- 【安価】善子「暇ね……」 [無断転載禁止]©2ch.net
303 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 14:49:21.31 ID:HJzPewe5 - 花丸「……求められるのは正義に傲慢な心、悪に一切の慈悲なく絶対的な力でもって制する……」
ダイヤ「ルビィ、これはいったい……」 ルビィ「あのね、花丸ちゃんが急におかしくなっちゃって、変なの!」 ダイヤ「花丸さんがおかしくなったことしか伝わりませんが……。もしかして、花丸さんはのっぽパンを食べてはいませんでしたか?」 ルビィ「すごい! なんで分かるのおねいちゃん!」 善子「いや、ずら丸はよくのっぽパン食べてるでしょ……」 ダイヤ「恐らくですが、花丸さんがこうなってしまった原因はのっぽパンにありますわ……」 ルビィ「のっぽパンに!?」 善子「いやダイヤさん、おふざけはいいから……」 ダイヤ「おふざけではありませんわ! ちゃんと根拠が……」 「ここからは私が説明しよう」 善子「ダイヤさんの鞄から声が……?」 のっぽパン「やあ」 よしるび「「のっぽパンがしゃべった!?」」
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304 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 14:57:24.02 ID:HJzPewe5 - 善子「な、なにこれ……夢……?」
のっぽパン「いや、現実だ」 ルビィ「剥き出しののっぽパンから声がするよぉ……キモいよぉ……」 ダイヤ「ルビィ! のっぽパン様になんてことを言いますの!」 のっぽパン「よいのだダイヤ」 ダイヤ「しかし……」 善子「なにこれ……」 のっぽパン「紹介が遅れたな。私は伝説ののっぽパンだ」 善子「伝説って?」 ダイヤ「ええ」 のっぽパン「説明、だったな。君たちの友達、花丸くん、だったかな。彼女がこうなった理由は……のっぽパンにある」 ルビィ「口調もキモいよぉ……」 ダイヤ「ルビィ!」 善子「いやルビィの言葉づかいが汚くなるのも仕方ないわよ……キモいもの」 のっぽパン「彼女が食べたのっぽパンは恐らく、呪いののっぽパンだ」 ルビィ「平然と説明続けててキモいよぉ……」 善子「ルビィ……」
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305 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 15:11:05.25 ID:HJzPewe5 - のっぽパン「呪いののっぽパンを口にした人間はああして秩序の崩壊を企むようになってしまう」
善子「……信じるしかないみたいね」 のっぽパン「彼女がああなったのは私の責任だ。すまない」 ダイヤ「のっぽパン様が謝ることでは……」 のっぽパン「いや、呪いののっぽパンと私はもともと1つののっぽパンだったからね。責任は大いにある」 善子「なんか話が長くなりそう……!」 のっぽパン「私がこの地に君臨する前に分けた傲慢な心、それが呪いののっぽパンだ」 善子「そんなドラゴンボールみたいな……」 のっぽパン「ああ、ドラゴンボールで言うところのランチさんとクシャミをした後のランチさんのような関係だ」 善子「……ボケてるのか分からないからツッコみにくい……!」 のっぽパン「私は呪いののっぽパン全てを滅さねばならない……」 善子「……! 滅するってなに? 呪いののっぽパンは今ずら丸が食べて乗り移ってるんでしょ? まさかあんた……」 のっぽパン「そのまさかだ」 善子「なによそれ!」 ルビィ「善子ちゃんなんでこの世界について行けてるのぉ……?」
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307 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 15:21:19.44 ID:HJzPewe5 - 善子「なんとかならないの!? ずら丸を呪いから解き放つ方法とか!」
のっぽパン「半日……といったところか」 善子「半日……?」 のっぽパン「ああ、半日もすれば呪いののっぽパンは体内で消化され、その効力を失う」 善子「えっと……」 のっぽパン「誰かが呪いののっぽパンを食べて体内で消化することが、呪いののっぽパンを滅する、ということなのだ」 善子「ということは……ほっとけば治るの?」 のっぽパン「そういうことになる」 ルビィ「しょうもないよぉ……」 善子「ま、待って! でもその半日の間にずら丸がなにか事件や問題を起こしちゃうかもしれない! あんた責任とれるの!?」 のっぽパン「いや、あれを食べても変なことを口走るだけで行動には移さないからそういうこともないだろう」 善子「……呪いののっぽパンって、半日変な人になっちゃうだけのものなの?」 のっぽパン「その通りだ。理解が早いな」 ルビィ「しょうもないよぉ……」
