- 梨子「ねぇ、曜ちゃんって彼女作らないの?」 [無断転載禁止]©2ch.net
101 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:49:11.43 ID:GgAbS2kz - -----
鞠莉「梨子…凄い顔だけど…大丈夫?」 梨子「大丈夫です。…ありがとうございました」 梨子「やっぱりフラれちゃいました」 鞠莉「そう…。よく頑張ったわよ。アナタは偉いわ」ハグッ 梨子「はい…」 鞠莉「忘れちゃダメよ。これも人生経験の一つ。そう思うのよ」 梨子「はい」 鞠莉「まぁ…色々理由つけて強がるのは後でいいわ。こういう時は気晴らしに遊びまくりましょう」 鞠莉「学年が関係しない班活動なんだからマリーと北海道を満喫しましょ♪」 梨子「ありがとうございます…!」 花丸「お待たせずら〜」 鞠莉「あら、遅かったわね。1年生は今終わったの?」 花丸「ずら。ラフティングが予想以上にかかっちゃったずら」 梨子「ラフティング楽しそうだなぁ。怪我しなかった?」 花丸「ちょっとだけ擦っちゃったずら〜…。気球は楽しかった?」 梨子「…うん。とっても楽しかった」 鞠莉「さ、疲れ切った身体に美味しい食べ物を取り込みに行きましょ」 鞠莉「空腹は最高の調味料よ♪ご飯食べたら皆んなにも会いに行きましょ」
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102 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:49:48.62 ID:GgAbS2kz - -------
果南「梨子と曜?」 千歌「うん。気球乗ってる時何かあったのかな…」 果南「そうなの?」 千歌「梨子ちゃんなんて泣いた後がくっきり…!」 果南「ほぇ〜…(梨子…)」 千歌「何かあったのかな…」 果南「知りたいの?」 千歌「知りたい!果南ちゃん知ってるの?」 果南「知りはしないよ。大体わかるけど」 千歌「え〜じゃあ教えてよ」 果南「ダ〜メ。千歌が自分から曜に聞きなよ」 千歌「だって最近曜ちゃん気まずそうだもん…」 果南「そうかな?…何したの?」 千歌「何にもしてない!」 千歌「最近梨子ちゃんばっかり気にしてて、構ってくれないんだもん」 果南(千歌も無意識にソレをやってたんじゃ…) 果南「曜のこと好きなんだね」 千歌「うん」 果南「それはどういう意味で?」 千歌「…果南ちゃんのイジワル」
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103 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:50:14.63 ID:GgAbS2kz - 果南「ごめんごめん。千歌もさ、曜のこと好きなはずなのに、上手くいかないよね」
千歌「ふぇ?」 果南「前の私と鞠莉みたいな感じ?」 千歌「……」 果南「こればかりは真正面で衝突しないと難しいからね。何が良いことで何がやっちゃいけないことなのか、わかんないから」 千歌「…心が読める能力が欲しい」 果南「そんなのあったら面白くないでしょ」 千歌「むー…」 果南「学生のうちに悩んで転んで起き上がってを繰り返しておくべきだよ。せっかくの修学旅行なんだから、ただの旅行で終わらさずにさ」 千歌「もー、果南ちゃん先生みたい」 果南「勉強全然できないよ?」 千歌「そういうことじゃないの」 千歌「…はぁ」 果南「ふふっ。珍しいね。曜のことで悩むんなんて」 千歌「梨子ちゃんのことの心配だし…曜ちゃんのこともね」 果南「いつぶり?こういうの」 千歌「…中学2年生の時に一回だけ」 果南「そっか」 千歌「果南ちゃんに相談しようにも受験だったし」 果南「ごめんって。でも今は自分で解決できるでしょ」 千歌「……」
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104 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:50:43.81 ID:GgAbS2kz - -----
善子「曜さん…私疲れたんだけど」 曜「良いじゃん、いいじゃん。せっかくの北海道だよ?」 善子「アイス!私あそこのアイスが食べたい!」 曜「おっ!いいね。寄ってこうよ」 善子「えぇ(やっと止まってくれた…)」 ----- 善子「ううっ…」キーン 曜「一気に食べたらそうなるよ」 善子「ヨハネ…一生の不覚」 曜「もう終わるね。1日目」 善子「無視っ?!まぁいいけど…そうね」 曜「どうだった?」 善子「どう…ってフツーに楽しかったけど」 曜「ラフティング?」 善子「えぇ。怪我はちょっとしちゃったけど。そっちこそどうだったのよ」 曜「うーん…。なんだかすっごい長い1日だった」 善子「つまんなかったの?」 曜「ううん。とっても楽しかったよ」 善子「はぁ…」 曜「善子ちゃんってさ、好きな人いるの?」 善子「はぁ?!どうしたのよ」 曜「ちょっと聞いてみたくて」 善子「…よ、曜さんはどうなのよ」 曜「私は……いる、のかな。わかんないけど」 善子「そうなの?…誰?」
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105 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:51:11.40 ID:GgAbS2kz - 曜「うぇぇ…?そこまで聞く?」
