- 女の俺が女と4年間付き合った時の話
11 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:03:48.21 ID:MCVMr7b+0 - 遅くなってごめん、1です。
まさかレスつくと思ってなくてちんたら帰宅して飯食ってた。 中2はまじでksだった俺だが 中3に進級して間もなく、ぶっ倒れて、心臓病だと判明。 俺は思った。ばちが当たったんだと。 逃げてばっかで ksみたいな生活して 大事な人も蔑ろにして。 だからせめてAには幸せになってほしくて、別れをきりだした。 「いままでひどいことばかりしてきたし、俺とはもういない方がいい」って。 俺はもうとっくに愛想尽かされてると思ってたw それだけのことしてきたし、だからじゃあバイバイで終わると思ってた。 なのにAは泣きわめいて嫌がった。 俺びっくり。 いままで何をしても泣かなかったAがわんわん泣いてるのな。 そんで俺はやっと気が付いた。こいつを守らなきゃって。こんなに俺を必要としてくれてるんだなって。 初めて誰かから離れたくないと思った。 「俺は病気だ。そのうえ馬鹿だし、でもやっぱりAが好きだ。もう一度Aを好きになっていいかな」って、泣いてたからすごいしどろもどろだったと思うけど、自分の気持ちを打ち明けた。 Aは 俺じゃなきゃだめ って言ってくれて もう号泣。ふたりで抱き合ってしばらく泣いた。 その日が二人の再出発だった。付き合い始めのときが曖昧だったこともあって、その日を記念日にした。
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12 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:09:11.55 ID:MCVMr7b+0 - 病気は釣りじゃないが、いますぐどうこうっていうものでもなく、余命宣告もされなかったけど、すごい怖かった。
けど、その日からお互いもやもやが解消されたようで、ささやかな幸せが始まった。いままでの後悔や償いを全部愛情に替えた。 それに応えるようにAも愛してくれた。 大したことしてなかったけど、一緒に居られたらそれでよかった。 性別のこととかもう考えてなかった。そこにはただの恋人が並んでただけ。俺はそう思いたい。 でももう中3。そう、受験である。 Aの家庭は金持ちで、超絶厳しい。俺みたいな馬鹿とは遊んじゃいけないって注意されたこともあったようだ。 でもAは箱入り娘で、愛情をいっぱい受けながら育ったためか、やっぱり家族を愛している。 俺のように屈折せず、Aは今時にはめずらしい純粋無垢な子だった。自分が頑張れば家族は喜んでくれるから、と言ってAは県内でも3本の指に入る進学校を目指して猛勉強していて。 まあ俺といえばぼけーっとしてた。家はじり貧だったから進学するつもりもなかった。
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13 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:17:11.85 ID:MCVMr7b+0 - 帰りのルートは 学校→俺んち→Aんち だったから、
放課後に必ずAは俺んちに寄って帰ってたんだけど 俺んちついて、部屋入った途端Aはすごい寂しがるようになった。毎日ってくらい泣いた。 たぶん卒業から先が怖かったんだと思う。 俺もどうなるかなんてわからないし、怖いってこともあったけど、どんなことがあってもAなら俺についてきてくれるって思ってたから、俺はAを励まし続けた。 まあなんやかんやでAは無事希望校に合格。俺は県立の定時制高校に進学した。 ほんとは働くつもりだったけど、生物学上女であり病弱でひょろひょろな中卒野郎に働く場所なんてねーよゴルァっていう担任の抵抗もあったりして、たまたま家の近くにその学校ができたのでそっちに。 すげえタイミングで設立されたなと今でも思う。
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14 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:20:10.31 ID:MCVMr7b+0 - 俺は高校入ってすぐバイト始めた。
コンビニだったから身体に負担はそんなになかった。 てかあれは覚えゲーの慣れゲー。 BとCも一緒だったから楽しかった。あ、BCも同じ定時制に進学しますた。 4人中3人が定時制…w ちなみにBCに俺とAのことは公認。俺が女っぽくないのは付き合う前からのことだったし、わりとあっさり了解してくれた。いまでも数少ない理解者。 BCいたし、高校生活自体は全然苦じゃなかった。 生徒はあほばっか集まってる。寝てても90点取れた。
