
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55 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:06:19.67 ID:cTyYfwfX - 月「しつこいんだよ!!さっさと死ね!!」
頭に血が上った月は聖良を抹殺せんと斬撃を次々と繰り出した 聖良「クッ!うわ!!」 斬撃を次々とよけるが、バランスを崩しついに.. 月「もらった!!」 隙を見せた聖良目がけて月はナイフを刺突した
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56 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:07:05.36 ID:cTyYfwfX - ガキッ!!という固い金属の音が鳴り響く
月「な!!」 聖良「どうやらこの鉄くず..まだ使い道があったようですね..」 弾倉の空になったサブマシンガンの銃身でナイフの刺突と受け止めて聖良は獰猛な笑みを浮かべた 聖良「セイッ!!」 聖良はサブマシンガンを振り上げると月の頭部目がけて思い切り振り下ろした ガギッ!!という音がして月の頭部に激痛が走る
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57 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:07:53.83 ID:cTyYfwfX - 月「ガッ!」
視界にチカチカと星が舞うのを感じて、激痛が走る頭部を抑えて聖良は後ろに飛び退いた 聖良「そこ!!」 月「来るな!!」 追撃をくわえんと迫りくる聖良にナイフを突きつけ威嚇し、月は距離を取った 月(クソッ!なんて強さだ..ここまで強いとは..手傷を負った状態であの女相手に接近戦を仕掛けるのは不利だ..こうなったら..)
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58 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:08:32.68 ID:cTyYfwfX - 月「おいお前ら!!ボサッと見てないでソイツを捕まえるのを手伝え!!」
月は商店街の隅で遠巻きに2人のことを見ていた男たちに声を掛けた 男「あ..」 男「....」 男たちは気まずそうな顔をすると床に顔を伏せた 月「僕の命令は小原家や黒澤家の命令と同じと思え!!僕に従わないとお前ら全員皆殺しだぞ!!」 男「クソッ!」 男「やるしかない..かかれ!!」 聖良「な!!」
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59 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:09:18.63 ID:cTyYfwfX - 男「暴れるんじゃない!!」
男「アンタに恨みはないが..ここで死んでくれ!!」 沼津の住民たちが聖良を羽交い絞めにして身動きが取れないようにした 月「ふう..よくやく追い詰めたよ..まったく..あんまり手こずらせないでもっとスマートに死んでくれよ..これじゃあなんだかこっちが格好つかないじゃないか」 ナイフを握りしめた月が..息を切らしながらも勝ち誇ったような目で聖良を見据えた
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61 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:10:05.94 ID:cTyYfwfX - 聖良「なぜです..なぜ私を殺そうとするのです!?私とあなたは初対面のはずでしょう!?」
月「別に恨みなんてものはないよ..そうだね..何も知らずに死んでいくのも不憫だしね..ここまで手こずらせてくれた聖良さんだし..冥土の土産に教えてあげるよ」 月「僕に聖良さんを殺すように命令したのは黒澤家さ」 聖良「黒澤..黒澤ダイヤの差し金ですか?なぜ黒澤家が私を殺そうとするのです?」 月「国木田と津島のバカが理亞ちゃんを呼び寄せちゃったからさ..ルビィちゃんを食べて人肉に味を占めたのか..外部のモノを呼び寄せるなんて..バカめ」 聖良「ルビィさんを食べ..え?」 月「何ハトが豆鉄砲食らったような顔してるのさ..さっき警察署でも話したじゃん..ルビィちゃんは鬼に八つ裂きにされて食べられちゃったんだよって」
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62 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:11:46.53 ID:cTyYfwfX - 聖良「...」
聖良は月が言っていることの意味は分かっていたが..頭がソレを飲み込むことを拒否していた 月「内浦にはね..?人肉を好んで食べると言うイカレタ風習があるんだよ..ルビィちゃんはその生贄に選ばれて少し前にみんなに食べられちゃったんだ♪」 月「本当は20歳になってから殺して食べるはずだったのに..イレギュラーな事態が起こって、急遽殺して食べたんだって..」 月「はあ..曜ちゃんも水臭いな..呼んでくれればいいのに..僕もその場に立ち会いたかったよ..信じていたみんなに拷問されて泣き叫ぶルビィちゃん..かわいかっただろうね..」 月はうっとりと恍惚な笑みを浮かべた 月「おすそわけで曜ちゃんがルビィちゃんの肉を持ってきてくれたんだけどさ..」
