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みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net

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みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net
21 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 00:08:12.82 ID:6BeEKuw+
チャポン……


空蜘「はぁぁ……きもちー……」


温かい湯に浸かり、身体は寛げているが。

だからこそ、頭の中に蔓延る重いものがやけに活発的にになってくる。

……そう、例の忍び人生至上最大の屈辱。


空蜘「……チッ」


舌打ちも歯軋りも意識的なものであったが。

頬を伝う一筋の涙だけは、知らず知らずのものだった。


空蜘「……強くなってやる……もっともっと、強くなって……絶対に、ぶっ殺してやる……っ」



そして風呂から上がり、濡れた髪のまま向かった先は。

台所。

空蜘が入ると、そこには一人分の食事が用意されてあった。


牌流「急だったからそんなものしか間に合わなかったけど」


空蜘「あ、ありがと…」


牌流「はい、あとこれ」


台の上に、酒が置かれる。


空蜘「……いいの?」

牌流「あれ? いらなかった?」

空蜘「……いる。気が利くじゃん」

牌流「何があったかよくわかんないけど、お疲れなんでしょ?」


空蜘「…ありがと……いただきます」
みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net
22 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 00:30:12.74 ID:6BeEKuw+
空蜘「もぐもぐ……うん、やっぱり牌ちゃんの料理はいつ食べても美味しいねぇ」

牌流「ふふ、ありがと」

空蜘「ごくごくっ、お酒はもっと美味しい」

牌流「それはさすがに私が作ったものじゃないけどー」


牌流「普段も今くらい素直だったら可愛いのに。空蜘は弱ってるくらいがちょうどいいのかな?」

空蜘「別に弱ってないし。ふざけたこと言ってるとぶっ殺すよ? あーでも、今日は私の為に働いてくれたから見逃してあげる」

牌流「はいはい、それはどうも」


空蜘「……ねぇ、私ってさ」

牌流「うん?」

空蜘「……弱い?」

牌流「強い。少なくとも私よりは全然」

空蜘「だよねぇー! 向こうでヱ密にさー、弱いとか言われてぇ、そんなわけないのにねー!」

空蜘「術戻ったら真っ先に痛い目に遇わせてあげよーっと♪ ヱ密といい蛇龍乃といい、偉そうにしちゃってさぁ」

空蜘「牌ちゃんは私に忠実だから好きー。私がここの頭領になったら傍に置いてあげるよ」


酒が入ってきて、上機嫌になる空蜘。

と、そこに。


蛇龍乃「…いやぁ、偉そうにして悪かったねぇ」


空蜘「おや?」


蛇龍乃「報告をすっぽかして、酒とは良い御身分だなぁ。空蜘」

空蜘「何でここにいるの……」


空蜘が目を細め、睨んだ先。

蛇龍乃の後ろにはヱ密と鈴もいた。
みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net
23 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 00:55:54.59 ID:6BeEKuw+
空蜘「ていうか私、任務には携わってないし。何しようが私の勝手でしょー?」