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16 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:24:31.63 ID:MCVMr7b+0 - 俺はバイト代貯めてコム買った。
黒とピンク。黒がもちろん俺。ピンクはAに渡した。Aはすごい喜んでくれた。 じり貧だった俺は稼げるようになり、できることが僅かながら増えてった。 まあ大した金を手にしたことすらないクソガキが金を使う場所なんて知ってる筈もなくほとんど貯金していて、のちに親に全部取られるわけだが。 一方Aは新しい環境で友達もできたようだ。 社交的で明るく、俺のようなコミュ障とは正反対だから心配してなかったけど。 いつの間にか料理クラブとかにも入ってた。 料理好きな感じではなかったのにいきなりなんで?って訊いたら 「一緒に住むようになったとき、料理ができない彼女なんてだめでしょ?」だとさ。可愛いかったなー。
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17 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:28:32.27 ID:MCVMr7b+0 - >>15 過疎スレですまん
俺は電車で30分かけて週に2度ほどAの学校がある最寄駅まで行ってた。厳しいAの親の目も、そこには届かない。 見慣れない景色も嬉しかった。Aの制服姿も可愛かった。Aはださいから嫌っつってたけどw すべてが新鮮だった。 駅前の百貨店によく行った。入ってすぐの踊り場で551のアイスキャンデーが売ってあって、よく食べたなあ。決まって俺はチョコ、Aはバニラだった。 たまに贅沢するときは、レストランのオムライスを半分こしてた。 夕方には屋上から一緒に夕焼けを眺めた。 屋上ではいろんなこと話したなあ…。 将来とかの漠然とした未来絵図とか。将来なんてもう全く見えなくなったけど、あの頃は希望に満ちてた。 かと思えば次会える日とか。あんなのを見た・あれがきれいだった・いつか一緒に見に行こう、とか…。日常で感じたすべてを共有したくて、暗くなるまで話した。
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18 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:33:20.62 ID:MCVMr7b+0 - でもAは進学校に通ういわばエリート。塾に通い、ピアノの稽古と英会話をこなしていかなきゃならない。
俺はバイトでの勤勉さを評価されてシフトが増えた。 そのころ祖父が癌告知されたり祖母が初めて手術経験することもあったけど、そんな出来事で委縮したのか徐々に親が大人しくなっていったときでもあった。親がいないときは家に居てもある程度平気になってきた。 ひとの人生は満員電車だと思う。たくさんの乗客のなかで、ひとつの電車、ひとつの車両に居合わせた俺とAは恋をした。一度は重なったその線路の分岐点がじわじわと迫っていた。いや、もう分かれ始めてたのかもしれない。 それでも俺は大丈夫だと信じていた。これから先、Aのいない未来なんて想像できなかった。 次第に会えない日々が増えた。寝る前必ずかかってきた電話も減った。嬉しそうに光ってた携帯が静かになっていった。
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19 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:35:33.42 ID:MCVMr7b+0 - Aはオムライスを俺の知らない友達と半分こするようになってた。
それだけじゃない。カラオケのときも、夕焼けを眺めるのも、隣は俺じゃなく、新しい友達になってた。 ほんとはわかってた。Aは俺と違う。だれとでも仲良くなれる。 遠い俺より近い友達に目が行くのも理解できる。段々と隙間ができていった。 なのに、どうしようもなかった。 せっかくバイトが休みの日、駅前に行ってもAは来ない。 「塾で」「学校で」「テスト前で」「部活終わるの遅れて」「急に集会で」 いろんな理由がメールに並んでた。 少しずつ、でも確実に、どうしようもない時間の流れにさらされて、俺達は変わっていってた。 それでも俺はほっそい希望のひもにしがみついてた。 で、高3の、夏がまたもうすぐ来るなあって頃には、俺達はもうすっかり疎遠になってた。会うのは月に数回。 そんなとき俺がなにげなく送った「次いつ会える?」のメールに返ってきた言葉は「もう会いたくない」のひとことだった。 めのまえが まっしろになった ! いやほんとに。なんの冗談かと思った。 おれはすぐに電話をかけた。 つながらない。 何度もかけた。 でもだめだった。 しかたなくメールした。 「どういうこと?」 返ってこなかった。