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63 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:12:32.44 ID:cTyYfwfX - 月「〜〜〜〜〜」
月は目をギュッと瞑り..そして.. 月「これがとってもおいしいんだよ!!僕が食べたのは肝臓!!いわゆるレバーって奴だね!!」 月「バラバラに切り刻まれたルビィちゃんのレバーが僕の舌の上で..優しく融けていくんだ..はあ..あれは極上だったな..」 聖良「ク..狂ってる!!あなたたち全員狂ってます!!」 月「あはは!そんなことはどうでもいいのさ..おいしいモノが食べられれば僕はそれでね!!」 月「内浦で第2の生贄祭が開催される..今度の生贄は理亞ちゃんだ!!」 聖良「理亞!!」
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64 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:13:26.12 ID:cTyYfwfX - 月「僕が聖良さんを狙ったのは..もしも2人が別行動を取るようなことがあったら..聖良さんの方を始末するようにっていう命令を受けていたからさ!!」
月「用があるのは理亞ちゃんで..聖良さんは邪魔なだけだからねぇ・・」 聖良「そんな...それじゃあ理亞は..」 月「今頃内浦で黒澤家の手に堕ちた頃じゃないかな? 聖良さんも理亞ちゃんと一緒に行けば最後の晩餐くらいは食べられただろうに..」 聖良「くっ!」 月「おっとぉ!!動かないでね?聖良さんが抵抗すればするほど理亞ちゃんが苦しむことになるよ?」 聖良(理亞!)
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65 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:14:19.37 ID:cTyYfwfX - 住民「動くなよ..」
住民「悪く思うな..」 男たちは、月に掴みかかろうとする聖良を身動きが取れないよう拘束する力を強めた 聖良「なぜあなたたちはあんな女の命令に従うのです!?私があなたたちに何をしたというのですか!」 住民「....」 住民はバツが悪そうに顔を下に向けて、聖良の問いかけには応えなかった
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66 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:15:06.06 ID:cTyYfwfX - 月「無駄さ..この町は黒澤家と小原家の支配下..警察や行政だってこの二つの家を恐れてる..」
聖良「なぜあなたは黒澤家の命令に従うの?」 月「聖良さんって頭良さそうにみえるのに案外バカなんだね..」 月は聖良を小ばかにするように、けらけらと笑い出した 月「長いモノには巻かれろって教わらなかった?黒澤家の配下になれば色々と厚遇してもらえるんでね..」 月「それに..黒澤家に従っていれば..横暴な振る舞いも..殺しだって正当化されるから..これが理由かな!」
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67 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:15:55.69 ID:cTyYfwfX - 聖良「あら..もっと大物かと思っていましたのに..意外と小物だったんですね」
月「なんだと?」 聖良「かかってきなさい..返り討ちにして差し上げますよ」 月「...この状況が分からないの?聖良さんはもう打つ手なしなんだよ?」 聖良「ええ..確かにこの状況..多勢に無勢なうえ..私は両腕をがっしりとホールドされてしまって身動きを取ることができない..いわゆる絶体絶命って奴ですね」 聖良「それでも..あなたごときを葬り去ること自体..朝飯前だと言っているんですよ」 月「へえ..君結構むかつくね..決めたよ..聖良さんは楽には殺さない..ルビィちゃんみたいに肉を少しずつ..少しずつそぎ取って行って地獄の苦しみの中で殺してあげるよ・・」 月はダガーナイフを右手に握りしめると、聖良の肉をそぎ落とすためにジリ..ジリ..と一歩ずつ歩み寄り距離を詰めはじめた
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68 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:16:46.90 ID:cTyYfwfX - 聖良「ところで..殺す前に一つだけ聞いておきたいことがあるのですが..人肉って..そんなにおいしいものなんですか?」
月「お!聖良さんも人肉に興味があるの? とってもおいしいよ!人肉それ自体もおいしいけど..やっぱりスパイスが大事だと思うんだ!」 聖良「スパイス..ですか?」 月「そう!たとえば自分の好みの人を見つけてその人と仲良しになるんだ..」 月「それでね..獲物のことをスキになればなるほど..殺して食べるときに美味しく感じるものなんだよ」 聖良「仲良しになってからその人を食べる..いい趣味をしていますね」
