- どうしてダイせいは広まらないんだ!!
88 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:26:25.15 ID:RHDvWfzu - ルビィ「うゅぅ…」ウロウロ
ガラリ ルビィ「!?」ビクッ 聖良 ヒョコ ルビィ「せ、せいらさん…!」 聖良「はい。聖良です。やはりもう着いていたんですね」 ルビィ「え、えっと…」ゥュゥュ 聖良「理亞には買い物を頼んでいましてね、戻るよりルビィさんが到着する方が早いかもしれないと聞いていたんです」 ルビィ「ゅ…」 聖良「…遠慮せず、中で待っていてください」ニコッ ルビィ「は、はい…おじゃまします…」オソルオソル 聖良 (理亞に『ルビィは私が迎えるまでインターホン鳴らせずに家の前でうろうろしてるから。絶対』と言われたときには、まさかと思ったけれどね…) ◇◇◇
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- どうしてダイせいは広まらないんだ!!
89 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:26:59.51 ID:RHDvWfzu - ◇◇◇
聖良「お茶でいいですか?」 ルビィ「あ、はいっ!おかまいなく!」アワワ 聖良「お昼は済ませてきたんですか?まだならくじら汁でもいかがですか。そんなにお腹が減っていなければお汁粉でも。うちは味自慢でやってますからね、きっとお口に合うと思いますよ」 ルビィ「や、はい、だいじょうぶです!あっだいじょうぶってゆうのはいらないですってことで、あ、ごめんなさいっ、きらいとかじゃないんですけど」ワタワタ 聖良 (この人、ここに一週間ほど泊まったよね…?朝ごはんも夜ごはんも一週間ご一緒したよね…?) ルビィ アワワ…アワワワワ… 聖良 (それにライブ中とは随分違うのね。元々緊張しいってことなんだろうけれど) 聖良「粗茶ですが」コト… ルビィ「あ、ありありあり…ありがとうございます…」 聖良 スッ ルビィ「…………!?」 ルビィ (聖良さんが、おむかいに座った…!)
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90 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:28:10.68 ID:RHDvWfzu - ルビィ (どう、どう、どう──どうして!?お店は!?なんでおむかいに座るの!?お店は!?)
聖良「三月とは言え、函館はまだまだ寒いでしょう。沼津はどうですか?もう暖かくなりましたか?」ズズ… ルビィ「え!?あ、あったかい日もあるのです!」 ルビィ (かんだよ!?) ガーンッ 聖良「理亞から聞いていますか?私は再来週にはここを出て、東京へ行くんです。初めての一人暮らしです」 ルビィ「え…」 ルビィ「…聞いて、ないです。そうなんですか…」 聖良「誰もが通る道なのでしょうね、いつか育った家を出て、全く新しい環境へ身を移すということは」 聖良「また戻ってくるのかもしれないし、もう戻ってくることはないのかもしれない」 聖良「戻ってきたとして、そのときには理亞がいないのかもしれない」 ルビィ「────!」
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91 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:28:47.13 ID:RHDvWfzu - 聖良「もう十八年もこの生活を続けてきたわけですから、なんというか…考えられませんね。もしかしたらこれっきり、家族全員で『暮らす』ということがないかもしれない、だなんて」
聖良「一年に何回帰ってこられるのでしょう。そのうち何回、理亞に会えるのでしょう」 聖良「これから共にする朝ごはんの回数は、これまで共にしてきた朝ごはんの回数よりも──多いのでしょうか」 ルビィ「………」 ──ダイヤ『ルビィ。今日は納豆にしますか?海苔にしますか?』 ──ダイヤ『ルビィ。お味噌汁をよそってもらえる?』 ──ダイヤ『ルビィ。早く食べちゃいなさい。一緒のバスに乗るのでしょう』 ──ダイヤ『ルビィ』 ルビィ「………っ」グッ… 聖良「なんてことを、やっぱり考えてしまうんです。ふふ、強がっているだけで、私も新生活に向けて不安はあるということなんでしょうね」 ルビィ「…なんで」 聖良「はい?」
