- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
251 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:43:58.21 ID:Vm7zwC6i - ・絵里の敗北から時刻は戻って。内浦港、船上。
ピシィッ…… 海未(何が起こっているのです………ッッ!?) 海未(ドーピングが切れた…ッ?早すぎますッッ) 海未(それにこれは単にしぼんでいるというよりもっと………ッ) 真姫「…」バッ 真姫は跳ね起きると右腕を大きく振りぬいた。 ブンッ 海未「――――ッッ」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
252 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:44:38.18 ID:Vm7zwC6i - ブワアァッ
真姫「!」 ズサアァァァァァァァッッ 海未「………ッッ」 海未(合気で飛ばせましたが………) 海未(なんというスピード!!) 海未(強くなっているッッさっきよりも遥かにッッ) 真姫(面倒な人……)ムク… 海未(合気であんなに遠くまで………ッ) 海未(もし今のパンチをまともに喰らっていたら…ッッ)ゾクッ 海未「決勝以来ですよ、これ程の緊張は…」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
253 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:46:03.72 ID:Vm7zwC6i - ダァッ
海未(来た…ッッ) チュイイィィンッ 海未(肘ッッ肘には麻酔がッッ) 海未(触れられませんッッしかし今の真姫の肘を白刃取りは……ッッ) 海未(でもやるしかないッッ)パッ ガチィッ 海未「やったッッ」 フワ… 真姫(ッッまた扇風機みたいに……)グルン… ドシャァッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
254 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:46:47.54 ID:Vm7zwC6i - 真姫(……今度はたった半回転…)
真姫(余裕がなかったのかしら)ムク… キラン… 真姫「!!」 どこに隠し持っていたのか、海未の手には日本刀が握られている。 海未(悪いですね真姫……全開します……)カチャ… 海未(こっちの命が持ちません………ッッ) 海未「御免ッッ」ザッ ガチィッ 海未「!!」 海未(白刃……) 真姫「お返しよ……ッッ」ビキ…
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
255 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:47:37.78 ID:Vm7zwC6i - フワァッ
真姫「!!」 真姫の身体がまた宙に浮く。 真姫(日本刀伝いに合気……ッ!?) ドッシャァァァァッ 真姫「ッッ」 ギャリンッッ 海未(また…名刀が………ッッ) 真姫の白刃取りでヒビが入っていた刀は、落ちた衝撃でまた折れた。 真姫(チャンスッッ)ガバッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
256 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:48:35.44 ID:Vm7zwC6i - ザシュッ
真姫が海未の顔面目掛けて蹴り上げる。 海未「ッッ」バッ スカッ 真姫(のけぞって躱されたッッこの位置からッ) 真姫(でも……構わないッッ)グワンッ いつかに曜にそうされたように、真姫は海未の顔面めがけて全速でかかとを落とした。 真姫「!!!」 ザクッ…
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
257 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:49:19.19 ID:Vm7zwC6i - 海未(流石ですよ真姫…流石の骨密度です)
海未(まず間違いなく……) 海未(切断………だと思いましたよ……)ナプ… 海未は真姫のかかと落としを短刀で受け止めていた。真姫の右足首が半分ほどまで深々と斬れている。 真姫「ッッッ」クラ… ドッシャァァァッ 真姫の今夜七度目のダウン。初めてすぐには起き上がれない……。
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
258 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:49:59.92 ID:Vm7zwC6i - 真姫「…やられたわ………」
真姫「まだそんなの隠してたのなんて……」 海未「……刀というのは大小合わせて一組ですよ…」 海未「………まあ…これは脇差ではないのですがね………」フゥ… 海未「…流石にもう立てないでしょう」 海未「決着ですね」 真姫「…………」 真姫「お断りしますッッ」ズブッ 海未「!?」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
259 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:50:44.74 ID:Vm7zwC6i - 海未(傷口に指を突っ込んで何を……ッ)
ムニュ グチ グチュ 海未(見ているだけで痛いです……ッ) 真姫(あと10秒………)グチュ… 海未(………まさか…そんな…) 真姫(あと5秒………ッ)ズブ… 海未(戦闘中に手術(オペ)開始ィ――ッ!?) 海未(いけませんッッ)ダッ 真姫(ターイムリミット……♡)バッ グワシャァッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
260 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:51:21.46 ID:Vm7zwC6i - 跳び起きざまの飛び蹴りは、初めてまともに海未を捉えた。