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69 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:17:29.39 ID:cTyYfwfX - 月「フフッ そうだ!聖良さん僕と友達になってよ!これから聖良さんを食べてあげるからさ!」
聖良「ええ、いいですよ?それじゃあ私と月さんは今から友達ですね♪」 月「おお!いいの!?やったあ! 聖良さんもムチムチしていて..けっこう美味しそうだよね..ルビィちゃんのように泣き叫んで..おいしくなって..ね!!」 月はそう言うとナイフを振り上げて、聖良の腕目がけて振り下ろした ブシュー!!という噴水のごとく血しぶきが吹き上がる音が鳴り響く.. その直後にギャアア!!という苦悶の悲鳴が響き渡った
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70 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:18:17.91 ID:cTyYfwfX - 月「な!!」
聖良「もぐもぐ..ベッ..ダメですね..ザコの人肉では全然おいしくありません..」 聖良は唾を吐き捨てるように、地面に咀嚼した何かを吐き捨てた 月「お前..まさか!」 聖良が地面に吐き捨てたモノ..それは聖良を羽交い絞めにしていた住民の親指だった
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71 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:19:02.85 ID:cTyYfwfX - 住民「イタイ〜〜!!」
聖良に親指を噛み千切られた男は噛み千切られた指の断面を抑えて地面にうずくまった 聖良は指を噛み千切ることで羽交い絞めから脱出し、聖良に突き刺さるはずだったダガーナイフはもう一人の男の左腕に深々と突き刺さった 住民「痛えよ〜〜!!!痛え〜〜!!」 聖良「....」 聖良は申し訳なさそうな顔を作ると.. 男「ギャア!!」 男の首筋に手刀を叩きこんで意識を奪い去った
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73 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:19:51.08 ID:cTyYfwfX - 月「な...」
聖良「ふふ..人を殺せるのが自分だけだと思ったら大間違いですよ? あなたたちがルビィさんを狙っていたように..私もあなたたちを狙っていたんです♪」 月「お前ら何をしてる!!そいつを捕まえろ!!」 月は残りの住民たちに聖良を捕らえるように命令するが.. 聖良「遅い..」 聖良は猛禽類のような目で、獲物を狩るハゲタカのごとく、住民たちの首筋に手刀を叩きこんでいった 月「な..武器も使わずに男を5人も瞬殺しただって..」
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74 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:20:31.72 ID:cTyYfwfX - 月の目の前には男たちが大の字になって伸びていた
聖良は両手をパンパンと叩いて 聖良「ふう..いい運動になりましたね..」 何事もなかったかのように言い放った 聖良「私今まであまり友達と遊んだことがないんです..あなたは..私の友達になってくれるんですよね?」 月「.....」 幽鬼のような聖良の表情に月は背筋が凍りつくような気がした 聖良「さあ、遊びましょう..最初の生贄はアナタですよ..月さん♪」
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75 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:21:21.91 ID:cTyYfwfX - 月「くっ!」
月はポケットからナイフをもう一本取り出して、聖良と相対した 聖良「ふふ..」 聖良は妖気な笑みを浮かべるとナイフを地面に投げ捨てた 月「どういうつもりさ..武器を捨てるなんて」 聖良「年下相手に武器を使うのも大人げないですしね..ハンデです♪素手でヤッてあげますよ」 月「舐めるな!!」 月はダガーナイフを握りしめると聖良に向けて突進し‥聖良の腹目がけてダガーナイフを勢いよく突き出した
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76 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:22:08.50 ID:cTyYfwfX - 聖良「ッ..」
月のナイフは寸分狂わず聖良の腹部に突き刺さった 月「な..!」 月は驚愕し両目を大きく見開く..聖良の腹部に突き刺さったナイフは、聖良の肉を貫くことはなく壁にぶつかったかのようにその場で止まってしまった 聖良「ナイフごときで私を殺そうなどと..舐めているのはそちらなのではないですか?」 月(ナイフが..刺さらない!? コイツ..筋肉の隆起でナイフを受け止めたというのか!!)