曜「じゃあ善子ちゃんも教えてよ」 善子「良いわよ。曜さんが教えてくれたらね」 曜「…うーん、千歌ちゃんなのかな」 善子「そう…」 曜「あんまり驚かないね。みんなそうなんだけど」 善子「まあ無い選択肢ではないから」 曜「もうちょっと良いリアクション期待してたんだけどなぁ」 曜「善子ちゃんは?誰?誰?」 善子「当てたらアイスもう一個奢ってあげるわ」 曜「う〜ん。…花丸ちゃん!」 善子「花丸…は、確かに仲は良いけど違うわよ」 曜「…?!」 曜「じゃあ鞠莉さん?」 善子「なんでよ。違うわよ」 善子「……リリーが好きなの」 曜「…ぇ?」 善子「とぼけないでよ。わかるでしょ」 曜「リリーって…梨子ちゃん?」 善子「そうよ。悪い?」 曜「……ぃゃ」 善子「何よ。いいなさいよ」 曜「……」 善子「ちょっと、どうしたの?」 曜「…」ツー
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106 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:51:36.08 ID:GgAbS2kz - 善子「ぇっ?!曜さん!?何泣いてるのよ!」
曜「…善子ちゃん」 善子「言いなさいよ。何があったか。楽になるわよ」 曜「言えない…んだ」 善子「言って。曜さん。目を見て」 曜「…善子ちゃん」 善子「お願い。一人で抱え込んじゃ駄目よ」 曜「そういうことじゃないんだって…。お願いだからそっと「言って」 善子「聞かなきゃいけない気がするのよ」 曜「……言っていいの?」 善子「えぇ」 曜「…梨子ちゃんに告白された」 善子「……」 善子「……ぇ」 善子「そ…それで…?」 曜「ごめん…って」 善子「そうなの…」 曜「梨子ちゃん良い子で気にしないでって…私を気遣ってくれて…私は最低だってそう思ってたのに…ずっと…」 善子「…好きな人には幸せになってほしいって思うものよ。絶対」 善子「だから私のことも気にしないでね。…リリーが、好きな人が選んだ道なら私は後からついていくから」 曜「……」 「曜さん、善子さーん」 曜「…ダイヤさん」
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107 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:52:01.01 ID:GgAbS2kz - ダイヤ「こんなとこにおられましたか。そろそろ時間ですわよ」
善子「ありがと」 ルビィ「善子ちゃん、お部屋一緒だね。えへへ」 善子「一緒にゲームでもしましょ」 ダイヤ「駄目です!明日も早いのですから早く寝なさい」 曜「皆んなは…?」 ダイヤ「皆さん向こうで待っていますわよ。揃ったらホテルの方へ移動と言うことで」 曜「そっか。今行くね」 ルビィ「私たち以外はもうホテルについてるのかなぁ」 善子「私たちそんなに遅いの?」 ダイヤ「遅いです!心配したのですから…。しおりを有効活用してください」 曜「あんなぶっといの持ち歩きたくないよ…」 ------- ルビィ「じゃあ先に入らせてもらうね」 花丸「うん」 バシャー 善子「疲れたわね…一日」 花丸「うん…。でも明日は一番疲れると思うよ」 善子「明日…ねぇ。花火?」 花丸「…」コクン 善子「…打ち上げ花火と一緒に玉砕してぬるわ」 花丸「え?」
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108 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:52:25.85 ID:GgAbS2kz - 善子「リリー、曜さんが好きなんだって。仕方ないわよ」
花丸「そうなの…?」 善子「えぇ。曜さんから聞いたから間違いないわ」 花丸「……」 善子「でも堕天の魂は残ってるわ。なんたってヨハネなんだから」 善子「このくらいのことで諦めるわけにはいかないものね」 花丸「善子ちゃん…無理は良くないずら」 花丸「泣きたい時には泣いて良いんだよ?」 善子「ふふっ…。明日の花火が終わったら慰めてもらおうかしら」 花丸「お安い御用ずら」 バンッ ルビィ「善子ちゃん!頑張ルビィ!」 バタン 善子「聞こえてたのね…」 花丸「ちょっと声が大きすぎたね」 善子「さ!ルビィが出る前に寝る準備しましょ!涙は明日のためにとっておくんだから!」 花丸「うん…」 花丸(そう言うところだよ…マルの好きなところは…) 花丸(マルも…ルビィちゃんに慰めてもらおうかな)
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109 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:52:52.71 ID:GgAbS2kz - )
----- 曜「…疲れた?」 梨子「うん…」 曜「何か…ごめんね。色々」 梨子「大丈夫だって言ったじゃない」 曜「……」 梨子「もう今日が終わるね」 曜「千歌ちゃんもそろそろ帰ってくると思うよ」 梨子「果南ちゃんと鞠莉さんに連れていかれたからね」 曜「ホント、あの人たちもやることがわざとらしいんだから」 梨子「でも…嬉しいな」 梨子「曜ちゃんが一緒にいてくれるって言ってくれて」 曜「ありがと」 梨子「曜ちゃん」 曜「…?」 梨子「私に…恋を教えてくれてありがとう」 曜「……」 梨子「…手、繋いでいい?」 曜「うん。いいよ」 ギュッ
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110 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:54:35.05 ID:GgAbS2kz - 梨子「やっぱりあったかい」