蛇龍乃「それでも不測の事態に陥ったのなら、私は知っておく必要があるの」


空蜘「……」


黙ったままヱ密に目をやる空蜘。


ヱ密「……」


蛇龍乃「ヱ密には訊いてないよ? あまり喋りたくなさそうだったし。まぁ私が聞き出そうとすれば話してくれるとは思うが」

蛇龍乃「出来ることならお前の口から聞きたいと思ってね……その怪我はどうしたの?」


空蜘「…………」


蛇龍乃「言ってくれたら術返してあげる、かも」

空蜘「ホント!? ぁ……いや、でも……」

蛇龍乃「ごめん。嘘」

空蜘「だと思った…」

蛇龍乃「でも、ちょっとは考えといてあげるからさ。話してくれない? 空蜘だってヱ密に話されるよりも自分で話した方が少しはマシじゃないかな」

空蜘「……」


空蜘「はいはい、言えばいいんでしょー」

空蜘「でもここじゃ嫌だ」

蛇龍乃「なら私の部屋に来てくれる?」

空蜘「お酒持ってっていい?」

蛇龍乃「溢さないって約束するなら」


蛇龍乃「じゃあもうヱ密と鈴は休んでていいから。飯食うなり風呂入るなり寝るなり好きにして」

ヱ密「え、蛇龍乃さんを空蜘と二人きりにするわけには…」

蛇龍乃「大丈夫だよ」

空蜘「ふふっ、ホントに信用してくれてないんだー? ヱ密、ひどーい」
みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net
24 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 00:58:26.55 ID:6BeEKuw+
ここまで。また明日です
みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net
33 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 22:13:12.45 ID:6BeEKuw+
鈴が風呂から上がり、台所へ戻る頃には昼間ずっと眠っていた皆も集まっており。

賑わいをみせていた。



牌流「あ、鈴ちゃん戻ってきた」

紅寸「もー、鈴ちゃん遅いよー」

空丸「鈴、早く座って」


鈴「ん? あたしを待っててくれたの?」


鹿「そりゃもちろん」

立飛「今日は宴。その主役は鈴だもん」

鈴「シカちゃんとりっぴーが優しいとか、悪い予感しかしないんだけど……って、主役…? あたしが?」

ヱ密「らしいよ?」

鈴「…なんのこっちゃ?」


鹿「任務。初めてだったんしょ? 人を殺したの」


鈴「あ……うん」


……なんとなく。

嫌な感触が両手に甦ってきたようだった。

命を奪った、あの感触が。


立飛「鈴のことだからビビって泣いて帰ってくるんじゃないかって思ってたけど」

紅寸「やるじゃん」

牌流「おめでとう。鈴ちゃん」

空丸「意外と平然としてるね。こんなもんかって感じ?」


鈴「…そんなことないよ。命は命だもん……今でもその重さは、この手にのし掛かってきてる」


鈴「……ていうかそのことで宴とか、おめでとう、とか……趣味悪いよ」


ヱ密「そういうんじゃないよ、鈴ちゃん」

空丸「そうそう」


立飛「忍びとしての第一歩。やっと、スタート地点に立てたね。今日はそのお祝い」
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34 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 22:28:33.96 ID:6BeEKuw+
鈴「…………そっか」


三ヶ月前、ここの仲間として迎え入れてもらえて。

今回は私が忍びになってから、初めての任務。

……私、結果を残せたんだ。


鈴「みんな、ありがと」

鹿「とりあえず、今日は素直に喜んどけばいいから」

立飛「考えなきゃいけないことは、ちゃんと考えなきゃいけないけど。あんま難しく考え過ぎると、押し潰されちゃうよ?」

紅寸「うんうん。ただでさえ、鈴ちゃんはアホなんだから」

鈴「くっすんにアホ言われた……」


空丸「あれ? そういえば空蜘さんは?」

立飛「寝てんじゃないの?」

牌流「さっき蛇龍乃さんに連れていかれてたよ」

ヱ密「お説教中」

鹿「何したの、空蜘…」

立飛「どうせ町で騒ぎ起こしちゃったとかでしょ」

ヱ密「まぁそんなとこかなぁ」

鹿「ん……? てことはじゃりゅのんと一緒にいんの? ヤバくない? それ…」

ヱ密「ね? 私もそう思ったんだけど。蛇龍乃さんが大丈夫っていうから」

鹿「……今頃、死んでないよね」

ヱ密「さぁ…」
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35 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 22:57:24.56 ID:6BeEKuw+
その頃、蛇龍乃は。



