- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
359 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:25:07.59 ID:M56T4z/Q - ルビィ「……ありがとう善子ちゃん」
善子「……え……」 ルビィ「ルビィ、善子ちゃんに何もしてあげられなかったのに……それでも」 ルビィ「ルビィのこと、こんなに想ってくれて…ありがとう」 善子「…っ…なら一緒にいてよ!! 私に何かしてあげたいって思ってるなら…!」 善子「さよならなんて……言わないでよっ……ねえ!」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
360 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:25:45.27 ID:M56T4z/Q - 善子「ルビィ…!」
ルビィ「……大丈夫」スッ ─チュ 善子「───!」 ルビィ「大丈夫だよ……どんなに遠く離れていても…ルビィの気持ちは…心は」 ルビィ「いつでも善子ちゃんの傍にあるから……ずっと」ニコッ ルビィ「だから、安心して」トンッ
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
361 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:26:29.44 ID:M56T4z/Q - 善子「! そんなっ……! 待って! 待ってよ!!」スゥー
ルビィ「……バイバイ善子ちゃん、ルビィは本当に…幸せだったよ!」ポロポロ 善子「─!! ……何よそれ……ズルいわよ……」 善子「そんな……そんなの…卑怯よ……!」 善子「だって…だって!! 本当は……私もっ……!」 善子「……幸せに…………」フッ ルビィ「…………」 ルビィ「…ありがとう」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
362 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:27:15.87 ID:M56T4z/Q - ───
── ─ 「…………」 善子「………ん……」パチ 「!!?」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
363 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:27:54.55 ID:M56T4z/Q - 善子「…………ここは……」
花丸「……ぁ……ああぁ……っ……!」 曜「……嘘……っ…よしこちゃ……」 善子「……花丸、曜さん……?」 花丸・曜「っ…善子ちゃああああああああああん!!」ダキッ
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
364 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:28:37.68 ID:M56T4z/Q - 花丸「やっと……やっと……ぇぐっ……! 善子ちゃんっ…!」
曜「良かった…! 本当にっ…! 私っ……もう……!!」 善子「……二人、とも…………なんで…」 善子「……あぁ………そぅか…………私」 善子「帰って、きたのね……っ……」 善子「…うぅっ……くっ……ああああああああああああ!!!」ボロボロ …… …
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
365 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:29:15.38 ID:M56T4z/Q - ─それから、数日後
善子「…………」 ガチャ 善子母「調子はどう?」 善子「ママ……大丈夫、平気」 善子母「そう……これ学校のみんなから、フルーツゼリーですって」 善子「……うん」 善子母「食べられる?」 善子「…………うん」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
366 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:29:41.22 ID:M56T4z/Q - 善子母「はい」
善子「……」パクッ 善子「……美味しい」 善子母「そう…良かったわね」 善子「うん……」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
367 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:30:24.99 ID:M56T4z/Q - 善子「……あの、さ」
善子母「なに?」 善子「…………退院」 善子母「え?」 善子「もう少しで出来るって」 善子母「ええ、先生から聞いたわ……本当に良かった」ギュ 善子母「本当に…………」ポロポロ 善子「ママ……」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
368 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:31:01.70 ID:M56T4z/Q - 善子「……あの、それで…」
善子母「……?」グスッ 善子「退院したら、すぐに行きたいところがあるんだけど……」 善子母「……“あそこ”ね」 善子「うん……あの子に…早く元気になったって、そう伝えなくちゃ」 善子「私……葬儀には出られなかったから」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
369 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:31:38.91 ID:M56T4z/Q - 善子母「善子……分かったわ、必ず連れていくから」
善子母「でも、今はゆっくり休んで……ね?」 善子「……ありがとう、ママ」 善子「……」パクッ 善子「……おいしい」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
370 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:32:33.12 ID:M56T4z/Q - ─そして……
