- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
198 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 22:33:54.30 ID:hU1dgK9d - ➖➖
梨子「……なって」 千歌「…………」 千歌(戻ってきた) 千歌(また、この景色だ) 千歌(身体は動かない……大丈夫だ、なんとかしてやる)ググ… 千歌「いま、なんて言ったの?」 千歌(口が勝手に動く……けど違う、他のことを言おうとするからダメなんだ) 千歌(梨子ちゃんを傷つけないために) 千歌(何も、言わない) 梨子「え、だから、東京とは違って、こんな小さな海辺の町の私たちが、ここまでよくやってこれたなって……」 千歌「…………」 ググッ 千歌(喋るな、怒っちゃダメだ、抑えろ、抑えろ私) 千歌「…………」ググ… 梨子「なんてね」 クルッ 千歌「!」 千歌(……これまでと違う!)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
199 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 22:36:04.72 ID:hU1dgK9d - 梨子「もう何ヶ月も前だよね」
梨子「ここで海に飛び込んだりしちゃった私を、千歌ちゃんが拾ってくれたの」 千歌「…………」 千歌(そういえば……そんなことも) 梨子「あのときの私、本当どうかしてたから……悩んでたし」クスクス 梨子「だから、千歌ちゃんのアレ、すごく、なんというか、冷静になれたっていうか……」 梨子「元気出たんだよ」 梨子「でも、私の性格じゃ、あんな大胆なことできないし、伝えられないの」 梨子「だから、素直に言うけど」 梨子「私も、悔しいよ」
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
200 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 22:37:22.73 ID:hU1dgK9d - 梨子「だから、私はやめない」
梨子「千歌ちゃんは、どう?」 千歌(わたしは……!)ググッ 千歌「……諦める、もんか」グイッ 千歌(動いた!) 千歌「みんな助ける……全部勝ち取ってやる」 千歌「だれも不幸にしない!」 梨子「ふふ、そうだよね」 梨子「いつもの千歌ちゃんだ」 千歌「うん、ありがとう、梨子ちゃん」 千歌「家まで送るよ」 梨子「って、すぐそこじゃない」クスクス 千歌「……うん、なんとなくね」クスクス
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
201 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 22:38:35.41 ID:hU1dgK9d - ーー砂浜
千歌「あった、スマホ!」 千歌(よく考えたらわざわざ忘れる必要なかったかな……) 千歌(いや、でもとにかく) 千歌「……曜ちゃんに連絡!」 千歌:よーちゃーーん! 曜:スタンプ 千歌:今日は外でちゃダメだからね! 曜:え、なんで? 千歌:占いの結果がわるかった! 曜:うらない……? 千歌:おもてだけ、だよ! 千歌:ほんと、出ちゃだめだからね! 曜:まあ……わかったよ 曜:スタンプ 千歌:スタンプ 千歌「……よしっ、次は!」タタッ
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
202 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 22:39:34.29 ID:hU1dgK9d - ーー船着き場
千歌「よしっ、船着き場!」ザザッ 千歌(たぶん、果南ちゃんはこの船がこっちに帰ってくるときに事故にあったんだ……) 千歌(梨子ちゃんが大丈夫ないま、果南ちゃんが船に乗ることはない、と思いたいけど……) 千歌(もしかしたら、まだ何かあるかもしれない) 千歌(だったら、もう、わたしが向こうに行って、果南ちゃんを止めちゃえばいいんだ!) 千歌「そしたら、そしたら……!」 千歌(これで終わる……!)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
203 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 22:40:15.40 ID:hU1dgK9d - ーー
果南「千歌?」 千歌「来ちゃった!」 果南「……どうしたの?」 千歌「なんかお泊まりしたくなって!」 果南「もう、危ないこと……しないでよね」 千歌「危ないこと?」 果南「……なんでもない、何食べたい?」 千歌「魚!」 果南「ざっくりしすぎだよ」クスクス 千歌「果南ちゃんも、なんでこんなところに?」 果南「…………」 果南「……いろいろあってね」 千歌「?」 果南「ま、何かあってからでも……遅くはないのか、はは」 果南「じゃ、うち行こっか」 千歌「うん!」 千歌(できることはした……) 千歌(3人とも家では何もなかったはず) 千歌(梨子ちゃんも曜ちゃんも明日まで家の中、果南ちゃんもこれから家に戻る) 千歌(これで、無事明日を迎えれば……!)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
207 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:04:19.54 ID:hU1dgK9d - ーー
果南「千歌、千歌」ユサユサ 果南「ちーかー」ビヨ-ン 千歌「ぅぅ……」 果南「おきーなー」ペシペシ 千歌「!」 千歌「朝!」 果南「朝だよ」クスクス 千歌「……やった」 千歌「ぃやったぁぁぁー!」 果南「うおっ、どしたの急に」 果南「変な千歌……」 千歌「ふっふー、今日のわたしはじょーきげんなのだ!」