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77 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:22:45.73 ID:cTyYfwfX - 聖良「スクールアイドルはね..伊達じゃないんです..よ!!」
聖良は月の体を抱きよせて..2人は恋人のようにキスをする距離まで顔を接近させる 月「う...あ...」 聖良「あなた可愛い顔してますね..とてもおいしそうです..」 聖良は子供のようなあどけない笑みを浮かべると.. 月「!!!!!!」 月の首筋に嚙みついた
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78 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:23:30.66 ID:cTyYfwfX - 月「〜〜〜〜〜!!」
苦悶の表情を浮かべて、必死に聖良から逃れようと抵抗を試みる月.. 聖良は獲物を捕らえて体液を啜り取る昆虫のごとく月をがっしりと拘束し、逃げられないようにした 月「やめ..やめてええええ〜〜!!」 聖良「はは!ボーイッシュな雰囲気をしているのに..なかなか女の子らしい声で鳴けるんじゃないですか! あなたの言っていた意味がわかりました..これが..スキな人を食べるっていうことなんですね!! きっとあなたは美味しいんでしょうね!!」 月「イヤだ..死にたくない!!死ぬのはイヤだよ!!」
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79 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:24:10.36 ID:cTyYfwfX - 聖良「このまま首を噛み千切ってあげますよ..たまには食べられる側に回ってみるのもいいんじゃないですか?」
月「ひっ!」 食べられる恐怖に相対した月は、恐怖で涙をポロポロと流し始めた 聖良「ほら!!もっと..もっと泣いてくださいよ!!」 月「もうやめてください..許して..許してください..」
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80 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:24:57.61 ID:cTyYfwfX - 聖良「あなたたちが殺して食べたルビィさんは..慈悲を乞わなかったのですか?」
月「僕はルビィちゃんを処刑した場に居合わせなかった!僕に罪はない!!」 聖良「でもあなたはルビィさんの肉を食べたのでしょう?だったら同罪です..このまま噛み殺して差し上げますよ」 月「ヤダ..イヤだ〜〜〜!!!食べられるのはイヤァァァァァァ〜〜!!」 聖良「イタダキマス」 聖良が口を大きく開けて、自分にかぶり付いてくるのを見た月は.. 月「...」 意識を手放してその場に倒れてしまった
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81 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:25:37.17 ID:cTyYfwfX - 聖良「冗談ですよ..あなたたちと一緒にしないでください..穢らわしい..」
聖良は意識を失った月を無造作にその場に置き捨てた 聖良「.......う!!」 敵を全員倒して脅威が取り払われたことで、聖良にまともな感覚が戻ってきた.. 先ほど食いちぎった指の感触を思いだし猛烈な吐き気が込み上げてくる.. 聖良「う...ごほっ!ごほっ!」 聖良(脱出するために仕方がなかった..とはいえ..私は人間の指を噛み千切ったのですね..あなたは..どうしてあんなものを好んで食べることができるのです?同じ人間の沙汰とは思えませんよ..)