曜「梨子ちゃんもね」 梨子「……」 カチッカチッ 時計の針が動く。心なしかいつもより早く。 梨子「言いたいことは気球の時に言っちゃったから…何喋ればいいかわかんないや」 曜「私はたくさんあるよ。明日からもいっぱい話そ」 梨子「うん…」 --優しいなぁ。嬉しいなぁ。…好きだな。 曜「明日からも忙しくなるね」 梨子「うん」 曜「花火もあるし…帰っても学祭だし」 梨子「学祭…頑張って踊らなきゃね」 曜「うん。大会の予行だと思って頑張るよ!」 梨子「私も。曜ちゃんまた練習付き合ってね」 曜「もちろん!」
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111 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:55:02.04 ID:GgAbS2kz - ブーブー
曜「…?」 梨子「千歌ちゃんからだ。もう戻るよって」 曜「あっ…もうこんな時間…」 --終わる。もう 梨子「……」 梨子「曜ちゃん!」 曜「うん?」 梨子「ごめん。私まだ言うことあったんだ」 梨子「…聞いてくれる?」 曜「うん」 梨子「曜ちゃん…好き」 梨子「曜ちゃんの全部が好き!だーい好き!」 曜「…うん。ありがとう…」 梨子「答えは?」 曜「え?」 梨子「告白されたんだから返事…ほしいな」 梨子「曜ちゃんの気持ち…教えて」 --わかってる。わかってるんだけど。これは私のケジメ。 曜「ありがとう。梨子ちゃん。私は…」
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112 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:56:31.28 ID:GgAbS2kz - 曜「私は、梨子ちゃんとは友達でいてほしいんだ」
梨子「うん。だよね。…ありがとう」 曜「…」ポロポロ 曜「…泣かないって決めたのに。ごめんね」 梨子「曜ちゃん泣かないでよ。私まで泣いちゃうでしょ」 私に恋を教えてくれてありがとう。 私に優しさを教えてくれてありがとう。 私に温もりを与えてくれてありがとう。 梨子「大好きだよ…」 0:00…私の、私と曜ちゃんの関係がまた生まれ変わった-- 曜ちゃん、頑張れ。 いっぱい、いっぱい貰った次は、私が曜ちゃんを応援してお返しする番。 全速前進ヨーソロー…なんてね。
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113 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 00:59:32.10 ID:GgAbS2kz - 眠いので一挙放送見て寝ます。レス下さったりする方本当にありがとうございます。明日には終わらせるために頑張りますので良かったらお付き合いください。
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123 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 12:52:03.24 ID:GgAbS2kz - ----
鞠莉「帰ったわね」 果南「うん」 ダイヤ「…お二人は状況の把握が素早いですわね」 鞠莉「ダイヤが遅いだけよ」 果南「千歌も曜も…梨子も…なんか思ってたよりみんな強いんだね」 鞠莉「そりゃぁ私たちを引っ張ったくらいだもの」 鞠莉「あの娘たちがいなければ今の私たちはないわ」 ダイヤ「ふふっ…さ、明日は花火がありますわよ。一大イベントですわ」 果南「夏の風物詩だからね」 鞠莉「忙しくなりそうね…」 ----- ピピピピピ 曜「…」ガバッ 曜「…」チラッ 千歌「zzz…」 梨子「スースー…」 曜(疲れ…取れたかな) 今日は私にとって、大切な日。梨子ちゃんがあそこまで頑張ってくれたら、私も頑張るしかない。
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124 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 12:52:28.63 ID:GgAbS2kz - 曜「ほらほら起きて!もう朝だよ!」
梨子「うぅ〜ん…」 千歌「あぇ…?曜ちゃん…なんでいるの?」 曜「千歌ちゃん、ここは家じゃないよ、ホテルだよ!」 梨子「…おはよ、二人とも」 千歌「梨子ちゃん…おはよ〜」 曜「おはよう。ほら、朝食の集合もうすぐだよ。歯磨きして着替えよ」シャカシャカ 梨子「うん」 千歌「今日の花火楽しみだね」 梨子「うん!…ってあれ?」 曜「…?」シャカシャカ 梨子「曜ちゃん…ソレ、私の歯ブラシ//」 曜「えっっ!?…あ」 梨子「早く返して〜!!」 曜「ごめん!新しいの用意するから!」 千歌「……」
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125 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 12:53:03.02 ID:GgAbS2kz - -------
むつ「あっぶな〜。ギリギリじゃん。もうみんな食べてるよ」 千歌「ちょっと用意に手間取っちゃって…あはは」 曜「クラスのみんな…待たせちゃった?」 むつ「ううん。ギリギリセーフ」 梨子「よ、良かった」 むつ「ほらほら気にせず早く食べないと時間なくなっちゃうよ」 曜「はーい!」 梨子「アムッ…あつっ」 善子「おはよ。リリー、隣いい?」 梨子「よっちゃん、おはよ。うん、いいよ」 善子「夕方まで時間あるじゃない?」 梨子「え?」 善子「花火始まるまで自由だし」 善子「一緒に小樽辺りに行って海鮮でも食べないかなって」 梨子「よっちゃん…」 善子「私と…デートしない?…なんて」 梨子「ふふっ。可愛い」 善子「あっ、今バカにしたでしょ!」 梨子「してないよ〜。いいよ。一緒に行こっか」 善子「やった!沼津の魚介とどっちが美味しいか食べ比べよ」
