- 真姫「天使の貴方」花陽「悪魔な貴方」
228 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:11:24.86 ID:Yz4Wy0+e - ママはおやすみなさいだなんて告げてくれたけど…やっぱり私は眠りに就くことが出来なかった。
上半身だけ起こしてママの握ってくれたおにぎりをゆっくり、有り余る無常を噛み締めるように食べた後また姿勢だけ横になっていた。 だけど夜はいつもと違う場所で、いつもと同じ様に刻一刻と更けていった。
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229 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:12:17.51 ID:Yz4Wy0+e - 事情の知られない屍の様に瞳の紫を殺しながら、時計の秒針の刻む音だけが私の体に響いていた。
…彼女の瞳も、私と同じ色をしていたっけ。 カーテンも締め閉ざしていた為気付かなかったけど、窓の外はほの明るくなり始めていた。 ……
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230 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:13:37.51 ID:Yz4Wy0+e - ……(目の前の救えるはずの命を救えないだなんて…私はこの…医学の道を歩んできて正しかったのかしら…)
(医学書の内容なんてとうに暗唱出来るほど頭に入っている。それは…パパもママも…そして私もそれを望んできたから。自分で決めた道筋だから) (…花陽だって最後に…背中を押してくれた…。不甲斐ない私を最後まで肯定してくれた)
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231 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:15:56.34 ID:Yz4Wy0+e - (だけどね…私は弱いのよ…。こんなにも…。他人に躯を支えてもらわないと地の上に立つことすらままならないのよ…)
(私が支えるべきだった、救うはずだった花陽に…私はむしろ支えられて救われた…。だけどやっぱり……貴方がいないと私は…どうにも……)
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232 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:16:36.85 ID:Yz4Wy0+e - 『……−−−何より貴方に後悔のないことが私達にとって1番なんだから…』
「……ママ……」
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233 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:18:33.37 ID:Yz4Wy0+e - −−ようやく頭の中が回り出して自分なりの懺悔、自己不尊を散々脳内で繰り返した。それはある種の言い訳でもあった。
贖罪の輪廻をひときしり終えたらまた始まりに戻る。暗い室内に何も邪魔をされない私はそれをいとも簡単に受け入れ続けた。 ずっと志していた医療の道という将来。その地盤すらも私の中で揺るぎ始めていた。もう当分はとても医学書と睨めっこする気にはなれない。
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234 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:19:19.20 ID:Yz4Wy0+e - 急激に脳内を動かし始めた私は、1日ずっと眠っていないのも手伝って不意にとてつもない眠気に襲われた。
全身が脱力し切る。次第に頭の中も真っ白になり始める。外は昼間で世間は晴天に照らされているはずだけど、ずっとカーテンを締め切り外界を遮断していた私にはもう今が昼なのか夜なのかも判断出来なくなっていた。
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235 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:19:57.44 ID:Yz4Wy0+e - 睡魔が連れてくる特有の自暴自棄に促され、私は微睡む。
小さく果てしない夢中のプレリュードへ、とうとう現実を切り離した。 …… __________ _____ __
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236 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:22:01.67 ID:Yz4Wy0+e - 「…っ、あ…私……寝て……」
随分と寝ていた気がする。暗い部屋で寝て暗い部屋で起きたからどれくらい時間が経っていたかは図れないけれど。
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237 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:23:35.50 ID:Yz4Wy0+e - 身体をゆっくりと糸に引かれるように起こし上げる。ベッドの上から、右足から順に床に体を降ろす。久しぶりに立ち上がった。そんなに急激に姿勢を変えたわけじゃないのに頭はとてもクラクラする。
それは寝る直前に色々と考えを巡らせてたからっていうのもあるけど。
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238 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:25:04.77 ID:Yz4Wy0+e - ペタペタと窓際まで歩み寄る。カーテンを一気に開け切る。やっとこの部屋は光の閉鎖から解放された。
だけど外はもうすっかり夜だった。月明かりだけがほのかに景色を照らしていた。
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239 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:25:53.27 ID:Yz4Wy0+e - しかし今日1日は私が寝てる間もママが起こしに来た様な記憶もない。きっと、昨日の私の様子を知っているママが気を遣ってくれたのね。やっぱり…流石に私との接し方を知っているわ…。
それにしても、やっぱりいまいちまだ頭が働かない。起きがけだからかしら。 でもただ1つ、心中消えない蟠りがずっと……
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240 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:26:24.71 ID:Yz4Wy0+e - (……私はこれから…どうすればいいの……)
とても拭えない不安が広大な荒野に居座り続けていた。
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241 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:26:53.80 ID:Yz4Wy0+e - 私はふと、窓を開ける。びゅうと入り込む風が冷たい。でも……
(…星が…綺麗…) 夜空を見上げればこれまでにないほど満天の星空。見惚れてしまった。手を伸ばしたくなった。あの空の下へ飛び出してみたくなった。
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242 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 01:27:49.88 ID:Yz4Wy0+e - (そういえば…昔は、何か悩み事があったらあの丘に…星を見に行ってたんだっけ…)
少し昔の頃のことを思い出していた。そしてその童心を久しぶりに感じてみたくなった。私だけの天然のプラネタリウムに目を輝かせていたあの頃を。 上着だけ羽織って静かに玄関へ向かった。パパもママも寝付いているみたい。 …… __________ _____ __
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243 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[]:2017/12/19(火) 08:01:25.72 ID:Yz4Wy0+e - とりあえず保守で
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- ルビィ「ルビィは何も取り柄がないけど……でも、糞スレ立てる事だけは自慢できるんだ!」 6.1糞スレ目
359 :名無しで叶える物語(もんじゃ)[sage]:2017/12/19(火) 22:41:09.62 ID:Yz4Wy0+e - ダイヤ「みかんがまたやられたようですわね」
1.名無しで叶える物語(妹) フフフ……奴は糞スレ四天王の中でも最弱 ⌒°(`●ω●)°⌒ 「これでよしっと!」カタカタ..ッタ-ン!!
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