蛇龍乃「──ふぅん、なるほどねぇ…」



……なんと、生きていた。



空蜘「何か知ってる?」

蛇龍乃「んー……知ってる、って言ったら?」

空蜘「殺しにいくから、何がなんでも私の術は返してもらう」

蛇龍乃「…もし、術があれば負けなかったの?」

空蜘「……当たり前じゃん、そんなの」


蛇龍乃「本当に?」


空蜘「……っ」


蛇龍乃「実際その現場を見ていないから、その相手がどれほどの手練れだっかは知らないけど」

蛇龍乃「私は力も弱いし、まったく俊 敏でもない。体力だってそこら辺の村人と変わらない。ここでお前と殴り合いでもすれば瞬殺されるだろう」

空蜘「…それが純粋な殴り合いなら、ね」

蛇龍乃「ははは。でもね、この眼は今まで色々なものを見てきた。人や物や景色を……だから、なんとなくわかるんだよ」

蛇龍乃「……例えば、人間がもつ感情の起伏だったり。しかもお前は感情的になりやすいし。自分のこととなると特に、ね」


蛇龍乃「何が言いたいかわかる?」


空蜘「……はぁ、あんただけは敵に回したくないなぁ」

蛇龍乃「で、勝てるの? 敗けるの?」

空蜘「さぁねー? そんなのやってみなきゃわかんないじゃん」

蛇龍乃「……ホントめんどくさい奴だな」
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37 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 23:15:21.50 ID:6BeEKuw+
蛇龍乃「どっちにしろ返さないけどねー、ばーかばーか」

空蜘「……」

蛇龍乃「だって知らないもん、私」

空蜘「…だろうね。最初から期待してなかったし」

蛇龍乃「ん、まぁ……でも、少し気になるなぁ……」


蛇龍乃「その空蜘が言ってた妙な格好も、妙な術も。顔も見てないんだっけ?」

空蜘「暗かったし、隠れてたし」

蛇龍乃「ふむ……たしかに、その術はヱ密とは相性が悪そうだ」

空蜘「でしょ? だからもしそいつが現れたり任務に絡んできたら、私にやらせて?」

蛇龍乃「死ぬつもり?」

空蜘「いいよ、死んでも。殺せるなら、いくらでも死ぬ」

空蜘「まぁそうならないために、もっと強くなるから。死なない為に、強くなる」

蛇龍乃「いくら強くても死ぬ時は死ぬよ」

空蜘「それが宿命なら仕方ないね」


蛇龍乃「ふふ、考えといてあげる」


蛇龍乃「でもそれを含め、私の命令は絶対だ。だから……この里の為に、私の為に……死んでもらうことになるかもね」


空蜘「うん、わかってる」
みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」其の弐 [無断転載禁止]©2ch.net
38 :@無断転載は禁止[]:2016/05/14(土) 23:44:27.44 ID:6BeEKuw+
一方、台所では。


皆の呆れた表情が、鈴へと向けられていた。


「「「……………………」」」


鈴「あ、あれ……? あたし、なんか変なこと言った……?」



立飛「ごめん……鈴、さっき何て言った?」

鈴「へ? あたしも強くなりたい、って」

立飛「うん……それはいいよ。てかそうなってもらわないと困る」

紅寸「問題はその後。漠然とした強さだけを目指すのはオススメできないから」

牌流「で、私が、強くなりたいってどのくらい? って訊いたら」

空丸「鈴はなんて答えたんだっけ…?」


鈴「…ん、えみつんくらい」


ヱ密「……」

立飛「鈴は馬鹿なの?」

鹿「ていうか生意気……身の程を知れっ」

紅寸「鈴ちゃん、ヱ密の強さわかってるよね…?」

空丸「憧れるのはわかるけどさぁ、目標とするには高すぎるからっ!」


鈴「知ってるよ。えみつんがここで一番強いんでしょ?」


牌流「わかってるなら…」

鹿「だったらそういうことは、もう少し強くなってから言いなよ」

鈴「むぅ……なんかあたし馬鹿にされてる?」

空丸「気付くの遅っ!」

紅寸「やっぱアホだなぁ」


鈴「……でもさぁ」


鈴「えみつんはここにいる誰よりも強くて、誰からも頼られてて、誰も追い付けない、越えられないって」


鈴「じゃあ誰がえみつんを守ってあげるの?」


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