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
208 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:05:19.96 ID:hU1dgK9d - 千歌「えっと、LINELINE……」
★二年生★ 千歌:スタンプ 曜:スタンプ 曜:おはよ 梨子:おはよう 梨子:スタンプ 千歌:おはよう! 千歌「よかった……ふたりともへーきだ!」 千歌「学校は!」 果南「まだまだ時間あるよ、支度しよっか」 千歌「はーい!」 千歌(やっと……終わった、終わったんだ) 千歌(みんな無事で……もう、いいんだ、戻らなくて) 千歌(よかった……!)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
210 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:06:19.61 ID:hU1dgK9d - ーー
曜「おはよー」 千歌「おはよー!」ダキッ 曜「うわぁ」ヨロッ 曜「どうしたの、朝から」 千歌「んーん、なんでもなーい!」 千歌「ふんふふーん!」タッタタッタ 曜「…………」 曜(……その日の千歌ちゃんは、やけに元気で) 曜(楽しそうだったから……) 曜(放課後……あんなことになるとは、思ってなくて) 曜(……でも、私が)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
211 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:09:28.89 ID:hU1dgK9d - ーー放課後
千歌「ふんふふーん!」 梨子「今日はずっとたのしそうだね」 曜「だね、何かあったのかな」 千歌「ふっふー、ないしょー!」 千歌「こんなに清々しい日なんて、ひさし……」ピタッ 千歌「……あれ」 曜「千歌ちゃん?」 梨子「どうかしたの?」 千歌「…………」 千歌(そういえば、昨日の果南ちゃん……) 『…………』 『……いろいろあってね』 千歌(なんか、様子、おかしかったな……)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
212 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:09:52.65 ID:hU1dgK9d - 千歌「…………」ドクンッ
『もう、危ないこと……しないでよね』 千歌(危ないこと……したっけ?) 千歌(せいぜい、船に乗ってきたくらいで……でも、それは前からもしてるし) 千歌(船が危ないなんて、昨日、初めて思ったくらいで……) 『ま、何かあってからでも……遅くはないのか、はは』 千歌「」ドクンッ 千歌(いや……たまたまだよ、偶然……) 千歌(さすがに、そんな、ね……)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
213 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:10:55.21 ID:hU1dgK9d - 千歌(だって、たしか……二回めの夜でも、果南ちゃん、普通に……)
『はぁ、果南ちゃんどっかいっちゃった』 『急に走っていって……なんでだろ』 千歌(……急に、走っていって)ドクン 千歌(まるで、何か、あんな時間に、目的があるみたいに) 千歌(どこかに走っていった) 千歌(私に……) 『本気で言ってるんだったら、私、果南ちゃんこと……』 千歌(……軽蔑された後に)
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
214 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:12:13.04 ID:hU1dgK9d - 千歌(もしかして……)
千歌(もしかしてもしかしてもしかして) 千歌(果南ちゃ……私、以外の人も) 千歌(他の人も……あんな、ことを何回も繰り返……) 梨子「千歌ちゃん、後ろっ!」 千歌「え?」クルッ 千歌(……私が最後に見たのは) 千歌(梨子ちゃんを何度も轢いたあの車じゃないけど) 千歌(見たことない速さでこっちに向か)ドンッ <……………… 梨子「あぁぁぁ……!」 曜「…………」 梨子「ぁぁぁ……」フラッ 曜「……千歌、ちゃん?」
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
215 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:12:51.58 ID:hU1dgK9d - ーー病院
花丸「そ、そんな……」 ダイヤ「千歌、さん……」 果南「…………」 ルビィ「ぁ……」 善子「どうなってるのよ……」 鞠莉「……千歌」 梨子「…………」 曜「…………」 曜(打ち所は、良かった方だって) 曜(変な方向、向いてたけど、病院でしばらく待ってると、千歌ちゃんは綺麗になってた) 曜(もう、声は聞けないらしい) 曜(聞けない、らしいけど……でも) 曜(大丈夫) 曜(もうこれが何度目か、覚えてない) 曜(絶対、私が助けるから) 曜(待っててね千歌ちゃん) 曜(たとえみんなに……千歌ちゃんにさえ) 曜「……軽蔑されたとしても」
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- 千歌「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと……軽蔑する」
216 :名無しで叶える物語(笑)[]:2017/10/13(金) 23:13:15.72 ID:hU1dgK9d - おしまい。
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