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126 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 12:53:58.85 ID:GgAbS2kz - 梨子「うん!」
曜「……」 千歌「曜ちゃん」 曜「…千歌ちゃん?」 千歌「曜ちゃん何処か行きたいところある?」 曜「うう〜ん。今日は花火まで部屋でゆっくりしてもいいなって」 千歌「そっか…。私も一緒にいい?」 曜「千歌ちゃんいいの?観光しなくて」 千歌「昨日たくさんしたから」 千歌「それとも私と一緒じゃ嫌?」 曜「いやいやいやいや!そんなことないよ!じゃあご飯食べたらお部屋戻ろっか」 千歌「うん。そうする」 梨子「じゃあ私は観光してくるね。荷物勝手に探っちゃダメだからね」 千歌「そう言われるとしたくなる…」 梨子「ぜっったいダメ!」 花丸(怪しい本でも入ってるのかな…) 」 ルビィ「花丸ちゃん…声に出てるよ」 ルビィ「私たちはどうする?」 花丸「ダイヤさんたちがバーベキューするらしいからついていくずら」 ルビィ「そうしよっか」
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127 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 12:54:25.11 ID:GgAbS2kz - -----
曜「ふぅ〜……」ドサッ 千歌「久しぶりだね。こう言うの」 曜「そうだね」 千歌「高校生くらいになってからあんまりできなかったもんね」 曜「ごめんね。部活とかで忙しくて」 千歌「うん。仕方ないよ」 千歌「私も今は部活で忙しいし!」 曜「えへへ…そうだね」 千歌「水泳の方はどぅ?」 曜「うーん…。まあまあかな。自己ベスト目指して頑張ってるよ」 千歌「大変だったら…水泳の方中心でも良いからね。無理しないでね」 曜「無理はしてないよ。スクールアイドルも楽しいし、何より千歌ちゃんと一緒にやれるなんて、超嬉しい次第でございます!」 千歌「…私と」 千歌「…曜ちゃんは梨子ちゃんが好きなんじゃないの?」 曜「…え?」
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128 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 12:54:54.91 ID:GgAbS2kz - 千歌「昨日ね、鞠莉さんたちの部屋から帰ってきた時、見ちゃったんだ。曜ちゃんと梨子ちゃんが手繋いでるところ」
----- 鞠莉「ダイヤ、ほら、焼けてるわよ!そこ!丸焦げじゃない!」 ダイヤ「あー!!すっ、すみません!」 ルビィ「うぅ…お姉ちゃん、ルビィのいる?」 果南「ダイヤ…やらかしすぎでしょ」 花丸「美味しいずら〜!」 鞠莉「ダイヤ、ほら、私が焼いてあげたから。あーん」 ダイヤ「自分で食べれます!…あっっつ!!」 鞠莉「wwwww」ジタバタ ダイヤ「良い加減にしなさい!!」 鞠莉「なにそれ、ダジャレ? 私への説教のいい加減にしろ、と火の加減を良い加減にって…カーハッハッハ!!」 花丸「つぼりすぎずら…」 ダイヤ「|c||^.-^||ピキピキ」 ------ 千歌「私がいないところでなにしてたの?気球から降りてきた時も…変だったし」 曜「……別に何も…してないよ」 千歌「私に言えないこと?」 曜「言えない…わけじゃないけど」
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130 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:05:33.58 ID:GgAbS2kz - 千歌「…言ってよ。…曜ちゃん。中学生の時みたいになるのは嫌だよ」
曜「な…んで今それを…言うの?」 千歌「……」 曜「あの時は私はハッキリ言ったよ?!千歌ちゃんが好きだって。うやむやにしたのは千歌ちゃんじゃん!」 千歌「曜ちゃん…どうしたの?」 曜「私のこと嫌いなら嫌いって言ってくれればよかったのに」 --ダメだ。ダメだ。ダメだ。大好きな千歌ちゃんなのに無性に腹が立ってしまう。 昨日の出来事。一晩で整理できるほど…私の心は大きくない。無意識に、千歌ちゃんに八つ当たりしていた。 千歌「嫌いじゃないよ。私」 曜「じゃあなんでうやむやにしたのさ!自然消滅して…私、待ってたんだよ?」 千歌「だってそれは…!それは…」 曜「…なに?」 千歌「私は…曜ちゃんと付き合っちゃいけないんだって、思ったから」 曜「…は」 千歌「曜ちゃんの所為だよ!ずっと…私ずっと思ってたもん。いっつも曜ちゃんは隣にいてくれるけど、私はいて良いのかって」
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131 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:06:05.92 ID:GgAbS2kz - 千歌「スクールアイドルも一緒にやってくれるって言った時は嬉しかったよ!曜ちゃんとダブルセンターはれるって思った時も…嬉しかったけど、怖かったんだもん!」