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82 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:26:19.21 ID:cTyYfwfX - 聖良はナイフが突き刺さった場所をちらりと一瞥して、洋服の生地の裂かれた場所に手を挿しこみ服の中からロケットを取り出した
聖良(理亞..あなたに守ってもらったわね..) パカッという音を立ててロケットの中から理亞の写真が飛び出した 聖良は目を閉じて理亞の写真に優しく口づけをした 気絶して地面に倒れている月を嫌悪の視線で一瞥すると..聖良はこの後どうするかに思いを巡らせた 聖良「さて..この女このまま放置しておくわけにも行きませんね..かといって殺してしまうのはさすがに..どうしましょうか」
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83 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:27:03.82 ID:cTyYfwfX - ??「月ちゃん!!」
聖良「!! この声は..」 聖良が声のした方を振り向くと、怒りに顔を歪ませた曜が商店街のアーケードに立っていた そして..曜の手には刃渡り40センチほどの鉈が握られていた 聖良「曜さん..ですね」 曜「月ちゃんを殺したの!?」 聖良「降りかかった火の粉を払っただけです..それに殺してはいな..」 曜「月ちゃんの仇!!」 怒りで頭に血が上った曜は鉈を振りかざして聖良に切りかかってきた
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84 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:28:02.63 ID:cTyYfwfX - 聖良「クッ!」
聖良はサイドステップで鉈をすんでのところで回避する.. 空を切った鉈は商店街の観葉植物の枝を真っ二つに切り裂いた 曜「このぉ!!」 曜は追撃の手を止めることなく聖良の脳天を叩き割らんと鉈を振り下ろした 聖良「うわ!!」 聖良は手に持っていたサブマシンガンの銃身で鉈の刃を防ぐが.. 聖良「あう!」 重量のある鉈を完全に防ぎきることはできず、聖良はサブマシンガンを床に落としてしまった 鉄の塊がアーケードの上を滑るように転がってゆく
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- 理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter1
85 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:28:40.60 ID:cTyYfwfX - 聖良(さすがにあのサイズの鉈をまともに受けたらただではすみませんね..それにあまり人を巻き込みたくありません..ここは逃げるが勝ちですね!!)
聖良は曜に背を向けると沼津港に向けて走り出した 曜「待て!!」 曜は聖良を真っ二つにすべく、鉈を大きく振りかざして聖良を追いかけた
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86 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:29:21.77 ID:cTyYfwfX - 聖良「はっ!はっ!はっ!はっ!」
曜「待て〜〜!!絶対に許さない..バラバラに切り刻んでやる!!」 聖良(くっ!マズイですね..少しずつですが間を詰められています..あんな大きな鉈を持っているのに私に追いついてくるとはどんな脚力をしているんですか!!) 曜「やあ!!」 聖良「くっ!」 曜が鉈を一振りすると刃物が空を切り裂くブンッという音が鳴り響く.. 聖良の背中を鉈の先端がわずかに掠めた
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- 理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter1
87 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:30:13.51 ID:cTyYfwfX - 聖良「この!」
曜「うっ!」 聖良は立ち止まり、体を反転させると曜目がけてカウンターパンチをお見舞いする 曜はすんでのところで鉈の側面でガードした 聖良「チッ!」 曜を殴れなかったことに軽く舌打ちして、聖良は再び走り出した 曜「逃がすかーー!!!」 聖良(もう少しです..!あそこまで逃げ切ることができれば...よし!見えてきた!千本松公園ですあそこに逃げ込みましょう!!.) 聖良の視界に松が無数に生い茂る千本松公園が写る.. 聖良は追いかけてくる曜をダッシュで振り切ると千本松公園の中に飛び込んだ
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- 理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter1
88 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:31:05.75 ID:cTyYfwfX - 千本松公園
曜「出てきなよ!!隠れたって無駄だよ!!」 曜は肩で息をしながら怒鳴り声を上げた 聖良(出てこいと言われてノコノコ出て行くほど私はお人好しじゃないんですよ..) 聖良は松の木の陰に身を隠して離れた場所から曜の様子を伺っていた
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- 理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter1
89 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:31:41.98 ID:cTyYfwfX - 曜「クソッ!よくも月ちゃんを!」
曜は癇癪を爆発させるように松の木を鉈の柄でガンガンと叩いた 聖良(この公園は広いですからね..木々の間を縫うように移動して曜さんをうまく巻きましょう..) 聖良が曜から距離を取ろうと松の木を5本ほど移動した時.. それは起こった