海未「カハッッ」ダァンッ ギャリンッ 顔面を蹴られた海未が尻餅を着く。短刀もその手から離れた。 真姫(ここッッ) 真姫(ここしかないッッ)ダッ ドウンッ 海未「ッッッ」 真姫はついに最後の切り札を切った―――。
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
261 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:52:00.90 ID:Vm7zwC6i - 花陽「真姫ちゃんの一番の技……ですか?」
花陽「うーん……ハイキックとかよくしますし、あと、麻酔を仕込んである肘で、こう、斬撃?みたいなのもとっても強いんですけど、一番となると………」 凛「打震じゃないかにゃ?」 花陽「そうだっ、打震ですっ」 凛「お医者さんの勉強してる真姫ちゃんにしかできない技なんだよねー」 凛「打震はね、相手の身体の水分を利用するんだよ」 凛「人間の身体ってほとんど水でできてるんだって」 凛「だから真姫ちゃんがね…こう、手を開いて…」パー 凛「パシィッて、叩くと………」 凛「衝撃がキュートスプラーッシュして、大変なことに………」 花陽「…これで…伝わってますか?」 凛「あー!かよちん凛のこと馬鹿にしてるー!?」 花陽「そうじゃないけど……私は今でも打震の原理があんまりわかってないから…」 凛「それ言ったら凛も同じにゃー」 花陽「うう………誰か助けて…………」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
262 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:52:36.24 ID:Vm7zwC6i - プシャァッ
海未の目鼻口から血が噴き出した。 海未「〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」ガク… 真姫(決まったッッ) 海未「……ッ」ガクガク… 海未(同じです…………) 海未(あの時と同じです―――――) ――― ―― ― ・幼少時代 穂乃果「登ってみようよっ」 海未「無理ですッこんな大きな木ッ」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
263 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:53:13.66 ID:Vm7zwC6i - ガシ…
海未(……あと少しです…ッ) 海未(あと少しでてっぺん……ッ) 穂乃果「ほら、海未ちゃんっあとちょっとだよッ」 海未「わかっていますッ……」ツル… 海未「!」 ことり「あッ……」 ドシャァッ 穂乃果「あ〜〜〜ッッッ海未ちゃんが落っこちたぁッッ」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
264 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:53:51.08 ID:Vm7zwC6i - ことり「海未ちゃんッッ」
穂乃果「大丈夫ッッ!?」 海未「」ピクピク ――― ―― ― 海未(だったらイケます!!!) スクッ… 真姫「ヴェエ!?」 海未「………」ダラダラ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
265 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:54:26.23 ID:Vm7zwC6i - 真姫「も……ッ」
真姫「もうやめましょう……ッッ」 海未「………」ダラダラ 真姫「そこまでやることない…ッ」 真姫「目から血流してまで続ける闘いじゃないでしょッッ」 海未「お断りしますッッ」 真姫「〜〜〜〜〜〜ッッッ」 海未「―――――と言いたいところですが」 真姫「!」 海未「終わりにしましょうか……」ビシッ 真姫「……終わりにするって姿勢に見えないけど……」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
266 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:55:09.43 ID:Vm7zwC6i - 海未「次の攻撃で終わりです」
海未「決まっています、100%ね」 真姫「…そういう事………」 真姫(……こっちもマッキシングのピークを保ってられるのはあと30……イヤ15秒……ッッ) 真姫(次で最後ね………) 真姫(全ての筋肉を総動員して……最終最後の攻撃…ッッ)ピシピシィ……… 海未(まだ楽しませてくれるのですか………ッッ)ゾクゾク 真姫「ハッッ」ダッ 海未(真姫……貴方は……) 海未(貴方は最高ですッッ)ブンッ 真姫「!!」 パァンッ……………
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
267 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:55:58.93 ID:Vm7zwC6i - ・日が変わって、鞠莉の家。Aqoursの三年生三人が話している。
鞠莉「これで残りは二人。園田海未さんと高坂穂乃果さんね」 ダイヤ「やはり、この二人が残ってしまいましたか……」 果南「……海未さんの相手は…私がやるしかなさそうだね」 ダイヤ「おやめなさい」 鞠莉「!」 果南「…………」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「なんで?」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
268 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:56:35.08 ID:Vm7zwC6i - ダイヤ「安心して良いのですよ」
ダイヤ「貴方のことは私が守護ります」 鞠莉(言った……ッッ) 果南「…………」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「…」 果南「訴えるよ?」 ちゅどッッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
269 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:57:07.67 ID:Vm7zwC6i - 果南鞠莉「!?」