善子「やっと着いたわね…」 善子「…………お待たせ…ごめんなさい、遅くなって」スッ 善子「…………」 善子「……ふぅ」 善子「立派なお墓ね……それに、綺麗に磨かれてて…きっとダイヤさんかしら」 善子「…本当に幸せ者ね、ルビィは……」 善子「……」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
371 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:33:03.60 ID:M56T4z/Q - 善子「…あの事故の後、黒澤家は道路交通安全に積極的に取り組んでいるそうよ……特にダイヤさんが」
善子「もうルビィのような犠牲者を出さない為にって…鞠莉さんも協力してるみたい」 善子「他のみんなも必死にライブの練習に励んでいるわ……」 善子「今を一生懸命に、必死に……輝きを残すために」 善子「…本当に、強い人たちばかりよ……」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
372 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:33:37.12 ID:M56T4z/Q - 善子「…ああ、それと─このブレスレット」
善子「見覚えあるでしょ……貴女の部屋から見つかったものよ」 善子「前から私にプレゼントしようと、してたんだってね」 善子「……」 善子「ありがとう…こっちでも、ちゃんと大事にするから…」 善子「…あと…………最後に、なるけど」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
373 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:35:08.91 ID:M56T4z/Q - 善子「……ルビィ、私ね…決めたことがあるの」
善子「私…スクールアイドルを続けるわ……三年生が卒業しても、Aqoursが解散しても、浦の星が…廃校になっても」 善子「私は絶対にやめない、貴女が愛したスクールアイドルを、私は絶対に…最後までやり遂げてみせるから」 善子「私と、ルビィで……だから……見守っていてね」 善子「…今日はそれだけ言いに来たの」 善子「……じゃあね、また会いに行くから」クルッ
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
374 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:36:07.04 ID:M56T4z/Q - 善子「……」スタスタ
─善子ちゃん、ありがとう。 善子「─!!」 ─ルビィね……善子ちゃんのこと、大好きだよ。 善子「……」 善子「…………馬鹿ね」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
376 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:37:06.04 ID:M56T4z/Q - 善子「そんなこと…知ってるわよ……」
善子「……ちゃんと…っ……知ってるから……!……」ポロポロ 善子「私、だって……! 私だって!! 貴女のこと…!」 『大丈夫だよ……どんなに遠く離れていても…ルビィの気持ちは…心は』 『いつでも善子ちゃんの傍にあるから……ずっと』 ─ずっと……一緒に。 善子「ルビィ…うぅっ……! あああっ…!! うわああああああああああ!!!」
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
377 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:37:53.31 ID:M56T4z/Q - ───
── ─ルビィ、私は─
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
378 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:38:24.86 ID:M56T4z/Q - ─私は……ああ、駄目ね…上手く言葉が出てこない
難しいのね、こういうのって… ……ええ、ありがとう…もう大丈夫、続けるわ …ルビィ、私は正直に言うと…ずっと貴女が羨ましかった 本当よ? ルビィは自分のこと、何にもないって思ってそうだけど 最近になって分かったことがあるの、貴女は人が思ってるよりずっと、ずっと……強いんだって
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
379 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:38:58.26 ID:M56T4z/Q - どんなに辛いことがあっても、悲しいことがあってもそれを全部受け止めて、前に進んで
何より、好きなものに一生懸命で……私はね、そんなルビィを見て…救われたの 私もいつまでも落ち込んでちゃ駄目だって、頑張ろうって……そう思えたのよ
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
380 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:39:31.56 ID:M56T4z/Q - だからね、誰よりも先に
私が頑張っている姿をルビィに見て欲しいの ……あーっ……えっと…つまり… 今から頑張るってことよ フフッ……じゃあ、聞いてくれる?
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
381 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[sage]:2017/12/07(木) 11:40:57.53 ID:M56T4z/Q - ……
… ルビィ、私ね 貴女が、あなたのことが── 大好き。
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- ルビィ「善子ちゃん、起きて」善子「んぅ……?」
382 :家 ◆YmvLytuhUo (やわらか銀行)[]:2017/12/07(木) 11:42:18.04 ID:M56T4z/Q - 終わりです。長い間保守していただき本当にありがとうございました
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