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90 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:32:25.11 ID:cTyYfwfX - prrr prrr prrr
聖良(な!!) 運悪くこのタイミングで聖良の携帯電話が鳴り出した 曜「ソコだね!!」 携帯電話の着信を聞きつけた曜は、聖良のいる場所目がけて襲い掛かってきた 聖良「なんでこんなタイミングで!?」 曜「やあ!!」 聖良「うわ!!」 着信の相手を確かめる暇もなく、聖良は鉈を振りかざして切り付けてくる曜の相手で精いっぱいだった
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91 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:33:03.65 ID:cTyYfwfX - 曜「よくも..よくも月ちゃんを!!」
ブオン!! ブオン!! という空を切り裂く音を立てて、2度..3度と曜を叩きつけてきた 聖良「グッ!!」 聖良がしゃがみ込んで鉈を回避すると、鉈は聖良の真後ろの松を横一文字に切り裂いた 聖良「ハアッ!!」 聖良は足のばねを使って思い切り飛び跳ね、曜のアゴ目がけてアッパーを繰り出した
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92 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:33:40.74 ID:cTyYfwfX - 曜「くっ!!」
曜は後ろに飛び跳ね、聖良の拳を回避するも背中を松の木に打ち付けてうめき声を上げた 聖良「もらった!!」 聖良の正拳突きが曜の頬を捕らえた 曜「クッ!」 曜は聖良の拳を鉈でガードしようとするも間に合わず.. 曜「アウッ!」 聖良の拳が曜の頬に突き刺さった
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93 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:34:25.72 ID:cTyYfwfX - 聖良「グッ!」
聖良も鉈の刃で手の甲を切り裂かれてしまい、聖良の手から血が数滴ボタボタと滴り落ち、松の木の根を紅く汚していった 曜「もらった!!」 曜が悶絶する聖良の背中に飛びつき、母におんぶをせがむ子供のごとく聖良の背中にしがみついた 曜の手には鉈が相変わらず握られており、鉈の刃が聖良の首筋を切り裂くべく迫ってきた 聖良「ぐううう!!」 聖良は右手で鉈を持つ曜の手首を.. 左手で鉈の柄を掴み、鉈が首筋を切り裂かないように必死の抵抗を試みた
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94 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:35:01.14 ID:cTyYfwfX - 柄の刃の部分が聖良の親指の付け根に食い込み灼熱の激痛が走る
刃が食い込んだ箇所からボタボタと血が滴り落ちてゆく 曜「死ね..月ちゃんの仇だ!!」 聖良「あ〜もう!!痛いですね!!離れてください!!」 曜「え?」 聖良は背負い投げの要領で曜を地面に叩きつけた ドカッ!!という音が千本松公園に鳴り響く
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96 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:35:41.53 ID:cTyYfwfX - 曜「ガッ!!」
地面に叩きつけられた曜は痛みと衝撃で目の前がチカチカするのを感じた 聖良「ハアアアッ!!」 その隙を聖良が逃すはずもなく、聖良は思い切りジャンプをすると曜の顔面目がけて 跳び蹴りを解き放った 曜「グウウ!!」 曜は辛くも体を捻り顔面は回避するも 聖良の足が曜の右肩に命中し鉈を地面に取り落した
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97 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:36:18.17 ID:cTyYfwfX - 曜「クッ!」
肩の激痛にうめき声を上げた曜の首筋に..冷たい鉄の感触を感じた 聖良「勝負ありです..あなたの負けです」 曜「あ...」 鉈を拾い上げた聖良が曜の首筋に鉈を突き当てた 曜「くやしい..月ちゃん..ごめん..仇は討てなかったよ..」
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98 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:37:00.41 ID:cTyYfwfX - 聖良「あなた何か勘違いをしていませんか?私は月さんを殺していませんよ」
曜「え?」 聖良「月さんは気絶しているだけです..放っておけばそのうち目を覚ましますよ..」 曜「なんだ..そうだったのか..よかった私の早とりちで..」 曜はほっとしたように胸を撫で下ろした 聖良「それで..どうしてあなたは鉈なんて持っているんです?あなたも私を殺す気だったのですか?」
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99 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)[]:2019/04/12(金) 00:37:48.56 ID:cTyYfwfX - 曜「...負けた私に黙秘権はないよね そうだよ..私と月ちゃんは聖良さんを抹殺するために送り込まれた刺客だったんだよ」
曜「月ちゃんが僕一人で十分だって言うから..少し離れた場所から2人の戦いを見ていたんだけど..月ちゃんが死んだと思っていても経ってもいられなくなって飛び出してきたんだ」 聖良「どうして私を..ってそれは月さんに聞きましたね..それでは質問を変えます..あなたは..黒澤ルビィさんを殺して食べたのですか?」 曜「え?うん、食べたけど...?」 曜さんは..どうしてそんなことを聞くのか不思議でたまらないという目で..私の事を見つめてきました
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