ダイヤの十八番が炸裂し―――煙が晴れたころには、ダイヤの姿はなかった。 果南「……………」 鞠莉「……………」 果南「何アレ」 鞠莉「…嫉妬ファイアー………?」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
270 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:57:57.74 ID:Vm7zwC6i - ・曜の家
曜(ポストになんか入ってる) 曜(手紙……?にしてもなんか古風だな…)ガサ… !! 曜(『果たし状』……ッッこれって………ッッ) ペラ… 海未『武友 渡辺曜殿』 海未『長きに渡るこの闘いに決着をつけたく…………』
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
271 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:58:39.87 ID:Vm7zwC6i - 曜(海未さんからッッまさかの決闘の申し出だッッ)
曜(どうしよう…ッ正直海未さんは果南ちゃんに任せたいけど……) ヒラ… 曜(なんか落ちた…挟まってたのかな……?) 曜(新聞の記事……?)ヒョイッ !! 『内浦港で意識不明の女性発見――吊り目の赤髪…………』 曜(……………ッッ) 曜(真姫ちゃん…………ッッ)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
272 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 22:59:26.29 ID:Vm7zwC6i - 曜(善子ちゃんにも伝えるか……ッいやダメだッッ)
曜(私が……終わらせれば良いこと……ッッ)フルフル… ・夜。公園。 海未(あの真姫に勝った曜……どれほどのものでしょうか) 海未(高ぶり過ぎて時間よりかなり早く来てしまいました………)ゾクゾク ザッ…… 海未「!」 海未「貴方は……」 ダイヤ「ワルいですが………遊んでもらいますよ」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
273 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:00:08.61 ID:Vm7zwC6i - 海未「黒澤流…環境利用闘法ですか………」
海未「その元締めがいったい……」 ダイヤ「夜の公園でスクールアイドル二人……………」 ダイヤ「勝負でしょう」カチャ ダイヤは日本刀を構えた。 海未「ナルホド……………」 海未「黒澤流……そもそもが漁業の網元」 海未「古来漁業とは銛で魚を刺すこと……」 海未「ならば剣で人を刺すことに精通するのも必然というワケですか……………」 ダイヤ「当たっています………」 ダイヤ「半分はですがね……」ブンッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
274 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:00:56.87 ID:Vm7zwC6i - ビュババババババ
海未(刀を投げッッ!?) 海未「くッッッ」ダッ… ズ… 海未「〜〜〜〜ッッ」 海未は躱しきれず、太ももを日本刀が深々と貫いた。 ダイヤ「漁業とは船上格闘技………」ジャリ… ダイヤ「剣だけではありません」ブンブンブンブン 海未「!!」 海未(鎖分銅………ッッ) ダイヤ「武器全般に長けます」ビュッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
275 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:01:29.70 ID:Vm7zwC6i - ぢゃっ
海未「〜〜〜〜〜〜〜〜」 高速で振り回された鎖分銅の先端が海未の左頬を叩いた。 海未「く………ッッ」 海未(鎖には鎖ッッ)ぶらん… ダイヤ(鎖鎌………ですか)ジャラ… 海未「フンッ」ビュババババ ダイヤ「……………」クルッ…… 海未「こ………こら……」ババババババ ダイヤは突如踵を返して歩き出した……。
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
276 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:02:14.04 ID:Vm7zwC6i - ダイヤ「!!?」
ダイヤ「あ………」 ダイヤ「あれ………ッッ」 ダイヤ(ジャングルジムがないッッ) ※2018年現在ジャングルジムは危険遊具として続々と撤去され公園から姿を消しつつある。 ダイヤ(そんなッッ何故!?昔この公園で………ッッ) ダイヤ(鎖鎌の対策はジャングルジムの前に立つしか考えていませんのにッッ) 海未「なんのつもりか知りませんが……敵に背を見せるなど………」ビュババババ 海未「愚の骨頂ッッ」バッ ダイヤ「くっ」ブンッ ガッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
277 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:03:51.65 ID:Vm7zwC6i - ダイヤは鎖分銅を投げ捨てて鎖に鎖を絡め、辛うじて刃から逃れた。
ジャランッ 海未「ホッ」 海未「お見事ッッ」ダッ 海未も鎌を捨て、両者手ぶらとなって海未が前に出る。 ダイヤ(相手は…園田海未…………ッッ)スッ… ちゅどッッ ダイヤ(肉体勝負(フィジカル)では とてもかないません…)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
278 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:04:37.90 ID:Vm7zwC6i - ダッ…
ダイヤ(ちょ…海未さん………) ガシッ ダイヤ(海未さんて……) グルッ ダイヤ(止まりますでしょッッ普通は………ッッ) ドシャァッ 海未は煙幕を意に介さず直進してダイヤの腕をつかむと、そのまま投げをうって頭から地面にたたきつけた。
