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名無しで叶える物語(庭)
今日はここまで(庭)
理想の初夢を見るためにイメトレしてそうなキャラ
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】

書き込みレス一覧

理想の初夢を見るためにイメトレしてそうなキャラ
6 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:26:18.04 ID:eLT0HTk4
ほのりん
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
108 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:29:19.63 ID:eLT0HTk4
絵里「約束を破ったと決めつけるのは……まだ、早いわ」

秋穂「………」

絵里「……秋穂、生きてるかもしれないというのは本当なの」

絵里「ラジオから穂乃果の曲が流れたの」

絵里「……あなたの音楽プレーヤーに入ってる穂乃果の曲とは違うヴァージョンよ」

秋穂「………あり得ない、穂乃果おばちゃんが最後に歌った曲はこのプレーヤーの中のもの」

秋穂「……これとヴァージョンが違うなんて事は絶対ない」

秋穂「……本当にそうだとしたら、それはいったい、いつ録音されたものだって言うの?」

絵里「血の大晦日の後よ…」

秋穂「……もういい、そんなあり得ない話聞きたくない」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
109 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:31:01.19 ID:eLT0HTk4
絵里「……穂乃果が生きていたら、今のあなたをなんて言うと思う……?」

秋穂「………」

絵里「本当に今、自分のやっている事を穂乃果に…胸を張って話せる?」

秋穂「……穂乃果おばちゃんなら、わかってくれる」

絵里「本当にそう思うの?」

絵里「誰よりも仲間思いなあの子が、仲間もろとも死のうとしているあなたに、理解を示してくれると思うの?」

絵里「あの子が生きていたら…」

秋穂「生きていたら生きていたらってうるさいよ、もうッッ!」

絵里「………」

秋穂「………生きていたら、来てくれる」

秋穂「……きっと、こんな状況なんてひっくり返して……私を助けてくれる」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
110 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:32:52.90 ID:eLT0HTk4
絵里「……きっと来てk」

秋穂「……!!」

秋穂「来てくれるわけないじゃんッ!!!」

秋穂「だって死んだんだもん!!」

絵里「……秋穂……」

秋穂「変な希望持たせないでッ!」

絵里「………」

秋穂「………」

秋穂「…………ごめんなさい」

秋穂「この絶望的な状況を打破出来るのは私じゃないんだよね……わかってる」

絵里「………(ここまで………この子を追い詰めてしまっていたのね………)」

絵里「………誰か」

絵里「……誰かラジオを待っていない!?」

「え……?」

秋穂「……絵里おばさん?」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
111 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:34:54.81 ID:eLT0HTk4
絵里「ラジオを誰か…!」

秋穂「何言ってるの絵里おばさん…?やめて!」

ザワザワッ…

秋穂「彼らは私の命令しか聞かないッ!」

男J「あの…」

絵里「!」

男J「この前ガラクタの中から拾ってきたのならあるんですけど……」

絵里「……貸して」

男J「は、はぁ…」

パシッ

絵里「………」

ピーギュルギュル…

秋穂「……何も放送なんかされてないよ」

絵里「…ッ、黙ってなさい!」

秋穂「」ビクッ
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
112 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:36:44.00 ID:eLT0HTk4
絵里「お願い穂乃果……秋穂を救ってあげて……」

ピーギュルギュル…

秋穂「……あの人は死んだ!もういいからッ!」

絵里「………」

ピーギュルギュル

絵里「……電波が届かないのね」

絵里「どこか外に通じるところはない?」

男K「え…む、向こうのスペース…外に出れる場所がありますけど…」

絵里「…ッ!」ダッ

秋穂「まっ…待って絵里おばさん!外に出たら奴らがいるかもしれない!捕まっちゃう!」

絵里「………」ダダッ

秋穂「〜〜!」

秋穂「」ダダッ
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
113 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:38:34.80 ID:eLT0HTk4
ピタッ

絵里「ここなら…!」

バッ

絵里「お願い穂乃果…!歌って…!」

絵里「穂乃果ぁぁ!」

・・・ピーギュルギュル……

絵里「………ッ」ガクッ…

秋穂「……ありがとう、絵里おばさん……でも、もういいよ」

男L「あの…」

男M「秋穂さん…」

秋穂「なに?」

男N「なんか……聞こえないですか?」

秋穂「……え?」

絵里「………!」

ジー…

秋穂「……!?」

ジー…

セカイジュウガ…

秋穂「……!」

男達「こ、これは…!」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
114 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:40:57.02 ID:eLT0HTk4
「…世界中が家路を急ぐ」

絵里「……やった、やった……」

秋穂「これは………穂乃果おばちゃんの………?」

「そんな毎日が君の周りで」

「ずっとずっと続きますように…」

絵里「……歌ってあげて、穂乃果」

「グータラ〜スーダララ〜…」

「グータラ〜スーダララ〜」

秋穂「……ッ!」

秋穂「……なに……これ」

絵里「………」

秋穂「グータラ…スーダラ…?」

秋穂「こんなフレーズ……聴いたことない……」

秋穂「……絵里……おばさん、これ……?」

絵里「…………」コクッ

秋穂「…………穂乃果おばちゃんが…………生きてる…………?」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
115 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:42:25.81 ID:eLT0HTk4




千歌「ふわぁ…」

巡査「高海巡査長!」

千歌「ん……あぁ……巡査くん、おはよう……」

巡査「いえ、ただいま昼であります!そして交代の時間であります!」

千歌「ん……もう、そんな時間かぁ……」

巡査「異常はなかったでありますか!?」

千歌「んー、無かったから寝ちゃったんだよねぇ…」

巡査「この北門検問所の警備を甘くみてはいけません!いつぞや北からテロリストが来るか…!」

千歌「あはは…来るかなぁ…」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
116 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:44:33.30 ID:eLT0HTk4
千歌「……私もさ、ここに来て2年経つけど」