千歌「また曜ちゃんに貰うばっかりなんだって…」 曜「千歌ちゃん…もう自分をそんな目でみるやめようよ」 千歌「見ないように頑張ってたよ。でも…フラッシュバックするんだもん」 曜「…千歌ちゃん」 千歌「私だって曜ちゃんと付き合いたいって思った。あの時は…。でも付き合って良いのかって、これ以上近づいて良いのかって。言い聞かせたら…」 曜「それは私もだよ」 -- 梨子『曜ちゃん…私、曜ちゃんのことたくさん見てきたんだよ。だって好きだから。一番…しっかり見てきた。気持ち悪いかもしれないけど』 --- だよね--。 曜「千歌ちゃん…私、ずっと千歌ちゃんを見てきたんだよ。好きだから。ずっと。幼稚園くらいの時から」
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132 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:06:28.29 ID:GgAbS2kz - 千歌「そうやってまた優しいところを見せるから…傷ついちゃうんだよ」
千歌「曜ちゃんには、梨子ちゃんがいるでしょ」 曜「…なっ」 千歌「梨子ちゃんと付き合っちゃえば良いんだ!私なんて放っておいて!」 曜「…!!」 バシンッ! 千歌「…ぅっ」 曜「…ハッ」 やばい。自然と手が出た。 曜「…ぁ…千歌ちゃ、ごめ」 千歌「…グスッ」 ダダダダッ 曜「千歌ちゃん!」
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135 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:51:46.67 ID:GgAbS2kz - -----
梨子「美味しいね…」 善子「えぇ。あっ」バキッ 梨子「?」 善子「箸…折れちゃった」 梨子「大丈夫?」 善子「…不吉ね。何か悪いことでも起こったのかしら」 梨子「またまた〜。変なこと言わないの」 梨子「……」 --曜ちゃん。 ----- やっちゃった…。千歌ちゃんに…。頬が赤くなってた。泣いてた。 曜「…はぁ」 理由はわかってる。許せなかったから。いくら千歌ちゃんでも。いくらお互い急な展開で動揺していたとしても。
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136 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:52:12.41 ID:GgAbS2kz - 昨日の梨子ちゃんを知ってたら、あんなこと許せない。千歌ちゃんの発言が梨子ちゃんの気持ちを…なんだか踏み躙るようで。
曜(でも…手が出るなんて) 曜「私も子供だなぁ…」 曜「花火の時…どうしよ」 来て欲しかった時間が、来て欲しくない時間になりそう。そして知ってるんだ。こう言う時って、時間が経つのが異常に早い。 いつもの倍以上の早さで夕方に、花火の時間になる。 ----- 千歌「…グスッ」 千歌(どうしてあんなこと言っちゃったんだろ) 曜ちゃんが珍しく本音を剥き出しにしてくれたからちょっと調子に乗っちゃったのかも。 千歌「皆んなに顔合わせれる気がしないや…」 あの曜ちゃんを見る限り、梨子ちゃんと何かあったんだろうな。だからあんなに怒った。
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137 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:52:37.14 ID:GgAbS2kz - 初めて見た。叩かれる瞬間に映った曜ちゃんの顔。グッと何かを堪えて本当に怒ってた。曜ちゃん自身何が起こったのか理解できていなかったけど。…つまり何が言いたいかと言うとそれくらい怒ってた。
千歌「…果南ちゃん…」 果南「呼んだ?」 千歌「…ぇ、ええ?!」 果南「何…おばけだって感じだけど」 千歌「果南ちゃん…バーベキューは?」 果南「もうだいぶ片付いたよ。花火の準備しないの?」 千歌「…行きたくない」 果南「…曜と何かあったの?」 千歌「…」コクン 果南「やっぱり」 千歌「果南ちゃんは曜ちゃんと梨子ちゃんのこと知ってるんだよね?」 果南「うん。まぁね」
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138 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 16:53:01.97 ID:GgAbS2kz - 果南「泣いてないで仲直りしなよ。花火始まる前に」
千歌「でも…」 果南「頭冷やして、一回落ち着いてごらん。色んなものが見えてくるからさ」 果南「まあ、私がこれ以上言うのも変だし、行くね。千歌も早くきなよ。花火」 千歌「…あっ、ちょっ」 千歌「早いよ……」 果南(頬が赤くなってた…。曜、やっちゃったか…) 果南(いつぶり…?こういうの。今までなかった気がしなくもないけど…)
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139 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:05:18.10 ID:GgAbS2kz - -------
梨子「ちょっと早かったかな…」 善子「いーのいーの。早い方がいいじゃない」 梨子「そんなに花火楽しみなの?」 善子「別にそういうわけじゃないわ。ただ漆黒の闇の中、光り輝く「楽しみなのね」 梨子「よっちゃん、浴衣似合うね」 善子「にっ、似合ってなんかないわよ!」 曜「あ、二人とも」 善子「曜さん」 梨子「あれ?千歌ちゃんは?」 曜「…あっちに…もうすぐ来るんじゃないかな」 善子「あっ…ほんとだ。千歌さーん!」 梨子「……」 梨子(何かあったのかな…) 千歌「あれ?皆んなは?」 善子「私たちが早かっただけよ」 千歌「へぇ…」チラッ 曜「…?」 曜・千歌「ふんっ!」 善子「…何やってるの?」 梨子(やっぱり…) 花丸「善子ちゃーん!」 善子「集まったようね」 善子(こんな雰囲気で大丈夫なの…?!) 鞠莉「……」