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
279 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:05:06.38 ID:Vm7zwC6i - ダイヤ「」
海未(惜しかったですね……ダイヤ…) 海未(火薬と目くらましはことりの十八番です……) 海未(それに慣れている私でなければ……少なくとも逃げることぐらいはできたでしょう…) ボタ… 海未「ッッ」 日本刀が突き刺さっている海未の太ももから血が垂れる。 海未(曜には悪いですが、日を改めなければ…)ザッ… 海未は公園を後にした………。
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
280 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:05:42.31 ID:Vm7zwC6i - ・鞠莉の家。鞠莉と5人。
千歌「………ダイヤさんが……ッッ」 果南「……やっぱり半端じゃないね…園田海未……」 鞠莉「……そこで一つ話があるんだけど………」 鞠莉「千歌っちと梨子は、もうこの闘いから下りて」 千歌梨子「!!」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
281 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:06:18.42 ID:Vm7zwC6i - 千歌「えッ………」
鞠莉「私はダイヤと絵里さんの闘いを見てたけど、その時のダイヤの強さときたら見てて怖くなるぐらいだった」 鞠莉「そのダイヤですら海未さんには勝てない」 鞠莉「二人にとって、これからの闘いは危険すぎる」 千歌「でも…」 果南「私もそう思う」 果南「現に、千歌は一回私と組んで海未さんに負けてるしね」 千歌「……それは…」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
282 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:06:48.35 ID:Vm7zwC6i - 鞠莉「ホントはね、安全にいくなら………善子も下りて欲しいんだけど、曜の負担とかを考えると、そういうワケにもいかなくて」
善子「私はまだ戦えます、数多のリトルデーモンの屍を越えて―――」 梨子「善子ちゃん、ちょっと不謹慎よ?」ジトー 善子「わッそんなつもりじゃ」 千歌「でもッッ」 果南「でもじゃないッ」 千歌「………ッッ」 千歌「…………曜ちゃんは」 千歌「…曜ちゃんはどう思う?」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
283 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:07:18.90 ID:Vm7zwC6i - 曜「………」
千歌「曜ちゃんッッ」 曜「あ……ゴメン、何?」ニコッ 鞠莉「千歌っちと梨子にこの闘いから下りてもらおうってハナシ」 曜「あー…」 千歌「……そんなことな 曜「うん、それは私も賛成かな」 曜「アブないし……」 千歌「……………ッ」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
284 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:07:51.12 ID:Vm7zwC6i - 梨子「でも、私たちでそんなこと言ってもむこうが許してくれないんじゃ…?」
鞠莉「たぶん大丈夫。海未さんも穂乃果さんも、『敗北を知りたい』わけだから、こちらから喧嘩を売らなきゃ、おそらく果南と曜しか相手にしないハズよ」 千歌「………ッッ」ギリ… 梨子「それもそうか……」 善子「私はどうなのよッッ私はッ」 鞠莉「じゃあそういうことで、千歌っちと梨子は、今後μ'sに接触するのは禁止」 鞠莉「善子も、普段からなるべく曜と一緒にいてね」 鞠莉「果南も……気は引き締めてね」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
285 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:08:16.20 ID:Vm7zwC6i - ・帰り道
千歌「……………」 梨子「私ね」 梨子「こうなったのはもちろん残念だけど」 梨子「ここまで頑張ってこれて良かったって思ってる」 千歌「…………………」 梨子「果南さんや曜ちゃんと違って、普通の私たちがここまでよくがんばってこれたなって」 千歌「………本気で言ってる?」 千歌「それ、本気で言ってるんだったら………私、梨子ちゃんのこと」 千歌「軽蔑する」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
286 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:08:46.03 ID:Vm7zwC6i - 梨子「本気だよ」
千歌「…………………ッッ」 千歌「…………梨子ちゃんは良いよ」 千歌「絵里さん倒すのに貢献できたんだし」 梨子「ッッ!なんでそれを……」 千歌「鞠莉ちゃんから聞いた」 梨子「…そっか」フゥ 梨子(セーフ……ッあの戦いの内容については鞠莉さんにもバレてない……ハズッッ)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
287 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:09:16.69 ID:Vm7zwC6i - 千歌「私はまだなんにもしてない」
千歌「0なんだよッッ」 千歌「悔しいじゃんッッ」ダッ 梨子「千歌ちゃんッ」 梨子(………こういう時は…曜ちゃんが寄り添ってあげると良いんだけど…) 梨子(曜ちゃんは曜ちゃんでだいぶ思い詰めてたみたいだったし……) 梨子(当たり前よね…私たちが抜けるぶん曜ちゃんはこれからの負担が増えるんだから…) 梨子(……その私から無責任に元気づけるなんて………流石にできない……) 梨子(善子ちゃん経由で何か……) 梨子(って、善子ちゃんも立場は曜ちゃんと同じだったわね………) ???「梨子ちゃん」 梨子「ハイ?」クルッ !!