千歌「向こうから人が来たのを見たことがないよ……」

巡査「北の人間は死に絶えたのでしょうか?」

千歌「……どうかな」

千歌「……素敵な所だったんだけどなぁ」

おじさん「千歌ちゃん」

千歌「あっ、おじさん!」

千歌「どうしたんですか?こんなところまで?」

おじさん「近くまで来たから、差し入れだ」

千歌「わ〜!ありがとうございます!いただきます!」

千歌「今日も誰も来なくて……何も仕事無かったんですよね〜」

おじさん「いや、なんか来たよ」

千歌「え?」


ブルルンーン…


千歌「………うそ」

千歌「初めて……来た……向こうから」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
117 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:47:15.85 ID:eLT0HTk4
千歌「あ、あの止まってください!」

女性シンガー「!」

キッ…

女性シンガー「ふぅ…」

千歌「……あ、あの」

女性シンガー「……ん?」

千歌「え、えっと……」

女性シンガー「あのさあのさ、ここって東京?」

千歌「え……あ、はい東京だす」

女性シンガー「だす?」

千歌「あっ…!す、すみません…初めてそっちから人が来て…ちょっと動揺しちゃって!」

女性シンガー「……そっか」

女性シンガー「というか……やーーーっと!東京だぁ!」

女性シンガー「1000キロだよ!?1000キロ!」

千歌「1000キロ……」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
118 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:51:31.34 ID:eLT0HTk4
おじさん「すげぇな、ホンダのスーパーカブだ…今時こんな物を乗ってるやつがいるとは」

千歌「す、スーパーカップ?」

おじさん「どこでこれを?」

女性シンガー「ん〜、拾った?」

千歌「拾ったって!」

女性シンガー「移動するために乗り物が欲しくてね」

女性シンガー「…しかしさぁ〜…」

千歌「は、はい?」

女性シンガー「ここ、あんまり東京って感じしないね……集落って感じ」

千歌「いや……全くその通りなんです……2035年に、“あいどる”はウィルスの蔓延を阻止するために、無差別に都民を放り出したんです」

女性シンガー「放り出したって…どういうこと?」

千歌「東京の周りに壁を築いて、隔離政策をとったんです」

女性シンガー「……酷い」

千歌「ここは壁の向こう側に行けない人たちのコミュニティ、本当に集落みたいな感じです…」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
119 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:52:33.96 ID:eLT0HTk4
スタスタ

女性シンガー「いや〜ごめんね、繁華街まで案内しろなんて…」

千歌「いやいや!ちょうど私も仕事終わりだったので、よかったんです!」

千歌「…………」

千歌「……あの」

女性シンガー「ん?」

千歌「どこかで……お会いしたことありますか?」

女性シンガー「えっ…?私?」

千歌「はい…どこかで」

女性シンガー「あ〜…そr」

おじさん「あれを見てみな」

女性シンガー「ふえ?」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
120 :名無しで叶える物語(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:56:30.11 ID:eLT0HTk4
女性シンガー「なんですか?あれ…畑?」

千歌「墓地です……」

女性シンガー「墓地……?」

おじさん「無断で壁の向こうに行こうとしたやつはな、みんな例外なく殺されるんだよ」

女性シンガー「……なるほどね」

千歌「ただ、この前……壁を超えて向こうに行った人がいたって……ありゃ?」

ジロッ…

コソコソ…

ダレ…ダレ…?

女性シンガー「……なんか……私、注目浴びてる?」

千歌「初めて見る人なんで、ちょっと警戒心があるみたいです……」

おじさん「初めて見るってより…ナリが悪いだろ」

女性シンガー「ナリ?」

おじさん「格好だよ…帽子被ってサングラスかけてギター背負ってるやつはそりゃあ不気味だ」

女性シンガー「そ、そうかなぁ」

おじさん「そうだ、怖い」

女性シンガー「うーむ……よし!なら挨拶だ!」

千歌「え?」
穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
121 :今日はここまで(庭)[sage]:2018/01/01(月) 23:59:38.86 ID:eLT0HTk4
女性シンガー「みなさ〜ん!!!」

「!??」

女性シンガー「私、怪しいものじゃありません!」

おじさん「……怪しいだろう」

女性シンガー「とにかく、1曲歌うので聴いてください!」

「………」

パチ…パチパチ…

女性シンガー「すー…」

女性シンガー「……日が暮れてどこからか♪」

千歌「(……あれ?)」

女性シンガー「どれだけ歩いたら 家にたどり着けるかな…」

千歌「(この曲……どこかで……)」

女性シンガー「グータラ〜ス〜ダララ〜♪」

ジャガジャガジャガジャン!

女性シンガー「どうもです!」

「い、いい……いい曲だねっ!」

女性シンガー「ありがとうございます!」

「でもちょっと臭うかな…あはは」

女性シンガー「え…?」

女性シンガー「あ、あぁ!歌詞がですか?」

「いや……身体かな……」

女性シンガー「……!?」

「あ〜…確かに…風貌的に旅人…?まぁ仕方ないけど…」

女性シンガー「〜〜///」カ~

おじさん「ワシの家で風呂貸してやろう」

女性シンガー「あ、ありがとうございます…」ズーン

千歌「……あの声……いや、あの歌声……絶対に聞いたことがある」

千歌「………どこで」

千歌「・・・」

千歌「……うわ〜ん!なんで忘れてるんだよ千歌〜!」


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