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308 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 15:31:09.01 ID:HJzPewe5 - 善子「えぇ……じゃあなんでダイヤさんは焦ってたの?」
ダイヤ「私は誰かが呪いののっぽパンを食べる前に回収しようと……」 のっぽパン「呪いののっぽパンを回収し、食べ、半日部屋に閉じこもり、滅する。それが黒澤家の娘、のっぽパンの巫女に代々受け継がれる役目だからな」 ルビィ「ルビィそんな下らないことに巻き込まれなくてよかったぁ……」 善子「待って! その、のっぽパンの巫女じゃないと呪いののっぽパンを滅せないとかは……」 のっぽパン「ないな。誰でもできる」 善子「えぇ……」 ダイヤ「とはいえ誰かにこの状態の花丸さんを見られるのはまずいですからね。半日の間黒澤家でお預かりいたしますわ」 善子「あ、お願いします……」 ダイヤ「ほら、行きますわよ花丸さん」グイッ 花丸「……ポイ捨てするくらいならタバコなんか吸うなってみんな思ってる……」 のっぽパン「では少女達よ、また会おう」 バタンッ ルビィ「2度と会いたくないよぉ……」 善子「……えっ? 解決?」 ルビィ「みたいだね……」
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309 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 15:33:17.11 ID:HJzPewe5 - ―――
―― ― のっぽパン「先に食べられこそしたが、傲慢ののっぽパンの回収が済んで何よりだ」 ダイヤ「えぇ。花丸さんには申し訳ありませんが」 のっぽパン「残る呪いののっぽパンは6つ……。頼んだぞ、ダイヤ」 ダイヤ「かしこまりましたわ。のっぽパン様」
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310 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 15:33:56.34 ID:HJzPewe5 - 新たな世界秩序編おわり
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311 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 15:41:23.37 ID:HJzPewe5 - 善子「さて、今日は何をしましょうか!」
花丸「善子ちゃん決めてないの?」 ルビィ「じゃあ、>>313なんてどう?」
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314 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 16:39:56.25 ID:HJzPewe5 - ルビィ「漁船で漁に出ようよ!」
花丸「りょう?」 善子「とてもルビィらしからぬ発言ね……」 ルビィ「えへへ……ルビィってそんなおしとやかかなぁ……」 善子「だいぶいい意味に受け取ったわね」 ルビィ「じゃあ早速いこうよ! 船なら任せて! 地元の漁師さんはだいたいルビィの言いなりだから!」 花丸「発言からしておしとやかじゃないずら……」
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315 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 16:57:10.30 ID:HJzPewe5 - ―――
―― ― ルビィ「漁船についたよ!」 善子「まさか顔パスでするすると乗れるとは……」 花丸「すごいずら〜」 ルビィ「操縦はお願いします!」 船乗り「はい! ルビィお嬢様!」 ルビィ「なにかあったらお父さんに言いつけるので、そのつもりで♪」 船乗り「はい!」 善子「ルビィが怖い……」 花丸「で、何を獲りにいくの?」 ルビィ「えっとね……>>317だよ!」
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320 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 17:11:52.82 ID:HJzPewe5 - ルビィ「バラムツだよ!」