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140 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:05:45.62 ID:GgAbS2kz - ------
ダイヤ「では、また後ほど、最初は仕事が終わりましたら他学年のところへ遊びに行きますので、それまでは花火を楽しんでいてください」 鞠莉「ニッポンの打ち上げ花火、楽しみだわ!小さい花火もとっても可愛くて好きだけど」 「はーーい」 ------- バチバチバチ 梨子(あっ、落ちちゃった…線香花火苦手だな…) 曜「……」 千歌「……」 梨子(気不味い…) 曜「…飲み物買ってくるけど、何かいる?」 梨子「あ、じゃあ…お茶で」 曜「ヨーソロー!」タッタッタッタッ 梨子「……」 梨子「元気ないね。どうしたの?」 千歌「……」 梨子「曜ちゃんと喧嘩?」 千歌「…」コクン 梨子「…そうなんだ」 千歌「私が悪いんだ」 梨子「そうなの?」
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- 梨子「ねぇ、曜ちゃんって彼女作らないの?」 [無断転載禁止]©2ch.net
141 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:07:11.40 ID:GgAbS2kz - 千歌「うん。梨子ちゃんに嫉妬して、八つ当たりして、色々逃げちゃって」
千歌「ねぇ、梨子ちゃん、曜ちゃんと何があったの?」 梨子「……」 『次は私が応援する番』--- 千歌「昨日も見ちゃったんだ。二人が手を繋いでるところ」 梨子「…私、曜ちゃんに告白したんだ」 千歌「えっ」 梨子「前からなんだけど…曜ちゃんのこと、好きで好きで堪らなかったの。ずっと曜ちゃんのこと考えちゃうくらい」 梨子「その想いをぶつけただけだよ」 千歌「……」 梨子「フラれちゃったけどねっ」 千歌「そうなの?!」 梨子「うん」フフッ 千歌「…ごめん」 梨子「なんで謝るの。悪いことしてないでしょ」 千歌「だから…あの時…」 梨子「曜ちゃんには他に好きな人がいて、私は見事にフラれ、青春の1ページとなりました〜」 千歌「…?」 梨子「千歌ちゃんには勝てないね」 千歌「…私」
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142 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:07:35.69 ID:GgAbS2kz - 梨子「曜ちゃんも、千歌ちゃんもきっと、本当に素直になれないだけなんだよ。二人とも意地っ張りだし」
千歌「私意地っ張りなの?!」 梨子「かもね…」 梨子「千歌ちゃん、曜ちゃんがいくら幼馴染だからって言っても曜ちゃんは超人じゃないんだから、全部はわからないんだよ」 千歌「でも曜ちゃんは…」 梨子「千歌ちゃんにはなんでもできるように映ってるかもしれないけど、私は…今は違うな」 梨子「千歌ちゃん、皆んな色んな色を持ってるの。綺麗な色も、汚い色も、曖昧な色も。たとえ表面は画一的な色で塗っていても、目立つ色を塗っていても、中身の色は色んなものが混ざってるんだよ」 梨子「千歌ちゃんに持ってないものを曜ちゃんが持ってて、曜ちゃんが持ってないものも千歌ちゃんは持ってる。それは私にだってあるものだって」 千歌「梨子ちゃん…」
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143 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:08:55.30 ID:GgAbS2kz - 梨子「自分は何もない人間なんだって思ってた私に、ソレを教えてくれたのは千歌ちゃんだよ」
千歌「…私が?」 梨子「うん」 「リリー!どこー!」 梨子「じゃあ私、よっちゃんに呼ばれてるから行くね」 千歌「…ぇ、あ、ぅん」 ---- 曜「あ、いたいた、はい、頼まれてたお茶」 梨子「うん。ありがとう」 曜「なんか…会話に入るタイミング見失っちゃった」 梨子「あはは…ごめんね」 曜「ううん。聞こえてたよ。ありがとう」 梨子「ふふっ。曜ちゃんを応援するって決めたからね。下手なことしたら承知しないわよ?」 曜「うっ…頑張ります」 梨子「曜ちゃんらしく歩くだけでいいから。あんまり深く考えないようにね。終わったら一緒に花火しよ」 曜「うん--」 梨子ちゃん--何処までも--
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144 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:09:23.10 ID:GgAbS2kz - ザッ
曜「千歌ちゃん」 千歌「…曜ちゃん」 梨子ちゃん--見ててね。私、頑張るから。 曜「お、お話しない?」 千歌「うん、いいよ。私もしたかった」 ------- 善子「あれで良かったの?」 梨子「うん…って知ってたの?」 善子「一応、曜さんから大体のことは聞いたけど」 梨子「聞かれちゃったか、恥ずかしいね」 善子「リリーも報われないわね」 梨子「そんな言い方しないの」 梨子「いいのよ。私は報われなくても。曜ちゃんを幸せにすることが役目だから」 善子「フラれても…曜さんのことは好きなの?」 梨子「うん…。好きだよ。本当に好きな人って自分の気持ちに応えてもらえなくても、簡単に諦めきれるものじゃないんだ。初めてわかった」 善子「そうね…。私も初めて理解したわ」