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
288 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:09:44.61 ID:Vm7zwC6i - ・バスの中
曜(私がもっと早く決闘に行ってれば……ダイヤさんは………) 曜(ダイヤさんだけじゃない…真姫ちゃんだって……私がもっとあの場に残ってれば……ッッ)グッ… 善子「……………」 善子(さっきからずっと曜の様子がおかしい………) 善子(ダイヤがやられたとはいっても命に別状はないって言うのに…流石に思い詰めすぎでしょ……) 曜「………………」ズーン… 善子(何か隠してるわね………)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
289 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:10:10.85 ID:Vm7zwC6i - 梨子(嘘………ッ)
穂乃果「μ'sの高坂穂乃果です」ペコ 梨子「あ、ど、どうもっAqoursの桜内梨子です」ペコリ 梨子(違うでしょッッ敵ッッ) 梨子(お辞儀なんて隙だらけなッッ) 穂乃果「もう私と海未ちゃんしか残ってないんだもんねー」 穂乃果「Aqoursのみんな、強いねっ」ニコッ 梨子「そ、そんなことないですっ」 梨子(だから違うってッッ) 穂乃果「でも………もう負けないよ」 梨子「ハ…ハイ」 梨子(動けないッッ)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
290 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:10:51.36 ID:Vm7zwC6i - 穂乃果「……海未ちゃんの強さってさ、ほんととんでもなくて」
穂乃果「いろ〜んな技を持ってるし…」 穂乃果「人間に倒すのは無理だと思うんだよねー」 梨子「ハイ………」 梨子(ハイ………じゃないッッ) 穂乃果「可能性があるなら、“内浦最強の生物”……果南ちゃんだけど……」 穂乃果「真姫ちゃんに眠らされてるようじゃあどうだろうねェ………」 穂乃果「いやぁ正直ビックリしてるよー」 梨子「ハイ………」 梨子(私は何をのうのうとこの人の話を……ッッ) 穂乃果「あ、私はどうなのかって?」 梨子「ハイ………」 梨子(〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ) 穂乃果「う〜〜〜ん」 穂乃果「海未ちゃんとは本気で戦ったことないし、戦えないけど………」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
291 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:11:22.77 ID:Vm7zwC6i - 穂乃果「……うん、やっぱり海未ちゃんとは、戦えないや」
穂乃果「海未ちゃんだけじゃない」 穂乃果「μ'sのみんなとは、私は戦えない」 穂乃果「梨子ちゃんもそうでしょ?」 穂乃果「Aqoursのみんなと本気で戦える?戦えないよねー」 梨子「ハイ………」 梨子(………………………ッ) 穂乃果「そりゃそうだよね〜…………………」ウンタラカンタラ 梨子(全く…………ッッ動けない…………ッッッ) 梨子(この人を前にして…細胞が怖じけているっていうの………ッッ!?)ガクゼン 穂乃果「じゃあね梨子ちゃん、果南ちゃんと曜ちゃんによろしくッ」 梨子「ハイ………」 穂乃果は手を振って走り去る。その背中はすぐに見えなくなった。 梨子「私は…」 梨子「ホッッとしているのね私はッッ」アセダラ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
292 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:11:50.18 ID:Vm7zwC6i - ・夜。公園。
海未(昨日よりもさらに早い時間に来てしまいました………) 海未(本来選外だったダイヤですらあの実力……曜や果南はどれほどの……)ゾクゾク ザッ……… 海未「!」 海未「貴方は……」 ルビィ「黒澤流三段―――黒澤ルビィです」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
293 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:12:30.88 ID:Vm7zwC6i - ルビィ「黒澤ダイヤ…お姉ちゃんとは同家の桜――」
ルビィ「ともにプリンを噛んだ間柄です――――」 ルビィ「今日は死んだっていい」 海未「内浦に来て初めて―――胸のサイズ的にはわたしと見合いますね」 ルビィ「ピッギィイイィィッ!!!!!」ビリビリビリ 海未「!!」 海未(聴覚を奪われたッッ!?)キーン ルビィ「………こんなもんなの」 海未「………?」 ルビィ「ウワサの死刑囚っていうのは」 ルビィ「こんなもんなのッ」ダッ