善子「バラムツ?」 花丸「聞いたことないずら」 ルビィ「それもそうだよ。流通が禁s……あんまり流通しない魚だからね!」 善子「レアな魚ってことね!」 花丸「楽しみずら!」 ルビィ「ということで船乗りさん、バラムツが釣れるとこまでお願いします」 船乗り「バラムツですかい? ルビィお嬢様、それはやめといた方が……」 ルビィ「なにか?」ニッコリ 船乗り「いえ、なんでもないです!」 ルビィ「……次はないです」ボソッ 船乗り「ひえっ!」 善子「ルビィストレスたまってるのかしら……」
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323 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 17:26:29.59 ID:HJzPewe5 - 善子「バラムツ? だっけ。どうやって獲るの?」
ルビィ「基本は釣りだね。けっこう大きな仕掛けを使うよ」 花丸「大きい魚なの?」 ルビィ「モノによっては人より大きいよ!」 善子「クック……腕が鳴るわね!」 船乗り「お嬢様がた、到着しましたよ」 ルビィ「今ルビィたちおしゃべりしてたの分かりませんでしたか?」ギロッ 船乗り「ひぃっ!」 花丸「ルビィちゃんまあまあ……」 善子「もういいじゃない! 釣りましょう?」 ルビィ「そうだね……。はいこれ、釣り竿」 善子「おお、けっこう大きいわね」 ルビィ「エサはこれだよ!」 花丸「サバの切り身!? 豪快だね〜」 善子「それだけ大物ってことね! いざ!」ヒュンッ 花丸「ずら?」ヒュンッ ルビィ「痛いの痛いの飛んでけ〜」ヒュンッ
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326 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 17:50:46.56 ID:HJzPewe5 - 善子「…………」ボー
花丸「…………」ボー ルビィ「…………」ボー 善子「………釣れないなあ」 花丸「なんか聞いたことあるフレーズずら」 善子「釣りってやったことないから分かんないのよね〜」グルグル ルビィ「釣りは忍耐だからね〜〜」 花丸「のんびりのんびり〜……ずらっ!?」グイッ ルビィ「かかったの花丸ちゃん?」 花丸「分かんないずら! なんかぐいーって!」グイー 善子「回して! ずら丸回して!」 ルビィ「大丈夫! 落ち着いてじっくり!」 花丸「ずら〜〜〜〜〜!」グルグル 〜10分後〜 花丸「はあ、はあ、まだ、上がらない、ずら……」グルグル ルビィ「深いところの魚だし、パワーも強いからね……」ハァ、ハァ 善子「釣りって体力もいるのね。ずら丸の竿を3人がかりでやってるのに全然……」ハァ、ハァ ルビィ「………船乗りさ〜ん?」 船乗り「はい! なんでしょう?」 ルビィ「…………これ」 船乗り「はい?」
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327 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 17:58:46.39 ID:HJzPewe5 - 〜20分後〜
善子「釣り、大変だったわね」 ルビィ「体力勝負だからね……」 花丸「おらはあんまり得意じゃないかも……」 ルビィ「釣れました〜?」 船乗り「はい! もうすぐ! だと思います!」グルグル! ルビィ「頑張ってくださいね〜」 船乗り「うおおおおおおおお!!!!」 〜10分後〜 船乗り「見えた! ルビィお嬢様! タモを!」 ルビィ「え、なんでルビィが?」 船乗り「えっ……」 善子「わ、私たちがやりますから! いくわよずら丸!」 花丸「ずらっ!」 船乗り「ありがとうございます!」 よしまる「「ふぎぎぎぎぎぎぎ……たぁー!」」バシャーン! 船乗り「つ、釣れた……」 ルビィ「善子ちゃん花丸ちゃんすごーい! あ、貴方もご苦労様です」 船乗り「ありがとうございます! ルビィお嬢様!」 花丸「おおきいずら〜」 善子「これがバラムツ?」 船乗り「はい! えぇ〜っと、30キロオーバーの大物ですよ!」 花丸「すごいずら〜」 ルビィ「じゃあ、港へ引き返してください」 船乗り「はい、その前にちょっと休憩を……」 ルビィ「えっ?」 船乗り「すぐ行きます!」
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328 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 18:07:37.46 ID:HJzPewe5 - 〜黒澤家厨房〜