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145 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 18:10:06.56 ID:GgAbS2kz - 梨子「え?」
善子「本当に好きな人って、その人が自分の気持ちに応えてくれなくても、簡単に割り切れないのよね」 梨子「う、うん。そうだけど…」 ドォン ドンドン 梨子「わぁ…」 善子「花火上がり始めたのね……綺麗ね」 善子「リリー」 梨子「うん?」 手汗が凄い…。こんなに緊張するものなの?結果はもうわかっているのに。 善子「好きよ」 タイミング良いのか悪いのか、私の言葉と同時に桜色の花火が上がった。 梨子「………」 梨子「………ぇ?」
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148 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 22:15:59.54 ID:GgAbS2kz - ------
千歌「…朝はごめんね」 曜「いいよ…私も」 千歌「梨子ちゃんに教えてもらったよ。…無神経なことばっかり言ってごめん」 曜「別に千歌ちゃんだからじゃないよ。誰だってわかんない」 曜「そんなものなんだよね。皆んな重きをおく所なんて違うし、体験したことも違うから、自分をメインに考えるしかない」 曜「私も我儘だから…千歌ちゃんを傷つけて」 曜「……ごめん」 千歌「ううん。いいの。…私にね、嬉しかったんだ。ちょっとだけ」 曜「ぇ…」 千歌「い、いや、Mとかそういう意味じゃなくてね。曜ちゃんが本気で、本心をぶつけてくれた気がしてね、嬉しかったの」 千歌「曜ちゃん、私に本音をぶつけることなんてほとんど無かったから。曜ちゃんのこと見失ってたんだ」 曜「…だよ」 千歌「ふぇ?」 曜「好きな人の前では格好悪い所見せられないじゃん!どう思われるかなんてわかんないだもん」
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149 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 22:16:58.13 ID:GgAbS2kz - 千歌「そんなこと私もだし!曜ちゃんの前で弱いところは見せないようにしようって、そう思ってたんだって!」
曜「…ぷっ」 千歌「ふふっ…ふふふっ」 曜「何笑ってんの」 千歌「曜ちゃんこそ」 曜「いや…なんだか私たちってくだらないなぁって」 千歌「ええー?!」 曜「一人で閉じこもって、一人で悩み混んで、結局答えは簡単なものだったって」 曜「ホント、千歌ちゃんと一緒にバカするのは楽しいや」ケラケラ 千歌「バカにしてる!これでも一応リーダーなのに」 曜「ふふっ。リーダーの千歌ちゃんも好きだよ。私の…理想の」 曜「上に立つでもなく、下に立つでもなく、いっつも私たちの横にいて、一緒に進んでくれるリーダー」 曜「千歌ちゃんの才能は…そういうところじゃないかな」 千歌「…ありがとう」 曜「あれ?否定しないの?」 千歌「せっかく曜ちゃんが言ってくれたんだから」 曜「おっ、千歌ちゃんもわかってきましたね〜」
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150 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 22:17:25.73 ID:GgAbS2kz - 千歌「むー…。梨子ちゃんにも謝らなきゃね」
曜「うん…」 梨子ちゃん--。 曜「千歌ちゃん」 千歌「…はい。」 曜「これからも一緒に私とバカして、隣にいてください」 千歌「何それ?!告白!?」 曜「変?」 千歌「変だよ!」 曜「ふふっ…」 千歌「いいの?…私が隣にいて。私が隣で」 曜「うん。千歌ちゃんにも、いて欲しいな」 千歌「…」ガバッ 曜「うわっ…と」 千歌「梨子ちゃんが言ってた曜ちゃんの温もりがわかった」 曜「何それ…」 千歌「曜ちゃん…よろしく、お願いします!!//」 曜「うん…」 花火が大きな音を立てて景色を塗り替えるなかで。千歌ちゃんの瞳に反射して見える『私』の顔は…くしゃくしゃな気がした。 やっと--本当の意味で千歌ちゃんと分かり合えた気がする。いや、私たちはもともとそうだったのかもしれないけど。 梨子ちゃん--ありがとう。ありがとう。 ごめんって言ったら怒りそうだから、ありがとうって、そう言うね。 ---ありがとう。
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151 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 22:18:00.04 ID:GgAbS2kz - -----
花丸「…善子ちゃん遅いね」 ルビィ「うん」 ルビィ「花丸ちゃん…良かったの?」 花丸「うん…。今は善子ちゃんの番」 花丸「善子ちゃんが梨子さんにフラれて弱ってるところにマルが言ってあげるずら」 ルビィ「そっか。ふふっ」 花丸「マルね。レンアイって、本でしか読んだことなくて、あんまりよくわからなかったんだ」 ルビィ「うん」 花丸「百聞は一見に如かず、だね。今は痛いくらいわかるずら」 ルビィ「善子ちゃん可愛いしかっこいいもんね。仕方ないよ」