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
294 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:13:02.39 ID:Vm7zwC6i - 海未(…せっかくですが……)
海未(これ以上曜との決闘を先延ばしするわけにもいきません) 海未(ここは遊ばず……最短最速でケリをつけますッッ)シュッ ガッ ルビィ「ッッ」 ズシャァッツ ルビィ「ケハッ」 カウンターの手刀が喉に入り、ルビィは吹っ飛んで尻餅をついた。
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
295 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:13:49.13 ID:Vm7zwC6i - 海未「常軌を逸した声量による奇襲……見事でしたが」
海未「その後が良くありませんね」 ルビィ「………」 海未「真正面から突っ込んでは聴覚を奪った意味もありません」 海未「姉上のように煙幕でも使っていれば、多少なりとも結果は違っていたでしょう」 ルビィ「………」スクッ… 海未「その喉ではもうあれ程の声は出せない」 海未「今ので格闘に天地の差があることも分かったでしょう?」 ルビィ「昔から」 ルビィ「お姉ちゃんにイチバン叱られたのがルビィです………」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
296 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:14:17.55 ID:Vm7zwC6i - ルビィ「だからこそルビィがイチバン―――――」
ルビィ「お姉ちゃん思いッ」ダッ 海未「フンッ」ボッ ゴッ ルビィ「ッッ」ドッシャァァッ 今度は掌底が鳩尾に入り、ルビィは再び後ろに吹っ飛んだ。 海未「確かに出来が悪いですね」 海未「ダイヤも嘆くワケです」 ルビィ(いつだって…)ムクッ… クイ…クイ… 海未「!」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
297 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:14:46.33 ID:Vm7zwC6i - ルビィはまた立ち上がると挑発するように両手でカモンのジェスチャーをしている……。
ルビィ(いつだって…) 海未「………」ザッザッ ガコッ ルビィ「〜〜〜〜〜ッ」ドサッ 海未「………」 海未「!」 ルビィ「………」ムク… stand and fight(がんばルビィ!)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
298 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:15:22.70 ID:Vm7zwC6i - ルビィ「………………」グッ
海未(手刀、掌底、膝蹴り………) 海未(私の打撃を三度もまともに喰らって……) 海未(ファイティングポーズとは……ッッ) 海未「…………………」 海未「ルビィ」ジャラ… ルビィ「!!!」ビクッ 海未「今日は死んでもいい」ビュッ 海未「そう言いましたね………………」バババババ ルビィ(鎖鎌……ッッ!)
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
299 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:16:04.15 ID:Vm7zwC6i - ルビィ(…そんな………)ブル…
ルビィ(ルビィ……死んじゃうじゃんッッ) 海未「ルビィ」ピタッ 海未「貴方が姉上のダイヤのために決めた覚悟―――」 海未「理解(わか)らぬワケではないですが……この現実はどうです」ジャラ… ルビィ「……………ッッ」ゴクリ… 海未「家族を思いやるという人間的な感情――――」 海未「貴方の人生の途上でいつしか植え付けられた感情に比べ」ビュッ… 海未「続ければ四肢か、あるいは首を刈られて絶命するというこの現実は」 海未「あまりに原始!あまりに本能的(リアル)!」ババババババ ルビィ「ひ………」
|
- 穂乃果「敗北を知りたい」千歌「シンクロニシティ?」
300 :名無しで叶える物語(かぶらずし)[]:2018/12/07(金) 23:16:53.08 ID:Vm7zwC6i - ルビィ(どうしよう………怖いよぉ…………)
ルビィ(でも………お姉ちゃんの仇を…………)グッ… ダイヤ『もう良いですルビィ…………』 ルビィ「!!」 ルビィ「お姉ちゃんッッ!?」 海未「………?」 それは極限状態で姉を思うルビィが見た幻影か、あるいは入院中に妹を思うダイヤが飛ばした魂か―――ルビィの心の中に、ダイヤは優しく語りかける。 ダイヤ『もう良いのですルビィ………』 ダイヤ『よく頑張りましたね……』 ルビィ「お姉ちゃんッ……でもッッ!」
|