ルビィ「じゃあ早速バラムツを解体するよ!」 よしまる「「おー!」」 ルビィ「で、解体済みのバラムツがこちらでーす」 善子「え?もう解体はされてるの!?」 花丸「未来ずら〜」 ルビィ「こんなおっきい魚ルビィたち未経験者には解体できないよ」 善子「それもそうね……」 花丸「いったい誰が解体したの?」 ルビィ「さっきの船乗りさんが笑顔でやってくれたよ」 花丸「船乗りさんすごいね」 ルビィ「あとでお父さんに言って臨時ボーナスいっぱい出してあげよーっと」 善子「網本の娘としてのルビィちょっと怖い……」
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329 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 18:14:11.49 ID:HJzPewe5 - ルビィ「解体は船乗りさんがやってくれたけど、食べやすい大きさに切るのはルビィたちの仕事だからね!」
花丸「うん! おら頑張るよ!」 善子「堕天使の力みせてあげるわ!」 ルビィ「まず包丁を出して……」シャキーン よしまる「「待って待って待って!」」 ルビィ「?」 善子「ルビィ今服の下から包丁出さなかった?」 ルビィ「うん。ルビィ、サラシに包丁仕込んでるから」 花丸「なにやってるの!?」 ルビィ「これもホスピタリティの一環だからね」 善子「今回のルビィのキャラが掴めない……」 ルビィ「じゃあいくね? まず包丁は逆手に持って……」
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330 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 18:24:28.25 ID:HJzPewe5 - ―――
―― ― よしまるびぃ「「「できたーーーー!」」」 花丸「お刺身!」 善子「湯通し!」 ルビィ「どんぶり!」 花丸「いっぱいだね〜」 善子「さばいてる時も思ったけど、真っ白ねこの魚。テレビで見た大トロとかより断然」 ルビィ「バラムツといえばなんといってもアブラだからね!」 花丸「楽しみずら〜」 ルビィ「じゃあ手を合わせて……」 よしまるびぃ「「「いただきます」」」 善子「じゃあお刺身から……」パクッ 花丸「おらも……」パクッ よしまる「「おいしい!」」 ルビィ「そう? じゃあルビィも食べるね」パクッ
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332 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 18:33:35.51 ID:HJzPewe5 - 善子「すっごく脂がのってる! 口の中で溶けるんだけど歯ごたえはしっかりしてて……」パクパク
花丸「でも後味はさっぱり! いくらでも食べられるずら〜」パクパク ルビィ「ふふふ……いっぱい食べてる……」 ――― ―― ― よしまるびぃ「「「ごちそうさまでした」」」 善子「あー美味しかった!」 花丸「脂っぽかったけど美味しいからいっぱい食べれたね」 ルビィ「2人ともたくさん食べてたね〜」 花丸「ルビィちゃんはよかったの? ほとんどおらと善子ちゃんで食べちゃったけど……」 ルビィ「いいのいいの!」 善子「ルビィは小食だものね」 花丸「あ、もうこんな時間! おらそろそろ帰らないと……」 善子「私もバスが……」 ルビィ「待って2人とも! お土産があるから!」 よしまる「「おみやげ?」」 ルビィ「はいこれ! 家に帰ったら開けてね!」 善子「なにこれ、玉手箱?」 花丸「中身は……?」 ルビィ「大丈夫! きっと必要なものが入ってるから!」 善子「ふーん、じゃあありがたく貰っていくわ」 花丸「うん。ありがとうルビィちゃん!」 ルビィ「うん! じゃあ2人とも、また明日ね!」フリフリ よしまる「「おじゃましましたー」」 ―――2人が玉手箱に入ったオムツの必要性に気づくのは翌朝になってのことだった
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333 :名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止[sage]:2017/05/10(水) 18:34:29.75 ID:HJzPewe5 - バラムツ編おしまい
今日はこのへんで
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