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152 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 22:18:27.08 ID:GgAbS2kz - 花丸「ごめんね。色々協力してもらってたのに」
ルビィ「ううん。花丸ちゃんと花火見れて、ルビィは幸せ」 花丸「マルも幸せずら…」 ルビィ「ルビィは花丸ちゃんも善子ちゃんも皆んな好きだよ」 花丸「うん。ありがとう…マルも好き」 ルビィ「好きって難しいね」 花丸「うん…」 ルビィ「この娘が好き。歌が好き。スポーツが好き。猫が好き。友達が好き。貴女が好き…」 花丸「likeかloveの違い…だけじゃないよね。日本語って難しいずら」 ヒューードンッ ルビィ「そのぶん色んな表現があるからルビィは好き」 花丸「マルも…」 ルビィ「花火終わっちゃいそう」 花丸「もうすぐ善子ちゃん帰ってくるかな」 ルビィ「うん。ルビィたち、部屋で待つ?」 花丸「美味しいお菓子でも用意して待機ずらっ」 ルビィ「うん…」
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154 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 23:32:03.17 ID:GgAbS2kz - -----
善子「…生きてる?」 梨子「…パクパクパク」 善子「り、リリー?」 梨子「……」 善子「リリー!!」 梨子「はっ、はい!!」 善子「なに放心してんのよ。聞いてた?」 梨子「聞いてた…よ」 善子「そ。ま、気にせずフッてくれて構わないわ」 梨子「そんなこと言わないで」 善子「早くフりないさよ」 --悪い癖だ。悪態をついて逃げようとしてる。…正直逃げたい。いつもの捻くれた自分を演じきることでなんとか、なんとかやり過ごせる…はず。 梨子「…でも」 善子「曜さんに告白したんでしょ」 梨子「…ぇ、…うん」 善子「曜さんにフられて嫌だった?」
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155 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 23:32:36.37 ID:GgAbS2kz - 梨子「そ、そんなことない!曜ちゃんは曜ちゃんの気持ちを貫いてくれたら、私は、悲しいけど…良かったって言えるの!」
善子「…そう。じゃあそれと同じよ」 梨子「え?」 善子「今の立場…わかるでしょ。リリーが大好きで、告白した」 善子「だったらリリーがどんな答えを出しても、本当の気持ちを貫いてくれたら、私は嬉しい」 梨子「……よっちゃん」 善子「でも…ちょっとだけ泣くのは許してね」ポロポロ あぁ。曜ちゃんもこういう気持ちだったんだ。ごめんって…謝りたくなるんだ。 謝らなくて良いとかそんなじゃない。謝らなきゃ耐えられないんだ。 でも-- 梨子「ありがとう。よっちゃん」 梨子「なんか…励まされた!」 善子「…は?」 梨子「嬉しいな。よっちゃんのその気持ち。嬉しい。私なんかを好きになってくれるなんて」 善子「へぇ、じゃあオーケーしてくれても良いのよ?」
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156 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 23:33:00.90 ID:GgAbS2kz - 梨子「そっ、それは…「冗談よ」
善子「曜さんのこと諦めるの?」 梨子「うーん……うん」 善子「ほら、やっぱり…ってえぇ?!」 梨子「だって、曜ちゃん見たらわかるでしょ。私に勝ち目ないよ。千歌ちゃんだよ?」 善子「…それで良いの?貴女は」 梨子「うん。良いよ。曜ちゃんが本音を通してくれたら。私は満足」 善子「へぇ…」 綺麗な瞳。綺麗…綺麗。リリーの瞳には一切の迷いもなく、真っ直ぐこっちを見つめてて。 強いね…。 善子「私は無理ね」 善子「リリー、私、貴女を後悔させてあげる」 善子「あの時告白をオーケーしとけば良かったって、絶対言わせてあげるから!」 梨子「善子ちゃん…」 善子「私は諦めないわよ!リリーを堕とすまで!堕天させるまで!リトルデーモンにさせるまで!」 善子「堕天使ヨハネとしてもっと魅力的な女性になって、もう一度迎えにくるから!」 善子「迎えに…くるから」ツー
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157 :名無しで叶える物語(きびだんご)@無断転載は禁止[]:2017/08/13(日) 23:38:18.75 ID:GgAbS2kz - 梨子「我慢しないで」
梨子「堕天使ヨハネじゃなく、津島善子として…」 いいの?全部出すよ。嫌な部分も。弱い部分も。我儘な部分も。 私の目をしっかり見て。 全部受け止めるよって、そう聞こえた。 善子「振り向いてよ!曜さんじゃなくて!私に!リリーが好きなの!」 善子「ちょっとドジなところも…ピアノ弾いてる時輝いてるところも…臭いも、髪も、温もりも好き!」 善子「うっうううっ…」 梨子「うん…うん…ありがとう。善子ちゃん」 善子「ぜったい…絶対メロメロにさせるから…!」 私が曜さんの真似をしても、多分リリーは振り向いてくれない。曜さんには曜さんの魅力があって、私がそれを真似しても同じものは作れない。 それなら私は、私なりの、リリーの好みじゃないかもしれない。リリーのタイプじゃないかもしれない。だけど、私なりのアプローチ、私なりのパフォーマンスで。 楽しみにしておきなさいよ--!。
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