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92 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:29:27.43 ID:RHDvWfzu - ルビィ「なんで、出ていくんですか?」
ルビィ「出ていかなかったら、少なくとも──理亞ちゃんが卒業するまでの二年間は一緒にいられるのに」 ルビィ「二年間は、まだ一緒に朝ごはんを食べられるのに──」 ルビィ「なんで」 聖良「…」 そのとき、初めてルビィさんの瞳を、こうもはっきり見た気がした。 なぜだろう、もはや『初めて見た』とすら言ってもよさそうなその瞳に、吸い寄せられて目が離せなくなってしまったのは──ああ、そうか。 ダイヤさんも、家を出ると言っていたっけ。 その先の進路が不確定な私と違って、二年後には戻ることを決めた上でのことだと言っていたけれど、その『二年後』は、ルビィさんが高校を卒業するときだ。 だから、ルビィさんのこの言葉は、きっと──
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93 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:30:30.30 ID:RHDvWfzu - 聖良「ルビィさん」
ルビィ「はい…」 聖良 スッ ルビィ「はい…?」 聖良「ハグをしましょう」キリッ ルビィ「ええ…」 ルビィ「な、なんでですか…?」 聖良「心が寂しくて仕方がないときは、同じように『寂しい』と声をあげる心と寄り添えばいい」 ルビィ「え?うん、えっと…」 聖良「あなたのお姉さんには言えない気持ちを、函館のお姉さんになら──言えませんか?」 ルビィ「──!!」 ──聖良『心が寂しくて仕方がないときは、同じように「寂しい」と声をあげる心と寄り添えばいい』 同じように、『寂しい』って。 声をあげているのは、誰の心…? 聖良「ハグ、しませんか?」 ルビィ「………………ぅ」
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94 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:31:15.45 ID:RHDvWfzu - ルビィ「うわああああああああん……っ」ガバッ
ルビィ「いやだ!いやだ!行かないでおねいちゃん!まだおうちにいて!ルビィの隣にいて!さみしいよぉ!まだおねいちゃんとスクールアイドルやりたいのに!なんで──なんで──!」 聖良「ごめんね」 聖良「一人にして、ごめんね」 聖良「あなたが歩いていく道を、誰よりも近いところで支えてあげられなくて、ごめんね──!隣にいてあげられなくて、ごめん──ごめんね──!!」 聖良 ギュウ…ッ ルビィ ギュウ…ッ ◇◇◇
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- どうしてダイせいは広まらないんだ!!
95 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:32:11.59 ID:RHDvWfzu - ◇◇◇
理亞「…」 聖良「ああっ、だめですよルビィ。水が少ないと白玉がかたくなってしまいます」 ルビィ「え〜、じゃあお水たす〜」 聖良「ああああ!そんなに入れたらべちゃべちゃでまとまらなくなってしまいますよ!」 ルビィ「え〜〜!むずかしいよ〜!」 聖良「大丈夫ですよ、一緒にやりましょう。ほら、このくらいお水を入れて」 ルビィ「こう?」 聖良「そうです!手首が浸るくらいですね。あ、お帰りなさい理亞」 ルビィ「あ、おかえり理亞ちゃん」 理亞「ルビィ、お昼ごはん食べにいかないの」 聖良「結局なにも食べませんでしたからね、行ってきてはどうですか?」 ルビィ「聖良ちゃんは?」 理亞「!?」 聖良「私はお店があるので、二人で行ってきてください」 ルビィ「やだーー、聖良ちゃん行かないならルビィも我慢するーー!」ギュー 聖良「えー?もう、仕方がありませんねえ。ぱぱっと済ませて戻ってきますよ?」 理亞「!!?」 ルビィ「わーーーいっ!」バンザーイ! 理亞「なんか色々と待ってよ!!!」 聖ルビってこういうの…?
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- どうしてダイせいは広まらないんだ!!
97 :名無しで叶える物語(茸)[sage]:2019/03/14(木) 22:35:23.05 ID:RHDvWfzu - >>86
考えてみます
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