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20 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:41:18.05 ID:MCVMr7b+0 - それから半年くらいは覚えてない。
たぶんバイトと学校を繰り返してたと思うけど そこらじゅうにAとの思い出があって、気づいたらAが目の前にぼんやり浮かんでしまう。 心を殺さない限りおさまらなかった。 なんとか行動して、Aんち凸とかしたりすれば状況は変わってたかもしれない。 でも、拒絶されたダメージがすさまじかった。 「会えない」と「会いたくない」は全然違う。 いままで二人で重ねてきた景色や記憶や体温や時間や感情、すべて否定された気がした。 俺が先走っただけ。人の気持ちは変わってくもの。想った分想われるわけじゃない。そういうもの。 俺はもとからAの幸せを願ってた。付き合う前からずっと。いつだって。 その役目が俺じゃなかった。だからこれでよかった、って言い聞かせた。 半年経ってからコム解約した。女々しいけど半年間は待ってた。 そのあと、BCに別れたことを話した。俺の様子がおかしいことに気づいてたみたいだけど、俺が話すまで待ってくれてたみたい。
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21 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:45:59.26 ID:MCVMr7b+0 - それからまた半年、屍のようだった。
Aを忘れようとして色んな人と付き合った。女になろうともした。でもぜんぶ自分じゃなかった。 ありのままの俺を受け止めてくれて、愛してくれたのはAだけだったし、ほかの誰でもなくAしかダメな事実がより色濃くなってつらくなるだけだった。 しかしある日、そんな俺にAを吹っ切れるきっかけがやってきた。 急にメールがきた。Aだ。「カラオケ行こう」と。 突拍子な内容だったし今更なんだよとも思ったけど、正直会いたかったし承諾した。 でも俺の目の前に現れたAは、もう俺の記憶の中のAじゃなかった。
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22 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/11/30(水) 22:49:29.11 ID:MCVMr7b+0 - 人って1年ぽっちであんなに変わるもんなのな。
髪はゆるく巻いてて、てっぺんにちょこんと黒いカチューシャが乗っかってた。 いわゆるゆるふわ〜な女の子がひとり突っ立ってただけだった。 あれほど特別だった女の子が、世間にごまんといる女の子となんら変わり映えのしない子になってた。 ガンダムにハマってるらしくて、わけわからん単語ばっかり発するし、カラオケに行っても誰かとのメールに忙しそうで。 なんかもう気を遣って仕方なかった。 実は別人?とまで思えたらよかったのに、会話やしぐさの中にやっぱりちゃんと面影があって、それがさらにつらかった。 けれどこれで吹っ切れた。 俺の好きだったAはいない。 あんなに俺を必要としていたAはもういない。 泣き虫で世間知らずで甘ったれだったAが、ひとりで立って自分の道を歩いていってる。もうそれでいいやと思えた。 もうすぐ帰るって時に「次の恋では幸せにしてもらえよ」って言ったら「恋は1とじゃないとしない。他の人とは絶対しない」って泣き出しやがって、俺もちょっと泣いたけど。いやあれは反則。 そんな感じで、今日までずるずる来てる。 いきなりぜんぶ忘れられるなんてことはないだろうけど 風化してくと思う。 こんな感じです。 ちょっと知り合いと恋について語るときがあって、Aを思い出して書きました。 すごい色々端折ったし淡々と書いたけど、ほんと青臭かった。 読んでくれた人いるかわからんけど、書いてすっきりしたので寝る。
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